※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。コイルについてだけでなく、より網羅的なマットレス選びの情報をお探しでしたらあわせてご参考にしてください。 |
こんにちは、加賀照虎です。
突然ですが、ポケットコイルマットレスの購入を検討している方は注意が必要です。
中途半端なものを選ぶと、腰を痛めやすくなったり、コスパの悪さにがっかりすることになるかもしれません。とはいえ、いきなりそんなことを言われても納得できないですよね。
そこで今回は、
- ポケットコイルマットレスの特徴
- その特徴を踏まえた選び方
- おすすめのポケットコイルマットレス3選
- ポケットコイルマットレス選びのよくある質問と注意点
について分かりやすく解説していきます。
ぜひ参考にしていただき、納得のいくマットレス選びにお役立てください。
(動画での解説を追加しました!)
Contents
1. ポケットコイルマットレスの特徴
まずは比較してみましょう。
よくある高反発ウレタンマットレスやボンネルコイルマットレスと比較してみると、ポケットコイルマットレスの寝心地や使い勝手の違いがイメージしやすくなります。
高反発ウレタン | ボンネルコイル | ポケットコイル | |
画像 | |||
寝心地 | ◯ | ◯ | ◎ |
費用 | ◎ | △ | △ |
横揺れ | ◎ | × | △ |
きしみ音 | ◎ | × | △ |
通気性 | △ | ◎ | ◯ |
ポイントとなる特徴は下記の3つです。
- 点で支える構造
- コイルが独立していること
- コイルが不織布で覆われていること
これにより寝心地・使い勝手が変わってきます。
それぞれ分かりやすく説明していきます。
1-1. 点で支える構造のため体圧分散性・弾力性ともに高い
面で体を支えるボンネルコイルとはまったく違います。
バネの1つ1つが点で支える構造のため体圧分散性がより高くなりますし、バネならではの弾力性のある寝心地です。
ボンネルコイル | ポケットコイル |
しかし、その構造上、ボンネルコイルのように頑丈ではないため、線材が低品質だと早期劣化により腰の沈み込みがひどくなりやすくなります。
そのため、ポケットコイルの良さを引き出す構造で、なおかつ、耐久性の高い線材のものを選ぶことが大事になります(2章で詳述)。
1-2. コイルが独立しているため横揺れ・軋み音が少ない
ポケットコイルはコイルがそれぞれ独立しているため
- 横揺れしにくい
- 軋み音が少ない
などのメリットがあります。
ただ、コイルを包んでいる不織布が柔軟性のない低品質なものだと破れやすく、コイルが伸縮するときに接触してミシミシ音をたてることになります。
ただ、ポケットコイルの内部は開けて確認することができないため、信頼できるメーカーのものを選ぶようにしましょう。
1-3. 個々のコイルが不織布で包まれる構造のため通気性はそこそこ
ポケットコイルのコイルは1つ1つが不織布で包まれています。
そのため、ボンネルコイルよりは通気性がやや劣りますが、それでもそこそこ良いです。
とはいえ、マットレス内部の通気性が良くても、コイルの上にはウレタンフォームなどの詰めものがあるため、蒸れにくい寝心地というわけではありません。別途、対策が必要になります。
なお、この構造のため廃棄が大変です。
コイルが不織布で包まれているため、お住まいの地域によっては廃棄処分のときの手続きが煩雑だったり、追加費用がかかることがあります。事前に確認しておきましょう。
※大きく重たいので搬入、設置、処分は大変
ポケットコイルマットレスは大きく重たいです。
ノンコイル素材のマットレスと比べるとよく分かります。
敷布団 | ノンコイル 薄型マットレス | 脚付き マットレス | ノンコイル ベッドマットレス | コイルスプリング ベッドマットレス | |
画像 | |||||
厚み | 5~10cm前後 | 7~10cm前後 | 10~20cm前後 | 15~25cm前後 | 20~35cm前後 |
重量 | 3~6kg前後 | 4~7kg前後 | 10~30kg前後 | 10~20kg前後 | 20~30kg前後 |
寝心地 | △ | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ |
耐久性 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ |
揺れ&音 | ◎ | ◎ | △ | ◎ | △ |
