おはようございます。
睡眠健康指導士の加賀照虎です。
私はこれまで20社以上もの、マットレス工場と交流をし、そして実際に、マットレスの開発と販売にも携わってきました。そのような中で、多くの方から質問を受けるのが、メーカーやスペックによる、マットレスの違いがわからない、自分に合うものがわからない、というものです。
お気持ちすごくわかります。マットレス選びは本当に、一筋縄ではいきません。
というのも、各メーカーごとに、理想とする寝心地が異なりますし、その上、各メーカーが持っているラインナップの中でも、こだわりの感じられる力作もあれば、数合わせのために作ったのではないだろうかと思ってしまうような、あまりおすすめできないものもあるからです。
そこで本日は、日本で販売されている人気のベッドマットレスメーカーの強みと特徴、そして各メーカーの中でも、絶対に試してほしい、10万円以上の高性能・高品質なおすすめのマットレス、というテーマでお話をしていこうと思います。
仕様や素材の特徴など、マットレス選びをしていく上で、絶対に知っておくべきポイントも、あわせてお伝えしていきますので、高価なマットレスの何がどういいのか理解できるようになりますし、自分に合うかどうかもわかるようになります。
ぜひお時間をとって最後までご覧になっていただければと思います。
(動画での解説も追加しました!)
https://www.youtube.com/watch?v=QWlj77UnoGM
1. 日本ベッド
では、早速始めて参りましょう。
トップバッターとなる一社目のメーカーは、日本ベッド。1926年創業の老舗のマットレスメーカーさんですね。
創業以来、ベッド・マットレス、一筋でやっていらっしゃいまして、その品質が高く評価されて、皇室や迎賓館などへ納品されていることでも有名かと思います。
1-1. 日本ベッドならシルキーポケットマットレスがおすすめ
そんな日本ベッドさんでおすすめのマットレスといえば、シルキーポケット、187,000円。
日本ベッドさんで1番人気のものになりますし、業界内でも日本ベッドさんと言えばシルキーポケットと、一目置かれる存在のマットレスですよね。
競合他社の人間が、実はこっそり、会社には黙って、このマットレスで寝ていたり、なんてことも聞いたことがあります。別に悪いことじゃないんですけどね。
1-2. シルキーポケットマットレスの詳細
このマットレスには、日本ベッドさんの1番の強みとも言える、超高密度構造ポケットコイル、これが使われているんですよ。
そもそもポケットコイルというのは、アメリカ生まれなんですね。なので、それをそのまま日本に持ち込んでも、日本人には合わない。とはいえ、これは良いものではあるから、よし、日本人向けに改良しよう、という果てに出来上がった構造とされています。
きめ細やかなフィット感がありつつも、しっかり体を支えるサポート性、これらを両立してるところが評価されています。
この凄さを理解してもらうために、ぜひマットレスの仕様についても押さえてもらいたいんですが、
コイルマットレスには、ボンネルコイルとポケットコイルという、2つのタイプがあります。歴史的には、ボンネルコイルが先に作られ、その後、ポケットコイルが改良版として誕生しました。
ボンネルコイルは連結したコイルが荷重を全体で支える構造ですので、寝心地としては硬め、耐久性は高め、しかし、コイルが連結しているため横揺れしやすく、隣で寝ている人の寝返りの振動などを感じやすかったり、ギシギシ軋んだ音を出しやすいなどのデメリットがあります。
一方、ポケットコイルは独立した一つ一つのコイルが、荷重を各部位で支える構造ですので、より柔軟な寝心地で、横揺れなどはほとんどありませんが、通気性が若干低く、重量が重くなるなどのデメリットがあります。
それぞれ一長一短ではあるんですが、近年、コイルマットレスと言えば、ほとんどポケットコイルマットレスという印象ですね。
で、このポケットコイルマットレス、通常シングルサイズでコイルの数が500個前後入っているわけなんですが、日本ベッドさんの超高密度構造のマットレスでは、なんと、その2倍強にもなる、1200個ものコイルが使われているんですね。
コイルの上に直接寝られるくらい、存在を感じさせないことを目指しているそうで、コイル自体も線径がめちゃくちゃ細いんですよ。なので、このようにして、細かなコイルが体を支えるわけですので、体の動きに対してきめ細かく対応できて、寝心地が非常になめらかとなっているんですね。
