※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。マットレス選びの情報収集をしている方はぜひ参考にしてください。 |
こんにちは、加賀照虎です。
マットレスに関する悩みの中でも特に厄介なのが「ダニ」ですよね。
結論から言うと、マットレスのダニ対策は
- 退治
- 除去
- 予防
この順序で進める必要があります。
この順序を守らないと、ダニが再発生したり、アレルギーに悩まされることになります。しかし、ダニ対策にはいろいろな方法があり、どれが一番効果的なのか分かりにくいですよね。さらに、マットレスの種類(コイル式かノンコイル式か)によって、最適な対策が異なるのも事実。
ノンコイルマットレス | コイルマットレス | |
画像 |
そこで本日は、
- マットレスのダニ対策3ステップの概要
- 【マットレスの種類別】効果的なダニ退治方法4選
- ダニアレルゲンの除去方法
- ダニの再発生を防ぐための予防策
などについて、詳しく解説していきます。
しっかりとダニ対策を実践して、快適な睡眠環境を取り戻しましょう!
※このページはマットレスのダニ対策について書いてあります。掛布団・敷布団のダニ対策方法はこちらのページ「【布団のダニ退治方法】おすすめ11選と再発予防3ステップ」をご参考にしてください。 |
(動画での解説を追加しました!)
Contents
1. マットレスのダニ対策3ステップ
いきなりマットレスに掃除機をかけようとしてはいないでしょうか?
効果が薄いのでお止めください。
ダニ対策を効果的に行うためには、以下の3つのステップに従って行うことが大切です。
ステップ1 | ステップ2 | ステップ3 | |
ダニ対策 | ダニの退治・駆除 | ダニアレルゲン除去 | ダニ再発予防 |
具体的内容 |
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- ダニを退治:ダニを死滅させる前に掃除機などで除去しようとしても効果は薄いです。何よりも先にダニを死滅させないといけません。
- ダニアレルゲンの除去:ダニを死滅させたままマットレスに残すとアレルギーの原因となります。退治と除去はセットで行ってください。
- ダニの再発予防:今後の発生を抑えるための予防をしないと、振り出しに戻ることになります。
それでは各ステップの詳細をご紹介していきます。
ステップ1: マットレスのダニ退治の方法
マットレスのダニ退治方法には色々とあります。
が、私がおすすめするのは上から4つです。具体的な内容をそれぞれ紹介していきますので、あなたのマットレス(コイルorノンコイル)や予算に合う方法で行っていきましょう。
効果 | 費用 | 評価 | |
側生地を高温 で洗濯&乾燥 | ◎ | 低 | 側生地を取り外すことができるのなら1番おすすめ。 60℃の熱でダニを退治できます。 |
クリーニング 業者 | ◎ | 高 | 費用こそ高いが、ダニ以外の汚れ (カビ、汗染みなど)も一掃可能。 |
布団乾燥機で 熱処理 | ◯ | 高 | 朝晩2回を連日行うことでダニ退治効果が見込める。 |
薬剤処理 | ◯ | 低 | リーズナブルにダニを退治できるが、 使いすぎには要注意。 |
天日干し | ✕ | 低 | 労力対効果が悪い。 熱で生地などを痛めることも。 |
スチーム アイロン | ◯ | 中 | 殺ダニ効果は高いが、熱で生地などを痛める恐れがある。 また、マットレスを乾かすのも大変。 |
ダニ取り シート | △ | 中 | 即効性がないので、ダニ予防におすすめ。大発生後の ダニ対策には向かない。本当にダニがいるのかの確認可能。 |
熱湯 | ◎ | 低 | 手軽で効果的だが、素材を痛めることも。素材によっては 使用感を大きく悪化させるので非推奨。 |
アロマ | ✕ | 低 | ダニを追い払う効果はあるが殺ダニは不可能。 ダニ対策としては一時しのぎ程度。 |
除湿機 | ✕ | 高 | 湿度を抑えることでダニ発生の予防はできるが、 大発生してしまったダニの退治方法には向かない。 |
①側生地をとって高温で洗濯・乾燥【側生地を外せるノンコイルマットレス向け】