使用環境 | 床 | 床&ベッド | ベッド | ベッド | ベッド |
手入れ | △ | ◯ | ◯ | ◯ | △ |
クリーニング | ◯ | × | ◯ | × | ◯ |
処分 | ◯ | ◯ | △ | ◯ | △ |
価格 | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | △ |
そのため、こういった特徴から、
- 5~6年前後の中期的使用を考えている
- 引っ越しをする可能性がある
- 手軽に扱えるものがいい
- 力仕事は避けたい
- 部屋の雰囲気が重くなるのはイヤだ
などに該当するならポケットコイルマットレスはやや合いにくいと考えられます。
2. ポケットコイルマットレスの特徴をもとにした選び方
それでは次に、ポケットコイルマットレスを選ぶときのポイントです。
絶対に守るようにしてください。そうしていただければポケットコイルの良さを引き出していないような低品質な商品を避けることができます。
2-1. 体圧分散させるための詰めものの厚さ
コイルの上の詰めものが大事です。
というのも、ポケットコイルの体圧分散性がいかに良いとはいっても、やはりコイルスプリングマットレスの体圧分散性を左右する最大の要素はコイルの上の詰めものだからです。
詰めものが少ないものは危険です。
体を支えきれずにコイルの硬さを腰に感じることになります。薄いマットレスによくある底つき感のような感覚です。
底つき感のイメージ | |
仰向け | |
横向き |
絶対に覚えておきましょう。
使用者の体重をもとに詰めものに必要最低限以上の厚さがあるか確認しましょう。
使用者の体重 | 必要最低限の厚さ | ||
ウレタン | ファイバー | コイルの上の詰めもの | |
30kg | 5cm | 3cm | 3cm |
60kg | 7cm | 5cm | |
80kg | 10cm | 7cm | 4cm |
100kg | 13cm | 10cm |
低価格なものは本当にひどいです。
そのような商品の中には、厚さ1cmのウレタンフォームが一枚だけしかないようなものがあります。
このようなマットレスで寝ているとコイルの硬さが腰に直撃して腰痛の原因になります。
なお、これとは反対に、厚さが35cm以上の分厚いマットレスには、詰めものが分厚すぎてポケットコイルの弾力性を損なっているものがあります。
寝てみたときに詰めものの気持ちよさだけでなく、コイルの柔軟性を感じられるか確認してみてください。
2-2. 耐久性の高いものを選ぶ方法
ポケットコイルマットレスの耐用年数(寿命)の長さは詰めものの「ウレタンフォームの密度」と「コイルスプリングの線材の品質」により決まります。見るべきポイントを解説します。
ウレタンフォームの密度
意外に思われるかもしれませんが、コイルマットレスのへたりの多くはウレタンフォームなどの詰めものを原因としています。そのため、コイルマットレスといえど、詰めもののウレタンフォームなどの品質を見極めることが大事になります。
結論、ウレタンフォームの耐久性は密度(=体積/重量)により決まります。
ウレタン密度(kg/㎥) | 耐久性の評価 | |
高反発 | 低反発 | |
20D以下 | 30D以下 |
|
25D前後 | 35D前後 |
|
30D前後 | 40D前後 |
|
40D以上 | 50D以上 |
|
スカスカで低密度のウレタンフォームはへたりやすく、ぎっしりと詰まった高密度のウレタンフォームは丈夫で長持ちする、というとイメージしやすいかと思います。
5~8年の耐用年数を考えているなら高反発ウレタンフォームで密度30D前後、低反発ウレタンフォームで密度40D前後のものを、10年以上使えるものを想定しているなら高反発ウレタンフォームで密度40D前後、低反発ウレタンフォームで密度50D前後のものを選ぶことをおすすめします。
商品資料にウレタンフォームの密度の記載がないものがありますが、販売店の方に聞けば教えてもらえます。密度情報が非公開の商品は、、、避けることをおすすめします。
コイルスプリングの線材の品質
コイルスプリングの線材の品質のほうは、品質表示ラベルの「コイルスプリングの材料と種類」を見ると分かります。
ポイントは線材の種類、炭素保有量、マンガン保有量です。
5~8年の耐用年数を考えているなら硬鋼線(SWRH)で②の数値が70以上で③がB以上のものを基準にして選ぶようにしましょう。耐用年数が10年以上のものを想定しているなら硬鋼線(SWRH)で②の数値が70後半以上で③がB以上のもの、もしくは、ピアノ線(SWRS)を使用しているものを選びましょう。