ただ、このようなことを言うと、「柔らかすぎるんじゃないか」と心配になるかと思うんですが、そんなことは全くなくてですね、
これもちょっと込み入った、仕様の話になるんですが、ポケットコイルの並べ方でも寝心地って変わってきまして、平行配列と交互配列、というものがあるんですね。
平行配列は、コイルが一列一列、平行に並べられていて、スキマが生まれるため柔らかな寝心地になりやすいんですが、その一方、交互配列は、コイルの一列一列がズレていて、隙間なく並べられるので、硬めな寝心地になりやすいんですね。
なので、日本ベッドさんは極細のコイル、とはいっても、柔らかいのとは、全然違うんですよ。キメ細かいとは言っても、私の印象としては、、どちらかと言うと、やや硬めな寝心地かなと思います。
ということで、話を戻しまして、日本ベッドさんのシルキーポケット、すごくおすすめです。
もちろん、超高密度構造で、コイルが1200個入っていて、ウール綿も詰められているので、仕様としてはかなりハイグレードになっています。
しかもありがたいことに、このシルキーポケットには、ハード、レギュラー、ソフトと、3種類の硬さのバリエーションが用意されているんですね。ポケットコイルの太さがそれぞれ違っていて、硬さを変えているんですよ。
個人的には、普通の硬さのものでも、ちょっと硬めかなって感じたんですけれども、個々人で寝心地の感じ方って、全然違うんですよね。人によっては、もしかすると、柔らかめに感じることもなくはないですし、
そもそも、各会社のいう、普通の硬さっていうのも基準がなくて、全然バラバラですので、そういった意味においても、まずはショールームに足を運んでもらって、寝心地を試していただければと思います。
特にシルキーポケットは、硬さのバリエーションが3種類ありますので、自分にどれが合うのかじっくり吟味してもらえると良いかと思います。
2. フランスベッド
では続いて、二社目のメーカー、フランスベッド。
フランスベッドさんも日本の老舗メーカーですね。YouTubeに残ってるフランスベッドさんの昔のテレビ広告を見たら、うわ、こんなイケイケ路線な時代もあったんだ、ってすごく驚いたことがあるんですけど、今は全然変わっていて、
医療や介護分野にも非常に力を入れていて、国内生産で、耐久性の厳しい基準なども設けられていて、すごく堅実で真面目なメーカーという印象ですね。
2-1. フランスベッドならライフトリートメント-5000マットレスがおすすめ
そんなフランスベッドさんでおすすめのマットレスが、ライフトリートメント-5000、150,700円。
フランスベッドさんの1番の強みでもある、高密度連続スプリング。日本ではフランスベッドさんのみが製造できるこの技術、このスプリングが使われたマットレスになります。
2-2. ライフトリートメント-5000マットレスの詳細
この高密度連続スプリングがすごいんですよ。
一言で言うなら、ポケットコイルとボンネルコイルのいいところどりをした、高機能スプリングなんですね。
見た目はボンネルコイルと似ているんですが、全然違っていまして、1本の鋼線を編み上げて作られているので、高い反発力がありつつも、加重がスプリング全体に分散されて、体圧分散性が高くなっているんですね。
もちろん1本の鋼線ですので、横揺れがしにくく、ギシギシ軋むことも少なくなっています。しかも、ポケットコイルのように不織布に包まれていないので、マットレス内部の通気性も、非常に高くなっています。
文字通りの、いいとこ取りですよね。
攻守ともに優れた逸材、コイルスプリング界の大谷翔平、それが高密度連続スプリングです。
そんな高密度連続スプリングが使われた、ライフトリートメント-5000、試してみたくならないでしょうか。
しかも、このマットレス、コイル以外の機能性にも優れていまして、まず除菌、抗菌防臭、防ダニ、衛生加工3兄弟がしっかり施されています。綺麗好きな日本人には嬉しいポイントですよね。
さらにその上、日本ベッドさんのシルキーポケットと同じように、羊毛わたが入っています。羊毛の力で、寝床の温湿度が整えられるので、蒸れにくく爽やかな、睡眠環境が期待できます。
しかも、このマットレスも嬉しいことに、ミディアムソフトと、ハードの、2種類の硬さが用意されていますので、自分に合ったものを選びやすくなっています。
