布団カバーやベッドシーツを選ぶ時、以下のような疑問を感じたことはないでしょうか。
- 綿、麻、ポリエステルなど、素材の違いがよく分からない
- ボックスシーツ・フラットシーツなど、形状の違いがよく分からない
- というかそもそも布団カバーとシーツって必要なの?
このページでは、さらなる快眠を目的に、布団カバー/ベッドシーツに関する知識が体系的に学べるようにまとめてあります。是非あなたのこれからの快眠生活にお役立てください。
Contents
1. 布団カバー・ベッドシーツを素材・生地で選ぶ
布団内の温湿度(寝床内気候)が33℃と50%だと、睡眠に理想的で快眠できると報告されています。
温湿度の調整のカギを握るのが、布団カバーとシーツです。そのため、心地の良い肌感はもちろん、汗の吸収性や乾きやすさ は、快眠にとても重要な要素です。
睡眠中、布団カバーとシーツは誰よりもあなたに近い存在になります。快眠のためにも素材・生地を徹底的に吟味して選びましょう。
1−1. 代表的な5つの素材の特徴と使用感
「とりあえず綿100%ならいいだろ」と安直に選ぶのは今日限りで止めましょう。
綿100%と言えどピンからキリまで玉石混淆ですし、本当にあなたに合う布団カバー・シーツの生地素材は麻だったり、テンセルだったりする可能性もあります。
素材 | イメージ | 柔らかさ | 滑らかさ | 吸湿性 | 放湿性 | 耐久性 | 洗濯性 | ||
天 然 繊 維 | 植 物 性 | 綿 (コットン) | ◯ | ◯ | ◎ | △ | ◯ | ◯ | |
麻 (リネン) | △ | △ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | |||
動 物 性 | 絹 (シルク) | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ | △ | △ | ||
羊毛 (ウール) | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | |||
化 学 繊 維 | 再 生 | レーヨン | ◎ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | |
合 成 | ポリエステル | △ | ◯ | △ | – | ◯ | ◎ |
(参考:『繊維の種類と加工が一番わかる』 日本繊維技術士センター)
あなたが各素材に持つ特徴・使用感のイメージを再度確認しましょう。
①綿(コットン)
綿100%と言っても品質はピンからキリまで様々です。バサバサした綿生地がある一方、カシミヤのようにふわっとやわらかでシルクのような光沢感を持つ綿生地が存在します。
綿繊維の長さや細さ、生地に仕立てた時の打ち込み本数(Thread Count)などにより、そのような大きな差が生まれます。理解を深めることで良質な綿素材のシーツ・カバーを選べられるようになります。
関連記事②麻(リネン、ラミー、ヘンプ)
麻素材と一口に言っても、リネン、ラミー、ヘンプなどがあり、それぞれ質感が大きく異なります。
リネンは肌当たりが優しいのでカバー・シーツに向いています。一方、ラミーやヘンプは吸水性が高いので中綿としての利用にとても向いています。
ごわごわ、チクチクなどのイメージが強い麻素材ですが、適切な素材選定をしていただければ想像以上に柔らかで肌当たりが良く、汗の吸い取りに優れた快適なシーツ・カバーをお選びいただけます。
関連記事③絹(シルク)
絹素材の布団カバー・シーツを選ぶ場合、重さ(匁:モンメ)や生地の製法に着目することで、よりあなた好みの質感に近いものをお選びいただけます。
また、絹はとても繊細な素材のため、洗濯・保管などのお取り扱いにも通常以上の配慮を払わなければいけません。具体的な方法をご紹介します。
関連記事④テンセル®(リヨセル)
人造シルクとも呼ばれるテンセル®繊維は、シルクや上質な綿素材のように柔らかで滑らかな質感でありながら艷のある美しさを持ちます。
しかもその上、品質を考えると比較的リーズナブルな価格なので大変おすすめです。テンセル®の魅力について余す所なくお伝えします。
関連記事⑤ポリエステル
ポリエステル素材の寝具は安価で粗悪なものと考えられがちですが、全てがそうとは限りません。素材の特性を活かすことでシワになりにくかったり、乾きを早くしたり、防ダニ加工を施したりすることができます。
今まで「ポリエステル素材=良くない」と反射的に考えていた方は是非ともご参考にしてください。
関連記事1−2. 肌感が変わる各生地の特徴
生地の織り方で肌当たりが変わるだけでなく、洗濯などのお手入れ方法も変わります。
サテン(朱子織り)
生地の織り方は大きく分けると3つあり、サテン生地はなめらかで繊細、平織生地はしっかりで丈夫、綾織生地はその中間の使用感といった具合に分けることができます。
平織 | 綾織(ツイル) | 繻子織(サテン) | |
イメージ | |||
肌当たり | しっかり | 中間 | なめらか |
重量 | 軽め | 中間 | 重め |
通気度 | 高め | 中間 | 低め |
強度 | 高め | 中間 | 低め |
光沢感 | 低め | 中間 | 高め |
一言でまとめるとこのようになりますが、布団カバー・シーツの織り方までこだわって選びたい方は、以下の記事でさらなる詳細を確認しましょう。
関連記事タオル生地
タオル生地と一口に言っても、夏用に向いているパイル生地、冬用に向いているシャーリング生地、通気性の優れるガーゼ生地・ワッフル生地などがあり使用感も様々です。
あなた好みの風合いを追求しましょう。
関連記事2. 【デザインor機能・実用面】あなたはどちらを重視する?
