- 安価なもので2年前後
- 普及品で5年前後
というのが一般的な枕の寿命です。
もちろん、耐久性の高いものはもっと長期間使えますし、大切に扱えば平均寿命よりも長生きさせられます。
そこで本日は、
- 素材別の枕の寿命の目安
- 枕を長持ちさせるための方法
について解説します。
1. 素材別|枕の寿命の目安
枕によく使われる素材別に「耐用年数の目安」と「寿命が来ているか判断する目安」をご紹介します。
1-1. 高反発ウレタン枕の寿命と替え時
耐用年数は3~5年前後。
ウレタンフォームの品質(主に密度)により耐用年数が変わります。頭をよく置くところからへたっていきます。そして、へたるにつれて弾性が弱くなっていくので不快な硬さを感じるようになったり、フィット感の悪さを感じるようになります。へたり、硬さ、フィット感の悪さを感じるようになったら買い換えの目安です。
1-2. 低反発ウレタン枕の寿命と替え時
耐用年数は3~5年前後。
高反発ウレタン枕と同じく、ウレタンフォームの品質(主に密度)により耐用年数が変わります。頭をよく置くところからへたっていきます。そして、反発力がどんどん悪くなっていき押し返しの弱い寝心地になっていきます。その結果、フィット感も悪くなり後頭部に圧を感じやすくなります。へたり、反発の弱さ、後頭部への圧迫などを感じるようになったら買い換えの目安です。
1-3. ラテックス枕の寿命と替え時
耐用年数は2~5年前後。
ラテックスの品質(合成、天然、100%天然)により耐用年数が大きく変わります。頭をよく置くところからへたり始めます。徐々に弾力性が衰えていき当初のモチモチ感がなくなっていきます。ふやけたゴムのような使用感だったり、反対にふわふわしすぎた使用間になっていきます。頭と首に収まりの悪さを感じられるようになります。へたり、反発の弱さ、妙なフワフワ感、フィット感のなさを感じられるようなったら買い換えの目安です。
1-4. 高反発ファイバー枕の寿命と替え時
耐用年数は2~5年前後。
素材と種類と密度により耐用年数が変わります。面で支える構造のため頭をよく置く中央部分を中心に逆お椀型にへたっていきます。もともと硬めな寝心地ですがへたりに従い、さらに硬さが目立つようになっていきます。素材が多少たわんで来てもフィット感などはあまり変わりません。妙に硬さが気になりだしたり、へたりが気になるようでしたら買い換えのサインです。
1-5. スマッシュフォーム枕の寿命と替え時
耐用年数は1~3年前後。
スマッシュフォーム枕はフィット性・サポート性に優れるものの、素材同士が擦れ合って劣化していきやすいため寿命は短めです。素材の動きが悪くなって頭・首にフィットさせづらくなったり、素材の劣化により弾性の低さが目立ち硬さがやや目立って感じられるようになります。フィット感の悪さ、硬さが気になりだしたら買い換えのサインです。
1-6. ポリエチレンパイプ枕の寿命と替え時
耐用年数は5年前後。
ポリエチレンパイプはかなり硬めの素材のため、枕を用途通りに使っていればまずまず簡単にヘタれることはありません。パイプの潰れが目立つようになり寝心地が悪くなったら買い替えましょう。また、ポリエチレン素材ではなくエラストマー素材のパイプは柔軟で柔らかいため、耐用年数は3~5年前後とやや短くなります。同じく、パイプの潰れが目立って寝心地の悪さを感じたら買い替えましょう。
1-7. そば殻枕の寿命と替え時
耐用年数は1~3年前後。
そば殻素材は使用に応じて徐々に割れて粉々になっていきます。その過程で枕が低くなっていき寝心地が悪くなるのでそうなったら買い換えのタイミングだと心得ましょう。もしくは、毎年の買い替えもありです。そば殻枕を快適に使うために年に1度はそば殻を日干しすることが推奨されていますが、面倒に感じられる方は毎年新しくするのも一手です。
1-8. 羽毛(ダウン) 枕の寿命と替え時
耐用年数は2~4年前後。
