
※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段、体質、好み別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。マットレスに寿命が来ている方はぜひ参考にしてください。 |
こんにちは!
マットレスを作ってる側の人間、加賀照虎です。
マットレスは毎日使うもの。
だからこそ、寿命がわかりにくいですよね。
とはいえ、替え時を過ぎたマットレスを使っていると、
- 寝心地が悪かったり
- 腰や背中を痛めたり
- 汚れによる雑菌などのためにアレルギーの原因になったり
などなど心配事がたくさんです。
そこで今回は、マットレスの寿命に関連して、
- マットレスに寿命が来ているか判断する5つの目安
- マットレスの寿命を伸ばす方法
- マットレスの寿命(耐久性)を見極めるコツ
をご紹介します。
あなたのマットレスをよりよく使うための参考にお役立てください。
Contents
1. マットレスに寿命がきているか判断する5つの目安
一般的なマットレスは5~8年前後、高品質のものなら10年はゆうに使えます。
そしてその間、マットレスは毎日少しずつ使用感が悪くなります。
とはいえ、「数年かけて毎日少しずつ」なのでマットレスの機能が悪くなっていることに気づくのはとても難しいです。
以下の5つに該当すれば、マットレスに寿命がきているとお考えください。
- 表生地の擦り切れ、破れ、汚れがひどい
- ウレタンフォームやわたなどの詰めものがへたっている
- スプリングや床の硬さを感じる
- スプリングが劣化している(ヘタリ・ギシギシ音)
- 粗相による汚れやダニ・カビの大繁殖
イメージできるものもあると思いますが、それぞれ説明を加えていきます。
①表生地の擦り切れ、破れ、汚れがひどい
マットレスの表生地の劣化が進むと肌触りが悪くなります。
また、わたやウレタンフォームなどが直接肌に当たるまでになると、蒸れやすくなるため寝心地が悪くなります。さらに、ひどいケースではコイルスプリングが飛び出してくることもあり怪我の恐れもあります。

購入したお店などでマットレスの交換用の側生地(元々付いているカバー)が販売されていれば良いのですが、そうではないならマットレスを買い換えるようにしましょう。
②わたやウレタンフォームなどの詰めものがへたっている
わたやウレタンフォームなどがへたることでクッション機能が減り、体圧分散性が悪くなります。マットレスが体にフィットしないように感じられ、腰に疲れを感じやすくなります。
詰めもののへたりであればマットレスにトッパーを重ねることで寝心地を改善させることができます。適切な選び方(厚さ、素材など)について下記のページで解説しているのであわせて参考にしてください。 関連記事 |
③スプリングや床の硬さを感じる
②がさらに進行した状態です。
詰めものがへたってクッション性がなくなることでその下のスプリングの硬さが腰に直撃するようになります。スプリングのないノンコイルマットレスでは床の硬さを感じるような寝心地になります。