ベッドを部屋のコーディネートの一部と考えるならおしゃれなデザインは大事です、しかし、快適に眠るための場所と考えるなら機能的な実用性が大切です。
優先順位に関して私の持論ですが、シーツは機能重視で選ぶ ことをおすすめします。冷感、温暖、吸汗などの快眠機能がカバーよりも反映されやすいためです。(また、シーツのデザインにこだわっても掛け布団の下であまり目立たないから、という理由もあります)
そしてその次に、布団カバーでおしゃれにコーディネートする、もしくは良質な素材で快眠をさらに追求する、というステップで考えることをおすすめします。
2−1. おしゃれなデザイン重視で選ぶ
今人気の北欧ブランド、かわいいデザインのブランド、おしゃれなデザインのブランドをご紹介します。※繊維素材・生地の解説は必要最小限にしているので、気になる場合は1章をご一読ください。
北欧ブランド15選
近年人気の高い北欧ブランドをご紹介します。イケア、マリメッコなどの有名ブランドを始め、スウェーデン、フィンランド、デンマークなどの老舗生地メーカー、さらには、まだ若いインテリアデザインのブランドなどをご紹介します。
関連記事かわいいデザインのブランド15選
日本、アメリカ、イギリス、フランス、イタリアのブランドのご紹介になりますが、各国毎に微妙にかわいさのテイストが異なります。あなた好みのかわいいブランドが見つかれば幸いです。
関連記事おしゃれなデザインのブランド15選
華やかでおしゃれなデザインから、若い人向けのモダンなデザイン、さらには洗練された知的な大人向けのおしゃれなブランドをご紹介します。価格帯も様々ですが、コーディネートのインスピレーションとしてもお役立てください。
関連記事2−2. 機能・実用面を重視
ひんやり冷感生地、あったか生地、防ダニ生地、おねしょ対策、介護・衛生性のためなど、実用面から布団カバー・シーツの購入を考えている場合、以下の記事をご参考にしてください。
夏用ひんやり冷感素材
ひんやりシーツ・パッドを選ぶなら、触った時の冷たさだけでなく、「通気性」と「吸放湿性」も重視して選びましょう。そうでないと「ひんやり感」が一時的なものになってしまいます。
とはいえ、素材が色々とあり選ぶのが難しいと思います。以下のページ素材比較をしているのでご参考にしてください。
関連記事冬用あったか生地
あったか素材の布団カバーやシーツを安易に選ぶと、布団の中で熱がこもり寝苦しくなり睡眠の質を下げてしまうことがあります。
化学繊維素材は上下どちらかにのみ使う、など注意点を含めておすすめのものを以下のページご紹介しているので参考にしてみてください。
関連記事3つの防ダニ加工の特徴と比較
薬剤加工 | 高密度織り | 防水加工 | |
イメージ | |||
防ダニ方法 | ダニを近寄らせない | ダニを通さない | ダニを通さない |
持続性 | △ | ◯ | ◯ |
通気性 | ◯ | △ | △ |
防水性 | △ | △ | ◯ |
防ダニシーツには3つの種類があります。
それぞれ特徴があるので好みが分かれところです。例えば、薬剤加工はシーツの肌感を損ねませんが、使用に応じて防ダニ効果が低下していきます。その一方、高密度織りや防水加工は薬剤不要のため安心ですが、若干通気性が悪くなります。
以下のページでさらに詳しく比較しているので、あなたの好みに近いものはどれか把握しておきましょう。
関連記事おねしょ対策や介護・衛生性重視なら防水シーツ
様々な用途に有用な防水シーツですが、製法・構造により使い勝手が異なります。
例えば、側面まで防水加工になっていると安心ですが、洗濯にとても手間がかかり点など注意が必要です。あなたの生活環境に合ったもの選べられるよう、以下のページで4つの確認ポイントをチェックしてください。
関連記事3. 布団カバー・シーツによくある疑問
比較検討段階や購入後によく生じる疑問があります。事前に知っておくことで購入・取扱いをスムーズにできます。
3−1. 購入前に解決しておきたい6つの疑問
①ボックスシーツ | ②フラットシーツ | ③フィットシーツ | ④ポケットシーツ | ⑤ファスナーシーツ | |
形状 | |||||
対象 |
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長所 |
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短所 |
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例えば、シーツの形状の違いのように、ベッドシーツを比較検討している時に様々な疑問が頭をよぎると思います。事前に確認しておくことで、あなたの生活環境に合う布団カバー・シーツを選ぶことにお役立ていただけます。
①フラットシーツ/ボックスシーツの違いとは?
