※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。通気性だけでなく他の大事な点も押さえてマットレス選びをするなら是非参考にしてください。 |
こんにちは、加賀照虎です。
マットレスは素材ごとに通気性が大きく異なります。
しかし同じ素材であっても、製造や加工方法によって、その通気性はガラッと変わってきます。専門外の人からすると、結構複雑に感じるかと思います。
そこで本日は
- 素材と加工ベースでのマットレスの通気性の評価
- コイルマットレスは「通気性が高い」=「蒸れにくい」ではないこと
- 通気性の悪さはパッドや手入れでカバーできること
- マットレスの通気性について私の考え
などについて解説していきます。
快適なマットレス選びのためにぜひ参考にしてください。
Contents
1. 素材別のマットレスの通気性評価
代表的なマットレスは以下の7種類になります。
- 高弾性ウレタンフォーム
- ラテックス
- 高反発ウレタンフォーム
- 高反発ファイバー
- 低反発ウレタンフォーム
- ボンネルコイル
- ポケットコイル
これらの素材の通気性(と寝心地などに重要なポイント)を比較すると、以下のチャートのようになります。
種類 | イメージ | 体圧分散 | 反発弾性 | 横揺れ | 通気性 | お手入れ | ||
ノ ン コ イ ル | 高 反 発 ・ 高 弾 性 | 高反発ウレタン フォーム | ◯ | ◎ | ◯ | △ | ◯ | |
ラテックス | ◯ | ◎ | ◯ | △ | ◯ | |||
TPEポリマー | ◯ | ◎ | ◯ | ◎ | ◯ | |||
中 間 | 一般ウレタン フォーム | △ | ◯ | ◯ | △ | ◯ | ||
ファイバー | × | ◯ | △ | ◎ | ◎ | |||
低 反 発 | 低反発ウレタン フォーム | ◎ | △ | ◎ | △ | △ | ||
繊維わた | ◯ | △ | ◎ | ◯ | ◯ | |||
詰 め 物 次 第 | ハイブリッド | – | – | – | – | – | ||
コ イ ル | ボンネルコイル | – | ◯ | △ | ◯ | △ | ||
ポケットコイル | – | ◎ | ◎ | ◯ | △ |
※コイルスプリングマットレスの体圧分散性はコイルの上の詰めもの(ウレタンフォーム やわたなど)の量と品質により大きく左右され、単体での評価が不可能なため「 – 」としています。また、それぞれ加工・品質により△が◯になったり、◎が◯になることがあります。 |
ご覧のとおり、通気性においては高反発ファイバーが圧倒的に良いことがわかるかと思います。
が、チャートだけでは全てを伝えきれないので説明を加えていきます。
1-1. 通気性が最高の高反発ファイバー素材の特徴
通気性となると高反発ファイバー素材はピカイチです。
空気がスムーズに流通できる構造体のため、他の種類の素材と比べて圧倒的な通気性です。
また、通気性が高くて湿気が溜まりにくいですし、水洗いも用意にできるため、ダニ・カビなどが繁殖しづらいのも大きなメリットです。
ダニ・カビ繁殖三大原因 | 発生源 | |
温度 |
| |
湿度 |
| |
エサ |
|
そのため、暑がりの人、蒸れを極力少なくして眠りたい人、ダニ・カビなどにアレルギーを持っている人などにぴったりです。
高反発ファイバーマットレスは側生地にもこだわること
とはいえ、側生地の素材が悪いと、高反発ファイバーの良さを損なってしまいます。
高反発ファイバーマットレスを選ぶときには側生地にも注意して選ばなくてはなりません。
最高の通気性環境で眠りたいなら、肌触りが気になるかもしれませんが、3Dメッシュ素材のものがおすすめです。
「3Dメッシュは好きじゃない」
このような場合、生地のせいで蒸れてしまわないよう、汗や湿気を吸い取って発散させる性質のあるもの(吸水性・吸放湿性)を選ぶようにしましょう。
素材 | イメージ | 柔らかさ | 滑らかさ | 吸湿性 | 放湿性 | 耐久性 | 洗濯性 | ||
天 然 繊 維 | 植 物 性 | 綿 (コットン) | ◯ | ◯ | ◎ | △ | ◯ | ◯ | |
麻 (リネン) | △ | △ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | |||
動 物 性 | 絹 (シルク) | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ | △ | △ | ||
羊毛 (ウール) | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | |||
化 学 繊 維 | 再 生 | レーヨン | ◎ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | |
合 成 | ポリ エステル | △ | ◯ | △ | – | ◯ | ◎ |
安いものはひどいです。
