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【寝心地UP】ウッドスプリングベッドの選び方とおすすめ2選

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「ベッドは寝心地を左右しない。」

と、一般的に言われますが、ウッドスプリングベッドは例外です。

スラットのしなやかな弾力性により寝心地はもちろん、マットレスの耐久性まで伸ばすことが期待できるのです。

とはいえ、日本ではあまりまだ知られていない種類のベッドのため、わからないことも多いかと思います。

そこで本日は、

  • ウッドスプリングベッドの概要(すのことの違い)
  • 長所と短所
  • 素材などの選ぶときの注意点
  • おすすめのウッドスプリングベッド2選

などについて開設していきます。

特に、ものによってはウッドスプリングの性能が台無しになる作りのものもあるので、くれぐれも注意して選ぶようにしてください(2-3で解説)。

著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
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インスタグラムでも情報発信中⇒フォローはこちらから。


1. ウッドスプリングベッドとは

ウッドスプリングベッドとは、ベッドの床板に「しなり」や「たわみ」のあるスラットを使用することで弾力性を持たせたものです。

parts-of-bed
ベッドを構成するパーツ

スラットには弾力性の高いアーチ型のものもあれば、弾力性の低いストレート型のものもあります。

また、スラットを支えるサスペンションにも弾力性・可動性があり、この二つの部位が総合的に「ウッドスプリング」の寝心地を作っています。

slat-and-suspension-of-wood-spring-bed1
スラットとサスペンション

すのこと比較するとその違いがよく分かります。

 アーチ型ストレート型すのこ
画像wood-spring-arch-slatwood-spring-straight-slatsunoko

下記の動画をご覧ください。

ウッドスプリングの動きがよく見てとれます。

なお、床板自体に弾力性を持たせて寝心地UPを図ったベッドには、マルチポイントベッドやダブルクッションベッド(ボトムスプリング)などもあります。

これらについても理解していただくと、あなたに合うものが判断しやすくなるかと思います。

 ウッドスプリングベッドマルチポイントベッドダブルクッションベッド
画像wood-spring-bed1multi-point-bed1double-cushion-bed1
対象
  • 敷布団
  • ノンコイルマットレス
  • 敷布団
  • ノンコイルマットレス
  • コイルマットレス
特徴
  • 寝心地UP
  • 耐久性UP
  • 左記の上位互換
  • 寝心地ややUP
  • 耐久性ややUP

1-1. ウッドスプリングベッドの長所

それでは次に、ウッドスプリングベッドの特徴(メリット・デメリット)はどのようになっているか解説していきます。

長所短所
  • 安定性◯
  • 通気性◎
  • カスタマイズ◯
  • 寝心地UP
  • 耐久性UP
  • 収納性△
  • サイズ展開△
  • バリエーション△
  • 寝具制限△
  • やや高価

寝心地UP

スラットに弾力性があることで寝心地が向上します。

特に、ノンコイルマットレスにやや欠ける弾力性が補えるため、さらなる寝心地を引き出す立役者になります。

耐久性UP

マットレスにかかる荷重(あなたの体重)をスラットの「しなり」により抑えられます。

そのため、マットレスがヘタリにくくより長持ちさせられるようになります。

個々人に合わせてカスタマイズ可能(なものもある)

また、スラットごとにしなり具合を調整できるものもあります。

これにより個々人への弾力性・硬さを最適化できます。

そのため、たとえば、

  • 腰が落ち込みすぎないように腰部分の弾性を抑える
  • 横向き寝だが肩幅が広いため肩への圧迫を感じやすいから肩部分の支えを弱くする

などといったことが可能です。

割と簡単に調整できます。下記の動画をご覧ください。

通気性◎

スラットの通気性は高いです。

そのため、湿気が溜まりにくくカビ・ダニなどの問題も発生しづらいです。

1-2. ウッドスプリングベッドの短所

サイズ展開△

下記の2つの理由によりウッドスプリングベッドはサイズ展開が乏しいです。

  • 欧州ブランドのものが多い(日本サイズが少ない)
  • スラットの耐久性のため幅広サイズが少ない

そのため、ダブルサイズ以上の流通は少ないです。

スラットが分割された幅広サイズもあるにはありますが、これを一人寝で使うと寝心地に問題が出てきます。この点はご注意ください(詳しくは2-3をご覧ください)。

バリエーション△

日本ではまだウッドスプリングが広まっていないため、デザインなどのバリエーションがまだまだ少ないのが現状です。

欧州の自然派テイストなものがほぼ大半です。

欧州の高級家具メーカーのベッドのオプションで床板をウッドスプリングに変更できるものもありますが、価格は数十万となるのでやや非現実的です。

寝具制限あり(高反発・コイルマットレスは不向き)