まずは、もっとも手軽な方法です。 側生地(元々付いているカバー)を外して高温で洗濯機で洗うか乾燥させましょう。寝具のダニは60℃以上の熱で退治できると報告されています。
②クリーニング業者に依頼【コイルマットレス向け】
出張クリーニングならダニだけでなくマットレスの汚れ(カビ、汗染みなど)を全般的にキレイにできます。
とはいえ、出費が若干高く付きます。マットレスのサイズにより変動しますが一般的に以下のようになっています。
クリーニング費用相場 | サイズ |
0.8万円~1.2万円 | シングル(100cm幅) |
0.9万円~1.5万円 | セミダブル(120cm幅) |
1.0万円~1.7万円 | ダブル(140cm幅) |
1.1万円~2.0万円 | クイーン・キング(160cm幅以上) |
またもし、マットレスの裏表両面にクリーニングが必要だと、価格は1.5~2倍前後になります。 そのためもし、あなたのマットレスが10万円クラスのものでまだ数年は使える見込みなのであれば、費用対効果が合ってくるかと思います。
が、若干へたってきて買い替えを検討しているマットレスならば、少し割に合わないかもしれません。出張クリーニングの発注の流れなどを以下のページで紹介しているのでご参考にしてください。
③布団乾燥機で熱処理する【コイル・ノンコイルどちらにもおすすめ】
布団乾燥機でマットレスのダニ退治も可能です。
ただ、効果は完璧ではなく、そこそこ程度です。というのも、熱処理されることにダニが気づき、熱の届かないマットレスの深部に逃げていくためです。そのため、布団乾燥機でマットレスのダニ退治を行うなら、以下の2つのコツを守るようにしましょう。
- 部屋を暗くして1時間待機してから退治を開始する。夜行性のダニの習性を活かして、マットレス表面に出てくるように仕向けましょう。
- 朝晩2回の処理を連日続けて行う。1度ではなかなか効果が出ず、3回行ってやっとダニを70%減らすことができた、と実験で報告されています。
このように行っていただければ、効果的なダニ退治になります。
しかし、布団乾燥機にはデメリットもあり、約70℃の熱をマットレスに当てることになるので、ウレタンなどの素材の使用感を損ねる可能性があることです。マットレスの素材によっては使用をヘタリの原因になるので、事前の確認が必要です。
④ダニ駆除薬剤を使用する【コイル・ノンコイルどちらにもおすすめ】
ダニ駆除用の薬剤もおすすめです。しかし、何でも良いという訳ではなく「布団・マットレス対応」としっかり明記されているものを選びましょう。
製品:アース製薬 ダニアース防ダニスプレー
価格:660円
【当製品の販売ページ】
こちらの商品は布団対応と明記されています。肌に触れる寝具に化学薬品を散布するので、このようなものを選ぶことをおすすめします。しかし、薬品・刺激に敏感な方、体力に自信のない方、敏感肌の方は少量からの使用を徐々に増やすなど、なるべく負担がかからないように使うようにしましょう。
また、換気の良い状態でスプレーを散布する、散布中の液体を過って吸引しないようにマスクを着用する など注意を払ってご使用ください。
※天日干し、アイロンのスチームは非推奨
これらの方法はあまり効果的ではないのでおすすめできません。
- 天日干し:わざわざマットレスを運び出しても、ダニを退治するほどの効果がないのでおすすめできません。特にウレタンマットレスの場合、熱により劣化して快適に寝られなくなってしまいます。もちろん、マットレスの側生地のみを真夏の炎天下に毎日天日干しすればいくらか効果は見込めますが、そうするくらいなら高温で洗濯する方が手っ取り早いです。
- アイロンのスチーム:アイロンのスチームの熱を利用してダニ退治をする方法もあります。敷布団に対しては良いと思いますが、マットレスへはおすすめできません。強すぎる熱と水分によりマットレスの詰め物素材(主にウレタン)が劣化して寝心地が大きく悪化する可能性があるためです。
そのため、マットレスのダニ退治は上記の4つの方法から行うようにしましょう。
ステップ2: ダニアレルゲンの除去
ダニ退治はできましたでしょうか?
