ベッドの床板でマットレスの寿命が変わります。
それほど大事なポイントです。
とはいえ、すのことか布張り床板とか色々あって、何をどう選べばいいのか分からないですよね。
ということで本日は、
- ベッドの床板の種類別の長所と短所
- 床板の機能性
- 素材別の床板の特徴
- 強度などのよくある質問と注意点
などについて解説していきます。
Contents
1. ベッドの床板(トコイタ)とは
ベッドの床板とは、その上にマットレスを載せる板のことです。
床板の形状・素材により特徴が変わりますし、機能性が持たせられているものもあります。
1−1. ベッドの床板の種類
床板には以下の7種類のものがあります。
すのこ | 布張り床板 | メッシュ | 畳 | ダブルクッション | ウッドスプリング | マルチポイント | |
画像 | |||||||
長所 |
|
|
|
|
|
|
|
短所 |
|
|
|
|
|
|
|
一般的には、スノコ、布張り、メッシュの3種類が主流です。
とはいえ、より幅広い選択肢から選べられるよう広義での床板として畳、ダブルクッション、ウッドスプリング、マルチポイントなども一緒に説明していきます。
すのこ床板の特徴
もっとも一般的な床板がすのこです。
通気性が高いのが特徴です。日本は高温多湿な環境であることから約8割くらいのベッドは床板がすのこになっています。とはいえ、冬には通気性が良いことが災いし、薄すぎるマットレスや布団、高反発ファイバー素材のマットレスなどを使っていると冷気が伝わりやすいので注意しましょう。
また、通気性が良いとはいっても、定期的に空気に晒してあげないとカビが生えてしまいます。手入れが苦手な方は除湿シートを敷くなりして対策しましょう。
布張り床板の特徴
安価なベッドに多いのが布張り床板です。
布が張られていないものもあります。通気性が低いためマットレスが湿気りやすい心配があります。が、構造がシンプルで安上がりなため安価なベッドの床板として採用されることが多いです。もちろん、その分空気に晒すための手入れはより頻繁に行わなければなりません。除湿シートは絶対敷いておくようにしましょう。
なお、引き出し収納付きのベッドはその構造上、床板は張り床板になります。そうでないと収納物にホコリが付いてしまう恐れがあるからです。
メッシュ床板の特徴
安価なパイプベッドに多いとこいたです。
細めのワイヤーで作られているため耐久性が低いです。硬いボンネルコイルマットレスと組み合わせて使うしかありません。決して寝心地が良いとはいえないので、おすすめできません。
畳床板の特徴
和洋折衷スタイルのベッドです。
厳密には、布張り床板の上に畳が載せられています。通気性は低いですが畳によって調湿性があります。とはいえ、畳が吸った湿気を吐き出させてやらないとカビてしまうため、布張り床板同様、手入れの手間は多いです。また、畳がある分やや高価になりますので「和室にベッドを置きたい」などの特別なニーズのある方以外にはあまりおすすめできません。
ダブルクッション床板の特徴
高級ベッドに見られる種類です。
ベッドにコイルスプリングが内蔵されており、マットレスの寝心地と耐久性を伸ばす働きがあります。主に(米国と日本の)高級マットレスメーカーが販売しています。通気性が高めなのでカビの心配がしにくく使い勝手が良いです。デザイン性が低めなのと高価なのが短所です。
ウッドスプリング床板の特徴
欧州の高級ベッドのスタイルです。
一見すのこのようですが違います。ウッドスプリングはすのこと異なり木材にたわみを持たせています。そして、この板のしなりによる弾力性で、マットレスの寝心地と耐久性を伸ばす働きがあります。
また、調整器具により硬さを調整して「腰を硬めにサポートする」などのことも個人に合わせてできるので、自分好みの寝心地を追求したいという方に向いています。
マルチポイント床板の特徴
ウッドスプリングの上位互換のような存在です。
ウッドスプリングは上下の動きしかありませんが、マルチポイントは上下に加えて前後左右にも柔軟に追従してサポートする働きがあります。ウッドスプリング同様、高価なものばかりになりますが自分好みの寝心地を追求したい方に向いています。