ちなみに、このマットレスには、外周が硬めになっているLT5500というものもありまして、ベッドを二台くっつけて寝ることがあったり、ベッドの端に座ることがあるという場合は、5500の方が寝心地としても使い勝手としても合いやすいんじゃないかと思います。
3. アンネルベッド
では続いて、三社目がアンネルベッドさん。1934年創業の広島県にある老舗マットレスメーカーさんになります。
業界外の人で、アンネルベッドさん知っていたら、結構、通ですよね。知名度で言うと、先にご紹介した2社には、ちょっと失礼なんですが、だいぶ劣るんですね。
ただ、品質では全然劣っていない、というか、むしろマイナーであるからこその品質勝負、そしてリーズナブルな価格設定、このあたりが知ってる方からはすごく指示されている感はありますね。
3-1. アンネルベッドならLeiz-tech CF-500DXマットレスがおすすめ
そんなアンネルベッドさんでおすすめのマットレスが、Leiz-techシリーズのCF-500DX、94,600円。
これは本当に高品質かつ高コスパのマットレスです。
今回、10万円以上のおすすめのマットレス、っていうテーマではマットレスの選定をしていたんですけど、アンネルベッドさん、値付けが優しすぎて、さらっと下をくぐってしまいました。
3-2. Leiz-tech CF-500DXマットレスの詳細
このマットレスの何が凄いかって、ポケットコイルにピアノ線が使われているところなんですよ。
このピアノ線っていうのは、もう単純に、コイルの線材がいろいろある中で、一番いいものと認識してくださって結構です。
そもそもポケットコイルの仕様には、先ほどお伝えした配列や、コイルの数など、いろいろあるんですが、この線材の種類、線種っていうのは、耐久性や反発力などの寝心地に関わるところなので、これらの中でも重要度の高いものになるんですね。
ちなみに、この線種というのは、数年前までは品質表示ラベルに記載をしなくてはいけない情報ではあったんですが、近年変更がありまして、記載義務がなくなったんですね。
消費者としては購入するものの品質を見定める術がなくなってしまったので、これはもう改悪でしかないなと私は思っていまして、
ただメーカーによっては、いまだにこの情報を記載し続けているところもあるので、仕様の詳細まで吟味してものを選びたいっていう方は、この点を抑えて、マットレス選びをしてください。
ポイントとしては、コイルの線材の種類には、ピアノ線か硬鋼線のどちらかが使われていること。そして、ピアノ線が使われることはほとんどないんですけれども、もし使われていたら、それはもう最高品質だということ。
で、もし硬鋼線のほうだったら、その後に続く数字などの情報をよく吟味して、その耐久性や寝心地が、自分が払う金額に対して妥当かどうか考えるようにする、こういった見方をしていただければいいかと思います。
ということで長くなりましたが、アンネルベッドさんのマットレスに話を戻すと、
ピアノ線が使用されていて、さらに詰め物として、高密度ウレタンや、高反発ウレタンが詰められていて、コイルはもちろん、詰め物にもこだわられているんですね。
しかも、こちらも硬さのバリエーションが2種類ありまして、Leiz-techシリーズの500 DXはポケットコイルが平行配列になっていて、普通くらいの硬さ、で、お値段が94,600円、そして、600 DXという硬めのものもありまして、こちらは交互配列になっていて、寝心地がやや固め、そしてお値段が102,300円となっています。ギリギリ今回のテーマの10万円以上という縛りにも乗ってきますね。
コイルの形状が特別だとか、豪華さはないんですけれども、素材力で勝負しているマットレスっていう印象がすごくあります。質実剛健なものが好きな方と相性がいいんじゃないかなと思います。
ちなみにアンネルベッドさんのいう普通の硬さっていうのは、やや固めと言われることがありますので、その点念頭に置かれた上で、お店やショールームで試していただけると良いかと思います。
ただ、アンネルベッドは、西日本の家具屋さんなどでは、結構販売されているんですが、それ以外の地域だと取扱店を探すのに、ちょっと苦労するかもしれなくて、最悪、厳島神社にお参りするついでに、広島のショールームまで小旅行するっていうのも、ありだと思います!