④スプリングが劣化している(ヘタリ・軋み音)
腰が落ち込むほどコイルスプリングのヘタリがひどいと、寝姿勢が悪くなったり寝返りがしづらくなり、その結果、腰痛の原因になります。
硬さ | イメージ | 評価 |
硬すぎ | ![]() | 腰などへの圧迫による疲れ、背中のサポートが ないことでの痛みなどの原因になる恐れがある。 |
適度 | ![]() | 圧迫がなく、適切な寝姿勢により快適に眠れる。 |
柔らかすぎ | ![]() | 寝姿勢が悪くなることで腰から背中の筋肉・骨・腱の 疲れや痛みなどの原因になる恐れがある。 |
また、ちょっとした寝返りでギシギシ軋む音がするのはコイルスプリング劣化の兆候でもあります。マットレスに寿命が来ているサインと捉えましょう。
⑤粗相による汚れやダニ・カビの大繁殖
おねしょなどによってマットレス内部にまで汚れが侵入し、そのまま生乾き状態になると雑菌が繁殖する恐れがあります。洗浄クリーニングが可能なマットレスであればいいですが、そうでなければマットレスを買い換えるようにしましょう。
ダニは洗浄クリーニングで一掃することができますが、カビはやや難しいです。クリーニング業者と確認しましょう。ただ、出張クリーニングではマットレス一台につき1~2万円の費用がかかるため、費用対効果が合うかマットレスの値段などと勘案しましょう。
2. 小まめなお手入れでマットレスの寿命は伸びる
医学の世界では「治療よりも予防が大切である」とよく言われます。マットレスも同じく、日々のお手入れ(予防対策)で使用期間が大きく変わります。では、どういうふうにお手入れをするべきなのかご紹介していきます。
2−1. マットレスの除湿をして長持ちさせる
マットレスの除湿はとても大事です。
湿気が溜まったままだと、「表生地、わた、詰め物、ウレタン」の劣化を早める原因になります。また、ダニ・カビの繁殖を促すので、衛生的にも良くありません。そのため、以下のような対策を取ることを推奨します。
- マットレスは床に直置きしない
- 直置きするならこまめにマットレスを壁に立て掛ける
- マットレス(ベッド)は壁から離して置く
マットレスを壁に立てかけて干す - マットレスの底面は定期的に空気を当てる
- 寝室をこまめに換気する
- 寝具アイテムを活用する(後述)
寝汗を多くかく人、多湿地域にお住いの人、湿気が寝室に溜まりやすい人には特に、このような対策を心がけてください。
2−2. マットレスを定期的にひっくり返す
いつも同じ面の上に寝ているとマットレスの同じ箇所に負荷がかかり続けます。
そのため、クッション性の低下が早まり寿命が短くなってしまいます。そこで定期的に、以下のようにマットレスを(上下・裏表共に)ひっくり返えすことを推奨します。

半年に1度を目安に行いましょう。大変だとは思いますが、マットレスの寿命を伸ばすために頑張りましょう。
マットレスが両面使用可能なモデルの場合にのみ、有効な対策となります。裏面が使えないモデルの場合は、上下をひっくり返すだけにしておきましょう。使用中のマットレスが両面使用可能かどうか分からない場合は、購入店舗かメーカーに確認しましょう。
とはいえ、ベッドマットレスだとかなり重く危険なので、体力に自信のない方はお控えください。
2−3. 寝具アイテムの併用でマットレスの寿命を伸ばす
新品のマットレスを購入した人、比較的新しいマットレスを使用している人には、以下のような予防対策を取られることをお勧めします。
ベッドパッド・敷パッドでヘタリ予防
ベッドパッド・敷パッドを使用することにより、寝汗がマットレスに侵入することを大幅に軽減できます。それにより、マットレスの表生地・わた・ウレタンの劣化を避けられます。

製品:快眠タイムズ 除湿・消臭敷きパッド
価格:5,980円
【購入ページはこちら】
自社製品で恐縮ですが、コーミング加工をした高品質な綿100%の敷きパッドです。お菓子の袋の中によく入っている除湿剤のシリカゲルを中材に詰めているため寝汗をとてもよく吸収します。熱帯夜でもカラッと爽やかに眠れます。また、シリカゲルには消臭効果もあるので、汗臭、加齢臭、タバコ臭などもスッキリ除去します。
除湿シートでマットレスの除湿
除湿シートとは、吸湿性の高い繊維や素材(主にシリカゲル)で作られたシートです。マットレスの下に敷くことで、底にたまりがちな湿気を吸収してくれます。

製品:洗える除湿シート
素材:[表裏]ポリエステル100% [中材]シリカゲルB型
価格:1,400円
【商品ページはこちら】
もちろん、除湿シート自体の換気も必要です。1~2週間に1度は除湿シートを干して吸った湿気を吐き出せましょう。そうしないと、除湿シート自体にカビが生えてしまうことなります。マットレスをフローリングに直置きしている方に特にオススメです。
マットレスプロテクターで汚れ防止
マットレスにプロテクターを装着することで、寝汗、皮膚、フケ、ホコリなどの汚れがマットレスに侵入することを防ぎます。
敷きパッドと同じく、マットレスの表生地・わた・ウレタンの劣化を避けられます。