線材の種類 | 炭素保有量値 | 耐用年数の目安 | |
ピアノ線 | SWRS | 77~92 | 10年前後 |
硬鋼線 | SWRH | 82 | |
72~77 | 6~7年前後 | ||
62~67 | 3~4年前後 |
【注意】大変残念なことに、平成29年3月30日よりスプリングマットレスの品質表示法の改定があり、表示内容が大幅に簡素化されることになりました。 今後はこのような表示内容になるため、品表ラベルを見てスプリングの数、大きさ、材料の種類、品質などを知ることができなくってしまいました。とはいえ、メーカーも販売店も今まで通り上記のスペックを参考に売買をしているので、あなたが店頭でマットレスの線材と品質を質問すれば教えてくれるでしょう。優れた一品を選び抜くため使える知識ですので、品質表示に記載はされていないとしても、知っておくに越したことはありません。 |
もちろん、コイルスプリングと詰めもの、どちらの品質も良いものでないといけません。
またそれと同時に、パッドやプロテクターなどで大切に扱わないと生地が擦れたり破れたりなどして結局長持ちしなくなることはご了承ください。
敷きパッド | ベッドパッド | ベッドシーツ | トッパー | プロテクター | |
画像 | |||||
役割 |
|
|
|
| |
厚み | 1~2cm前後 | 3~4cm前後 | 5mm前後 | 3~5cm | 5mm前後 |
温湿度調整 | ◎ | ◎ | ◯ | × | △ |
汚れ防止 | ◯ | ◯ | △ | △ | ◎ |
洗濯 | △ | △ | ◯ | × | ◯ |
体圧分散性 | △ | ◯ | × | ◎ | × |
2-3. コイルを吟味する優先順位(コイル数は二の次でOK)
ポケットコイルマットレス選びで大変なのが、コイルのスペックです。
上記で説明した線材の品質に加えて、コイルの形状、数、長さ(ストローク)、太さ(線径)、巻き数、配列など多くの要素があるため、何がなんやらと困り果ててしまいますよね。
下記の優先順位で考えましょう。
- 線材の種類と品質
- コイルの形状と配列
- ゾーニング
- 数、長さ(ストローク)、太さ(線径)、巻き数
1つ目の線材の種類と品質は先に話したとおり。最重要ポイントです。絶対に押さえるようにしましょう。
コイルの形状と配列
そして、2つ目に大事なのがコイルの形状と配列です。
円筒型 | 樽型 | 円錐型 | 砂時計型 | |
画像 | ||||
特徴 | 平均的な寝心地 | 柔らかめの寝心地 | 硬めの寝心地 | 柔軟な寝心地 |
並行配列 | 交互配列 | |
画像 | ||
密度 | 普通 | 高め(約1.2倍) |
硬さ | 普通 | やや硬め |
弾力性 | 高め | 低め |
通気性 | 高め | 普通 |
耐久性 | 高め | 普通 |
これは主にコイルの動きが左右されるポイントです。
いかにもポケットコイルのような柔軟な寝心地が好みなら樽型や砂時計型がおすすめですが、しっかりとした寝心地が好みなら円筒型や円錐形でなおかつ交互配列になっていているものが合いやすいです。
ゾーニング
そして、3つ目に考えてもらいたいのがゾーニングです。
通常 | 3ゾーン | 5ゾーン | エッジサポート | 5ゾーン エッジサポート | |
画像 | |||||
特徴 | 硬さが全体で 統一されている | 腰を硬めに しっかりサポートする | 足、腰、頭を硬めに しっかりサポートする | 腰掛けやすいよう 外周が硬めになっている | 5ゾーンとエッジ サポートの組み合わせ |
日本人に好まれるのが腰を硬めにする構造のものです。
また、ベッドの淵に座る習慣がある人には、エッジサポートといって周りが硬くなっているものがおすすめです。
コイルの数や長さ、太さ、巻き数
最後に、コイルの数や長さ、太さ、巻き数になりますが、これについてはあまり考えてなくて結構です。
上記の3点を精査していると自然に決まってくるかと思います。なお、ポケットコイルマットレスというと、「コイルの数が多いもの」=「良いもの」というイメージが強いかと思いますが、正直、コイルの数は見掛け倒しのマーケティング手法であることが大抵です。作っている側の人間も「寝心地は変わらないけど高く売れるからコイルの数を増やしている」という認識がほとんどです。
2ー4. 体圧分散性を左右するキルト構造
とても細かい話です。