4. 東京スプリング
では続いて4社目が、東京スプリングさんになります。
東京スプリングさんは1934年創業の埼玉にある老舗のマットレスメーカーになります。こちらもちょっと失礼ながら、アンネルベッドさんと立ち位置が似てるかなと思っておりまして、知名度はやはり、日本ベッドさんとかフランスベッドさんに比べると劣るんですが、その分、性能にめちゃくちゃこだわりのある会社さんだなという印象です。
4-1. 東京スプリングならアワーグラスポケットマットレスがおすすめ
そんな東京スプリングさんでおすすめのマットレスが、アワーグラスポケット。184,800円。
東京スプリングさんと言えば、やっぱりアワーグラスマットレスですよね。
アワーグラスっていうのは、アメリカの会社が特許を持ってる、特殊形状のポケットコイルなんですけれども、日本での製造・販売ライセンスを持ってるのが東京スプリングさんになっておりまして、
たしか2010年ごろから?、アワーグラスを取り扱い始めたのかなと思うんですけど、その辺から東京スプリングさんは、業界ではどんどん脚光を浴びるようになったと、いうふうに記憶しています。もし違ってたら、どなたかコメント欄で訂正してください。
4-2. アワーグラスポケットマットレスの詳細
このアワーグラスポケットコイルというのが何かというと、
アワーグラスというのは砂時計という意味で、名前のとおり砂時計型のポケットコイルなんですね。
この形状のおかげで、独特の反発の仕方をするのが味噌でして、寝たときに、当たりがふわっとしているけど、沈み込みすぎない。仰向けでも横向きでも、自然な沈み込みと適度なサポートが得られるっていう優れものなんですね。
ポケットコイルの仕様には、先ほどもお伝えしたように、いろいろあるわけなんですけれども、コイルの形状というのも、寝心地への影響度はかなり高いものになるんですよ。
ただまぁもちろん、コイルの形状だけじゃなくて、配列や線材の太さによっても変わってくるので、最終的には、その総合値が自分に合うものを選ぶのが1番大切になるわけなんですけれども、
ただやっぱり特殊形状のものは、その分寝心地が独特ですので、いろんな寝心地を比較検討した上でマットレスを選びたいという方は、絶対に、試されておいた方が良いとは思います。
自動車選びと同じなんじゃないかなって思っていて、自動車もメーカーごとに、例えば、エンジンが違うわけですよね。直列なのか、V型なのか。乗り心地が全然違うわけですよね。やっぱり最近で言えば、EV。EVは加速がすごいですよね。こういう違いを知らずに車を選ぶのって、ちょっともったいなさすぎますよね。
マットレスも同じですよ。ぜひマットレスも、どんな違いがあるのか、知った上で、色々と寝比べて、自分の好みのものを見つけてもらえればと思います。
そんな東京スプリングさんでおすすめのマットレスと言えば、もちろんアワーグラスになりますよね。いくつかモデルがあるんですが、一番安いワンのもので184,800円から、となっています。
1、2、3と三種類の展開になっていまして、1が並行配列で柔らかめ、2が交互配列で普通の硬さ、3は交互配列で上質な硬さ、とされてはいるんですが、
私が試しに寝てみた限りでも、他の購入者の意見でも、結構柔らかめと言われていますので、寝心地の最初の印象が、柔らかいものが好きっていう方に合うんじゃないかなって思います。
でも本当に沈みこみすぎることがないので、「柔らかい寝心地が好きだけど、柔らかいのって沈みこみすぎるんじゃないか」みたいな心配してて、なかなか柔らかい寝心地のマットレスを選ぶのに躊躇している、そんな方におすすめしたいのがアワーグラスシリーズですね。
3種類ありますので、これもぜひお店やショールームに足を運ばれて、自分に合うのがどれなのかって考えてもらえると良いかと思います。
もちろん、詰め物にもこだわられていて、羊毛わたなども使われているので、値段だけ見ると高く感じられるかもしれないんですけれども、全然それに見合うスペックにはなっています。
4-3. 高価格マットレスの注意点
ただ1点、注意点を挙げるとすると、3は両面仕様になっていて、両面仕様のものって、マットレスをひっくり返して使うことで、特定の場所に圧がかかり続けることを避けられて、へたりにくくなって、マットレスを長く使えるっていうメリットはあるんですけど、
このマットレス、シングルサイズで30kg以上あると思うんですよ、これならまだいいんですけど、もしクリーンサイズとかになると50kg前後になって、特大かつヘビー級、ひっくり返すのってめちゃくちゃ大変になるんですね。なので、両面仕様のマットレスを買おうと思ってるなら、こういった手入れまでちゃんとできるかどうか考えてから、選ばれたほうがいいかと思います。
