シルクのベッドシーツやカバーを選ぶ時、何を目安に選べば良いか困ることはないでしょうか?また、お手入れが大変と聞いて、購入を迷ってはいないでしょうか?
そのようなお悩みを一気に解決するべく本日は、シルクのシーツとカバーの
- 3つの素晴らしい特徴
- 上手に選ぶために知っておきたいこと
- 洗濯・管理方法
をご紹介します。ご参考にしていただければより満足のいくものをお選びいただけます。
Contents
1. シルクのシーツとカバーが快眠に良い3つの特徴
髪の毛の1/20の細さでたんぱく質由来の長い繭糸から作られるシルク生地は、他の繊維生地にはない素晴らしい特徴を持っています。
- 肌と髪に優しい。繊維自体が細長くスムースで、その上、人間の肌・髪とほぼ同様のアミノ酸で構成されているので、極上の肌当たりを実感いただけます。
- 汗を良く吸い取る。ミクロレベルでの話になりますが、撚った繭糸の間にできる隙間が水分の吸収・発散を助けるので、多少の汗ならさらっと使えます。
- ホコリが溜まりにくい。繊維に保湿性があり静電気を起こしにくいので、ホコリを寄せ付けにくいです。繭糸が長いので糸切れによる糸ぼこりも少ないです。
このように素晴らしい肌心地の使用感ですが、あまりに汗をかくと肌に吸い付くようなペト付き感があるのが欠点です。また、繊細な素材のためお手入れが大変なことも挙げられます。適切なお手入れについては2章で分かりやすくご紹介します。
1−1. シルク製品を上手に選ぶために知っておきたい3つのこと
次にシルク製品を選ぶ上で知っておくべき3つのポイント(匁、紬、織り方)についてご紹介します。よりあなた好みの使用感・使い勝手のものを選べられるようになります。
①シルクの密度を表す匁(モンメ)とは
匁とは何かというと、
匁とは:シルク生地の重さの単位で、約93cm四方の重量を表したものです。1匁=約3.75gです。匁数が高いほど密度が高い、もしくは、厚みがあることになります。 |
匁数が高ければ良いという訳ではなく、使い分けが大切です。
- 16匁未満:とても軽く柔らかいです。目が粗いものには注意が必要です。
- 19匁:軽く柔らかい仕上がりです。
- 22匁:しっかりと柔らかさのバランスの良い使用感です。
- 25匁以上:密度のしっかりとした使い心地です。
個人の好みにもよりますが、掛け布団カバーには19匁以下の軽めが合い、シーツにはより耐久性のある22匁以上が相応しいと思います。
②製法により異なる3つのシルク
通常のシルク製品はサテン生地(後述)のものが大半ですが、以下の2つについてもお見知りおきください。
- 絹紡糸・紬糸:簡単に言うと原料の余りを活用した糸で、短かったり粗かったりします。そのため、生地にすると凸凹としていたりホコリっぽくなりやすいです。これはこれで味があるのですが、いわゆるシルクをお求めの方にはおすすめできません。
- シルクガーゼ:シルクをガーゼ生地にすることで通気性・吸水性が高まります。また、肌への吸い付き感が大きく軽減されます。使用する原料が増えるためお値段が大分上がりますが納得できます。掛カバーとしては若干重量があるので、シーツ・枕カバーに向いています。
ネット上で安いからと購入したシルク製品が紬糸のものだと、想像していた肌感と大きく異なりびっくりすると思います。また、肌への吸い付き感からシルクを敬遠していた方にとっては、ガーゼ生地のシルクシーツは正に求めていたものになる可能性があります。
シルクガーゼはとても高価で即決は難しいと思うので、まずは最寄りのシルク専門店でお手に触れてみることをおすすめします。
③よく見るサテン生地とはどういうものか
シルクのシーツやカバーを比較検討している時、サテン織りと記載されていて「何が違うんだろう?」と疑問に思ったことはないでしょうか。
生地の織り方は以下の3つが代表的なのですが、それぞれ質感が大きく異なります。
- 平織(バティスト、ブロード、パーケール)
- 綾織(ツイル)
- 朱子織(サテン)
平織 | 綾織(ツイル) | 繻子織(サテン) | |
イメージ | |||
肌当たり | しっかり | 中間 | なめらか |
重量 | 軽め | 中間 | 重め |
通気度 | 高め | 中間 | 低め |
強度 | 高め | 中間 | 低め |
光沢感 | 低め | 中間 | 高め |
サテンはこの中でも最も滑らかで柔らかな肌感を再現し、尚且つ、生地に光沢感をもたせます。つまり、シルクの特徴を最大限に活かしきることできるので、シルク素材の製品にはサテン生地のものが多いのです。
もちろんその反面、生地の耐久性は若干落ちます。が、シルクに耐久性を期待することがそもそも無粋かもしれません。
1−2. おすすめのシルクシーツとカバー
