※自分に合ったマットレスを選ぶ手順(型→素材→個別商品)と値段、体質、好み別におすすめできるマットレスについてこちらのページ「マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順」で徹底解説しています。網羅的にマットレスの比較検討を進めたい方は是非ご参考にどうぞ。 |
- 「腰痛が治りました!」
- 「独特の臭いがキツくて眠れません…」
- 「まだ届いていませんが期待を込めて五つ星です⭐︎」
マットレスを比較検討するとき、色んな評価を目にするかと思います。
今まで10万本以上マットレスを販売してきた私の経験からいうと、レビューや口コミには役に立たないものもありますが、マットレスの良し悪しを見分けるためのお宝情報が眠っていることもあります。
書かれていたら要注意な「危険キーワード」すら存在します。
ということで本日は「マットレスの口コミ(レビュー)を精査する10のキーワード」と危険キーワードがあったときの見極め方についてご紹介していきます。
1. レビューにあったら危険なキーワード
まずは発見したら警戒が必要な危険キーワードからご紹介していきます。
①「床の硬さを感じる」「底つき感がある」
厚さが足りない床置きマットレスに書かれることが多いキーワードです。もちろん、同じ商品でも体重などの個人差によって評価が分かれることになりますが、底つき感があるまま寝てしまうと腰への圧迫によって腰痛につながることがあるため注意が必要です。
底つき感のイメージ | |
仰向け | |
横向き |
→あなたにとって必要最低限の厚さかチェックする
このような口コミを見かけたら「そのマットレスの厚さがあなたにとって必要最低限あるかどうか」あなたの体重をもとに考えましょう。
- 厚み5cm:体重40kg前後
- 厚み7cm:体重60kg前後
- 厚み10cm:体重80kg前後
- 厚み13cm:体重100kg前後
②「バネの硬さを感じる」
通常、コイルマットレスのコイルの上にはクッション材としてウレタンフォームやわたなどが詰められます。しかし、コストカットにより、この詰めものが極端に少ないマットレスがあります。そのようなマットレスには「新品なのにバネの硬さが感じられる」などの評価が見られます。
→コイルの上に4cm以上詰めものがあること
コイルの上にウレタンフォームなどの詰めものが少なくとも4cm以上あるものを選ぶようにしましょう。詰めものが不十分だとコイルの硬さが直撃して、腰を痛める恐れがあります。
③「すぐにへたった」
耐久性の低いであろう素材が使われているマットレスに書かれる評価です。マットレスは大量生産されています。そのため、特定の商品だけへたりやすいなんてことはまずあり得ません。レビュー投稿者の使用環境が悪くへたった可能性もありますが、このような評価がいくつかあれば、まずは商品のスペックチェックをしましょう。
→ウレタンフォームの密度とコイル線材の品質をチェックすること
「ウレタンフォームの密度」と「コイル線材の品質」によってマットレスの耐久性は決まります。ウレタンフォームなら「密度30D以上」、硬鋼線は炭素保有量の数値が70以上あることを目安にしてください。詳しくこちらのページ「【失敗しないマットレスの選び方】硬さ、厚さ、密度、線材を吟味」をご参考ください。
ウレタン密度(kg/㎥) | 耐久性の評価 | |
高反発 | 低反発 | |
20D以下 | 30D以下 |
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25D前後 | 35D前後 |
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30D前後 | 40D前後 |
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40D以上 | 50D以上 |
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④「ギシギシ」「軋み音がする」
数ヶ月しか使っていないコイルマットレスから軋み音がするというのはコイルの品質が悪いことや、その他の部材の品質が悪いことを示唆しています。例えば、ポケットコイルマットレスはコイルが1つ1つ不織布に包まれているため軋み音は少ないはずなのですが、この不織布に柔らかさが足りないと破れやすく、その結果、ギシギシ音が鳴るのです。
→コイルの線材の品質をチェックすること
③で説明したコイル線材の品質を確認しましょう。しかし、音の原因が不織布の品質の悪さから来ている場合、その品質をチェックするのは困難です。そのため、このような軋む音について悪いレビューが書かれている場合、なるべく避けるほうが賢明です。
⑤「膨らまない」「ふくらみが不均等」
長期在庫されていたであろう圧縮マットレスにこのような評価がされることがあります。圧縮期間が長すぎるとマットレスが元に戻らなくなるので、寝心地は不完全になります。
→避ける、もしくは店舗に問合せ
長期在庫されている可能性があるので避けることをおすすめします。ただ、そのレビューが1~2年前のもので、他に同じようなレビューが見当たらない場合、何らかの手違いなどの可能性もあります。そのマットレスに魅力を感じているなら、素直に、販売店にその旨を問い合わせてみることをおすすめします。