さらに言うと、今回紹介しているような高価格帯のコイルマットレスというのは、重たいことに加えて、圧縮されずに、大きなまま自宅に届きます。そのため、搬入するのが大変になりますし、今後、引っ越す機会があるとすると、その際の搬出入や運搬も大変になります。
なので、広い住居に住んでいて、なおかつ、今後引っ越す見込みがないのであれば、このような高価なコイルマットレスを購入しても、特に不便さを感じることはないかと思いますが、
もしそうではないのであれば、比較的軽量で扱いやすい、ノンコイルマットレスの方が向くのではないかと思います。ノンコイルマットレスに関しては、また今後、おすすめのものなどを紹介していこうと思っておりますので、ぜひチャンネル登録をして、楽しみにお待ちいただければと思います。
5. 東京ベッド
では次に、五社目のメーカー、東京ベッド。
実は、東京ベッドさんは、1926年に設立された日本で一番歴史のある、老舗ベッドメーカーで、しかも日本で一番最初に、ポケットコイルを採用したメーカーでもあるんですよ。
ただ、業界の中では有名なんですけれども、一般的な世間での知名度でいうと、またちょっと失礼ながらも、そこまで高くはないかなと思っていまして、だからこそというか、やっぱり品質、性能、値付けのバランスが優しいな、っていう印象がありますね。
5-1. 東京ベッドならRev7 ハイエストマットレスがおすすめ
そんな東京ベッドさんで、おすすめのマットレスはと言うと、Rev7 ハイエスト、 115500円。
このマットレスは、ザ・ポケットコイル、とでも言えるような、王道な寝心地となっていまして、それこそ東京ベッドさんが理想としている寝心地なんですけど、そのいろいろある中での、エントリーモデルがこれになるんですね。
5-2. Rev7 ハイエストマットレスの詳細
東京ベッドさんの特徴として、樽型で、長さのあるポケットコイルがよく使われていて、風合いとしてはやや柔らかめで、それでいて、体をぐっと持ち上げる反発力のある寝心地なものが多いので、いかにもポケットコイル、っていうような寝心地が好きな人には、非常に合いやすいメーカーさんなんじゃないかなと私は思います。
もちろん、品質にもこだわられていまして、例えば、コイルの線材には、焼き入れっていう工程があるんですけれども、この熱処理を2回行っていて、その分手間がかかるんですけれども、高い耐久性を持たせているんですね。
ということで、Rev7 ハイエストに話を戻します。
長さ7インチで、樽型、8巻、そして並行配列という仕様のマットレスで、これはもうザ・ポケットコイルマットレスという仕様で、それに加えて、ソフトウレタンと羊毛わたが詰められていますので、すごく柔軟な寝心地になっています。
しかも、抗菌防臭と防虫加工付き。これはやっぱ嬉しいですよね。さらにそれでいて、硬さが3種類から選べるんですよ。
5-3. マットレスの硬さ選びは慎重に
さっきからこの点について、さらっと言ってますけど、硬さのバリエーションがあって、自分に合うものを選べるって、これすごいサービスですよ。
よくある話で、「高級マットレスを買ったけど、全然寝心地が悪くて、その前に使っていた2〜3万円くらいの安いマットレスの方がよく眠れた」というようなことを聞いたことあるかと思うんですけど、
これってほぼ大抵、硬さ選びに失敗されているケースなんですね。安いマットレスって比較的硬めのものが多いんですけど、反対に、高価なマットレスって、特に海外ブランドだと、柔らかめのものが多くなるんですね。
なので、購入前に自分の体型や寝姿勢、今の寝心地からどれくらい変わるかなどを考えていないと、そのギャップで眠れなくなることがあるんですね。
なので、寝心地はしっかり試してから、自分に合うものを選ぶようにしていただければと思います。
マットレスの硬さが3種類から選べるなんて、至れり尽くせりのサービスですよ。こういったサービスを無駄にしないためにも、ショールームに足を運んで、じっくりと試して、自分にぴったりなものを選んでいただければと思います。
6. シーリー
六社目のメーカー、シーリー。
こちらは1881年創業のアメリカの老舗マットレスメーカーですね。
アメリカには、シーリー、サータ、シモンズという、3つの老舗マットレスメーカーがありまして、頭文字が全部Sですので、これらをまとめて3Sと呼んだりします。
以前はシーリージャパンという日本のライセンシー会社があったんですが、アメリカのシーリーがアメリカのテンピュールに買収されるなどのことがありまして、今、日本では、スリープセレクトという会社名で、シーリーブランドのマットレスなどが製造・販売されているという状況です。