ポリエステル生地にポリエステルわたを詰めた側生地のせいで、ファイバー素材の通気性を台無しにしているものがあります。このような商品は避けるようにしましょう。
高反発ファイバー素材の体圧分散性を理解しておくこと
このように通気性に焦点を当てると高反発ファイバー素材は素晴らしく感じます。
しかし、体圧分散性はあまり良くありません。
面で支える硬めの寝心地のため、人によっては硬すぎて腰に圧迫を感じることがあります。
そのため、体格のしっかりした人向きです。
ふつうから細めの体型の方や、ふつうから柔らかめの寝心地に慣れている方にはあまりおすすめできません。
体型 | BMI値 | 寝心地の相性 | |
太め | 25以上 |
| |
ふつう | 18.5〜25未満 |
| |
細め | 18.5未満 |
|
1-2. コイルマットレスは「通気性が高い」=「蒸れにくい」ではない
コイルマットレスには誤解があります。
ボンネルコイルやポケットコイルなどのコイルマットレスの通気性が良いと言われることがありますが、これはあくまでマットレス内部のコイル部分についての話である、とご理解ください。
高反発ウレタン | ボンネルコイル | ポケットコイル | |
イメージ | |||
寝心地 | ◯ | ◯ | ◎ |
費用 | ◎ | △ | △ |
横揺れ | ◎ | × | △ |
きしみ音 | ◎ | × | △ |
通気性 | △ | ◎ | ◯ |
マットレスに寝ているときに感じる蒸れやすさとは関係ありません。
というのも、コイルマットレスのコイルの上には何かしらのノンコイル素材が詰めものとして使用されており、その素材の通気性により「体感できる蒸れにくさ」や寝心地が変わってくるためです。
つまり例えば、通気性が高いとされるボンネルコイルマットレスであったとしても通気性の悪い低品質な低反発ウレタンフォームが詰めものとして使用されていたら、かなり蒸れやすい寝心地になるということなのです。
そして、コイルマットレスというのはコイル単体では成立せず、ノンコイル素材があって初めてきちんとした寝心地になるため、コイルマットレスの通気性はコイルの上の素材をもとに語るべきなのです。
1-3. ノンコイル素材は加工により通気性を高められる
- 高反発ウレタンフォーム
- 高弾性ウレタンフォーム
- 低反発ウレタンフォーム
- ラテックス
などの高反発ファイバー以外のノンコイル素材の通気性はふつうから悪いほうに分類されます。が、プロファイルカットなどの表面加工により通気性を高めることができます。
二層構造 | 凸凹プロファイル | 7ゾーンプロファイル |
波型カット | デクビトスカット | ピンホール加工 |
特に、ピンホール加工は通気性を大きく高めます。
ピンホール加工がマットレス全体にされていれば高反発ファイバー素材ほどではないものの、ひどい蒸れを感じることはほとんどなくなります。例えば、ラテックスマットレスはほぼ全ての商品にピンホール加工がされているくらいです。
また他にも、ウレタンフォームの気孔構造が開いているオープンセル構造などのウレタンフォームもあります。
オープンセル構造 | ピンホール加工 |
2. 通気性について考えるのは無駄?パッドやお手入れでカバーできる
ここまでマットレスの通気性を軸に語ってきました。
が、実のところ、通気性について考えるのはやや無駄とも言えなくもないのです。
というのも、マットレスは基本的にシーツやパッドなどを重ねて使用することが推奨されているのですが、パッドを重ねるとなるとマットレスの通気性がいかに良くとも体感的には変わらなくなるからです。
敷きパッド | ベッドパッド | ベッドシーツ | トッパー | プロテクター | |
画像 | |||||
役割 |
|
|
|
| |
厚み | 1~2cm前後 | 3~4cm前後 | 5mm前後 | 3~5cm | 5mm前後 |
温湿度調整 | ◎ | ◎ | ◯ | × | △ |
汚れ防止 | ◯ | ◯ | △ | △ | ◎ |
洗濯 | △ | △ | ◯ | × | ◯ |
体圧分散性 | △ | ◯ | × | ◎ | × |
マットレスの下側も同じです。
通気性が悪いためにマットレスの下に湿気が溜まりやすくカビが生えやすくなる点についても、手入れをきちんと行い、除湿シートを敷いておくことで予防できます。
フローリング | 畳 | 除湿シート | 床置きすのこ | すのこベッド | コルクマット | アルミシート | |
画像 | |||||||
吸湿性 | △ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ | △ |
通気性 | △ | △ | △ | ◯ | ◎ | △ | △ |
保温性 | △ | ◯ | △ | △ | △ | ◯ | ◎ |
クッション性 | △ | ◯ | △ | △ | △ | ◯ | ◯ |
正直、これは判断の分かれるところです。
例えば、高反発ファイバーマットレスの通気性を最大限に活かしたいならシーツを一枚だけ敷けば良いのですが、そうするとマットレスが汚れやすく耐用年数がやや短くなるからです。
