※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段、体質、好み別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。高弾性ウレタンフォームだけでなく多様な素材から網羅的にマットレス選びを進めたい方は是非ご参考にどうぞ。 |
- 「高弾性マットレス?」
- 「高反発と何が違うんだろう…」
このように疑問に感じてはいないでしょうか。
高弾性と高反発。
比べるまでもないくらい高弾性マットレスのほうが良い寝心地です。
正直に言うと、私は高反発マットレスでは満足できません。高反発は良くて80点です。しかしその一方、高弾性は100点を叩き出せるほどのポテンシャルがその特性にあります。とはいえ、いきなりそんなことを言われても、専門外の方のからすると、全く違いがわからないかと思います。
ということで本日は「マットレスにおける高弾性と高反発の違い」についてご紹介します。ぜひマットレス選びの参考にしてください。
Contents
1. 高弾性&高反発、定義(試験内容)での違い
ウレタンフォームの反発弾性試験(JIS K 6400-3)というものがあります。
それによって反発弾性が測定されるのですが、その数値によってそのウレタンフォームが高弾性か高反発か、はたまた低反発かに分類されます。
試験方法について簡単に言ってしまうと、ウレタンフォームに鉄球を落としてどれくらい跳ね返るかを測定しています。
その跳ね返り率が、反発弾性の数値となっています。
種類 | イメージ | 跳ね返り率 |
高反発 (高弾性) | 50%以上 | |
レギュラー (一般) | 15~50% | |
低反発 | 15%未満 | |
ハイブリッド | – |
ご覧のとおり、とてもシンプルな方法で、高弾性なのか高反発なのか区別されています。
そしてシンプルだからこそ、ごまかしの効かない目安にもなるのです。
【注意】2021年規定が変わり、跳ね返り率50%以上で高弾性(高反発)、15~50%で一般(レギュラー)となりました。 |
2. 高弾性マットレスの寝心地をその他の種類(素材)と比較
しかし、「弾力性が良い!」と言われても「???」ってなりますよね。
寝心地がどうなのかまではイメージしづらいかと思います。
そこで、その他の種類のマットレスと比べつつ、高弾性マットレスの寝心地はどうなのかについて解説していきます。
種類 | イメージ | 体圧分散 | 反発弾性 | 横揺れ | 通気性 | お手入れ | ||
ノ ン コ イ ル | 高 反 発 ・ 高 弾 性 | 高反発ウレタン フォーム | ◯ | ◎ | ◯ | △ | ◯ | |
ラテックス | ◯ | ◎ | ◯ | △ | ◯ | |||
TPEポリマー | ◯ | ◎ | ◯ | ◎ | ◯ | |||
中 間 | 一般ウレタン フォーム | △ | ◯ | ◯ | △ | ◯ | ||
ファイバー | × | ◯ | △ | ◎ | ◎ | |||
低 反 発 | 低反発ウレタン フォーム | ◎ | △ | ◎ | △ | △ | ||
繊維わた | ◯ | △ | ◎ | ◯ | ◯ | |||
詰 め 物 次 第 | ハイブリッド | – | – | – | – | – | ||
コ イ ル | ボンネルコイル | – | ◯ | △ | ◯ | △ | ||
ポケットコイル | – | ◎ | ◎ | ◯ | △ |
※コイルスプリングマットレスの体圧分散性はコイルの上の詰めもの(ウレタンフォーム やわたなど)の量と品質により大きく左右され、単体での評価が不可能なため「 – 」としています。また、それぞれ加工・品質により△が◯になったり、◎が◯になることがあります。 |
それぞれの素材で作られた平均的なマットレスの体圧分散性や反発弾性などを評価するとこちらのチャートのようになります。
それぞれより具体的に解説していきます。
2-1. 体圧分散性は高反発以上からラテックスと同等レベル
高弾性ウレタンフォームの体圧分散性は結構良い具合です。
一見、高反発のような風合いに感じられますが、柔軟性があるため体によりフィットしやすくなっています。硬さを抑えたものだとラテックスのような柔らかくてもちっとした体圧分散性になります(ラテックス風ウレタンフォームと呼ばれるものがあるほどです)。
硬さ | イメージ | 評価 |
硬すぎ |
| |
適度 |
| |
柔らかすぎ |
|
なお、体にフィットするような体圧分散性ではありますが、反発弾性が同時に働くため、体が沈み込みにくいのが高弾性ウレタンフォームやラテックスの良さです。
だから、柔らかくても良い姿勢で寝られるのです。「柔らかいのは苦手」と低反発のような寝心地をイメージされている方には、「良い意味で期待を裏切られた!」と感じていただけるはずです。
2-2. 跳ねるような弾力性はピカイチ
高弾性フォームの最大の特徴です。
ボールの実験が示すように、高弾性ウレタンフォームで作られたマットレスは、文字通り弾むような寝心地です。というのも、柔軟性(≒柔らかさ)があると同時に、グッと押し返す反発力があるからです。寝たときの感覚で言うと、フィット感がありつつもサポート感がしっかりしていて、ぐっと体が浮いているようになります。
これが高反発となると、柔軟性があまりないのに反発力があるので、硬めのしっかりした寝心地になるのです。
だから、プロファイル加工などで表面を柔らかくしないと、硬すぎるように感じられることがあるわけなのです。
二層構造 | 凸凹プロファイル | 7ゾーンプロファイル |
波型カット | デクビトスカット | ピンホール加工 |
もちろん、高弾性ウレタンフォームの中にも反発力が高すぎて、押し返しが強すぎるように感じられるものもあります。
そのようなものには同じように、表面加工が施されることがあります。そうすると良い具合に体圧分散性と反発弾性が表現できます。
2-3. 耐久性は高反発よりやや高め
高弾性ウレタンフォームだからといって耐久性が高くなることはありません。
しかし一般的に、高い柔軟性と反発弾性をウレタンフォームに持たせるために、ウレタンフォームの密度が高くなることが多く、その結果、耐久性が高いものが多くなっています。
