※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。厚みだけでなく抜け漏れなく網羅的にマットレス情報を調べあげたい方はぜひ参考にしてください。 |
こんにちは、加賀照虎です。
- 「マットレスの厚さって商品によってバラバラすぎる…」
- 「一体どれが適正な厚さなんだろう?」
マットレスの厚み(高さ)は本当に多種多様で、迷ってしまいますよね。
結論を言うと、用途によって最適な厚みが変わります。
適切な厚みを選ぶことで、寝心地や使い勝手に大きな満足感を得られるはずです。逆にいうと、不適切な厚みのマットレスを選んでしまうと眠りづらくなったり手入れが大変になってしまいます。軽視してはいけないポイントです。
そこで本日は、
- 8つに分類したマットレスの厚さごとの用途と使用感
- 3タイプ別でのおすすめの厚さ
- マットレスとベッドフレームを合わせたトータルの高さとその使用感
について詳しく解説していきます。
ぜひあなたにぴったりのマットレス選びの参考にしてください。
敷布団 | ノンコイル 薄型マットレス | 脚付き マットレス | ノンコイル ベッドマットレス | コイルスプリング ベッドマットレス | |
画像 | |||||
厚み | 5~10cm前後 | 7~10cm前後 | 10~20cm前後 | 15~25cm前後 | 20~35cm前後 |
重量 | 3~6kg前後 | 4~7kg前後 | 10~30kg前後 | 10~20kg前後 | 20~30kg前後 |
寝心地 | △ | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ |
耐久性 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ |
揺れ&音 | ◎ | ◎ | △ | ◎ | △ |
使用環境 | 床 | 床&ベッド | ベッド | ベッド | ベッド |
手入れ | △ | ◯ | ◯ | ◯ | △ |
クリーニング | ◯ | × | ◯ | × | ◯ |
処分 | ◯ | ◯ | △ | ◯ | △ |
価格 | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | △ |
Contents
1. マットレスの厚みは8段階|それぞれの適切な用途と使用感
まずはざっと、それぞれの厚みのものの評価を俯瞰してください。
種類 | イメージ | 厚み | 評価 |
マットレス トッパー | 3cm |
| |
5cm |
| ||
敷布団/ ノンコイル 薄型 マットレス | 7cm |
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10cm |
| ||
ノンコイル ベッド マットレス | 15cm |
| |
20cm |
| ||
コイル スプリング ベッド マットレス | 25cm |
| |
35cm |
|
なお、ウレタンマットレスの表面が波状・凸凹状のものは、1cmほど厚さを割り引いてお考えください。
それでは、それぞれ詳しく説明していきます。
◯厚み3~5cmのマットレス(トッパー)
厚みが3~5cmのものはマットレスというよりマットレストッパーです。
へたったマットレスの上に敷いて寝心地を改善するためのものです。
敷きパッド | ベッドパッド | ベッドシーツ | トッパー | プロテクター | |
画像 | |||||
役割 |
|
|
|
| |
厚み | 1~2cm前後 | 3~4cm前後 | 5mm前後 | 3~5cm | 5mm前後 |
温湿度調整 | ◎ | ◎ | ◯ | × | △ |
汚れ防止 | ◯ | ◯ | △ | △ | ◎ |
洗濯 | △ | △ | ◯ | × | ◯ |
体圧分散性 | △ | ◯ | × | ◎ | × |
なお、この厚さのものだけで寝るとサポート性がやや足りません。
そのため、腰が床の硬さを感じること(底つき感)になります。
底つき感のイメージ | |
仰向け | |
横向き |
マットレスを床に置いて使うとなると「なるべく薄いもののほうが手軽で良さそう」と思われるかもしれません。
しかし、必要最低限の厚みは必須です。
使用者の体重ベースで必要最低限の厚さがあるものを選ぶようにしましょう(車中泊用、実験室での仮眠用など、コンパクト性が重視され、なおかつ、たまにの使用であれば悪くないと思います)。
使用者の体重 | 必要最低限の厚さ | |
ウレタンフォーム | ファイバー | |
30kg | 5cm | 3cm |