シーツにはフラットシーツ、ボックスシーツ、フィットシーツなど5つの異なる形状タイプがあります。
「ボックスシーツはお手入れが若干手間だがマットレスに装着しやすい」などの一般論がありますが、ベッドフレームの構造によってはボックスシーツを装着するのは手間がかかることがあります。
以下のページでベッドシーツの5タイプ毎の違いを図解しましたので、あなたにとって使い勝手が良いものはどれか確認しておきましょう。
関連記事②ベッドシーツの適切なサイズとは?
各シーツの構造により適切なサイズの選び方が異なります。
特にボックスシーツとフラットシーツは気をつけなければならない点があるので、以下のページでご紹介している計算方法をご確認ください。
関連記事③敷きパッドがあればシーツはいらない?
ベッドシーツは絶対に必要という訳ではありません。洗濯可能で乾きの良い敷きパッドや、上質な防水シーツを使用している場合、シーツは不要となります。
季節毎にシーツなしで快適に寝る寝具の組み合わせ方法をご紹介します。
関連記事④布団カバーとシーツって睡眠に良い色とかあるの?
安眠に適した色はあります。各色が与えるイメージを踏まえた上で、色を上手に選ぶ(アースカラー化・パステルカラー化・差し色化)ことでより満足したお色選びが可能になります。
関連記事⑤ほこりが出にくいカバー/シーツを選ぶ目安は?
カバー/シーツにほこりが出やすいと、息苦しくなり不快だと思います。ほこりが出るメカニズムとほこりが出にくいモノを選ぶための目安をご紹介します。
関連記事⑥お古のカバー/シーツを賢く処理する方法は?
新しいカバー/シーツを購入する時、お古をどう処理すれば良いのか迷うと思います。5つの再利用アイディアをご紹介するので気に入ったモノをお試しください。
関連記事3−2. 購入後に浮かぶ6つの疑問
例えば、ベッドシーツやパッドなどを敷く順番のように、日常生活の中で布団カバー、ベッドシーツに対して挙げられる疑問です。事前にご一読しておくと事後対応をスムーズにさせられます。
①シーツやパッドなどの敷く順番は?
シーツやパッドは正しい順番で敷くようにしましょう。そうでないと機能・特徴を存分に活かして使用することができなくなります。
正しい順番は【(下)マットレス→防水シーツ→ベッドパッド→シーツ→敷きパッド(上)】となりますが、なぜこの順番で敷くのかその細かい理由は以下のページをご一読ください。
関連記事②適切な洗濯頻度と洗濯方法、お手入れのコツとは?
洗濯絵表示に従うことはもちろん大切ですが、さらにその上で、なるべく生地を傷めずに洗濯する方法、シワをつかせにくく乾かす方法、ペットの抜け毛を取り除く方法など、様々な洗濯のコツをご紹介します。
関連記事③毛玉が出来やすいシーツってあるの?
化学繊維は毛玉になりやすいですし、ニットやガーゼ生地も摩耗に弱いため毛玉になりやすいです。どのようにして毛玉になっていくのかのメカニズムを図解により分かりやすく説明します。
そして、シーツに出来た毛玉を手軽に処理する方法をご紹介します。
関連記事④シーツに付いた血液の上手な落とし方は?