羽毛の品質(ダウンパワーが高いからといって耐久性が高いわけではない)により左右されます。羽毛素材は使用に応じて1つ1つのダウンボールが徐々にへたっていきます。そして、へたりによって頭の沈み込みが過度になり枕が低すぎるように感じられたら買い換えの目安です。
1-9. 羽根(フェザー) 枕の寿命と替え時
耐用年数は1~3年前後。
羽毛枕と同じように羽根枕も使用に応じてへたっていきます。また、羽根枕は安い生地が使われていることが多く(羽毛枕の下位互換枕として扱われがちなため)、羽根が生地を突き破ることにより使えなくなることもよくある買い換えの原因に挙げられます。
1-10. ポリエチレンフレイク枕の寿命と替え時
耐用年数は3~5年前後。
羽毛枕と同じく、使用に応じてへたっていきます。復元力が落ちてきてフワフワ感がなくなってきたり、頭を置いた時の柔らかな寝心地が失われてきていたら買い換えの目安です。
1-11. ポリエステルわた枕の寿命と替え時
耐用年数は1~3年前後。
ポリエステルわた素材はへたりというよりも素材同士が絡み合ってダマになり、フィット性が悪くなることが一番の買い換えの目安です。枕がボコボコして違和感のある寝心地になっていきます。そしてその後、素材がへたっていって妙な硬さを感じるようになります。ものによっては1年も経たない内にここまで劣化します。
1-12. ウール枕の寿命と替え時
耐用年数は2~4年前後。
ポリエステルわたと同じく素材同士が絡まり合ってダマになる、フィット性と寝心地が悪くなっていきます。ウールは繊維自体がうねっていたりササクレのような構造になっているため(だからクッション性が良いのですが)なおいっそう絡まりやすい傾向があります。
1-13. マイクロビーズ枕の寿命と替え時
耐用年数は1~3年前後。
マイクロビーズ素材の劣化というよりも、ポリエステルニットなどの側生地の劣化により買い換えとなることが大半です。側生地がびろーんと伸びきってしまい、枕が広がり過ぎてしまい枕としては低すぎて使い心地が悪くなります。形を整えようとしても側生地が伸びていると不可能です。
1-14. TPE(熱可塑性エラストマー)枕の寿命と替え時
TPE素材自体の耐用年数は10年前後です。
高密度で湿気などの影響も受けないため、かなりの高耐久です。とはいえ、側生地やその他の部材はそこまで長持ちしないため、それが理由で5年前後で買い替えることになるでしょう。長持ちさせたいなら側生地などを丁寧に扱うようにしましょう。
2. 枕を平均寿命よりも長生きさせる方法
一定以上の品質の枕の場合、素材のへたりや生地の劣化が原因で枕を買い換えなければならないことは少ないです。
実のところ、枕の汚れが原因で買い替えられるケースが多いです。特に、低反発ウレタン枕、ラテックス枕、羽毛枕、オーダーメイド枕などの洗えない枕はこの傾向が強いです。そのため、枕を長持ちさせたいのなら汚れ対策をすることが最も近道となります。そこでおすすめなのが枕にプロテクターを付けることです。
通常の枕カバーのようで防水生地になっている枕プロテクターであれば枕が汚れることはほぼありません。寝汗などの液体汚れが徐々に溜っていくこともないのでずっと新品同様キレイなままお使いいただけます。詳しくは以下のページをご参照ください。
関連記事最後に
あなたがお使いの枕がどれくらいの耐用年数なのかご理解できていれば幸いです。
なお、枕が買い換えようかなとお考えの方は、以下のページで枕の選び方(高さ、硬さ、素材など)とおすすめブランドを紹介しているのでご参考にしてください。
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また、枕に関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。
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