60kg | 7cm | 5cm |
80kg | 10cm | 7cm |
100kg | 13cm | 10cm |
◯厚み7cmのマットレス
高反発素材で厚みが7cmのものは、トッパーではなく敷布団のような床に置いて使うマットレスとして想定されているケースがほとんどです。
もちろん、豪華なトッパーとしても使用可能です。しかし、低反発素材のものはトッパーとして想定されていることもあり、一枚だけで使うには寝心地が不十分なこともあります。7cmのものは三つ折り仕様のものが多く、敷布団のように、手軽に折り畳んで押入れにしまえます。
ただ、ケースバイケースで使用感が別れます。
以下の3つのポイントを念頭にお選びください。
- 柔らかいマットレス、低反発素材だと、底付き感があることも。
- あなたの体重が70kg以上だと、底付き感があることも。
- 密度が低い(例:高反発ウレタンで20D前後)低価格のものは、使用開始数ヶ月で底付き感がでてくることがある。
密度(kg/㎥) | 耐久性の評価 | ||
高反発ウレタン | 低反発ウレタン | 高反発ファイバー | |
20D以下 | 30D以下 | 35D以下 |
|
25D前後 | 35D前後 | 45D前後 |
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30D前後 | 40D前後 | 55D前後 |
|
40D以上 | 50D以上 | 65D以上 |
|
これらの点を踏まえて、寝具ショップで試し寝をして選びましょう。
少なくとも3分間、横向きで試し寝をして、底付き感・圧迫感があらわれなければ、快適に寝られます。
◯厚み10cmのマットレス
ウレタンマットレスの一般的な厚みが10cmです。
しっかりとした体格の人でも一枚で十分快適に寝られる厚みなので、ウレタンマットレスの中では定番のサイズです。
- 敷布団だと寝心地がいまいち
- だけど、床に置いて使える敷寝具がほしい
- 押入れに収納できればベター
などなどお考えなら、10cm厚の折りたたみマットレスが丁度いいはずです。
なお、マットレスの厚さがこれくらいですと、壁に立てかけて乾かすことができるようになります。厚さが7cm前後ですと自立させるのが困難なためこのような「手抜きお手入れ」はできません。
また、このくらいの厚みのマットレスの使用者から「マットレスと布団を重ねて使って良いのか」と質問を受けることがありますが、使われている素材同士の相性にもよるので一概にどうだと答えにくいところがあります。以下のページで詳しく解説しているのでご参考にしてください。
関連記事◯厚み15cmのマットレス
低反発にせよ高反発にせよ、ノンコイルマットレスとしては十分な厚みです。
これくらいの厚みならベッドの上に置いて使うのが一般的ですが、床に置いて使うのも問題ありません。ただ、素材によっては15~20kg前後の重さになるので、壁に立てかけて乾かすときにやや重労働に感じるかもしれません。
敷寝具種類 | イメージ | 厚さ | 重量 | |
敷布団 | 木綿 | 10cm | 6kg | |
ノン コイル | 高反発ウレタン | 7kg | ||
高反発ファイバー | 10kg | |||
高弾性ウレタン | 10kg | |||
TPEポリマー | 35kg | |||
ラテックス | 15kg | |||
低反発ウレタン | 11kg | |||
ハイブリッド | – | |||
コイル | ボンネルコイル | 20cm (仮定) | 18kg | |
ポケットコイル | 20kg |
◯厚み20cmのマットレス
ノンコイルマットレスとしては十分な厚みです。
壁に立てかけて乾燥させるのは大変なのでベッドの上で使うようにしましょう。
その一方、スプリングマットレス(ポケットコイル・ボンネルコイルマットレス)としては必要最低限ギリギリの厚みになります。例えば、スプリングの上のクッション材(ウレタンなどの詰め物)があまりにも少ない場合(例えば、1cmのウレタン一枚と不織布一枚のみ)だと、寝心地が硬すぎたり、へたりが早く、すぐに硬く感じられることがあるので注意が必要です。
また、これくらいの厚みのマットレスを検討すると、ウレタンマットレスがいいのか、スプリングマットレスがいいのか非常に迷うと思います。
ノンコイルマットレス | コイルマットレス | |
イメージ | ||
厚み | 10~20cm前後 | 20~35cm前後 |
重量 | 7~15kg前後 | 20~30kg前後 |
寝心地 | – | – |
耐久性 | ◯ | ◎ |
揺れ&音 | ◎ | △ |
取扱い | ◯ | △ |
廃棄 | ◯ | △ |
