「はぁ〜なんかストレスのせいで寝つきが悪くなっている気がする」と感じてはいないでしょうか?
ストレスは快眠の敵です。リラックスしなければなりません。とはいえ、もちろん、ストレスの要因(ストレッサー)を生活から取り除けられればそれに越したことはありませんが、無理なこともあると思います。
そこで本日は「睡眠前に手軽にできるリラックス方法」について、不眠治療の現場で使われている手法から、効果があると実験で証明されたものまで8通りご紹介します。
※睡眠の質を上げるための方法をこちらのページ「睡眠の質を高めるための方法(総まとめ編)」でまとめています。ぜひあわせて参考にしてください。 |
Contents
1. 睡眠前のおすすめのリラックス方法8選
8個もあって多すぎると思われるかもしれませんが、あなたに合うもの(始めやすいもの)を試してみることをおすすめします。
私は④音楽でリラックスはほぼ毎日行っていますし、性格上、⑧自分に優しく声をかけることもずっとしています。寒い冬の日には、たまにですが、②足湯を楽しんでほっこりしています。
1−1. 筋弛緩法ストレッチ
筋弛緩法とは、「筋肉を意図的に緊張させてから緩める」ことによって心と身体をリラックスさせる方法で、不眠指導の代表的なリラクゼーション技法として世界中で知られています。入眠に効果があったり、体の疲れを取るなどの効果があると評判です。
以下の3つのステップで行います。
- 身体の特定の部位に、ぎゅ〜っと力を入れる。
(全力ではなく、70%の力で行ってください。) - そのまま5~6秒キープする。
- スーッと脱力し、10秒ほど力の抜ける感覚を味わう。
大切なポイントは「脱力を思いっきり感じる」ことです。脱力感を意識することで、リラックス効果がさらに高まります。イラストは腕に対して行っているものですが、同じように脚、肩・首に対しても行えます。以下のページで詳しく説明しているのであわせてご参考にしてください。
関連記事筋肉が攣りやすい方は注意して行って下さい。
1−2. 足湯
足湯は馬鹿にできません。足湯は副交感神経を高めるためリラックス・睡眠導入の効果がある、と山梨大学医学部付属病院の研究チームの実験により報告されています。
…実際に足浴は入眠効果があると考えられる。その根拠として、本実験での足浴後の変化は、副交感神経活動の指標であるHFの増加、自律神経系の調節能力を示すBRSの増加、足部の皮膚温の上昇と血流量の増加、その維持といったものをあげることができる。
(引用:『日本看護技術学会誌 Vol. 8,No. 3』内「足浴が生体に及ぼす生理学的効果」金子健太郎、熊谷英樹、尾形優、竹本由香里、山本真千子 著)
お風呂にお湯を少し貯めるだけで手軽にできるのが足湯の魅力です。
もし気に入れば間口の広いバケツを購入すれば、ソファでテレビやスマホを見てくつろぎながらも足湯ができます。寒くて体が冷える日におすすめです。
1−3. 香り(アロマ)
アロマも実験によりリラックス効果があると報告されています。
『眠りの科学とその応用II内、快適な睡眠をサポートする香り』によると、広島大学の小川景子教授により以下の3つの香りにリラックス効果があると実証されました。
- ラベンダー
- セドロール
- ヘリオトロピン
ただ、注意していただきたいのが、あなたがその香りを好きであることが大前提です。
例えば、ラベンダーのアロマって思ったよりもフレッシュな草の香りがするものがあるので、好き嫌いが別れることがあります。もしその香りが嫌いであれば、リラックスなんて毛頭出来ません。そのため、「アロマでリラックスしてみようかな」とお考えの方は、まずはアロマショップに行って香りがあなたに合うか確認するようにしましょう。以下のページで具体的な商品を紹介しているので興味があればあわせてご参考にして下さい。
関連記事1−4. 音楽
音楽でリラックスができるかどうか実験によって確かめられている訳ではありませんが、気分が落ち着けられるのならそれはリラックスしている証拠だと考えられます。
「α波を引き出す癒しのメロディー」などのようなキャッチコピーを見たことがあるかと思います。このα波こそがリラックスしたときの脳波を表しています。脳波は大きく分けて5つあります。
- γ波(ガンマ波):イライラしているときなど興奮時に現れる脳波
- β波(ベータ波):通常の覚醒時に現れる脳波
- α波(アルファ波):リラックス時に現れる脳波
- θ波(シータ波):浅い睡眠時(睡眠段階1のまどろみ状態)に現れる脳波
- δ波(デルタ波):深い睡眠時(睡眠段階3&4の徐波睡眠時)に現れる脳波