側生地(元々付いてるカバー)がどのような縫製(縫われ方)になっているかでも寝心地が若干変わってきます。
ジャンプキルト | 連続キルト | |
画像 | ||
風合い | 柔らか | しっかり |
横揺れ | ◯ | △ |
右側の連続キルトというのは縫製が一続きになっているため生地の伸縮性・柔軟性が落ちてしまい、つっぱる感じがしてしまいます。
その一方、左側のジャンプキルトは縫製が部分部分で完結しているため、生地本来の伸縮性を保つことができます。高品質なポケットコイルマットレスを購入するなら絶対にジャンプキルトのものがおすすめです。
2ー5. 蒸れにくさを左右する詰めものの中わた素材
詰めものはウレタンフォームだけはありません。
その上に、わたが詰められています。そして、どのようなわた素材が採用されているかで、そのマットレスの品質が分かってきます。
素材 | 弾力性 | 吸水性 | 放湿性 | 洗濯 | 費用 | |
綿 (コットン) | △ | ◎ | △ | ◯ | 中 | |
ポリエステル | ◯ | △ | – | ◎ | 低 | |
羊毛 (ウール) | ◎ | ◎ | ◎ | △ | 高 |
結論、下記のようなイメージです。
- 低価格:ポリエステルわた
- 中価格:抗菌・防ダニなどの機能性ポリエステルわた
- 高価格:羊毛わた(または機能性ポリわたとブレンド)
長期的に使うポケットコイルマットレスを購入するなら10万円前後の予算感になるかと思いますが、その価格帯のものなら羊毛わたなどが採用されているものが多いです。
羊毛は吸湿性、発散性に優れるので蒸れにくく快適です。高品質なマットレスを購入するならぜひ押さえておきましょう。
2-6. 通気性を高めるためにベンチレーターがおすすめ
お住まいが湿気りやすいならマットレスの側面にベンチレーターが付いているものを選ぶことをおすすめします。
これによりマットレス内外の空気の流通を促すことができます。
とはいえ、これだけでは安心できません。マットレスの下には除湿シートを敷いたり、マットレスの上にはパッドやプロテクターを敷いて、湿気と汚れがたまらないようにしないとマットレスにダニやカビが繁殖してしまいます。
ダニ・カビ繁殖三大原因 | 発生源 | |
温度 |
| |
湿度 |
| |
エサ |
|
パッドなどをきちんと揃えるようにしましょう。
2-7. ローテーションは大変なので両面より片面仕様がおすすめ
ポケットコイルマットレスには両面仕様のものがありますが、片面仕様のものがおすすめです。
というのも、両面仕様のマットレスとなると半年から一年に一度を目安にマットレスをひっくり返すローテーション作業をやることになるからです。
この作業は酷です。ポケットコイルマットレスは薄めのシングルサイズでも20kg前後、厚さが30cm前後のものでダブルサイズのものとなると40kg前後になります。
この重さのものをひっくり返すのは相当大変ですし、運動に慣れていない人がやると怪我をする恐れすらあります。
敷寝具種類 | イメージ | 厚さ | 重量 | |
敷布団 | 木綿 | 10cm | 6kg | |
ノン コイル | 高反発ウレタン | 7kg | ||
高反発ファイバー | 10kg | |||
高弾性ウレタン | 10kg | |||
ラテックス | 15kg | |||
低反発ウレタン | 11kg | |||
ハイブリッド | – | |||
コイル | ボンネルコイル | 20cm (仮定) | 18kg | |
ポケットコイル | 20kg |
私のおすすめの選び方は、詰めものは片面だけでいいのでその分、高品質な詰めもの(高密度な高弾性ウレタンフォームや天然100%のラテックスなど)が使われているものを選ぶことです。
そしてその上で、プロテクターなどで保護してへたりにくいように扱うことです。
2-8. サイズの選び方と注意点
マットレスのサイズ選びは、体の大きさ、使用人数、部屋の大きさなどをもとに考えるのが順当です。
名称 | 幅寸法 | イメージ | 寝室目安 | 用途 |
セミシングル | 80cm | 4畳 | 1人(子供・小柄な方) | |
シングル | 97cm | 4畳 | 1人(中柄な方) | |
セミダブル | 120cm | 6畳 | 1人(大柄な方) | |
ダブル | 140cm | 8畳 | 1~2人(小柄な方2人) | |
クイーン | 160cm | 8畳 | 2人(中柄な方) | |
キング | 180cm | 10畳 | 2人(大柄な方) |
