
朝起きたら腰が重い・・。
もしかするとマットレスの体圧分散性が悪い(硬すぎる)がために、腰を痛めている可能性があります。
体圧分散性はマットレスの最重要ポイントです。
寿司で言うなら、ネタの新鮮さに値します。
そこで今回は、「体圧分散性に優れたマットレス」と「体圧分散性がなぜ重要なのか」をご紹介いたします。
体圧分散性の素晴らしい具体的なマットレスが分かるだけでなく、あなた自身の知識と感覚で体圧分散の良いマットレスを選べられるようになります。
1. 体圧分散性に優れたマットレス4選
- 体圧分散性の悪いマットレスの上に敷くにぴったりなマットレス
- ベッドと併せて使うベッドマットレス
これら2つのタイプをご紹介します。
あなたの睡眠環境と合致するタイプのマットレスをご参考にしてください。
1−1. 薄型マットレス(トッパー)のおすすめはこちらの2つ
薄型のマットレスは、厚いマットレスの上に敷いて使うことからトッパーと呼ばれたり、畳の上で使われることもあるため(主に国外製造業者から)フトンマットレスと呼ばれます。
高反発マットレスと低反発マットレスからオススメのものを1つずつ紹介いたします。
(1)セルプール ハイブリッドマットレスEX

価格:39,700円
【ブランド紹介ページはこちら】 / 【セルプール紹介ページはこちら】
高弾性ウレタンフォーム「セルプール」が使用されているため、柔らかすぎずに快適な体圧分散性を感じられます。
高反発とは異なり弾力性が高いので「体圧分散性が良いマットレスが欲しいけど低反発などの柔らかい寝心地は苦手だな…」とお考えの方におすすめです。
お使いのマットレスの体圧分散性を高めるためのトッパーとしてオススメの一品です。
(2)テンピュール トッパー7

価格:61,509円
【当製品の販売ページへのリンク】
横たわると同時に体にヌーっと馴染む様は、低反発ウレタンフォームならではの感覚です。体にピタッとフィットするので体圧分散性は抜群です。
低反発マットレスは柔らかすぎるため寝返りがしづらく腰を悪くするという意見がありますが、テンピュール社が提供する低反発ウレタンは密度が高く、柔らかくもしっかりしています。特にトッパータイプは、沈み込みすぎることなく快適に眠れます。(※この製品は単体では使用せず、お使いの布団・マットレスの上に敷いて使うことを求められています。)
1−2. ベッドマットレスのおすすめはこちらの2つ
もしあなたがベッドと共に使用するマットレスで体圧分散性に優れたものが必要な場合、こちらの2つをご参考にしてください。
(3)快眠タイムズ オアシス マットレス

価格:42,000円
【ブランド紹介ページはこちら】
6万円前後の予算で、体圧分散性の素晴らしいマットレスをお探しの方におすすめです。
ふわふわ、もちもち、しっかりの三層構造のウレタンフォームで、雲の上のような無重量感覚の寝心地のベッドマットレスです。自社製品のため恐縮ですが、ほどよく柔らかい寝心地を好む人にイチオシです。こちらも3週間無料トライアル可能です。
(4)東京ベッド インテグラ ビギン

価格:90,000円
【当製品の販売ページへのリンク】
ポケットコイルスプリングの上に上質な低反発ウレタンフォームが詰められているマットレスです。
低反発フォーム自体は2cmなので沈み込みすぎることなく適度に体圧分散性を良くしつつ、その下のフォームとポケットコイルがバランス良く体を支える設計になっています。
2. 体圧分散性はなぜ重要なのか?
もしあなたが「体圧分散性の優れたマットレスが良いらしいけど、何がどう良いのかわからない」といった場合、ここから先もご覧ください。
体圧分散性とはどのようなものか、そして反発弾性とどのような関わりがあるのかを説明します。
2−1. 体にかかる圧力を全体に分散する重要な働き
マットレスの体圧分散性とはつまり、体の重い部位に集中しがちな圧力を体全体に分散する性質のことです。
なぜ体圧分散性が重要なのかと言うと、ヒトの体は湾曲しており、さらにその上、部位によって重さがことなるからです。

仰向けで寝ると、背中や腰などは他の部位よりも重さがあります。
さらに、肩甲骨や尾骶骨(ビテイコツ:腰の骨)などは、他の部位よりも出っ張っています。
そのため、これらの部位に重みが集中してしまいます。
上のイラストにあるように上半身が33%、腰などの中半身が44%と、体の重さはほとんど腰と背中に集中することと言われています。
例えば、フローリングに仰向けで寝転んでいるところを想像してみてください。
体の重さが、背中・腰に集中しますね。
それにより肩甲骨や腰の骨は、圧迫感を感じてしまいます。
ひどいケースでは、痛みすらも感じられることがありますし、体の弱った高齢者ともなるとこの圧迫のせいで褥瘡が出来てしまうほどです。
これは体圧分散性がかなり悪い状況といえます。
それでは反対に、体圧分散性が良いのはどんなときかと言うと、マットレスに体がピタッとフィットしている状態です。

マットレスが体全体にフィットすることで体の重さを全体に広く分散させられるので、圧迫感を極力減らすことができるのです。
こういった状態だと、体がふわっと軽くなるかのように感じられ、負担を少なくして快適に眠れるのです。
余談ですが、体圧分散性が最高な状態は水の上に浮いているときです。まったく圧迫感がないですよね。体圧分散性の良さ=圧迫感の無さ、のイメージの参考になるかと思います。
2−2. 体圧分布チャートはこのように見る
それでは次に、体圧分散チャートの見方について詳しく説明します。
体圧分散性はこちらのイラストのように、マットレスの上に圧力を検知するシート(青い線で表現しました)を敷き、その上に人が寝て測ります。