それでは次に上記の内容を踏まえておすすめのシルクシーツとカバーをご紹介します。
製品:シルク22匁フラットシーツ
価格:26,900円
【当製品の販売ページ】
22匁で密度のしっかりとしたシルクのシーツです。寝返りによる摩擦などを考えると22匁以上のしっかりした生地が理想です。また、こちらの商品は余分な繋ぎ目などなく一枚の生地で仕立てられているので、ベッドの上全体がシルクの滑らかな空間になります。
製品:シルクダブルガーゼ敷布団カバー
価格:41,472円
【当製品の販売ページ】
絹糸をダブルガーゼ生地に仕立てています。「シルクは通気性・吸汗性が物足りない」とお考えの方にはぴったりな選択になりえます。
というのもガーゼ生地にすることで、肌への吸い付き感も大きく軽減されるので、寝汗の多い方におすすめです。敷布団の厚みによってサイズの微調整を行ってもらうようにしましょう。
製品:シルク19匁掛け布団カバー
価格:33,900円
【当製品の販売ページ】
19匁の軽めの掛けカバーです。軽い羽毛布団を使っているならその軽さを損なわないように軽めのカバーをお選ぶいただくと良いと思います。反対に、重厚感のある布団が好みという方であれば、同製品の25匁のものをおすすめします。
また、もしあなたが「シルク以外の素材の特徴やこだわりポイントも知りたい」とお考えであれば、こちらのページ『布団カバー・ベッドシーツを上手に選ぶ/扱うための体系的知識』でご紹介しているので併せてご参考にしてください。 |
2. シルクのシーツとカバーの洗濯・お手入れ方法
シルクはとても繊細な素材ですので、洗濯と保管は特別に行う必要があります。コツも併せてご紹介します。
2−1. シルク製品の洗濯方法
生地を痛めてしまわないように、洗濯機を使わずに手洗いをしましょう。以下の3つのステップで、優しく洗って干しましょう。
- 30℃前後のぬるま湯で押し洗い。冷たい水よりぬるま湯の方が、汗・皮脂などの汚れを落としやすいです。また、シルクは摩擦に弱いので擦らずに、押すようにして洗いましょう。洗剤は中性洗剤を使用しましょう。
- 優しく押して水気を着る。ついつい絞って水を切りたくなりますが、繊維が擦れてしまうので控えましょう。押すようにして水気を少しだけ切りましょう。水分をしっかりと切る必要はありません。(理由は後述)
- 伸ばして日陰干しをする。日光に弱いので、必ず日陰で吊り干しをしましょう。このとき、シルクの枕カバーに水気が若干残ったまま吊り干しすることオススメします。自重により引っ張られながら干すことにより、乾いた時に生地にシワが残りにくくなります。水が多少垂れると思うので、下にタオルを敷いておきましょう。
「乾きが悪いのでは?」と思われるかもしれませんが、1日もあれば十分乾きます。もちろん、経済的に余裕があれば、クリーニング店で洗っていただくことも良いと思います。
※シルクのシーツ・カバーをどうしても洗濯機で洗いたい場合
とはいえ、仕事や育児などで忙しいと、上記のように手洗いするのはなかなか現実的でないかもしれません。枕カバーならともかく、ベッドシーツやカバーとなると大きいので大変です。
多少、生地の痛みが早くなりますが、洗濯機で洗うのならば以下のように行いましょう。
- ぬるま湯で洗う
- デリケート設定にする
- 中性洗剤を使う
- 洗濯ネットを使う
製品:二重網目洗濯ネット 6枚セット
価格:780円
【当製品の販売ページ】
洗濯ネットにも様々な種類がありますが、ネットが2重生地になっている分厚いタイプのものをお使いいただくことをおすすめします。洗濯中の摩耗を大きく減らせるので、シルクなどのデリケートな素材の寝具、衣服を洗うときにぴったりです。
2−2. シルク製品の保管方法
もしあなたが「夏はリネンシーツを使うからシルクのシーツは使わない」のであれば、保管方法には細心の注意を払うようにしましょう。シルクはたんぱく質繊維なので、保管方法が悪いと虫に食われることになります。
製品:不織布収納袋LLサイズ10枚入り
価格:802円
【当製品の販売ページ】
このような不織布袋に入れて保管をしておけば虫食い被害の可能性を大幅に下げられます。また、通気性が確保されるのでカビも発生しにくいです。もし、ウールやカシミヤなどの衣服にも使えるので、持っていて困ることは少ないと思います。
最後に
シルクのベッドシーツとカバーの素晴らしさと管理方法がご理解いただけていれば幸いです。
とはいえ、予算的に迷うこともあると思います。
その場合におすすめしたいのがシルクのような肌感で比較的控えめな価格のテンセル®(リヨセル)素材です。『テンセル®(リヨセル)のシーツ・カバーの使用感』も紹介しているので、ご一読ください。
より快適な眠りのためのシーツ・カバー選びにお役立ていただけます。