ウレタン密度(kg/㎥) | 耐久性の評価 | |
高反発 | 低反発 | |
20D以下 | 30D以下 |
|
25D前後 | 35D前後 |
|
30D前後 | 40D前後 |
|
40D以上 | 50D以上 |
|
密度とはウレタンフォームの体積に対する重量のことです(密度=体積÷重量)。重いウレタンフォームはぎっしり詰まっており、軽いウレタンフォームはスカスカとなるわけですが、どちらが長持ちしそうか想像したら分かりますよね。
マットレスの商品ページに「密度30D」などと書かれているので目安にしてください。密度表記のないものの耐久性については、、、お察しください。
2-4. 高弾性マットレスの価格は高反発よりもやや高め
高弾性マットレスは、高反発マットレス(異様に高い”ブランド”は除く)よりも高価格ですよね。
これにも密度が関係しています。
密度が高いぎっしり詰まったウレタンフォームというのはつまり、原料がその分多く使われています。そのため、販売価格も高くなっているのです。それ以外にももちろん、高品質なウレタンフォームには高品質な側生地(カバー)が使われることが多く、それにより価格が上がってるという側面もあります。
素材 | イメージ | 柔らかさ | 滑らかさ | 吸湿性 | 放湿性 | 耐久性 | 洗濯性 | ||
天 然 繊 維 | 植 物 性 | 綿 (コットン) | ◯ | ◯ | ◎ | △ | ◯ | ◯ | |
麻 (リネン) | △ | △ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | |||
動 物 性 | 絹 (シルク) | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ | △ | △ | ||
羊毛 (ウール) | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | |||
化 学 繊 維 | 再 生 | レーヨン | ◎ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | |
合 成 | ポリ エステル | △ | ◯ | △ | – | ◯ | ◎ |
2-5. 高弾性と高反発では通気性は大きく変わらない
通気性についてはウレタンフォームであればどちらも変わりません。
高弾性だから通気性が良くなるといったことはありません。ただやはり高価なものとして設計されているためか、通気性の良いオープンセル構造のものや、ピンホール加工などで通気性を高めているマットレスが多い印象があります。
オープンセル構造 | ピンホール加工 |
しかしいずれにせよ、マットレスの上に直接寝ると蒸れやすかったり、汚れやすかったり、へたれやすかったりなどのデメリットが多いので、シーツやパッドなどをきちんと利用することをおすすめします。
敷きパッド | ベッドパッド | ベッドシーツ | トッパー | プロテクター | |
画像 | |||||
役割 |
|
|
|
| |
厚み | 1~2cm前後 | 3~4cm前後 | 5mm前後 | 3~5cm | 5mm前後 |
温湿度調整 | ◎ | ◎ | ◯ | × | △ |
汚れ防止 | ◯ | ◯ | △ | △ | ◎ |
洗濯 | △ | △ | ◯ | × | ◯ |
体圧分散性 | △ | ◯ | × | ◎ | × |
2-6. お手入れはやや重いから大変なのでプロテクターなどを揃える
高弾性マットレスは密度が高めで重たいです。
さらに、厚さが20cmくらいのものになると、重量が20kg前後にもなってきます。
敷寝具種類 | イメージ | 厚さ | 重量 | |
敷布団 | 木綿 | 10cm | 6kg | |
ノン コイル | 一般ウレタン | 7kg | ||
ファイバー | 10kg | |||
高弾性ウレタン | 10kg | |||
TPEポリマー | 35kg | |||
ラテックス | 15kg | |||
低反発ウレタン | 11kg | |||
ハイブリッド | – | |||
コイル | ボンネルコイル | 20cm (仮定) | 18kg | |
ポケットコイル | 20kg |
そのような分厚い高弾性マットレスを使うとなると、側生地を取り外して洗うのも大変です。
ましてや、マットレスを壁に立てかけて底面を乾燥させるなんて一苦労です。
なので、マットレスの下に除湿シートを敷いておいたり、マットレスの上にはプロテクターを敷いておくと、そのような手間を極力減らすことができるのでおすすめです。
3. おすすめの高弾性マットレス
- 製品:快眠タイムズマットレス
- 価格:50,000円
- サイズ:98×195×20cm
- 【商品ページはこちら】
私企画の自信作です。ふわふわのやや低反発気味なウレタンフォーム、もちもちのラテックス調高弾性ウレタンフォーム、しっかりめの高反発ウレタンフォームの三層構造のベッドマットレスです。
柔らかいのに体が沈み込みすぎず、弾力によりふわっと体が押し上げられて寝返りが楽にコロコロっとできるこの寝心地。
今までのマットレスとは全然違うと驚いていただけるはずです。
最後に
マットレスの高弾性と高反発の違いについてご理解いただけていれば幸いです。
かなり寝心地に違いがあるので、高弾性マットレスが気になる方はお店で試してみるなりすることをおすすめします。
また、以下のページで反発弾性以外にも、寝心地が素晴らしいマットレスを選ぶためのポイント(体圧分散性、弾力性、耐久性など)とおすすめのブランドについて徹底的に解説しているので、是非あわせてご参考にしてください。
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○【失敗しないマットレスの選び方】硬さ、厚さ、密度、線材を吟味
○マットレスの3種類7素材を比較|特徴と選び方、おすすめできる人
○低反発と高反発の違い、あなたに合うマットレスはどっちか
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