身体の細かいエリアごとの重さを測定する、と考えるとわかりやすいかもしれません。
それでは、1つ目の測定データを見てみましょう。

この体圧分布チャートの見方ですが、「赤色と黄色」は圧力が強くかかっている部位を表し、「緑色と青色」は圧力があまりかかっていない部位を表します。
臀部・背中・カカトに体の重みが集中しているのが分かりますね。
背中の下部には圧力がかかっていないので浮いている状態になっています。そのため、これは体圧分散性の良くないマットレスだと判断できます。
一方、こちらの体圧分布チャートには赤色の部分が見当たりません。お尻にわずかに黄色い部分が見えるだけです。

さらに、先ほどは浮いていた背中の下部にも若干の圧力があることがわかります。
これはつまり圧力が全体に分散されている、ということを意味します。なので、これは体圧分散性の良いマットレスだと判断できます。
2−3. 反発弾性があってこその体圧分散性
とはいえ、マットレスは体圧分散性だけがあれば十分、という訳ではないのです。
反発弾性(押し返す力)も併せて持っていないと、体圧分散性が無意味になってしまうからです。
どういうことかと言うと、「反発弾性によって身体を押し返す力がないと、体圧分散が一時的なものになる」のです。

具体的に言うと、体圧分散性があるものの反発弾性のないマットレスに横たわると、身体はゆっくりと沈んでいきます。
このとき、身体の重みは一時的に分散されます。
しかし、マットレスに押し返す力がないと、身体の重い部位だけマットレスに沈み込んでしまいます。そうすると結局、その部位に重みが集中してしまいます。そのため体圧分散性はそれ単体で考えるのではなく、反発弾性とセットで考えるようにしましょう。
3. 体圧分散性の悪いマットレスが起こす弊害
次に、もしマットレスの体圧分散性が悪いと、どのような弊害が起こりうるか紹介します。
3−1. マットレスが硬すぎるケース
表面の詰め物がへたってコイルの硬さが背中に感じるスプリングマットレス、使い古してしまった敷布団などがこのパターンに当てはまります。
このようなマットレスを使い続けると、
- 寝姿勢が悪くなり、身体が歪む。
- 肩甲骨、臀部の骨などの出っ張った部位を痛める。
- 腰痛、背中の痛みの原因になる。
- (高齢者では)褥瘡の原因になる。
このようなマットレスの長期間の使用は身体を痛めることになるので、上に体圧分散性の優れたベッドパッド・トッパーを敷くかマットレスを買い換えましょう。
3−2. マットレスが柔らかすぎるケース
柔らかすぎる低反発マットレス(密度が低く反発弾性のないマットレス)、へたった高反発マットレスなどがこのパターンに当てはまります。このようなマットレスを使い続けると、
- 寝姿勢が悪くなり、身体が歪む。
- 腰痛、肩こりの原因になる。
- 睡眠中の血流が悪くなり起床時の倦怠感につながる。
- 腰や背中に強いムレを感じる。
体が沈み込み過ぎてしまうことで寝姿勢が悪くなったり寝返りが困難になったりし、このような弊害が起こることになります。
4. 体圧分散性についてよくある質問
それでは最後に、体圧分散性に関してよく聞かれる質問について説明していきます。
4-1. 体格(体重)別に考慮するポイント
痩せ型もしくは肥満型など、どんな体格(体重)であっても、体圧分散性は最優先に考えなければならない大事なポイントです。
その理由はと言うと、
- 痩せ型:脂肪が少ないため圧迫をもろに感じられるからです。そのため例えば、体圧分散性の高いマットレスでないと、腰や背中の骨を痛めやすい傾向があります。
- 肥満型:脂肪による自然のクッションのため、体圧分散性が良いマットレスでなくても圧迫を感じにくい傾向にはあるものの、実際のところ、体が重い分人一倍圧迫を受けており、筋肉への負担が強くなっていたり、血流が阻害されていたりするからです。
4-2. 体圧分散性にこだわるなら選ぶべきマットレスの種類
体圧分散性に優れたマットレスを選ぶなら、
- 低反発ウレタンフォーム
- ラテックスフォーム(≒高弾性ウレタンフォーム)
のどちらか二択です。
ポケットコイル、ボンネルコイルなどのスプリングマットレスを選ぶのなら、コイルスプリングの上に低反発ウレタンフォームが詰められているものを選びましょう。1章で紹介している東京ベッドの インテグラ ビギンがまさにこのような構造になっています。
※高反発の体圧分散性は限界がある
高反発素材のマットレスは正直、体圧分散性に限界があります。
弊社で販売している高反発ウレタンマットレスにも体圧分散性が良いものはありますが、素晴らしいレベルではありません。
とはいえもちろん、好みによって満足できるか否かが変わってきます。
- 普通くらいの硬さが好みの人
- 硬めのマットレスに慣れ親しんでいる人
- 敷布団からマットレスに買い換える人
などの人であれば、体圧分散性が良いレベルの高反発マットレスでも満足できることは少なくありません。
最後に
体圧分散性とはどんなものなのかご理解いただけていれば幸いです。
また、以下のページで寝心地が素晴らしいマットレスを選ぶためのポイント(体圧分散性、弾力性、耐久性など)とおすすめのブランドについて徹底的に解説しているので、是非あわせてご参考にしてください。
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なお、マットレスに関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。
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