マットレスのダニを退治したら、きちんと死骸を除去しなければなりません。ダニの死骸、糞、抜け殻などはダニアレルゲンと呼ばれる、アレルギーを引き起こす恐れのある物質です。ここでやっと掃除機の出番です。
掃除機でダニアレルゲンを吸い取る
ダニアレルゲンは掃除機を使って除去しましょう。マットレスクリーナーのような専用のものをあえて購入しなくとも、吸引力の高い掃除機で十分です。マットレス表面を満遍なくじっくりと掃除することが大切ですが、ダニが集中的に生息する以下のポイントは、念入りに掃除機がけしましょう。
- マットレス表面の頭の方
- マットレスとベッドの隙間
- キルティング(外カバーの縫い目)の隙間
これらはダニが多く潜んでいる場所なので、ダニの死骸、糞などのダニアレルゲンも同様に多いと考えられます。注意してじっくりと掃除しましょう。また、マットレスの側生地が洗濯機で洗えた場合、ウレタンの表面も同じように掃除機をかけましょう。
ステップ3: ダニ再発生の予防
ダニ退治からダニアレルゲン除去までできましたでしょうか?
そうであっても安心してはいけません。ダニが一度大繁殖したことを考えると、あなたのマットレスはダニフレンドリーな環境だと考えられます。きちんと再発予防をしましょう。
ダニ・カビ繁殖三大原因 | 発生源 | |
温度 |
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湿度 |
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エサ |
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結論、ダニが繁殖する原因は湿気と汚れです。これを防ぐためには、
- お手入れをきちんと行うこと
- マットレスを保護すること
が大切になってきます。どのように行えば良いか解説していきます。
マットレスのお手入れ方法
- 朝起きたら布団をめくっておく【毎日】
- ベッドシーツを交換する【週に1~2回】
- マットレスを壁に立てかけて通気する【2~3週間に1回】
- ベッドとマットレスに掃除機掛け【1ヶ月に1回】
- 敷きパッドを洗濯する【2~3ヶ月に1回】
- マットレスをローテーションする【半年に1回】
このようにきちんとマットレスを手入れすることで湿気や汚れがたまりにくくできます。具体的な方法やコツについては下記のページをご参考ください。
関連記事マットレスを保護すること
マットレスの上にそのまま寝ていたり、ベッドシーツ一枚敷くくらいではマットレスの保護は不十分です。敷きパッドやマットレスプロテクターを併用して湿気と汚れからマットレスを守りましょう。
具体的には下記のような使い方がおすすめです。
- 【除湿シート→マットレス→敷きパッドorベッドパッド→シーツ】
このようにして使うとマットレスが汚れることを減らせます。また、シーツを洗うのは1週間に1~2回程度で、パッドを洗うのは2~3ヶ月に1回程度です。お手入れの負担もそこまで多くなくできます。 - 【除湿シート→マットレス→プロテクター→敷きパッドorベッドパッド→シーツ】
上の使い方にさらにマットレスプロテクターを加える方法です。この使い方ではマットレスが汚れる可能性がほぼ0になります。高品質なマットレスを新しく購入する方におすすめの使い方です。マットレスをずっとキレイに長持ちさせられます。
最後に
マットレスがダニ被害に遭われて対処に大変だったことお気持ち察します。キレイに掃除ができていれば何よりです。
ただもし、「せっかくの機会だしマットレスを買い換えようかな」とお考えでしたら、以下のページで寝心地が素晴らしいマットレスを選ぶためのポイント(体圧分散性、弾力性、耐久性など)とおすすめのブランドについて徹底的に解説しているので、是非あわせてご参考にしてください。
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なお、マットレスに関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。
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○マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順
○敷布団とベッドマットレスの比較。素材ごとの併用の相性とおすすめ
○【失敗しないマットレスの選び方】硬さ、厚さ、密度、線材を吟味
○マットレスの3種類7素材を比較|特徴と選び方、おすすめできる人
○低反発と高反発の違い、あなたに合うマットレスはどっちか
○【快眠の方程式】マットレスの理想の硬さ=理想の寝姿勢
○マットレスの正しい厚み(高さ)は「用途と目的」を軸に考える
○【マットレスの通気性】素材・加工ベースで比較評価
– 使い方編
○【マットレスの使い方】シーツ、パッドの正しい順番とは
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○マットレスの正しいダニ退治方法、二度と繁殖させない予防法
○マットレスのカビ除去方法と、再発を防ぐ予防対策
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○長生きでお得に!マットレスの寿命を判断する5つの目安
○賢い節約術!マットレスの処分方法を考えるべき順序