6-1. シーリーならレスポンス エッセンシャルズ™ PTマットレスがおすすめ
そんなシーリーさんでおすすめのマットレスが、シーリー レスポンス エッセンシャルズ™ PT、137,500円。
これはシーリーさんの伝家の宝刀、ポスチャーテックコイルが使用されていて、腰が気になる方にすごくおすすめです。
6-2. レスポンス エッセンシャルズ™ PTマットレスの詳細
このポスチャーテックコイルっていうのは、まさにシーリーさんのルーツというか、成り立ちを体現したものでして、
シーリーさんって、背骨のサポートに特化したマットレスを作ろうということで、医師と共同開発をして生まれたというストーリーがありまして、まぁ今でこそ、こういった、医師との共同開発商品ってよく聞くと思うんですけど、これを1800年代にやっていたのがシーリーさんなんですよ。
こういった背景がありますので、開発思想というのもサポート性重視な印象ですね。
一番有名なのがポスチャーテックコイルで、加重に応じて、適度に反発力が変化するよう、工夫がこらされていて、体の各部位それぞれの重さに合わせて、適切にサポートできるようになっています。東京スプリングさんのアワーグラスと目指しているところは同じかなと思います。
ただ、ポスチャーテックコイルのほうは、フランスベッドさんの高密度連続スプリングのような、ポケットコイルとボンネルコイルのいいとこ取りのような感じの構造になっていて、もっとしっかり体を支えるんですね。
なので、ポケットコイルのふわふわが好きじゃないっていう方は、シーリーさんとの相性はいいんじゃないかなぁって思います。寝返りしやすいのに、硬すぎない。絶妙な風合いだって、熱く支持されてますよね。
もちろん、ポスチャーテックコイル以外にも、例えばタイタニウムコイルだとか、レストサポートコイルだとか、耐久性や反発力がさらに上の、ハイグレードなものもありますし、
しかもコイルだけじゃなくて、シーリーさんって詰め物のほうにも定評があるんですよね。
特に近年は、シリコン系ジェルラテックスっていうものが好評で、弾力性が高くて寝心地が良いことに加えて、温度調整機能も持っているので、寝床が蒸れにくくて快適とされていて、こちらもぜひチェックしてもらいたいなと思っております。
6-3. コイルマットレスとはいえ詰め物はすごく大事
で、ここでちょっと、せっかくジェルラテックスの話をしたので、詰め物についても、ちょっと詳しく解説させてください。
まぁ今回のようなコイルマットレスの話になると、やっぱり皆さん気になるのが、コイルの性能だったり品質だと思うんですよ。ただ絶対に忘れてはいけないのが、そのコイルの上には100%必ず、詰物と言って、ウレタンフォームだったり、ワタなどの素材が詰められている、っていうことなんですね。
コイルの上にあるわけですので、寝たときに最初に感じる印象で言えば、ほぼ100%詰め物のほうで決まると言っても過言ではありません。YouTuberが過言ではないと言ったら、ほぼ100%過言なんですけれども、これに関しては、過言ではありません。
寝心地もそうですし、通気性もそうですし、もちろん耐久性においても、詰め物素材の品質が悪ければ、いかにコイルが丈夫であっても、すぐにへたってしまいます。
詰め物素材と言うと、ファイバーやラテックスなども使われますが、たいていはウレタンフォームです。高価なものだったら、ウレタンフォームでも、耐久性の高い高密度のウレタンフォームが使われていることが多いですし、ワタの素材もただのポリエステルじゃなくて、抗菌、防臭、防ダニ加工のされている機能性ポリエステルだったり、羊毛わたが使われますよね。
高価なマットレスを買うんだったら、ぜひこのあたりまで、きちんと精査して選ぶようにしていただければと思います。
6-4. レスポンス エッセンシャルズ™ PTマットレスの詳細(追記)
シーリーさんのおすすめマットレス。
本当に色々あるんですけど、比較的安価なものなら、レスポンスシリーズの一番安い、エッセンシャルズ™ PT、これがおすすめですね。
ポスチャーテックコイルが使用されていて、抗菌加工なども施されていて、シーリーブランドの中でのエントリーモデルというような印象ですね。
ピロートップ仕様なので、表面のあたりはふわっと柔らかでありつつも、下でぐっと支えるようになっていますので、非常にバランスの良い寝起こしなんじゃないかなと私は思います。
腰が気になるし、シーリーさんのベッドで寝てみたい、でも予算はあんまりないっていう方なんだったら、まずはこれを試してみられるといいんじゃないかと思います。