ウッドスプリングベッドは以下のマットレスとは相性が悪いです。

  • 高反発ウレタンフォーム
  • 高反発ファイバーマットレス
  • コイルマットレス

高反発系のものは寝心地が硬いため、ウッドスプリングの弾性を十分に活かせられません。もちろん、耐久性を伸ばすことは期待できますが、やや勿体無いです。

コイルマットレスはそれ自体がコイルの弾性を持っているため、ウッドスプリングで寝心地が変わることはほとんどありません。耐久性を伸ばす意味合いではありですが、それならコイルマットレス用のダブルボトムベッドを利用するほうがおすすめです。

ベッドとしてはやや高価

ウッドスプリングベッドは通常のベッドよりもやや高価です。

というのも、スラットに高いしなやかさと耐久性が求められるため、高品質な木材(主にブナ)を使用しなければならないためです。

また、調整可能なものはベッド・寝具店の店員の技術料やアフターサービス料なども含まれているとお考えください。

収納性△

ウッドスプリングベッドには収納スペースはありません。

また、ベッド自体低めなものが多いので、ベッド下収納も限られます。

1-3. メーカー(ブランド)ごとの差異

ウッドスプリングベッドを販売しているメーカーは少ないですが、海外メーカーが多いためブランドや商品の違いが分かりづらいですよね。

比較検討をするなら、

  • スラット形状
  • スラット素材
  • サスペンションの可動域
  • サスペンション素材

などを押さえる違いが分かりやすくなります。

 スラットサスペンション
形状素材可動域素材
ドルサル
(Dorsal)
アーチブナ
(ビーチ)
中~大エラストマー
センベラ
(Sembella)
アーチブナ
(ビーチ)
樹脂
カリモクアーチブナ
(ビーチ)
樹脂
プロナチューラ
(ProNatura)
ストレートブナ
(ビーチ)
天然100%
ラテックス
ボディドクター
(Body Doctor)
ストレートホワイト
アッシュ
天然100%
ラテックス
ヒュスラー
(Huesler)
ストレートアスペン
・ブナ
天然100%
ラテックス
無印ストレートカバノキ
(バーチ)
不明

これは良し悪しの問題ではなく、各メーカーごとに理想の寝心地(弾力性・体圧分散性)が異なっている結果だとご理解ください。

例えば、ドルサル社は弾力性に重きを置いているため、スラットの柔軟性も高いですしサスペンションの大きくなっています。その反対に、硬めの寝心地が好まれる日本のメーカーは弾力性を抑えた作りになっていることがわかるかと思います。

なお、こちらのチャートには記載していませんが、スラットの木材の積層数が違っていたり、そもそも積層材ではなく無垢材だったり、合成素材が組み合わせられていたりなど、そのような差異もあります。

実際にお店でウッドスプリングに触って、寝て、愛でていただいて、あなたに合うものを探してもらえると理想的です(下記の動画を2:02からご覧ください。各スラットのしなり具合がまったく違うことが見てとれます)。

1-4. ウッドスプリングベッドはおすすめか?

結論、ウッドスプリングベッドはおすすめです。

  • 予算は十分
  • コーディネートの問題なし
  • 収納なくても気にしない

などに該当して、なおかつ寝心地重視の方には非常に向いています。

もちろん、予算が十分にあるなら調整可能なものを選び、店員さんに調整してもらいましょう。また、マルチポイントベッドとも一緒に比較検討されるとさらに良いかと思います(下記チャート再掲)。

 ウッドスプリングベッドマルチポイントベッドダブルクッションベッド
画像wood-spring-bed1multi-point-bed1double-cushion-bed1
対象
  • 敷布団
  • ノンコイルマットレス
  • 敷布団
  • ノンコイルマットレス
  • コイルマットレス
特徴
  • 寝心地UP
  • 耐久性UP
  • 左記の上位互換
  • 寝心地ややUP
  • 耐久性ややUP

2. ウッドスプリングベッドを選ぶときの注意点

ウッドスプリングベッドはあなたに合いそうでしょうか。

もしそうでしたら次に紹介していくポイントを押さえつつ比較検討しましょう!

