本日は、睡眠と自律神経の関係についてご紹介します。
自律神経とはそもそも何かといった内容から、自律神経が乱れることでどのような症状を現れるのかまで、ご説明していきます。
※こちらのページ『睡眠不足の悲惨すぎる症状一覧と、改善のための方法』で睡眠不足による心身へのデメリットの総まとめをしました。睡眠不足が気になる方はあわせてご参考にしてください。 |
0. そもそも自律神経とは
自律神経とは、身体に張り巡らされている神経です。
「意識しなくても活動している身体の器官」をコントロールしています。
例えば、心臓が身体中に血液を送っていたり、ご飯を食べたら胃が消化したり、などです。
そして、この自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があります。
この2つは表裏一体の関係で、正反対の働きをします。
交感神経は、活動時や興奮、緊張しているときなどのストレス下で働きます。例えば、瞳孔が広がる、心拍数が増える、覚醒度が上がる、という反応は交感神経によるものです。
それに対して副交感神経は、休息時やリラックスしているときに働きます。例えば、脈拍を抑える、消化を促す、覚醒度を下げる、という反応は副交感神経によるものです。
1. 睡眠と自律神経の関係
それでは次に、睡眠と自律神経の関係について。
これについては、目覚めているときは交感神経のほうがオンになり、休むときは副交感神経のほうがオンになる、というようにスイッチが切り替わっているようにイメージすると、関係が簡単に理解出来ます。
通常、睡眠中には、副交感神経が優位になるため、心拍数が下がり、呼吸数が少なくなり、血圧が下がります。まさに体が休んでいる状態になるのです。
1-1. 睡眠不足になると自律神経が乱れる
この自律神経の働きが睡眠不足により乱されるかもしれないと横浜市立大学の研究から報告されています。
この研究は、睡眠不足が血圧にどのように影響を及ぼすのか調べるために、以下のようにして行われました。
- 被験者は平均34歳の18名の男性。
- 8時間睡眠と睡眠不足(平均3.6時間)の翌日に、血圧、運動量、姿勢、室温などが測定・比較されました。
- その結果、睡眠不足の翌日に、室温や運動量には変化がなかったものの、血圧と心拍数が優位に高くなっていることが分かったとのこと。
この論文によると、睡眠不足が自律神経にどのように影響を及ぼしているのかは結局分からないものの、睡眠不足により翌日の交感神経が活発になり、その結果、血圧が上がっていると考えられています。
睡眠不足の翌日は、午後以降、血圧が5~10%前後高くなっていることが分かります。
睡眠時間が4時間未満(平均3.4時間)とかなり短く設定されていたこともありますが、ここまで血圧が上がることを考えると、睡眠不足による自律神経の乱れは軽んじてはいけないことだと分かります。
なお、一般的に睡眠不足の翌日は、ストレスホルモンとして知られるコルチゾールの分泌が増えることから、それにより交感神経が活発になっていると考えられています。
1-2. 睡眠不足で自律神経が乱れることで起きる症状
なお、睡眠不足により翌日の日中、交感神経が活発になり過ぎてしまいますと、次のような症状を感じられやすくなります。
- 動機
- 頭痛
- めまい
- 火照り
例えば、めまいは血圧をコントロールが乱れることで、脳に送られる血液が不足して起こります。
さらに、夜になっても交感神経が活発ですと、眠りにくくなることも考えられます(睡眠不足が元の原因ならこの可能性は低いですが)。
人によって症状はかなり異なります。私は(年に数回もないですが)睡眠不足の翌日は、呼吸が浅くなりやすく、しゃっくりの後にウッと吐き気のようなものを感じることがあります。これも自律神経の乱れによるものと考えています。
最後に
睡眠不足により自律神経が乱れると「意識しなくても活動している身体の器官」の働きも乱れてしまうことがお分かりいただけたかと思います。
睡眠不足は百害あって一利なしです。
ぜひ、しっかり眠るよう心がけてください。