朝起きたときに腰が痛むとすると、寝方(グッズの誤用/寝姿勢/敷寝具)に問題がある可能性があります。
これは不幸中の幸いです。たんに寝方が悪いのであればそれを直すだけで、腰の痛みを改善することが期待できるからです。
そこで本日は「腰痛を悪化させる4つの寝方と対処法」についてご紹介します。
Contents
1. 腰痛を起こす4の寝方と対処法
それでは、腰を痛める恐れのある4つの寝方とその対処法を順に紹介していきます。
1−1. タオル・クッションを腰枕にしている
腰痛対策として腰の下にタオルやクッションを敷いてはいないでしょうか?
これらは正しく使えていれば腰痛緩和の効果を見込めるものの、使い方を間違えてしまうとひどく腰に負荷をかける要因になります。もしあなたがこれらを使ったときに、以下のイラストのような姿勢になっていたら要注意です。
腰が反っていますね。
いわゆる「反り腰」寝姿勢です。イラストなので分かりやすく強調していますが、実際には、ここまで腰が反っていなくても長時間この姿勢を続けるとかなり腰(腰椎:腰の骨)に負担をかけてしまいます。
ではどうすればいいのかというと、寝姿勢を悪くしないように、腰の下だけでなく背中全体をカバーするようにタオルやクッションを敷くのです。体圧ができるだけ均等に分散されている状態が望ましいです。
もしくは、厚手のベッドパッドやウレタントッパーを利用するほうが無理なく体全体をカバーさせられるのでおすすめです。タオルや腰枕などのクッションでは限界があるので、きちんと寝具を見直すことも視野にいれましょう。
1−2. うつぶせ寝で腰が反っている
うつぶせ寝も上記と同じ理由により、腰(腰椎)を痛める原因になりえます。
というのも、敷寝具がへたっていたり、または、胸の膨らみが多い人だと、うつぶせ寝をするときにやや反り腰姿勢になってしまうからです。枕を使ってうつぶせ寝をすると、特に腰が反りやすくなります。
また、うつぶせ寝は首の骨(頚椎)に負担をかけやすいですし、胸を圧迫し続けるため呼吸もしづらくなります。さらに、ホコリを吸い込みやすく鼻づまりを起こしやすいなど、あまりいい寝方とは言えません。
仰向きか横向きに寝られるようにしましょう。
1−3. 寝返りができないまま寝ている
突然ですが、あなたは6時間ずっと椅子に同じ姿勢で座っていられますか?
とてもじゃないですが難しいと思います。寝返りがしにくい状態で寝るということは、これと同じことが起こっているのです。例えるなら、エコノミークラス症候群のように、体を圧迫し続けてしまうことで血流が悪くなり、疲れやだるさ、腰のコリや痛みを起こすことになるのです。
主な原因は、首や肩、背中の筋肉の疲労です。肩の周辺には僧帽筋や肩甲挙筋、棘下筋などの筋肉がありますが、これらの筋肉が疲労して固く緊張し、血行不良になると「乳酸」などの疲労物質が筋肉中に蓄積してきます。その結果、こりや痛みが起こります。
(引用:『腰痛、肩こり、手足のしびれ 「背骨」がかかわる症状の診断・治療ガイドブック』 伊藤達雄・戸山芳昭監修)
分かりやすくまとめると、「寝返りができない」→「腰が圧迫される」→「腰周りの血流が悪くなる」→「腰に疲労物質がたまる」→「腰のコリ・痛みが発生」という流れです。
そのため、もしあなたが以下のような腰が沈み込みすぎて寝返りがしづらい敷寝具(主にマットレス)で眠っているのなら、買い換えることをおすすめします。
また、寝返りは腰の圧迫を反らすための役割だけでなく、ムレにくくさせなりなど快眠に欠かせない生理現象です。大事なことなので覚えておきましょう。
1−4. 敷寝具が硬すぎて腰を圧迫している
一般論ですが、敷布団は仕様に応じて硬くなりすぎることがあります。
手入れ不足により湿気って弾性が無くなったり、へたってしまって硬化してしまったりなどなど、寝心地が硬くなり過ぎてしまい腰を圧迫して痛めてしまうことがあります。または、そもそも厚みが足りず底つき感により床の硬さを感じてしまうこともあります。
底つき感のイメージ | |
仰向け | |
横向き |
敷寝具は毎日少しずつへたっていくため、数年~10数年スパンで徐々に徐々に体圧分散性が悪くなります。そのため、敷寝具の劣化を機敏に察知するのはとても困難なのです。「気づいたら結構へたっていた」というケースがとても多いのはこのためです。
もしあなたのマットレスがこの状態になってしまっていたら、トッパーを敷いて寝心地補強をするか、残念ですが買い換えるしかありません。以下のページで腰痛対策のためのマットレスの選び方を紹介しているので参考にしてください。
関連記事ただ、敷布団の場合、ヘタリをなんとかして治せる見込みもあります。以下のページでその方法を紹介しているので参考にしてみてください。
関連記事最後に
あなたの腰痛の原因が寝方にあるのか把握する一助になっていれば幸いです。
また、寝方だけでなく、生活習慣、加齢、過去の怪我などが腰痛の原因になっていることもあるので、もし心当たりがあれば整形外科を受診するなどしてその他の可能性についても考えてみてください。