価格:5,500円
【購入ページはこちら】
伸縮性に富んだニット生地が生みだす柔軟な肌あたり、透湿性をもつ極薄0.025mmの防水膜による爽やかさ、その上、50回洗濯にも耐えうるしっかりした作り。自社製品のため手前味噌ですが、No.1の防水マットレスプロテクター(防水シーツ)と自負しています。
3. マットレスの寿命を見極めるポイント
※ 注意:ここでご紹介する方法は、高反発系ウレタンマットレス、ボンネルコイル・ポケットコイルなどのスプリングマットレスにのみ該当します。
「このマットレスお値打ちだけど、すぐ悪くならないかな?」などの疑問を感じたことはないでしょうか?
結論から言うと、マットレスに使用されている「ウレタンフォームの密度」を知る(聞く)ことで、このような疑問を解消できます。「ウレタンフォームの密度」は「マットレスの耐久性」と比例します。
どういうことかと言うと、「密度が低い」=「ウレタンがスカスカ」なので、ヘタリやすく寿命が短いということです。(※密度が高い=硬い、ではありません。)なので、高密度のウレタンを使用しているものは、必然的に値段も高くなります。
以下の数値グラフを参考にマットレスを比較検討していただければ、きっと良い買い物ができると思います。
ウレタン密度(kg/㎥) | 耐久性の評価 | |
高反発 | 低反発 | |
20D以下 | 30D以下 |
|
25D前後 | 35D前後 |
|
30D前後 | 40D前後 |
|
40D以上 | 50D以上 |
|
(※使用環境により若干の誤差が出る点、ご了承ください。)
例えば、密度10~20は食器洗い用のスポンジと同レベルの密度です。この程度の密度のウレタンフォームに長い寿命はさすがに期待できません。
この耐久性の評価は高反発ウレタンマットレスを軸にしたものですが、スプリングマットレスの詰め物のウレタンにも同様のことがいえます。というのも、スプリングマットレスのへたりはコイルだけではなく、ウレタンによるものも多いためです。
また、スプリングマットレスのコイルスプリングの寿命を推し量ることも可能です。どうするのかと言うと、品質表示ラベルに記載されている「コイルスプリングの材料と種類」を見るだけなのですが、

- 線材がピアノ線の場合、10年以上の使用が期待できます。
- 線材が硬鋼線で②の炭素の保有量が:
60台のものは安価で3~4年前後の耐用年数、
70台前半のものは5~7年前後の耐用年数、
70台後半のものはそれ以上の長期間の使用、がそれぞれ見込めます。
線材の種類 | 炭素保有量値 | 耐用年数の目安 | |
ピアノ線 | SWRS | 77~92 | 10年前後 |
硬鋼線 | SWRH | 82 | |
72~77 | 6~7年前後 | ||
62~67 | 3~4年前後 |
もちろん、いかに線材が良いものであっても、ウレタンがヘタってしまっては元も子もないので、スプリングマットレスを購入する際はコイルスプリングとウレタンのどちらも品質チェックするようにしましょう。
注!:大変残念なことに、平成29年3月30日よりスプリングマットレスの品質表示法の改定があり、表示内容が大幅に簡素化されることになりました。![]() |
最後に
もしあなたのマットレスにもう寿命が来ているのなら、以下のページでマットレスの処分方法を紹介しているのでご覧ください。
関連記事また、新しいマットレスの購入を検討しているのなら、以下のページで硬さや厚み、素材を吟味した選び方や、注意点、おすすめのマットレスを紹介しているのであわせてご参考にしてください。
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なお、マットレスに関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。
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