一人で使用するならこの選び方で問題ないですが、二人で使用される(もしくはする予定)の方は気を付けなくてはならないポイントがあります。
それがクイーンなどの大きいサイズです。昨今の物流業界の値上げにつぐ値上げにより、クイーンサイズ以上のコイルマットレスはその大きさと重量から製造・販売が不可能になりつつあります(数十キロ運ぶだけで2~3万円/1台の配送料がかかるので採算が合わない)。
そのため、私のおすすめはセミシングルやシングルサイズを2台買い揃えることです。十分な広さであることはもちろん、使う人に合わせてマットレスやパッドなどを選ぶことができるからです。例えば、男性はやや硬めで女性はやや柔らかめ、男性のシーツは麻で女性のシーツはシルク、などといった調整も可能です(見た目がチグハグにならないように調整するのが大変ですが)。
3. ポケットコイルマットレス選びによくある質問と注意点
購入前によく聞かれる点について解説します。
3-1. 脚付き仕様のものを選ぶときの注意点
脚付き仕様自体は悪くないです。
しかし、低価格・低品質なものが多く、詰めもののウレタンフォームが1cm前後しかなく硬すぎる寝心地のものが大半です。詰めものは4cm以上あるものを選びましょう。
一体型 | 分割型 | |
画像 | ||
寝心地 | ◯ | △ |
取扱い | △ | ◯ |
なお、分割式のものは分割部のフレームが腰に当たり寝心地がひどく悪いことがあるので避けることをおすすめします。
3-2. 薄型のものは非推奨
厚さが10cm前後の薄型ポケットコイルマットレスが販売されることがありますが、ほぼすべて詰めもののウレタンフォームが1cmあるか、もしくはわただけだったりします。つまり、寝心地がひどく硬いものが大半ですので、避けることをおすすめします。
3-3. 折りたたみ仕様のものは非推奨
ポケットコイルマットレスを折り畳んでも重たいため収納することはできませんし、片付けるのも大変です。もちろん、薄く作られることが大半のため詰めもののが少なくて寝心地が悪いことが多いです。また、折り目のフレームが硬いことも寝心地を悪くする一因です。デメリットしかないので非推奨です。折りたたみマットレスを検討しているなら、高反発ウレタンマットレスのほうがおすすめです。下記のページを参考にどうぞ。
関連記事3-4. フローリングや畳に直置きするときの注意点
ポケットコイルマットレスはベッドの上で使うことを想定されていますが、フローリングや畳の上に直置きして使うことも可能です。とはいえ、湿気がたまりやすいのできちんと対策をしておきましょう。下記のページで説明しているので参考にどうぞ。
関連記事3-5. 圧縮仕様のものは再圧縮不可
圧縮ポケットコイルマットレスは一度開封したら再圧縮不可能です。そのため、圧縮ポケットコイルマットレスを購入するなら、ベッドの上で開封するようにしましょう。
3-6. 汚れた洗濯できるのか?
側生地が汚れたら湿ったタオルで拭いて掃除しましょう。しかし、内部まで汚れているとなるとマットレスを開けられないので自分で処理するのは不可能です。クリーニング業者に依頼してスチーム洗浄してもらいましょう。1台で1~2万円の費用が発生してしまいますがダニなども一掃してもらえます。
3-7. お手入れのときの注意点
高反発ウレタンマットレスのように壁に立てかけて干すことはできません。
そのため、パッドやシーツなどを上手に買い揃えてお手入れの手間を省くようにしましょう。お手入れの詳細については下記のページで説明しているので、気になる方はあわせてお読みください。
関連記事3-8. 自分自身で解体処分するのは不可能
ポケットコイルマットレスを自分自身で解体処分するのは不可能です。
プロによる解体の様子を映した動画があるのでご覧ください。きっと諦めがつくかと思います。
粗大ゴミとして廃棄するのが通常です。
しかしもし、ゴミ捨て場まで運ぶのが不可能でしたら、引取専門業者などに依頼して捨てるようにしましょう。このような捨て方だと1台につき1~2万円ほど費用がかかってしまうので購入時にこの点を念頭に置いておくことをおすすめします。
4. おすすめのポケットコイルマットレス3選
上記でご説明したポイントを踏まえて、おすすめできるポケットマットレスを3つご紹介します。
4−1. New Rev.7 パープルラベル
- 製品:New Rev.7 パープルラベル
- 硬さ:ソフト/ベーシック/ハードから選択可能
- サイズ:シングル(97×195×27cm)
- 価格:82,500円
- 送料:無料
- 【販売ページはこちら】