クリーニング | × | ◯ |
価格 | ◯ | △ |
以下のページコイル・ノンコイルマットレスの比較をしているので、あなたに合うのはどちらかご確認ください。
関連記事◯厚み25cmのマットレス
25cm以上の厚みは、コイルスプリング製のベッドマットレスで売れ筋のものに多いです。
床に直置きせずにベッドで使うので、ベッドマットレスと呼ばれます。裏表どちらにもクッション材が入っていて両面使用可能なものもあります。8年以上の使用期間を想定している場合は、これくらいの厚みのあるベッドマットレスをおすすめします。
気をつけるべき点として、マットレスの厚みが25cm以上になってくるとベッドのヘッドボードを隠してしまうようになるので、購入前にベッドのデザインを崩さないか確認しておくようにしましょう。
ヘッドボードが低いベッドフレームに厚みが30cmのマットレスを載せてしまうと、完全にヘッドボードが見えなくなってしまうことすらあるので事前に確認しておきましょう。
また、スプリングマットレスを購入するなら、コイルスプリングの品質チェックも重要です。
ざっくりとポイントだけ解説すると、
- 線材がピアノ線のものは10年以上の長期の使用に向く。
- 硬鋼線で②の炭素の保有量が:
60台のものは安価な3~5年前後の耐用年数のものに多い。
70台前半のものは5~8年前後の耐用年数のものに多い。
70台後半のものはそれ以上の長期間の使用が見込める。 - 硬鋼線材はSWRH82B-Cが最高品質。
線材の種類 | 炭素保有量値 | 耐用年数の目安 | |
ピアノ線 | SWRS | 77~92 | 10年前後 |
硬鋼線 | SWRH | 82 | |
72~77 | 6~7年前後 | ||
62~67 | 3~4年前後 |
マットレスの耐用年数を見極める大切な指標です。あなたが検討しているマットレスの比較検討の材料としてお役立てください。
注!:大変残念なことに、平成29年3月30日よりスプリングマットレスの品質表示法の改定があり、表示内容が大幅に簡素化されることになりました。 今後はこのような表示内容になるため、品表ラベルを見てスプリングの数、大きさ、材料の種類、品質などを知ることができなくってしまいました。とはいえ、メーカーも販売店も今まで通り上記のスペックを参考に売買をしているので、あなたが店頭でマットレスの線材と品質を質問すれば教えてくれるでしょう。優れた一品を選び抜くため使える知識ですので、品質表示に記載はされていないとしても、知っておくに越したことはありません。 |
◯厚み35cmのマットレス
コイルスプリングやウレタンフォームの高品質化に従い、分厚いマットレスは減ってきていますが、高価なベッドマットレス(コイルスプリング製)の中には35cm以上の厚みのものもまだまだあります。
良いものはもちろん良いのですが、不必要に分厚く豪華に見せかけただけのマットレスや、クッション材を詰めすぎてしまって、コイルスプリングの良さを打ち消してしまっているマットレスには注意が必要です。
2. おすすめのマットレスの厚さを3タイプ別に紹介
おすすめの厚さはマットレスのタイプにより異なってきます。
ノンコイル 薄型マットレス | 脚付き マットレス | ノンコイル ベッドマットレス | コイルスプリング ベッドマットレス | |
画像 | ||||
厚み | 7~10cm前後 | 10~20cm前後 | 15~25cm前後 | 20~35cm前後 |
重量 | 4~7kg前後 | 10~30kg前後 | 10~20kg前後 | 20~30kg前後 |
寝心地 | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ |
耐久性 | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ |
揺れ&音 | ◎ | △ | ◎ | △ |
使用環境 | 床&ベッド | ベッド | ベッド | ベッド |
手入れ | ◯ | ◯ | ◯ | △ |
クリーニング | × | ◯ | × | ◯ |
処分 | ◯ | △ | ◯ | △ |
価格 | ◎ | ◯ | ◯ | △ |
床置きマットレス、ノンコイルベッドマットレス、コイルスプリングベッドマットレスの3つのパターン別におすすめの厚さについて解説していきます。
①床置きマットレスの最適な厚さは10cm
床置きマットレスなら厚さは10cmが最適です。
そしてその上で、三つ折りのものがおすすめです。
というのも、厚さ10cmで三つ折りのマットレスだと、
- 底つき感はまずない
- 畳んで収納できる
- 壁に立てかけて乾かせる