6-5. 予算があるならクラウンジュエルのクリスタルⅣもおすすめ
もし予算があるなら、クラウンジュエルシリーズですね。例えば、クリスタルⅣ。286,000円。
かなり高くなるんですけど、これはシーリーさんの技術てんこ盛りのマットレスになっていて、レストサポートコイルに、ジェルラテックス、しかも5ゾーンになっていて、しかも、ポリジン加工での抗菌・防臭機能。
寝返りしやすいのに、硬すぎない。この寝心地の方向性については変わりはないんですけど、やっぱりジェルラテックスが使われているだけあって、表面の風合いはより贅沢な、もっちり感があっていいんですよね。
ぜひこの辺も、気になる方は、ショールームに足を運ばれてみてください。
7. サータ
ということで次に、七社目のメーカーが、サータ。
サータさんは、1931年創業のアメリカの老舗マットレスメーカーで、2011から2019年の間、全米売上ランキング、8年連続No.1の人気ブランドですね。2020年はシーリーさんに一位の座を取られていて、それ以降は情報が出ていないのでわからないんですけど、まぁアメリカのトップブランドの1つですよね。
2012年には、トランプ元大統領がサータさんのテレビCMに登場したことでも知られてますね。
日本では、広島のドリームベッドさんが製造販売ライセンスを持っていて、日本人に合わせた仕様でサータブランドのマットレスを販売されています。
サータさんは、品質、性能、価格のバランスが良くてコスパいい、とよく言われるますね。まあ人によっては、サータブランドのついてない、ドリームベッドのマットレスを買った方が、さらにコスパが良いみたいなことを言われることもあるんですが、うん、まあいろんな考え方がありますよね。
7-1. サータならポスチャーベーシック#4 6.8 F1Nマットレスがおすすめ
そんなサータさんで、おすすめのマットレスといえばやっぱり、ポスチャーベーシックシリーズ、全国の家具屋で販売されてるモデルですね。
値段が大体20万円前後からなんですが、この中でおすすめと言うと、#4 6.8 F1Nになるかなと思います。
7-2. ポスチャーベーシック#4 6.8 F1Nマットレスの特徴
このマットレスの良さはというと、まずコイルの品質の高さですね。
コイルの線種が、SWRH82B-C種なんですよ。ピアノ線ほどではないにしろ、これは硬鋼線の中では、最高級のクオリティーです。正直、ピアノ線って、場合によっては、ちょっとオーバースペックなこともなくはないので、SWRH82B-C種っていうのは、常識的な範囲内での最高品質と、言ってもいいかと思います。
さらに、その上で、ゾーニング加工もされていまして、これはサータさんのマットレスによく見られる加工なんですが、日本ではすごく喜ばれますよね。
ちょっと細かく解説しますと、ゾーニングっていうのは、例えば、マットレスを三分割したときに、頭と足の部分は通常の太さの線径のコイルが使われていて、だけど、腰の部分だけは太めの線径のコイルが使われている、などのようになっているもののことで、
例えばこの場合だと、腰をしっかりサポートしつつも、上半身は横向きになったときに適度に沈み込みやすくなるんですね。
このように、コイルの線径で硬さを変えているものもあれば、異なる配列のコイルを組み合わせたりとか、詰め物の硬さを部位別に変えたりとかで、ゾーニングをされていることもあります。
また、スリーゾーンだけではなく、ファイブゾーンになっていることもありますし、この動画の最初の方の、フランスベッドさんのところでお話ししたように、外周が硬くなっていて、マットレスに腰掛けやすいようになっているものもあれば、それらを組み合わせたものなど、いろいろなゾーニング設計があります。
この辺は好みとか、ニーズに合わせて、考えていただけると良いかと思います。
サータさんに話を戻すと、こちらのマットレスは、6.8インチの長めの、樽型コイルが、交互配列になっていて、なおかつ、スリーゾーンで腰をしっかりサポートするようになってるんですね。
とはいえ、詰め物としてラテックスが使われていますので、寝たときの最初の印象としては、もちっとした弾力性のある風合いで、でもしっかり腰は支えるので、日本人に好まれやすい寝心地なんじゃないかなと思います。
このシリーズには、他にもいくつかモデルがあるんですけど、多くの方にしっくりくるのは、これなんじゃないかなと私は思います。
まぁもちろんですね、同じポスチャーベーシックシリーズで、平行配列のものとか、交互配列だけどもうちょっとソフトなウレタンが使われているものとかもありますので、いろいろ試したいって方は、このポスチャーベーシックシリーズを多く取り揃えているショールームなどで、手当たり次第、寝心地を試されるのがいいんじゃないかなと思います。