血液が付いたばかりのシーツであれば水洗いで簡単に落とすことができます。しかし、時間が経つにつれて血液は固まり、除去するのが難しくなります。その場合、ご紹介のアルカリ性洗剤を利用する方法をお試しください。
また、血液を落とす際のお湯、ドライヤーの使用はお控えください。さらに、絹、ポリエステル、レーヨン、テンセル®(リヨセル)、ポリエチレンなどが混紡されていたら、クリーニング店に依頼することをおすすめします。
関連記事⑤シーツにカビが生えた時の上手な落とし方は?
シーツにカビを生やしてしまった時、カビ被害の規模別にどうするべきか考えましょう。
あまりにもカビが広がっている場合は処分することをおすすめしますが、少しだけなら除菌して落とすことも可能です。
関連記事⑥シーツがズレないようにする方法は?
寝相が大きい人がフラットシーツを使っていると、どうしてもシーツがズレてしまいます。
クリップで止めるなどしてシーツのズレを防止することが出来ますので、ご参考にしてください。
関連記事4. おすすめのベッドシーツ・布団カバー
次に、寝心地にこだわる人におすすめの高品質ベッドシーツと布団カバーをご紹介します。
製品:テンセル™混布団カバー
生地:ドビーニット編み
価格:8,208円
【当製品の販売ページ】
テンセル™とポリエステルを50%50%混紡した布団カバーです。ドビーニット編みのため体にふわっとやさしく沿うようにフィットし、通気性抜群のためポリエステルにも関わらずほとんど蒸れることなく寝られます。いきなり自社製品で恐縮ですがおすすめのカバーです。
製品:超長綿「GIZA45」100%ベッドシーツ/布団カバー
価格:17,064円/19,224円
【当ベッドシーツの販売ページ】/【当布団カバーの販売ページ】
エジプト超長綿の中でも最高級の「GIZA45」ブランドの綿繊維を100%使用し、朱子織で仕上げられたベッドシーツと布団カバーです。
やわらかでなめらかな綿素材のシーツ・カバーをお求めの方におすすめです。
製品:アイリッシュリネン60番手ベッドシーツ/布団カバー
価格:11,880円/17,280円
【当ベッドシーツの販売ページ】/【当布団カバーの販売ページ】
細番手のリネンで織られた高品質なベッドシーツ・布団カバーです。
まるで麻とは思えないような軽さとやわらかさの寝心地をお楽しみいただけます。
天然素材の中から夏用のひんやりシーツ・カバーをお探しの方におすすめの一枚です。
製品:シルク22匁フラットシーツ/布団カバー
価格:26,900円
【当フラットシーツの販売ページ】/【当布団カバーの販売ページ】
22匁もある高密度のしっかりとしたシルクのフラットシーツと布団カバーです。フラットシーツは継ぎ目なく仕立てられています。なによりもなめらかな肌触りを重視してシーツ・カバーをお選びの方におすすめです。
製品:テンセル混ボックスシーツ
価格:6,480円
【当製品の販売ページ】
テンセル®をニットに編み上げたフィットシーツです。自社製品のため手前味噌ですが、織った生地では出すことのできないふわっと柔らかな肌触りが特徴です。ぴたっとマットレスにフィットさせられるので、寝相が大きくてもズレにくいのもおすすめポイントです。マットレスの厚みは12cm程度までの対応です。
製品:テンセル敷シーツ
価格:4,389円
【当製品の販売ページ】
「超長綿のように柔らかくてさらさらな肌触りの布団カバーで多少値段が控えめなものがあればな」とお考えの方におすすめなのがテンセル®(リヨセル)の布団カバーです。コストパフォーマンスにすぐれて品質も安定しているのでおすすめです。テンセル®(リヨセル)にやみつきになってしまうかもしれません。
なお、なによりも睡眠環境の衛生面を重視するならマットレスプロテクターがおすすめです。マットレスを汚すことなくキレイに保てるので、ダニ・カビの心配も減らせます。単品使いもいいですが、上記のシーツの下に敷いて併用するのもおすすめです。
製品:プロテクト・ア・ベッド 防水プロテクター
価格:5,500円
【購入ページはこちら】
伸縮性に富んだニット生地が生みだす柔軟な肌あたり、透湿性をもつ極薄0.025mmの防水膜による爽やかさ、その上、50回洗濯にも耐えうるしっかりした作り。自社製品のため手前味噌ですが、No.1の防水マットレスプロテクター(防水シーツ)と自負しています。
最後に
あなたの体質・好みにより相応しい布団カバー/ベッドシーツを選ぶため、そして、快適に使うための知識を網羅的に整理するお役に立てていれば幸いです。