など、寝心地と使い勝手のバランスが良いからです(柔らかすぎるマットレスは例外)。
このタイプのマットレスの上手な選び方(素材など)や使い方(除湿シートやパッドの組み合わせ方)については下記のページで詳しく解説しているので、これくらいの厚さのマットレスを検討されているならあわせてご参考にどうぞ。
関連記事②ノンコイルベッドマットレスの最適な厚さは20cm
ノンコイルのベッドマットレスの厚さは20cmが最適です。
15cmほどあれば厚さによって寝心地に支障が出ることはありませんが、ベッドの上で使うとなるとやや薄くて見栄えが物足りないことがあります(ローベッドなら見栄えは問題ない)。一方、厚さが20cmくらいになると、いかにも「ベッドマットレス」のような風格が出てきて見栄えも良くなります。
もちろん、さらに分厚い25cmなどのノンコイルベッドマットレスもあり、一層豪華な見栄えにはなるものの必要以上に大きすぎることからコストパフォーマンスが悪く感じられる側面もあります。この辺りを天秤にかけた結果、私は20cmくらいが最適だと思います。このタイプのマットレスの解説については下記ページをご参考にしてください。
関連記事③コイルスプリングマットレスの厚さは20cm以上
コイルスプリングマットレスも同様に、厚さが20cm以上あるものがおすすめです。
ただ、前述したとおり、コイルの上の詰め物(ウレタンフォームやわたなど)が薄すぎると底つき感が出てきますので、マットレスの厚みが20cm以上であることに加えて、詰め物の厚みが4cm以上あることも目安にしてください。
両面仕様のマットレスには、表面詰め物3cm、ポケットコイル20cm、裏面詰め物3cmで合計26cmというものがあったりしますが、こういったマットレスはほぼ必ず底つき感が出てきて快適に寝られません。頭にたたき込んでおきましょう。このタイプのマットレスの解説については下記ページをご参考にしてください。
関連記事3. マットレスの厚みはベッドの高さと一緒に検討すること
ベッドにマットレスを置いて使うとなると、その高さによって睡眠環境から使い勝手まで変わってきます。
また、ベッドの高さによって合う種類のマットレスや合わない種類のマットレスもあります。
低い | 標準 | 高め | 高い | |
画像 | ||||
目安 | ~30cm | 35~45cm | 50~60cm | 90cm~ |
開放感 | ◎ | ◯ | △ | × |
出入り | △ | ◯ | △ | △ |
ホコリ | △ | ◯ | ◯ | ◯ |
転落 | ◯ | △ | △ | △ |
収納 | △ | ◯ | ◯ | ◎ |
安定性 | ◎ | ◯ | ◯ | △ |
寝具制限 | △ | ◯ | △ | △ |
そのため、マットレスの厚さを考えると同時にベッドの高さや種類も検討することをおすすめします。下記のページで詳しく解説しているのでご参考にしてください。
関連記事最後に
マットレスの厚みの目安についてご理解いただけたと思います。
また、以下のページでマットレスの厚みだけでなく、寝心地が素晴らしいマットレスを選ぶためのポイント(体圧分散性、弾力性、耐久性など)とおすすめのブランドについて徹底的に解説しているので、是非あわせてご参考にしてください。
関連記事
なお、マットレスに関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。
■あわせて読んでおきたい「マットレス」の記事一覧
– 選び方編
○マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順
○敷布団とベッドマットレスの比較。素材ごとの併用の相性とおすすめ
○【失敗しないマットレスの選び方】硬さ、厚さ、密度、線材を吟味
○マットレスの3種類7素材を比較|特徴と選び方、おすすめできる人
○低反発と高反発の違い、あなたに合うマットレスはどっちか
○【快眠の方程式】マットレスの理想の硬さ=理想の寝姿勢
○マットレスの正しい厚み(高さ)は「用途と目的」を軸に考える
○【マットレスの通気性】素材・加工ベースで比較評価
– 使い方編
○【マットレスの使い方】シーツ、パッドの正しい順番とは
○マットレスにすのこは必要か?おすすめの選び方
○マットレスの上に布団を敷いてはいけない2つの理由と代替策
○マットレスの正しいダニ退治方法、二度と繁殖させない予防法
○マットレスのカビ除去方法と、再発を防ぐ予防対策
○ベッド・マットレスがずれる?それなら滑り止め対策を
○長生きでお得に!マットレスの寿命を判断する5つの目安
○賢い節約術!マットレスの処分方法を考えるべき順序