※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段、体質、好み別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。側生地だけでなくウレタン・コイルなどの素材からも網羅的にマットレス選びを進めたい方は是非ご参考にどうぞ。 |
こんにちは、加賀照虎です。
- 「マットレスの側生地って何が違うの?」
- 「どんな素材が良いんだろう?」
などと疑問に感じていないでしょうか。
メーカー側の人間として私は、正直、よくこんな細かいところまで興味を持って調べてくれているなと思います。もちろん、側生地で寝心地は変わります。しかし、実のところ選ぶ際の優先順位は低くて結構です。
ということで本日は、
- マットレスの側生地を選ぶポイント
- マットレス選びでは側生地の優先度は低くてOKな理由
について解説していきます。
Contents
1. マットレスの側生地(カバー)を選ぶポイント
以下の3つの視点でマットレスの側生地を見てみると、その特徴や品質がよく分かってきます。
- 重さ(厚み)と種類
- 生地素材
- 内部素材
1−1. 【重量ベース】マットレスの側生地の種類
側生地の重さと種類をまとめると以下のようになります。重さベースで解説していきます。
生地の重さ | 厚さ | 生地 | 内部 |
1000g/m2 | 厚い(約3cm) |
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400g/m2 | 厚め(約1.5cm) |
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250g/m2 | 中間(約1cm) | ||
100g/m2 | 薄い(約0.3cm) |
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100g/m2の側生地(薄型ノンコイルマットレス向け)
Tシャツくらいの薄さのニット生地です。1万円前後のウレタンフォームマットレスの側生地として採用されるケースがほとんどです。安いのが最大の長所ですが、汗をあまり吸収できないのでマットレスが汚れやすいです。
ニット | 三層ニット | ジャカード | 3Dメッシュ | |
画像 |
250g/m2の側生地(薄型ノンコイルマットレス向け)
薄くも厚くもない生地です。厚みが10cm前後のノンコイルマットレスによく使用されます。汗を吸収するには十分な厚みです。取り外して洗濯ができるものを選びましょう。なお、下記のような種類の生地があります。
- ジャカード、三層ニット:一般的なマットレスに使用される生地です。表面がジャカード編みになっていると豪華さな見栄えになります。
- 3Dメッシュ:高反発ファイバーマットレスに使用されることの多い生地です。通気性が高いですが肌当たりがやや硬いです。大抵ポリエステル素材のため、吸湿性がなくぺたぺた肌につく感じがします。
400g/m2の側生地(厚めのノンコイルマットレス向け)
上記の生地よりも厚みがあるものです。厚みが20cm前後のノンコイルマットレスに使用されます。汗を取ったりなどの機能性がより高いです。同じく、取り外して洗えるものを選びましょう。
1000g/m2の側生地(分厚いコイルマットレス向け)
コイルマットレスに使用される分厚い生地です。基本的に、取り外せません(取り外しても洗えないですし)。キルティングによって立体感のある豪華な見た目になります。
ジャンプキルト | 連続キルト | |
画像 | ||
風合い | 柔らか | しっかり |
横揺れ | ◯ | △ |
なお、キルティングには2つの種類がありますが、寝心地のことを考えるならジャンプキルトのものがおすすめです。連続キルトは縫い目が繋がっているため、ツッパリ感があったり一緒に寝ている人の寝返りによって生地が引っ張られて動く感覚が多少なりともあるからです。
1ー2. 側生地の素材の種類と特徴
マットレスの生地素材は綿、ポリエステル、レーヨンなどが代表的です。それぞれ特徴を解説していきます。
素材 | 肌触り | 吸水性 | 放湿性 | 洗濯 | 費用 | |
綿(コットン) | ◯ | ◎ | △ | ◯ | 中 | |
ポリエステル | ◯ | △ | – | ◎ | 低 | |
