固めの枕は選ぶのが難しいです。
「固め」であることから頭・首へのフィット性が悪いと、肩こりや後頭部への圧迫感の原因になります。
また、素材により使用感が異なるため、それぞれ注意するべきポイントが変わってきます。
そこで本日は「固めの枕の素材と高さを吟味して選ぶ方法」についてご紹介します。
Contents
1. 固めの快眠枕を選ぶための3つのポイント
- 頭と首にフィット出来るモルダブル(成形可能)かどうか
- 枕の高さは適切か(10~15°の寝姿勢になるか)
- 素材が好みかどうか
上から順番に大事なポイントになっています。
それぞれどういうことか解説していきます。
1-1. 固めの枕なら素材がモルダブル(成形可能)かどうかが大事
まず頭にいれてほしいのが「固めの枕」は頭と首にフィットするかどうかが最重要課題ということです。
つまり、頭と首のカタチに枕が合わせられるか、言葉を変えると、頭と首のカタチに合わせて枕の素材を動かせられる(成形可能)かが大切なのです。
もしそうでないと、後頭部にかなりつよい圧迫を与えることになりますし、首にフィットしないため首を痛めたり肩を凝らせたりしてしまいます。
さらに、モルダブルな素材であるということは、「枕の高さ」を調整できるということも意味します。
例えば、枕がやや高すぎるのであれば、頭の下の素材をふちにズラすことで低くすることができます。
同じように、枕がやや低すぎるのであれば、頭の下に素材を多めに配置することで高くすることができるのです。微調整が自分自身でできるのは大きなメリットです。
1-2. 固めの枕は高さに注意!適切な高さは「10~15°の寝姿勢」
枕の高さを微調整できるといっても、最適な高さを知らなければ調整のしようがありませんよね。
理想的な枕の高さとは、理想的な寝姿勢がとれることを意味います。
それでは、理想的な寝姿勢とは何かというと、「肩口から頭が10~15度の傾斜」であり「顔が5度前後の傾斜」の状態です。
この寝姿勢だと、頚椎(ケイツイ:首の7つの骨)のS字カーブの生理的湾曲を自然に保っていられます。
それにより肩と首への負担を少なくでき、さらに、気道の通りがスムーズになるためいびきの軽減を期待できます。
固くて高い枕は本当に首に悪いので注意しましょう。
私は職業柄、「この枕は高すぎるだろ」と思うものでもとりあえず試して寝てみることがあります。そして翌日、首の痛みと共に目を覚まします。首の骨にピキーンっと刺されるような痛みで、首を左右に振るのも困難なほどです。ただ、そんな枕が実際に売られているのが現状です。くれぐれも固さと高さについては、ご紹介のポイントを押さえて選ぶようにしましょう。
1-3. 固めの枕の使用感を素材別にチェック
それでは次に、「固めの枕」を素材別に解説していきます。
枕は素材ベースで下記の16種類に分けられますが、やや固めから固めに分類されるのは、高反発ファイバー、ポリエチレンパイプ、そば殻、羽根(フェザー80%以上)、マイクロビーズの5つです(何が何の素材がわからない人は下の画像を参考にしてください)。
それぞれの良し悪しを説明していきます。あなたに合うものはどれか参考にしてください。
高反発ファイバー
高反発ファイバー素材の枕はあまりおすすめできません。
というのも、素材が固めでなおかつ面で支える寝心地の上に、成形可能でないからです。試し寝をしっかりした上で、後頭部にも首にもぴったりフィットして高さも完璧なのであればいいですが、そうでない限り、後頭部に圧迫を感じやすいです。
ただ、通気性が非常に高い上に、手洗いでジャブジャブ洗えるのは他の枕素材にない魅力です。涼しげな寝心地を求めている方、アレルギーなどをお持ちで衛生面に気を使っている方は、試してみる価値はあるかと思います。
ポリエチレンパイプ
「ストローを細かく切ったようなやつ」と認識されているパイプ素材です。
固めを通り越して硬い寝心地ですが、独立した1つ1つの素材を動かして頭と首のカタチに合わせて成形できるため、フィット性は問題ありません。それでもかなりしっかりした固めの寝心地になります。また高反発ファイバー素材と同じく、通気性が高く、ジャブジャブ手洗いできるので、涼しさや衛生面に重きを置いている方におすすめです。
そば殻
じゃらじゃらとした特有の寝心地のそば殻素材。
パイプ素材と似たような固さとフィット性ですが、そば殻素材はさらに細かいのが特徴です。近年は海外でも流行っているのか、sobakawa pillowの名称で販売されているのを欧米の寝具ショップで目にします。
天然素材であるためこまめに乾かすなどのお手入れができないと虫が湧いてしまうので気をつけましょう。また、使用に応じてそば殻が割れて粉になっていきます。吸い込んでしまう恐れがあるので、そばアレルギーをお持ちの方や喘息に悩んでいる方は避けることをおすすめします。