⑥「汚れ」「縫製不良」
製造現場が雑だと起こりうる要素です。ただ、マットレスは人が作っているものであるため、これが0になるのは正直難しいです(メーカーの言い訳に聞こえたらごめんなさい)。とはいえ、糸始末の不備から大きな汚れまで不良レベルは様々です。口コミから精査しましょう。
→安いものは避ける
数百件あるレビューに対して1つ2つくらいならまだしも、あまりにも汚れなどについて言及されているレビューが多いものは避けることをおすすめします。特に安価な商品では、検品環境が暗くて機能していなかったり、担当者が経験不足だったり、検品回数が少なかったりなどのため不良率が高くなりやすいです。
2. 判断の難しいキーワード
否定的な意見とはいえ個人差のためあまり参考にならないものもあります。どう考えるべきか紹介していきます。
⑦「柔らかすぎる」「硬すぎる」
- 使用者の体型
- 慣れ親しんだ硬さ
- 好みの硬さ
などによってマットレスの硬さの感じられ方は大きく変わります。そのため、マットレスの硬さについての他人の意見は参考になりません。実際、私が見てきた限り、(極端に振り切ったもの以外)どのマットレスにも「硬い」「柔らかい」のどちらの評価もあります。
体型 | BMI値 | 寝心地の相性 | |
太め | 25以上 |
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ふつう | 18.5〜25未満 |
| |
細め | 18.5未満 |
|
とはいえ、「高反発なのに柔らかい」などのような不可解な口コミが多いものは密度や線材などに問題がある可能性があるので避けることをおすすめします。
⑧「臭い」
これも個人差の大きい要素です。これは私の経験上からも、同じロットの製品なのにもかかわらず「臭いがキツい」という方もいれば「臭いなんて気にならなかった」という方もいたので、やはり個人差が大きいんだろうと考えています。
→ニオイが気になるならエコテックス取得製品か非圧縮製品を購入すること
とはいえ、ひどい化学臭がするマットレスもあります。ウレタンフォームの原材料の一部である「アミン」の使用量が多いと化学臭が強まるとされています。そのため、第三者機関による品質保証がされているものを選ぶことをおすすめします。例えば、アミンの使用を制限している「エコテックス規格」などの認証があると安心できます。
他にも、製造されてからすぐに圧縮ロールされる製品はどうしてもニオイを飛ばす期間が最低限になるため、敏感な方にとっては耐えられないことがあります。そのため、そのような人は圧縮マットレスの購入は避けることをおすすめします。
⑨「重い」
重さは商品ページに記載されているはずなので、その重さのマットレスを搬入・設置できるか事前に確認しておくようにしましょう。
⑩「梱包の汚れや傷」
メーカーや販売店の問題ではなく配送時のトラブルによる可能性もあるので、この手の評価もすべてのものに当てはまるわけではありません。とはいえ、このような口コミがあまりにも多い場合は起こりえるかもしれません。
3. 口コミ・レビューを見るときのポイント
また、レビュー自体が役に立たないものもあります。参考までに解説します。
3-1. 日本語が怪しいもの
下手な日本語で書かれたレビューが多くあるものはレビュー水増し業者によるものの可能性が大きいです。特に、商品発売時にやられることが多く、一番古い時期に書かれたレビューそのようなものがいくつもあるなら気をつけるようにしましょう。
3-2. 古いレビューは役に立たないことがある
数年販売されている商品だとリニューアルなどのために、古いレビューが書かれた頃とは使用感が良くも悪くも変わっていることがあります。大きな変更があれば商品ページ自体変えられるべきなのですが、業務効率上同じページで同じ商品として販売されるケースが多いのです。
3-3. 腰痛が治るなどの良いレビューは参考までに
腰痛が治ったなどの良いレビューもあまり参考になりません。そもそもその人が前使っていたマットレスが酷すぎただけかもしれませんし、ちょうど筋肉や骨の状況が落ち着いただけかもしれません。そのため、あまり良すぎる評価も参考にしすぎないようにしましょう。
最後に
マットレスの口コミを精査する参考になっていれば幸いです。
なお、「これからマットレス選びをしようと思っている」という方は、下記のページでマットレス選びの流れと押さえるべきポイントについて解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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■あわせて読んでおきたい「マットレス」の記事一覧
– 選び方編
○マットレスのおすすめ11選|専門家が教える自分に合うものを絞り込む手順
○敷布団とベッドマットレスの比較。素材ごとの併用の相性とおすすめ
○【失敗しないマットレスの選び方】硬さ、厚さ、密度、線材を吟味
○マットレスの3種類7素材を比較|特徴と選び方、おすすめできる人
○低反発と高反発の違い、あなたに合うマットレスはどっちか
○【快眠の方程式】マットレスの理想の硬さ=理想の寝姿勢
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