レーヨン | ◯ | ◎ | ◯ | △ | 中 |
綿(コットン)
肌当たりが良いのはもちろん、吸水性、吸湿性が高いため快適です。さらに、毛羽立ちも起こりにくいです。ただ正直、側生地に綿素材が使われることは少ないですし、採用されていたとしても20~30%前後であることが大抵です。
ポリエステル
ツルッとした肌触りです。吸水性、吸湿性などはありませんが、耐久性が高いのでほぼ全てのマットレスに使用されます。たぶん、半分以上はポリエステルのはずです。
レーヨン(テンセル™、リヨセル、バンブーなど)
柔らかで滑らかな風合いです。吸水性、吸湿性が高く、値段もこなれているのでよく採用されます。ただ、摩擦に弱いため毛羽立ちやすいのが難点です。
1−3. 内部素材の種類と特徴
表面生地の下にどのような素材があるかで寝心地が変わってきます。
素材 | 弾力性 | 吸水性 | 放湿性 | 洗濯 | 費用 | |
ウレタン フォーム | ◎ | – | – | △ | 中 | |
ポリエステル | ◯ | △ | – | ◎ | 低 | |
羊毛 (ウール) | ◎ | ◎ | ◎ | △ | 高 |
ウレタンフォーム
クッション性は高いのですが吸水性、吸湿性、通気性はイマイチです。ウレタンフォームがキルティングされた生地の上にそのまま寝ると蒸れて寝苦しくなるので注意が必要です。
中わた
一般的にはポリエステルのものが多いですが、高価なものには羊毛わたが詰められたりしています。また、防ダニ加工や抗菌加工などもありますので、高品質なものを選ぶポイントして頭に入れておきましょう。
中糸
中糸も一般的にはポリエステルのものが多いですが、高価なものにはレーヨンや羊毛などが使用されています。触るだけではその違いは分かりませんが、寝てみると爽やかさに差が出てきます。
2. マットレス選びでは側生地の優先度は低くてOK
さあここで、ちゃぶ台をひっくり返すようになりますが、実際、マットレスを選ぶときには側生地を吟味する優先順位は一番最後で結構です。
もちろん、高品質なマットレスを選ぶなら上でお話ししたポイントは重要です。しかし、マットレスの上にそのまま寝ることはないですよね?敷きパッドやベッドパッド、シーツなど敷きますよね?となると、正直、側生地の良し悪しって分かりにくくなってしまうんですよね。
敷きパッド | ベッドパッド | ベッドシーツ | トッパー | プロテクター | |
画像 | |||||
役割 |
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厚み | 1~2cm前後 | 3~4cm前後 | 5mm前後 | 3~5cm | 5mm前後 |
温湿度調整 | ◎ | ◎ | ◯ | × | △ |
汚れ防止 | ◯ | ◯ | △ | △ | ◎ |
洗濯 | △ | △ | ◯ | × | ◯ |
体圧分散性 | △ | ◯ | × | ◎ | × |
私自身、マットレスを汚さずに長く使うために【除湿シート>マットレス>マットレスプロテクター→敷きパッド>ベッドシーツ】という組み合わせでマットレスを使っていますし、このようにマットレスを使うことを推奨しています。
そのため、このようにマットレスを使うことで側生地の良し悪しが分かりにくくなるため、側生地の優先度は低くてOKということなのです。
2−1. それでもメーカーが生地素材にこだわる理由
とはいっても、何の機能性もない普通のポリエステル100%の生地のマットレスがある一方で、高価なテンセル素材や羊毛素材が使用された生地のマットレスもあります。
やはり、高価なマットレスにはそれ相応の素材が使われるのももちろんですが、各メーカーのこだわりが現れやすいところとも言えます。マットレスの上にそのまま寝る人も少なからずいらっしゃいますし。こういった背景まで理解していただけると側生地についての見た方も変わるんではないでしょうか。
最後に
マットレスを選ぶときの側生地・素材に対する考えを固める一助になっていれば幸いです。
また、以下のページで寝心地が素晴らしいマットレスを選ぶためのポイント(体圧分散性、弾力性、耐久性など)とおすすめのブランドについて徹底的に解説しているので、是非あわせてご参考にしてください。
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