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ポケットコイルマットレスの並行配列と交互配列の違いと注意点

※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段、体質、好み別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。コイルの配列だけでなくより広い観点から網羅的にマットレス選びを進めたい方は是非ご参考にどうぞ。

こんにちは、加賀照虎です。

ポケットコイルマットレスを選ぶとき並行配列か交互配列のどちらがいいのか迷うことはないでしょうか。

parallel-layout-honeycomb-layout

正直、これは各メーカーによっても意見が分かれるところです。

というのも結局のところ、コイルの配列だけでなくその他の要素(コイルの品質、形状、数、コイルの長さ(ストローク)や太さ(線径)や詰め物など)によっても寝心地が大きく左右されるため、配列だけで全てを語るのが難しいからです。

とはいえ、違いがあるならその特徴は知っておきたいですよね。

もちろんそのほうがマットレス選びに役立てられます。

ということで本日は「ポケットコイルマットレスの並行配列と交互配列の違いとは」について解説します。

著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
取材依頼はお問い合わせから。
インスタグラムでも情報発信中⇒フォローはこちらから。


1. ポケットコイルマットレスの並行配列と交互配列それぞれの特徴

それぞれの特徴をまとめると下記のようになります。

 並行配列交互配列
画像honeycomb-layout1parallel-layout1
密度普通高め(約1.2倍)
硬さ普通やや硬め
弾力性高め低め
通気性高め普通
耐久性高め普通

なお、これらの特徴を一言で表すと、

  • 並行配列:コイルとコイルの間のスキマが多いため、個々のコイルがより自由に伸縮できて柔らかで弾力性の高い寝心地になります。
  • 交互配列:コイルが高密度に配列されるため、よりきめ細やかに体をサポート出来るものの硬めで弾力性の低い寝心地になります。

と、このようになります。

より深く理解できるようにそれぞれのポイントを解説していきます。

1-1. コイルの密度(数)

交互配列ではより高密度にコイルを配置するため、コイルの数が自然と多くなります。

並行配列を1とすると、交互配列では約1.2倍の数になります。

そのため、コイルの数がより多くなることからハイエンドモデルに交互配列が多用されるケースが多くなっています。とはいえ、コイルの数が多ければ多いほど寝心地が良くなるといったシンプルなものでもないので、「高密度」であることや「コイル数」にはあまりこだわりすぎる必要はありません。

1-2. 硬さと弾力性

コイルの配列が高密度になることで体のサポート具合が変わってきます。

交互配列ではコイル同士がそれぞれの伸縮に干渉しやすくなっているため沈み込みが少なくなりますし、それにしたがって弾力感も少なくなります。並行配列ではコイルがそれぞれ自由に動きやすいため沈み込みやすいですし、そのため弾力も多く感じやすくなります。

つまり、交互配列はよくいえばしっかりサポートですが、悪くいえば味気のない寝心地とも言えます。並行配列はよくいえばポケットコイルらしい柔軟な寝心地ですが、悪くいえばふわふわした寝心地となります(もちろん、詰め物などの他の要素により寝心地は変わります)。

そしてもちろん、これは良し悪しではなく好みと慣れの問題です。いかにもポケットコイルらしい寝心地が好みの人には並行配列は好まれやすいですが、ずっと敷布団で寝てきた人にとってはふわふわして違和感がでてきやすいです。あなたにはどちらが合っているか考えてみましょう。

1-3. 通気性

交互配列はコイルが密に置かれているから通気性が悪いと言われます。

これは事実ですが、実際のところ微々たる差でしかありません。この差によってマットレスが湿気りやすくなるとかカビが生えやすくなるとか、寝ているときに蒸れて寝苦しくなりやすくなるということは到底ありません。

ポケットコイルとボンネルコイルとの比較でも同じことが言えます。

 高反発ウレタンボンネルコイルポケットコイル
画像regular-foambonnel-coilpocket-coil
寝心地
費用
横揺れ
軋み音×
通気性

内部の通気性が若干変わるくらいです。

コイルスプリングマットレスを選ぶ以上、通気性についてはほとんど差はないといえますので、底面の湿気が気になるなら除湿シートをマットレスの下に敷く、寝るときの蒸れ感が気になるなら敷きパッドをマットレスの上に敷くなどの対策をするようにしましょう。

1-4. 選ぶ上での注意ポイント(交互配列のデメリット)

ここまで説明してきたようにコイルの配列については好みで、最終的にはその他の要素とのトータルでそのマットレスが合うか考えるべきだ、というのが私の考えです。

ただ、交互配列には2つ注意してもらいたい点があります。

1つ目は、交互配列のマットレスなら安価なものを買ってはいけないことです。というのも、交互配列だとコイル同士が密に置かれているためコイル同士が擦れやすく、コイルを覆っている不織布が徐々にダメージを受けていき破れやすいからです。一旦、不織布が破れてしまうとコイル同士がじかに干渉し合うので、ギシギシといった軋み音の原因になります。もちろん、耐久性も下がります。高品質なマットレスであれば不織布の品質もそれなりで、柔らかさがあってちょっとした摩擦で破けるようなことはありませんが、安価なマットレスとなると悪い意味でそれなりの品質の不織布が使われます。そのため、安価なポケットコイルマットレスで交互配列のものはリスクが大きいから非推奨ということです。

2つ目は、マットレスの上に座る習慣があるなら交互配列は避けることです。

もちろん、そもそもマットレスは寝るためのものなのであまり座らないほうが良いのですが、住宅のスペースによっては否応なくマットレスに座ることになる方もいらっしゃるかと思います。そのような際、ポケットコイルマットレスが交互配列だと悪くなりやすいので注意してください。というのも、交互配列だとどうしても隅々までコイルを置くことができないため「欠落部分」と呼ばれるコイルのないスペースがマットレスの隅に生まれてしまい、この部分がベコっとへたりやすいのです。

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そのため、マットレスの縁に座ることがあるなら並行配列のポケットコイルマットレスを選ぶことをおすすめします。特に、並行配列でありながら周囲のコイルの線径が太くなっていて硬めに仕上げられているものだと座り心地がしっくりきやすいので尚良いかと思います。

normal-layout-and-edge-support-layout


まとめ

本日の話をまとめると、

  • 並行配列:柔らかで弾力性の高い寝心地
  • 交互配列:きめ細やかに体をサポートするが硬めで弾力性の低い寝心地

というように配列によって差があり好みと慣れで決めてしまって良いのですが、結局はその他の要素(コイルの品質、形状、数、コイルの長さ(ストローク)や太さ(線径)や詰め物など)によっても寝心地が大きく左右されるためトータルで考えることが大事ということです。

あなたのマットレスの選びの参考になっていれば幸いです。

なお、もしマットレス選びのために情報収集中でしたら、ぜひ下記のページをご覧ください。自分にあったマットレスを選ぶための考え方の手順から、種類、素材、値段別におすすめマットレスを紹介しています。きっとお役立ていただけるはずです。

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