- 「寝返りがしにくくて腰が疲れた」
- 「蒸れて寝苦しくなりやすい」
などの意見が低反発マットレスにはつきものです。
これはあの独特な特性が原因となっています。下手な作りだとこのような問題が起こりやすいです。
とはいえ、このようなデメリットを抑えた作りになっている商品もあります。
寝心地にこだわるならこういったものを選びたいですよね。
ということで本日は、
- 低反発マットレスの長所と短所
- 低反発マットレスの選び方と注意点
- おすすめの低反発マットレス3選
について解説します。
ぜひ参考にしてください。
1. そもそも低反発マットレスとは
まずは定義から。
低反発とは、低い弾力性を持つ素材(主にウレタンフォーム)のことを指します。
種類 | イメージ | 跳ね返り率 |
高反発 (高弾性) | 50%以上 | |
レギュラー (一般) | 15~50% | |
低反発 | 15%未満 | |
ハイブリッド | – |
【注意】2021年規定が変わり、跳ね返り率50%以上で高弾性(高反発)、15~50%でレギュラーとなりました。しかし、市場にある高反発マットレスの反発弾性は40%前後のため、実態に即したままの記載を続けていきます。 |
これは試験により決められます。
具体的には、ボールを落としたときに弾んだ高さが落下地点の15%未満だと「低反発」となります。
シンプルで明快な試験ですよね。
そして、このような低反発素材が使用されていればそのマットレスは「低反発マットレス」とすることができます。
種類 | イメージ | 体圧分散 | 反発弾性 | 横揺れ | 通気性 | お手入れ | ||
ノ ン コ イ ル | 高 反 発 ・ 高 弾 性 | 高反発ウレタン フォーム | ◯ | ◎ | ◯ | △ | ◯ | |
ラテックス | ◯ | ◎ | ◯ | △ | ◯ | |||
TPEポリマー | ◯ | ◎ | ◯ | ◎ | ◯ | |||
中 間 | 一般ウレタン フォーム | △ | ◯ | ◯ | △ | ◯ | ||
ファイバー | × | ◯ | △ | ◎ | ◎ | |||
低 反 発 | 低反発ウレタン フォーム | ◎ | △ | ◎ | △ | △ | ||
繊維わた | ◯ | △ | ◎ | ◯ | ◯ | |||
詰 め 物 次 第 | ハイブリッド | – | – | – | – | – | ||
コ イ ル | ボンネルコイル | – | ◯ | △ | ◯ | △ | ||
ポケットコイル | – | ◎ | ◎ | ◯ | △ |
※コイルスプリングマットレスの体圧分散性はコイルの上の詰めもの(ウレタンフォーム やわたなど)の量と品質により大きく左右され、単体での評価が不可能なため「 – 」としています。また、それぞれ加工・品質により△が◯になったり、◎が◯になることがあります。 |
そのため、低反発マットレスと言っても色々です。
- 低反発ウレタンフォームだけのマットレス
- 低反発ウレタンフォームとその他のウレタンフォームが組み合わせられたハイブリッドマットレス
- 低反発ウレタンフォームを使用したポケットコイルマットレス
表面に低反発素材が使用されていれば寝心地は一見同じになります。
とはいえ、組み合わせにより実際の寝心地や使い勝手は大きく変わります。
そのため、低反発の特性を上手に組み合わせたものや、生活スタイル(使用環境)に合うものを選ぶことが大事になります。
1-1. 低反発マットレスの長所(メリット)
それでは次に、低反発マットレスの特徴について。
その他素材との比較を交えつつ、説明していきます。
最高の体圧分散性
体圧分散性がピカイチで圧倒的なフィット感です。
そのため、圧迫感が少なく浮いたような寝心地になります。
また、高いフィット性により寝姿勢が安定しやすく、横向き寝をしていても寝姿勢をキープしやすいです。
仰向け | 横向き | |
イメージ | ||
体の湾曲 | 浅い | 深い |
接地面積 | 広い | 狭い |
硬さ相性 | 普通~硬め | 普通~柔らかめ |
横揺れなどはほとんどなし
低反発は振動が伝わりにくいです。
そのため、二人寝をしていても、パートナーの寝返りによる振動などが伝わりにくく、快適に眠りやすいです。
1-2. 低反発マットレスの短所(デメリット)
反発弾性は低めなので寝返りがしにくい
体を押し返す力が少ないため、寝返りがしにくいです。
とはいえ、メーカーもこの点を理解して商品作りをするため、多くの低反発マットレスは寝返りがしやすいように多層構造になっています。
2章の内容を守って選んでいただければ問題はほぼ起きません。
通気性は低いため蒸れやすい
通気性は低いです。
高反発ウレタンフォームやラテックスも同様ですが、低反発ウレタンフォームは体にピタッとフィットするため、蒸れやすさを一層感じやすくなります。
