睡眠不足は病の元。
多くの研究データから、事実であることが分かっています。
ただ、にわかには納得できないですよね。
睡眠時間が短いだけでなぜ病気を起こしやすくなるのか、1日や2日でひどい結果にたどり着くわけじゃないから想像しにくいですよね。
ということで本日は「睡眠不足で病気(心疾患)リスクが48%高まるプロセス」について解説します。
※こちらのページ『睡眠不足の悲惨すぎる症状一覧と、改善のための方法』で睡眠不足による心身へのデメリットの総まとめをしました。睡眠不足が気になる方はあわせてご参考にしてください。 |
1. 睡眠不足で病気(心疾患)リスクが高まるプロセス
チリも積もれば山となる。
睡眠不足で病気になるのも、同じことです。
睡眠時間が短いからといって、翌日病気になることはありません。しかし、頭や体が疲れたり、ホルモンバランスが崩れたりなど、ちょっとした乱れから全てが始まります。
このような小さな乱れにより、下記のような悪影響が出てきます。
- 前頭前野の機能低下
前頭前野とは、脳の感情をコントロールしたり、思考や集中などの活動を担っています。このエリアの働きが弱まることで、イライラしやすくなります。 - 交感神経が活発に
自律神経が乱れて、副交感神経(ブレーキ)ではなく交感神経(アクセル)のほうにスイッチが入りやすくなり、その結果、血管が収縮して血圧が高くなりやすくなります。 - 食欲増加、満腹感低下
レプチンとグレリンというホルモンバランスが乱れ、その結果、食欲旺盛になるものの満足しにくくなり、太りやすくなります。 - 疲れ気味
頭がぼーっとしたり疲れが取れないせいで、動くことが億劫になり運動不足になりやすくなります。 - インスリン感受性低下
血糖を調整するインスリンの働きが悪くなることで、血糖値が高くなりやすくなります。
ここまでは比較的早くたどり着きます。
たった一晩、睡眠不足になっただけで、血圧が上がることが報告されていますし、
高カロリーで大きく重い食品を好んで買うようになるとも報告されているからです。
健康診断で「血圧がちょっと高めですねー」と言われたり、「内臓脂肪が目立ちますねー」と言われるような人は、まさにこのような日々が続いた結果の段階にいると考えられます。
そのような方は、気を引き締めなければいけません。
ここから負のサイクルが回り出して、一気に病気リスクを高める恐れがあるからです。
これはもう恐怖です。
つまり、ストレスが多いことが血圧を高めますし、肥満であることが血圧を高めますし、血圧が高いこと自体がストレスになったり、そのせいでやけ食いに走って肥満に繋がったり、、、他にも、肥満気味だから運動不足になったり、運動不足で肥満だから睡眠の質が悪くなって、そのせいでホルモンバランスが乱れて血糖値が高くなりやすかったり、、、などなど負のサイクルが加速していくのです。
そしてある日、「高血圧」や「高血糖」というイエローカードが医者から渡されることになるのです。
こうなったらもう、食生活、運動習慣、睡眠など全てを一から見直さなければなりません。
そうでないと負のサイクルが止まりません。
高血圧と高血糖も、お互いに悪影響を与えます。
高血糖により血圧が上がりますし、高血圧は糖尿病の進行を早めてしまう可能性が指摘されています。
そして、血圧や血糖値が高いことで問題となるのが動脈硬化です。
つまり、血管が硬くなるということです。そしてそれに加えて、血栓ができやすくもなり血管が詰まりやすくもなります。
そして、脳内の血管が詰まってしまうと脳梗塞に、動脈硬化により心筋に酸素が届きづらくなると心筋梗塞となってしまうのです。
475,000人が対象となる15の研究をレビューした論文がイギリスのウォーリック大学医学部から発表されており、それによると、睡眠時間が6時間未満の人はそれ以上眠っている人に比べて、心疾患が起きるリスクが48%も高くなると報告されています。
このように、最初はちょっとした乱れでも、積もってしまうと脳疾患・心疾患にまでたどり着いてしまうのです。
※睡眠不足だと風邪をひきやすくもなる
睡眠時間が短いと免疫力が下がるからか風邪をひきやすくもなると言われています。
こちらについては下記ページで詳しく解説していますので、一緒にご参考にしてください。
関連記事最後に
「睡眠不足やばい」
「これからはしっかり眠ろう」
と思っていただければ、私としては願ったり、叶ったりです。
「でも、どれくらい眠ればいいんだろう」
という疑問があるなら、下記のページで適切な睡眠時間について説明しているので、ぜひ参考にしながら眠ってください。
関連記事