2-1. 弾力性重視ならスラットはアーチ型のブナ素材でサスペンションの可動域が大きいものがおすすめ

弾力性重視の選び方です。

ウッドスプリングに興味のある方は日本の硬い寝心地よりも欧州で一般的な柔らかで柔軟な寝心地を好まれるかと思いますが、そのような方には弾力性の高いスラットやサスペンション構造になっているものが向いています。

2-2. 弾力性は低めが好みならストレート型のスラットがおすすめ

やや硬めの寝心地が好みの方向けの話です。

マットレスではなく布団に使えるウッドスプリングベッドをお探しでしたら、布団ユーザーの方は弾力性に富んだ寝心地にはあまり慣れていない方が多いかと思いますので、スラットはストレート型のほうが向いていると考えられます。

2-3. 環境意識が高いなら天然素材がおすすめ

プロナチューラやボディドクターなどのメーカーは環境意識が高いです。

たとえば、スラットは木材、サスペンションは天然100%ラテックス、調整部材は綿100%などのように天然素材のみでウッドスプリングベッドを作り上げています。環境意識が高い方には魅力的なところかと思います。

2-4. セミダブルサイズ以上なら中央にフレームがないか確認すること

セミダブルサイズ以上のウッドスプリングには、中央にもフレームが存在するものがあります。

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中央にフレームのあるウッドスプリング

これは二人で寝るには問題ありませんが、一人で寝るとなると大問題です。

というのも、もっとも体重がかかるであろう中央はウッドスプリングではなくフレームで支えられるため、ウッドスプリングの性能をまったく活かせられなくなるためです。実質、通常のベッドと同等の寝心地になります。

絶対に避けるようにしてください。

2-5. 折りたたみは使い心地に難が出ないか熟考すること

折りたたみ仕様は慎重に検討しましょう。

  • 結局、面倒だから降りたたまなくなった…
  • 揺れやきしみ音が気になる…

などのネガティブ意見が多いためです。

折りたたみベッドについては下記のページで詳しく解説しているので、気になる方はあわせてご覧ください。

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2-6. 調整可能ならお店の人に調整してもらうこと

先に伝えたように、せっかくウッドスプリングベッドを購入するなら調整可能なものがおすすめです。

初回はもちろん店員さんに調整してもらえますが、使用に応じて微調整が必要になることがあります。そのようなときに再調整をしてもらえるか事前に確認しておくようにしましょう。

とはいえ、ウッドスプリングベッドをお店に持ち運ぶのは大変ですので、以下のようなときにどのように調整すればよいかを予め聞いておくことをおすすめします(調整自体は割とかんたんです)。

  • 腰や肩をもう少し沈ませたいとき
  • 腰が沈むように感じるとき
  • 体重が増えたとき
  • 痩せたとき

2-7. 二人寝ならそれぞれに合うよう調整すること

二人寝用でクイーンサイズなどのウッドスプリングベッドを購入するなら、二人で時間を合わせてお店に行きそれぞれに合わせて調整してもらうようにしましょう。

2-8. 修理対応可能かどうか確認しておくこと

スラットやサスペンションなどの個々の部品が壊れた際に、個々の部品のみを追加購入できるか事前に確認しておきましょう。

万が一、スラットを壊してしまっても、スラット一本で買えるなら安心ですよね。


3. おすすめのウッドスプリング2選

最後に、おすすめのウッドスプリングベッドを2つご紹介します。

どちらの商品も日本全国の寝具店・ベッド店に広く販売されていますので、まずは体感されてみると良いかと思います。

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ドルサル ウッドスプリングベッド エナジー

ウッドスプリングの弾力性を存分に味わいたい方におすすめなのがドルサル社のエナジーです。スラットがアーチ型でしなりが強いためウッドスプリングの心地良さを感じられやすいです。

また、サスペンションの可動域が広いため寝返りなどにも柔軟に追従します。

そのため、ウッドスプリングを体感しやすいので、まずは体験してみてください。

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ヒュスラー ネスト 布団エレメント

こちらはヒュスラー社の布団用ウッドスプリングです。

ヒュスラー社のウッドスプリングはストレート型であることに加えて、無垢集成材を使用しているためしなりが少ないです。そのため、天然100%ラテックスのサスペンションによる弾力性がメインになります。

このような特徴から、高い弾力性をあまり好まない布団ユーザーでウッドスプリングを検討している方に向いています。


最後に

ウッドスプリングについて理解を深める一助になっていれば幸いです。

まずはあなたにどれくらいの弾力性が合っているか色々と比較検討されてみることをおすすめします。また、それと同時に、マルチポイントベッドなどとも比較してみてください。

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