とはいえ、もちろんメーカー側はこのことも熟知しているため、通気性が高まる設計などを施しているものは少なくありません。そのようなものを選ぶようにしましょう。
1-3. コイルかノンコイルかで使用感は変わる
コイルかノンコイルか。
同じ低反発マットレスといえど、ここで大きく使い勝手が変わります。
ノンコイルマットレス | コイルマットレス | |
イメージ | ||
厚み | 10~20cm前後 | 20~35cm前後 |
重量 | 7~15kg前後 | 20~30kg前後 |
寝心地 | – | – |
耐久性 | ◯ | ◎ |
揺れ&音 | ◎ | △ |
取扱い | ◯ | △ |
廃棄 | ◯ | △ |
クリーニング | × | ◯ |
価格 | ◯ | △ |
- 通気性
コイルは内部の通気性が高いです。そのため、湿気が溜まりにくくカビが発生しにくいです。ただ、マットレスの表面に低反発素材があるため、寝たときの蒸れやすさは同程度です。 - 揺れ&音
横揺れやきしみ音などはほとんどない低反発ウレタンフォームですが、コイルマットレスにするとどうしてもコイルの影響で発生することになります。 - 手入れ
コイルマットレスは重たいので手入れなどの負担は大きくなります。 - クリーニング
ノンコイルマットレスは洗浄クリーニング不可能です。
1-4. 低反発マットレスの向き不向き
結論、低反発マットレスはおすすめです。
「腰痛の原因になる」などと言われることのある低反発マットレスですが、きちんとした作りのものであれば、まずそのようなことはありません。むしろ、最高のフィット感でぐっすり眠ることが期待できます。
特に下記のような方におすすめです。
- 柔らかめの寝心地が好き
- 痩せ型の体型
- 横向きに寝ることが多い
とはいえ、きちんと選ぶことが必須です。
これについては次章で詳しく解説していきます。
2. 低反発マットレスの選び方と注意点
低反発マットレスはあなたに合いそうでしょうか?
もしそうであれば、特性を活かしたものを選ぶようにしましょう。具体的に解説していきます。
2-1. 厚さの選び方
薄すぎるものは底つきに注意
床置きで使うなら薄すぎるものには注意しましょう。
低反発マットレスはサポート性が低いです。
そのため、薄すぎると腰が床の硬さを感じてしまうことになります(底つき感と呼びます)。
底つき感のイメージ | |
仰向け | |
横向き |
必要最低限の厚さが必要です。
あなたの体重をもとに最低限以上の厚さのマットレスを選びましょう。
使用者の体重 | 必要最低限の厚さ | |
ウレタンフォーム | ファイバー | |
30kg | 5cm | 3cm |
60kg | 7cm | 5cm |
80kg | 10cm | 7cm |
100kg | 13cm | 10cm |
(※柔らかめの低反発ウレタンフォームなら+1~2cm厚さが必要になります。)
薄い低反発と高反発などとの二層構造おすすめ
複層構造のものがおすすめです。
例えば、薄い低反発と高反発が組み合わせられたマットレスだと、高い体圧分散性と反発弾性を両立させることができるからです。
つまり、圧迫の少ないフィット感がありつつも寝返りがしやすい、ということが実現できるのです。こういった多層構造になっている低反発マットレスがおすすめです。
2-2. 通気性に対する考え方
蒸れにくい加工がされているものがおすすめ
低反発ウレタンフォームは通気性が低いです。
そのため、オープンセル構造だったり、ピンホール加工になっていて、通気性が高いものを選ぶことをおすすめします。
通常フォーム | 無膜構造 オープンセル構造 | ピンホール加工 | |
画像 | |||
通気性 | △ | ◯ | ◯ |
蒸れにくい側生地素材のものを選ぶこと
とはいえ、それでも通気性には限界があります。
そのため、吸水性、吸湿性、放湿性などにすぐれる生地素材が使用されたものを選ぶようにしましょう。
素材 | イメージ | 柔らかさ | 滑らかさ | 吸湿性 | 放湿性 | 耐久性 | 洗濯性 | ||
天 然 繊 維 | 植 物 性 | 綿 (コットン) | ◯ | ◯ | ◎ | △ | ◯ | ◯ | |
麻 (リネン) | △ | △ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | |||
動 物 性 | 絹 (シルク) | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ | △ | △ | ||
羊毛 (ウール) | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | |||