フランスベッドグループの老舗メーカー東京ベッドが手がけるマットレスです。7インチ(約18cm)のポケットコイルに高反発ウレタンフォーム2cmと湿度調整機能のあるウレタンフォーム2cm、さらに羊毛わたが詰められています。体圧分散性は十分ですしさらに蒸れにくい構造になっています。
4−2. ドリームベッド ドリームポケットトルネード
- 価格:105,840円
- サイズ:97×196×27cm
- 【販売ページ@amazon】
アメリカのベッドブランドの中でも有名なSerta(サータ)の製造を手がけるドリームベッド社のマットレスです。ポケットコイルにしてはなかなかお目にかかれないハードタイプです。円錐形のコイルを順向き・逆さ向きと交互に並べることにより、スプリングの動きに制限が生まれ、しっかりとした硬さを実現しています。パートナーと一緒に寝ていてマットレスの揺れが気になる方におすすめです。
4−3. フランスベッド PR70-DDEX
- 製品:フランスベッド PR70-DDEX
- 硬さ:やや柔らかめ
- サイズ:シングル(97×195×31cm)
- 価格:115,500円
- 送料:無料
- 保証:2年間品質保証
- 【販売ページはこちら】
フランスベッド独自の高密度連続スプリングがダブル構造になっている上に、高弾性ウレタンフォームを組み合わせたベッドマットレスです。寝たときの風合いがふんわりと心地良いのはもちろん、体をしっかりとサポートするスプリングが二重構造になっているので横揺れがさらに少なく、家族で寝る方にもおすすめのマットレスです。生地に防ダニ、抗菌、防臭加工が施されているのも嬉しいポイントです。
最後に
ポケットコイルマットレスの選び方について理解いただけていれば幸いです。
ポケットコイルマットレスは構造上、低品質なものは劣化しやすく処分も手間なので、くれぐれも高品質なものを選ぶようにしましょう。
また、「ポケットコイルマットレス以外のマットレスも検討してみたいな」とお考えであれば、以下のページで寝心地が素晴らしいマットレスを選ぶためのポイント(体圧分散性、弾力性、耐久性など)とおすすめのブランドについて徹底的に解説しているので、是非あわせてご参考にしてください。以下のページで寝心地が素晴らしいマットレスを選ぶためのポイント(体圧分散性、弾力性、耐久性など)とおすすめのブランドについて徹底的に解説しているので、是非あわせてご参考にしてください。
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なお、マットレスに関するページを以下にまとめましたので、気になるトピックがあればあわせてご参考にしてください。
■あわせて読んでおきたい「マットレス」の記事一覧
– 選び方編
○マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順
○敷布団とベッドマットレスの比較。素材ごとの併用の相性とおすすめ
○【失敗しないマットレスの選び方】硬さ、厚さ、密度、線材を吟味
○マットレスの3種類7素材を比較|特徴と選び方、おすすめできる人
○低反発と高反発の違い、あなたに合うマットレスはどっちか
○【快眠の方程式】マットレスの理想の硬さ=理想の寝姿勢
○マットレスの正しい厚み(高さ)は「用途と目的」を軸に考える
○【マットレスの通気性】素材・加工ベースで比較評価
– 使い方編
○【マットレスの使い方】シーツ、パッドの正しい順番とは
○マットレスにすのこは必要か?おすすめの選び方
○マットレスの上に布団を敷いてはいけない2つの理由と代替策
○マットレスの正しいダニ退治方法、二度と繁殖させない予防法
○マットレスのカビ除去方法と、再発を防ぐ予防対策
○ベッド・マットレスがずれる?それなら滑り止め対策を
○長生きでお得に!マットレスの寿命を判断する5つの目安
○賢い節約術!マットレスの処分方法を考えるべき順序
記事を拝見させていただきました。
とても参考になりました。
一点ご質問よろしいでしょうか。
ポケットコイルマットレスにウレタンが表面に付いているタイプのものは、ウレタンの密度はどの程度気にした方がよろしいでしょうか。やはり30D以上が良いのでしょうか。
お手隙の際にご返信いただけると幸いです。
鈴木様
コメントありがとうございます。
そうですね、ウレタン密度は30D以上のものがおすすめです。
コイルに問題はないのにウレタンがへたってしまい寝心地が悪くなることがあるからです。
想定されている使用期間にもよりますが、少なくとも5年程度を考えているのならなおさらですね。
加賀照虎