反対に、通気性の悪い低反発ウレタンフォームのマットレスであっても、ピンホール加工がされていてその上に、適切な素材の側生地やシーツ、パッドなどがあれば蒸れ感に悩まされることはほとんどないとも言えるのです。
どちらにするべきかは、結局、使用者の判断になります。
マットレスの通気性に対する私の考え
こういったことから私自身は、マットレスの通気性は良いに越したことはないが、寝心地のあまり良くない高反発ファイバー素材を使うまでではないと考えています。
適切な加工がされたウレタンフォームが使用されており、その上に、適切な素材の生地やパッドなどを敷けば蒸れを感じることはないですし、マットレスを長持ちさせることもできるからです。
3. 通気性の良いおすすめマットレス
最後に通気性の良いマットレスを探している方におすすめのものをご紹介します。
ブレスエアー®︎ ネムリエPremier
型・種類 | ノンコイル薄型/高反発ファイバーマットレス |
厚み | 10cm |
硬さ | 極柔~極硬から選択可能 |
送料 | 無料 |
品質保証 | 30日 |
トライアル | なし |
サイズ・重量 | ナローシングル: 68×195×10cm・約5.7kg、シングル: 95×195×10cm・約8.1kg、セミダブル: 117×195×10cm・約9.5kg、ダブル: 135×195×10cm・約11.5kg |
価格 | ナローシングル: 41,800円、シングル: 49,500円、セミダブル: 60,500円、ダブル: 71,500円 |
リンク | 商品ページ |
体圧分散性 | 反発弾性 | 通気性 | 吸放湿性 | お手入れ |
◯ | ◯ | ◎ | △ | ◎ |
高反発ファイバー素材として有名なブレスエアー®です。
この製品はブレスエアー®の加工を一手に引き受けている企業が企画しているもので密度などの仕様はお墨付きです。上記で説明した通り、面で支える構造のためしっかり目の使用感ですが、内部が三層構造になっていてソフト、ふつう、ハードの中からあなたの好みに合わせて硬さを調整することができます。高反発ファイバー素材のエア系マットレスを選ぶのならこのブランドがおすすめです。
B-AIR PRO PLUS F40
型・種類 | ノンコイル薄型/高反発ファイバー+高弾性ウレタンフォームマットレス |
厚み | 7cm |
硬さ | ふつう |
送料 | 無料 |
返品保証 | 無し |
サイズ・重量 | シングル: 95×200×7cm・約5.1kg、セミダブル:118cm×200cm×7cm・約6.3kg、ダブル: 135cm×200cm×7cm・約7.2kg |
価格 | シングル: 63,800円、セミダブル: 87,696円、ダブル: 93,960円 |
リンク | 商品ページはこちら |
体圧分散性 | 反発弾性 | 通気性 | 吸放湿性 | お手入れ |
◎ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
高反発ファイバー素材(ブレスエアー®)をベースにその上に通気性の良いオープンセル構造のウレタンフォーム(セルプール)を重ねたマットレスです。
弊社が部材調達をしている自社製品となり恐縮ですが、通気性が高くなおかつ弾力性に優れた寝心地をお求めの方におすすめです。
エコラテエリート 三つ折りマットレス
型・種類 | ノンコイル薄型/高反発ウレタンフォームマットレス |
厚み | 10cm |
硬さ | ふつう~やや硬め |
送料 | 無料 |
品質保証 | 3年 |
トライアル | 60日 |
サイズ・重量 | シングル: 98×195×10cm・約7kg、セミダブル: 118×195×10cm・約8kg、ダブル: 138×195×10cm・約9kg、クイーン: 158×195×10cm・約10kg |
価格 | シングル: 19,990円、セミダブル: 22,990円、ダブル: 26,990円、クイーン: 29,990円 |
リンク | 商品ページ |
体圧分散性 | 反発弾性 | 通気性 | 吸放湿性 | お手入れ |
◯ | ◯ | △ | ◯ | ◎ |
高反発ウレタンフォームに凸凹プロファイル加工を施した三つ折りマットレスです。
自社製品のため手前味噌ですが、そこそこの通気性で、三つ折り仕様のため湿気対策のためのお手入れが楽にできておすすめです。
最後に
マットレスの通気性について深くご理解いただけたことと思います。
もしあなたが「通気性以外の点についても深く知りたい」ということであれば、以下のページで寝心地が素晴らしいマットレスを選ぶためのポイント(体圧分散性、弾力性、耐久性など)とおすすめのブランドについて徹底的に解説しているので、是非あわせてご参考にしてください。
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○【マットレスの通気性】素材・加工ベースで比較評価
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