化 学 繊 維 | 再 生 | レーヨン | ◎ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | |
合 成 | ポリ エステル | △ | ◯ | △ | – | ◯ | ◎ |
そうでないと蒸れて寝苦しくなります。
生地にはこだわりましょう。
2-3. 耐久性(密度)の高いものを選ぶこと
次に気をつけてもらいたいのが、耐久性です。
というのも、すぐにヘタってしまうような低反発マットレスでは、コスパも悪いですし、寝姿勢が崩れて腰を痛める原因になる恐れがあるからです。
押さえるべきは、低反発ウレタンフォームの「密度」です。
それがその商品の「寿命」を表しています。
- ぎっしり詰まったウレタンフォーム
- スカスカのウレタンフォーム
どちらが長持ちしそうかを考えれば、おのずと理解いただけるかと思います。
密度(kg/㎥) | 耐久性の評価 | ||
高反発ウレタン | 低反発ウレタン | 高反発ファイバー | |
20D以下 | 30D以下 | 35D以下 |
|
25D前後 | 35D前後 | 45D前後 |
|
30D前後 | 40D前後 | 55D前後 |
|
40D以上 | 50D以上 | 65D以上 |
|
商品ごとにウレタンフォームの密度と価格を比べてみてください。
そのコスパの違いに驚かれることかと思います。
いくつかの商品を比較検討している方は、ぜひ、密度も軸にいれて比較検討してみてください。
2-4. 薄型の床置き利用はやや注意
床に置いて使うことを想定しているなら注意が必要です。
- 壁に立てかけにくい
柔らかいため壁に立てかけにくいものがあります。壁に立てかけられるかどうかで週に2~3回行うべき手入れの負担が大きく変わります。この点を頭に入れて選ぶようにしましょう。 - 水洗いできない
低反発ウレタンフォームは水洗いできません。そのため、汚れたらおしまいです。汚れないようにパッドなどで保護しながら使うようにしましょう。
2-5. ベッドタイプの低反発マットレスは重さに注意
低反発マットレスは重たいです。
高密度で高耐久であるという長所ではありますが、それとは引き換えに、重たくて手入れがしづらいという短所になりえます。
一例として、テンピュールの低反発マットレスの重量は以下のようになっています。
フトン シンプル | ワン バイ テンピュール™ | ファーム エリート 25cm | |
サイズ | 97x195x6cm | 97x195x20cm | 97x195x20cm |
重量 | 6.9kg | 17.5kg | 25.8kg |
シングルサイズでこの重さです。
セミダブルなら1.2倍、ダブルなら1.4倍です。
購入前に頭に入れておきましょう。
2-6. マットレスではなくトッパーを買うのも一手
「低反発マットレスを試してみたい」
「だけど、腰痛になると聞いて躊躇してる」
このような方は、まずは低反発マットレストッパーを今お使いのマットレスなどの上に敷いて試してみることをおすすめします。
トッパーとはつまり、厚みが3~4cm前後のもののことです。
敷きパッド | ベッドパッド | ベッドシーツ | トッパー | プロテクター | |
画像 | |||||
役割 |
|
|
|
| |
厚み | 1~2cm前後 | 3~4cm前後 | 5mm前後 | 3~5cm | 5mm前後 |
温湿度調整 | ◎ | ◎ | ◯ | × | △ |
汚れ防止 | ◯ | ◯ | △ | △ | ◎ |
洗濯 | △ | △ | ◯ | × | ◯ |
体圧分散性 | △ | ◯ | × | ◎ | × |
トッパーはマットレスと比べて安いです。
そのため、少ない費用で低反発をお試しできます。
また、トッパーくらいの厚さであれば沈み込みすぎることもないので、腰痛などの心配も少なく安心してお試しできます。
3. おすすめの低反発マットレス5選
それでは次に、おすすめの低反発マットレスをシーン別に紹介していきます。
ベッド利用におすすめの低反発マットレス
快眠タイムズマットレス【イチオシ】
型・種類 | ノンコイルベッド/ハイブリッドマットレス |
厚み | 20cm |
硬さ | 柔らかめ |
送料 | 無料 |
品質保証 | 5年 |
トライアル | 60日 |
サイズ・重量 | シングル: 98×195×20cm・約15.5kg、セミダブル: 118×195×20cm・約18.5kg、ダブル: 138×195×20cm・約21.5kg、クイーン: 158×195×20cm・約25kg |
価格 | シングル: 50,000円、セミダブル: 50,000円、ダブル: 58,000円、クイーン: 66,000円 |
リンク | 商品ページ |
体圧分散性 | 反発弾性 | 通気性 | 吸放湿性 | お手入れ |
◎ | ◎ | ◯ | ◎ | ◯ |