羽根(フェザー80%以上)
フェザーが80%以上の羽枕枕もあまりおすすめできません。
というのも、フェザーはそこまで細かな素材でもないためフィット性にやや欠けるからです。しかもその上、動きが悪く成形しづらいです。そのため、「なんか収まりが悪い」という感覚になります。また、洗うこともできず全体的に評価が低めでおすすめできません。
マイクロビーズ
マイクロビーズ素材は、それ単体で枕にされることはあまりなく、ポリエステルわたなどの他の素材と組み合わせて枕にされるケースが多いので評価が難しいところです。
その上でマイクロビーズだけで作られる枕を評価すると、フィット性がよく素材を自在に動かせることができるので悪くない寝心地です。ただ、素材の特性上、蒸れやすいので暑がりの方にはおすすめできません。また、洗うことも出来ないので、衛生面を重視される方にもおすすめできません。
2. おすすめの固めの枕
私自身、固めの枕は好みでないのですが、その上でおすすめのものは何かと言われればパイプ枕をあげます。
価格:2,770円
【購入ページ@amazon】
素材を簡単に動かせられるのでフィット性が高いこと、中材を出し入れすることで高さを楽に調節できること、通気性がよく涼やかに寝られること、糸ぼこりなどが出ないため衛生的に眠れること、などの点はかなり評価ができます。固めの枕が好みなら是非パイプ枕をお試しください。
最後に
あなたが固めの枕を選ぶ上での参考になっていれば幸いです。
また、「固めな枕以外にどんなものがあるんだろう」と気になる方は以下のページをご覧ください。13種類の素材からおすすめのブランドを紹介しています。
関連記事
なお、枕に関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。
■あわせて読んでおきたい「枕」の記事一覧
・【熟睡できる安眠枕のおすすめ10選】選び方の目安は3つ
・素材と形状にこだわって選ぶ!抱き枕のおすすめ6選
・枕を正しくオーダーメイド!【失敗談から学ぶ7つの注意点】
・肩と首を楽にする!イラストで分かる枕の正しい使い方
・【枕サイズ一覧】標準からロング枕、あなたに合うサイズは?
・枕なしで快適に睡眠できる人が持つ3つの条件とは
・【横向き枕で快眠する方法】姿勢の安定性に秘訣が!
・うつ伏せ寝を極楽に!おすすめの枕の使い方
・しっかり熟睡できる!寝返りがしやすい枕の特徴とは
・写真で分かる!首のためのタオル枕の作り方と使い方
・睡眠時無呼吸症候群なら枕を変える前にするべき3つのこと
・首スッキリ!ストレートネックを改善させる枕テクニック3選
・肩と首をスッキリ快調に!枕の肩こり改善4ステップ
・頚椎(首)ヘルニアならするべき3つの枕対策
・枕から後頭部へ圧迫感がある3つの原因と対処法
・首こり枕とお別れ!爽快な目覚めを手に入れる7つの解消方法
・いびきを枕から改善!寝姿勢への工夫で静かに安眠
・もう寝違え無用!熟睡枕を選ぶ3つのポイント
・手軽に清潔な洗える枕!洗濯機・乾燥機対応のおすすめ品
・浮いた腰をサポートする「腰枕」の腰痛への効果は?
・※要注意!足枕の正しい高さと、足の置き方(姿勢)
・大人気の大きい枕で快適ベッド生活!おすすめの使い方
・低い枕の弊害?!低めの枕を選ぶ時の注意事項
・【快眠の方程式】理想的な枕の高さ=理想的な寝姿勢
・枕が高いと最悪!悪影響とすぐに枕にするべき処置
・肩甲骨のコリと痛みの原因は枕?ケース別の対策を!
・避ければ快眠!低反発枕が肩こりを起こす、たった1つの理由
・整形外科医による枕外来って?概要、相場、注意点など
・硬い枕は頭痛の元?!購入時のチェックポイント
・首と肩にやさしい!柔らかい快眠枕を選ぶ方法
・安眠枕とマッチング!枕の素材13種類を徹底比較
・熟睡できる高反発枕を選ぶための7項目とおすすめの枕
・ラテックス枕の評判は?熟睡のためのおすすめの選び方
・パイプ枕で快眠するコツ&上手に洗濯する方法
・爽やかに快眠!そばがら枕のおすすめの選び方とお手入れ方法
・羽毛枕を選ぶ5つの目安、黄金比、上手な洗い方
・※要確認!羽根枕をおすすめできない2つの理由
・他素材との比較でわかる!マイクロビーズ枕の寝心地と選び方
・13種類の素材と比較|ひのき枕の寝心地と注意点
・ひんやり&あたたか!小豆枕の効果と寝心地は?
・塩まくらは効果なし?!気になる使用感は?
・寝起きの肩こりがひどい…考えられる原因と対策は?
・枕のクリーニング料金の相場、洗い方・素材などの注意点とは
・※水洗い禁止※ラテックス枕の洗濯&お手入れ方法
・低反発枕は洗濯厳禁!汚れをキレイにする方法とは
・もう買い換え時?枕の寿命の目安とは