1−2. 床板の素材で性質が変わる
床板に使用される木材には以下のものがあります。
種類 | ビーチ(ブナ) | 桐(きり) | 檜(ひのき) | 杉(すぎ) | パイン(松) |
画像 | |||||
調湿性 | ◯ | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ |
耐久性 | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ |
重量 | △ | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ |
香り | ◯ | ◯ | ◎ | ◯ | ◎ |
価格 | ◯ | △ | △ | ◎ | ◎ |
気をつけていただきたいのはパイン材です。パイン材は湿気にあまり強くないため使用環境によってはカビが生えることがあるからです。そのため、多湿環境でベッドを使うという方は床板がすのこであることに加えて、さらにその素材がパインでないものを選ぶことをおすすめします。
なお、ウッドスプリングなどに使用される木材はしなりへの剛性の高いブナになります。
1−3. 床板を機能性からも考える
なお、床板には動いて機能性の高いものもあります。
ニーズに合うものがないか確認してみましょう。
跳ね上げ式床板 | 折りたたみ床板 | 電動可動式床板 |
収納スペースが嬉しい跳ね上げ式床板
マットレスを載せたまま開けられる床板です。
油圧の力によって跳ね上げられるので力がなくても心配いりません。ベッドの下がそのまま収納スペースになるのでかなりの広さです。スノーボードの板のような大物をしまっておくのに便利です。ただ、かなり高めになります。
布団干しがしやすい折りたたみ床板
床板を折り上げるタイプのものです。
床板が△型にして布団などをかけて干すことができます。ベランダがない家庭やベランダまで運ぶのが大変な家庭向けの仕様です。
起き上がりが楽な電動可動式床板
いわゆる電動ベッドです。
ベッドの立ち座りが大変な方や、腰痛を持っているため腰をやや曲げて寝たい方にぴったりです。こちらも値段は高くなりますが、体の衰えを感じている人には良い選択肢になりえるでしょう。
2. ベッドの床板についてのよくある質問と注意点
次に、ベッドの床板に関してよくいただく疑問と注意点についてです。
2−1. 強度や軋み音が心配
特に、床板がすのこのベッドを購入する方が心配されるポイントです。
これについてはベッドの「耐荷重」というスペックを確認しましょう。耐荷重とはそのベッドがどれくらいの重量を許容できるかという数値です。一般的には下記の数値が平均的になっています。
ベッドサイズ | 一般的な耐荷重 |
シングル、セミダブル | 100kg前後 |
ダブル、クイーン | 200kg前後 |
この数値が「使用者の体重×1.5」以上あるものを選びましょう。そうしていただければ強度が足りなくてベッドが軋むことはまず避けられます。
2−2. カビが生えた場合の対処法
カビが若干程度でしたら下記のページで紹介している方法でカビを除去しましょう。
関連記事しかし、床板に生えているカビが大きいものだと自力で除去するのは不可能です。その場合はベッド自体を買い替えるか、床板のみを買い替える(もしくは交換)するようにしましょう。
2−3. 床板が壊れたら交換できるのか
ベッドメーカーによっては床板のみを販売していることもあります。あなたが購入したベッドの品番を伝えて床板のみ購入できないか確認してみましょう。
また、床板がネットで販売されていることもあります。あなたのベッドの寸法に合うものがあれば市販のものを購入して取り付けるのもありです。
2−4. 布団や薄いマットレスだとすのこは痛い
敷布団や7cm未満の薄いマットレスをすのこ床板の上に敷いて寝ると、すのこの角をマットレス越しに感じて痛いことがあります。
そのため、薄い敷寝具を使用するならすのこは避ける、もしくは、すのこの上に除湿シートを敷いて角が当たりにくくするなどの対策をするようにしましょう。
最後に
ベッドの床板について深く理解する一助になっていれば幸いです。