人が目覚めている時の脳波はベータ波ですが、眠りに入るにつれて脳波が「ベータ波→アルファ波→シータ波」と移行していきます。そのため、音楽を聴いてアルファ波が現れるとリラックスして眠りに入りやすくなるのです。
音楽も香りと一緒で好みが分かれますが、テンポがゆっくりなもの、単調なもの、自然音などは外れが少ないと思います。おすすめのものを以下にいくつかご紹介します。
・5,300万回再生を超える水の音色とヒーリングピアノの協奏
ゆっくりとしたピアノの旋律と水が流れてゆく音が絶妙にマッチしたメロディーです。目を閉じるとリゾートスパでまったりしているかのような気分になれます。
・5,000万再生越えのデルタ波メロディー
デルタ波出現を目指したリラックスメロディーです。リラックスだけでなく瞑想のための音楽としても使えます。異次元へと脳内旅行させてくれそうなスピリチュアルなメロディーです。
・140万回再生の森の音色
森の中で録音された自然音です。野鳥のさえずりがメインです。目を閉じて聴いていると森の中にいるかのような気分になり現実逃避してしまいそうになります。
一点注意してほしいのですが、気持ちが落ち着いたら音楽は止めるようにしましょう。リラックスミュージックだからと言って、流しっぱなしのまま眠ろうとしてはいけません。というのも、
大学生を対象とした調査によれば、31%の学生が就床時に音楽を聴いていました。しかし、音楽が入眠に及ぼす効果を調べた研究のほとんどは、音楽が睡眠に妨害的に作用することを報告しています。
(引用:『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』宮崎総一郎・佐藤尚武 編著)
多くの実験結果により「音楽が入眠に悪い結果を与える」と報告されているためです。「静かな環境だと落ち着いて眠れない」という方はタイマーの設定をおすすめします。
1−5. 深呼吸(4-7-8呼吸)
「深呼吸をしましょう!」と言われても漠然としていて困りますよね。
私のおすすめは「4-7-8呼吸法」です。アリゾナ大学医学校で教鞭をとるかたわら、健康医学研究者としても知られるアンドルー・ワイル氏が広めた呼吸法です。たった1分間でリラックス状態に導かれると話題になったほどです。
- 息を吐き切ります。
- 鼻から息を4秒吸い込みます。
- 息を7秒止めます。
- 息を8秒で吐き切ります。
4-7-8呼吸法は、動作が秒数で区切られているのでやりやすい上に、呼吸をしながら数字を数えることで、雑念が浮かびにくく集中しやすいのがおすすめの理由です。上記で紹介したリラックスミュージックと合わせて行うのもおすすめです。
1−6. ツボ押し
西洋医学的には効果不明ですが、東洋医学の世界ではツボ押しによるリラックス法があります。
・百会(ひゃくえ)
イライラなどのストレスで眠れないときに効果的と言われています。百会は頭のてっぺんにあるツボです。耳と耳を結ぶ線と、鼻から後頭部を結ぶ線が交わる位置にあります。少し柔らかくなっている部分がそうです。この部分をゆっくりと指の腹で押しましょう。3秒押して、3秒離して、を繰り返すうちに落ち着いて眠気を感じてきます。
・安眠(あんみん)
不眠解消に効くツボと言われています。安眠は耳の後ろにある尖った骨から指1本分下の位置にあります。このツボを10秒押して、3秒離して、を数回繰り返すと気持ちがとても落ち着いてきます。他にも眠りの効果があると考えられているツボについて以下のページで紹介しているので、興味があればご参考にして下さい。
関連記事1−7. ハーブティー
寝る前に口が寂しくなることがあります。
そんな時はハーブティーがおすすめです。夜食は体によくないのでやめましょう。お茶でも結構ですがノンカフェインのものを選ぶようにしましょう。
体温と同じ37℃前後の温かさだと、落ち着いて飲めるのでおすすめです。
飲み物の温度が高すぎたり、低すぎたりすると、脳と身体は刺激と感じます。
1−8. 自分に優しく声をかける
そもそも気持ちがリラックスできていないのは、あなたが自分自身を責めているからかもしれません。
寝る前に、その日の目標が達成できなかった自分、人と同じことができなかった自分に対して「自分はダメなやつだ…」って心の中で責めてはいないでしょうか?そういう時、目標を達成できなかった事実を悔やむのは悪くありませんが、自分自身にダメなやつというレッテルを貼ってしまってはいけません。以下の動画でわかりやすく解説されているので、是非ご参考にしてみてください。
やはり最終的には心のありようがとても重要になってきます。
ストレスが溜まりにくいマインドを目指しましょう。
最後に
社会的な生活を送る上でストレスを0にすることは不可能なので、あなたなりのストレスの発散方法、リラックス方法を見つけられればと思います。