低反発、高弾性、高反発の三層構造のマットレスです。
柔らかくフィットしつつも弾力性があり寝返りしやすい構造になっています。また、側生地に羊毛が使用されているので蒸れにくくもなっています。自社製品で手前味噌ですが、イチオシの低反発マットレスです。
ワン バイ テンピュール
型・種類 | ベッドタイプ・低反発マットレス |
厚み | 20cm |
硬さ | 硬め |
送料 | 無料 |
品質保証 | 10年 |
トライアル | なし |
サイズ・重量 | シングル: 97×195×20cm、セミダブル_: 120×195×20cm、ダブル: 140×195×20cm |
価格 | シングル: 197,800円、セミダブル: 219,778円、ダブル: 252,744円 |
リンク | 商品ページ |
体圧分散性 | 反発弾性 | 通気性 | 吸放湿性 | お手入れ |
◎ | ◯ | △ | △ | ◯ |
テンピュールの硬めの低反発マットレスです。
硬めの低反発ウレタンフォームが使用されているため、体にフィットしつつも沈み込みづらくなっています。「低反発の寝心地が好みだけど柔らかいのはあまり好みじゃない」とお考えの方におすすめです。
インテグラ ニューグランデ
型・種類 | コイルスプリング/低反発ベッドマットレス |
厚み | 23cm |
硬さ | 柔らかめ |
送料 | 無料 |
品質保証 | なし |
トライアル | なし |
サイズ・重量 | シングル: 97×195×23cm、セミダブル: 122×195×23cm、ダブル: 140×195×23cm、ワイドダブル: 154×195×23cm |
価格 | シングル: 198,800円、セミダブル: 225,500円、ダブル: 253,000円、ワイドダブル: 280,500円 |
リンク | 商品ページ |
体圧分散性 | 反発弾性 | 通気性 | 吸放湿性 | お手入れ |
◎ | ◎ | ◯ | ◎ | △ |
通気性の高い低反発ウレタンフォームとポケットコイルを組み合わせたマットレスです。
三層構造の低反発がゆったりと体を受け止めつつ、ポケットコイルが体を押し返すので寝返りが楽にできます。ウレタンフォームの強度もさることながら、コイル線材に焼き入れがされているので耐久性にはかなりの期待ができます。東京ベッド社のマットレスです。
床置き利用におすすめの低反発マットレス
テンピュール フトン シンプル 折りたたみマットレス
型・種類 | 床置きタイプ・低反発マットレス |
厚み | 6cm |
硬さ | ふつう |
送料 | 無料 |
品質保証 | 2年 |
トライアル | なし |
サイズ・重量 | シングル: 95×195×6cm、セミダブル_: 120×195×6cm |
価格 | シングル: 41,359円、セミダブル: 47,998円 |
リンク | 商品ページ |
体圧分散性 | 反発弾性 | 通気性 | 吸放湿性 | お手入れ |
◎ | ◯ | △ | △ | ◯ |
テンピュール社の低反発床置きマットレスです。
二層構造になっていて上層は低反発ですが、下層は高耐久性ベースとなっているため、体が沈み込みにくくなっています。また、三つ折り構造になっているため、敷布団のように手軽に使えて便利です。
お試しにおすすめのトッパー
トゥルースリーパー プレミアム 3.5
型・種類 | 低反発マットレストッパー |
厚み | 3.5cm |
硬さ | 柔らかい |
送料 | 無料 |
品質保証 | 不明 |
トライアル | なし |
サイズ・重量 | シングル: 97×195×3.5cm |
価格 | シングル: 13,917円 |
リンク | 商品ページ |
体圧分散性 | 反発弾性 | 通気性 | 吸放湿性 | お手入れ |
◎ | △ | △ | △ | ◯ |
トゥルースリーパー社の低反発マットレストッパーです。
低反発の寝心地を試してみたい方におすすめです。厚みが3.5cmなのでこちらのトッパーを高反発マットレスなどに重ねて、自分に合うかどうか判断してみましょう。合うようであれば数年そのまま使い、その後、上記の低反発マットレスを買う流れが良いかと思います。
最後に
低反発マットレスを購入するために考えるべき選び方と、より良いものを選ぶためのポイントについてご理解いただけていれば幸いです。
あなたがより満足するものを選ぶ一助になっていれば幸いです。
なお、もしマットレス選びのために情報収集中でしたら、ぜひ下記のページをご覧ください。自分にあったマットレスを選ぶための考え方の手順から、種類、素材、値段別におすすめマットレスを紹介しています。きっとお役立ていただけるはずです。
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