7-3. 【注意】マットレスを買い替えると枕が合わなくなることも
ちなみに、ここで、マットレスを買い換える予定の方に、注意喚起なんですが、マットレスの硬さが変わると、ほぼ100%枕が合わなくなるので、注意してください。
といのも、マットレスへの体の沈み込み具合で、適切な枕の高さって変わってくるからなんですね。なので、マットレスを買い替えたら、そのマットレスに合う枕を購入するようにしましょう。
わたしのお店で、高さ調整が簡単にできる、快眠枕を販売しておりますので、ぜひマットレスと一緒に、こちらの枕もご検討ください。商品ページをこの動画の概要欄のほうに貼っておきます。
8. シモンズ
ということで最後、八社目のメーカー。シモンズさんになります。
シモンズさんは1870年創業。ポケットコイルマットレスを世界で初めて開発した、草分け的存在のメーカーですね。ブランド力としては、トップオブトップなんじゃないでしょうか。いつかシモンズで寝てみたい、のような憧れのブランドですよね。
ちなみに、中国ではマットレスのことをシモンズと呼ぶんですよ。シモンズ=マットレス。これすごくないですか。自動車のことをトヨタって呼んでいるようなもんですからね。ブランド名が、そのカテゴリーの名称になるって相当のブランド力ですよ。
8-1. シモンズならアジャスタブル メジャーベッドがおすすめ
そんなシモンズさんでおすすめなのが、シモンズ アジャスタブル メジャーベッドになります。
これはマットレスでもなければ、ベッドでもなくて、何かといいますと、この上に寝ることで、あなたの体型や寝姿勢をセンサーが検知して、そのデータをもとに、マットレス選びのサポートをするというマシンなんですね。
これこそ21世紀のマットレス選びっていう感じですよね。
シモンズのマットレスは、本当に高品質で良いものが多いですし、よりも、私よりも多分このマシーンの方が商品について詳しいかとも思いますので、個人への提案ということを考えるのであれば、私はさらっと身を引いてマシンに任せたほうがいいんじゃないのかな?と思った次第です。
もちろん、シモンズさんは、ポケットコイルにすごく定評がありますし、そもそも以前は、ポケットコイルの製造・販売自体、シモンズさんが特許を持っていて、シモンズさんでしか作れなかったんですが、現在ではその特許が切れてるので、他のメーカーでも作れるようになっている状況なんですね。
そして何よりも、シモンズさんは、超硬鋼線という線材を使用していて、これはピアノ線と肩を並べる品質に相当するとも言われていますので、耐久性としても安心できるかと思います。
シモンズ アジャスタブル メジャーベッドを利用できるのが、東京と大阪のショールームに限られるのと、事前の予約が必要になるんですが、ショールームに行けば、多くのマットレスを試すこともできますので、ぜひですね、シモンズさんのサイトから予約をして、ショールームに足を運ばれてみると良いかと思います。
まとめ
ということで、最後にまとめとして、どのような方にどのマットレスがおすすめなのかという点を、硬さベースでお伝えしていきます。
まず、普通から固めの硬さでマットレスを選ぶのであれば、
- 日本ベッドさんのシルキーポケット
- フランスベッドさんのライフトリートメント-5000、
- アンネルベッドさんのLeiz-tech CF-500DX
- サータさんのポスチャーベーシック
この辺から選ばれると良いかと思います。値段も良い具合に分散しておりますので、お財布と相談しながら、寝心地を根比べると良いかと思います。
反対に、普通くらいから柔らかめの寝心地で選ぶのであれば、
- 東京スプリングさんのアワーグラス
- 東京ベッドさんのRev7 ハイエスト
- シーリーさんのシーリーレスポンス エッセンシャルズ™ PT
この辺りかなと思います。
それとは別に、もう21世紀だしマットレス選びもAIに任せたい、と考えている方や、そもそも自分に合った寝心地がどんなものか調べたい、などのようい考えている方であれば、シモンズさんに足を運ばれて、ご自身に合う寝心地を計測されると良いのではないかと思います。
最後に1つお願いなんですが、どのマットレスのどんなところに惹かれたのかぜひ教えてください。弊社で今後マットレス作りをしていく上で参考にしていきますので、皆さんのご意見ご感想をコメント欄から教えていただけると助かります。
マットレスの細かい使用などを吟味して選ぶための参考になっていれば幸いです。疑問なことなどありましたら、コメントをしていただければお答えするようにいたしますので、お気兼ねなくお尋ねください。