こんにちは、加賀照虎です。
「睡眠不足だと老化する」
このような話、すぐには信じがたいかもしれませんが、細胞レベルで老化が進むという研究データがあるほどです。
細胞レベルって、驚愕ですよね。
私も最初、目を疑いました。
「どういうことなんだ…」って信じがたいかと思います。
ということで本日は「睡眠不足になると細胞、脳、ホルモン、肌が老化するとの研究」について分かりやすくご説明していきます。
こちらのページ『睡眠不足の悲惨すぎる症状一覧と、改善のための方法』で睡眠不足による心身へのデメリットの総まとめをしました。睡眠不足が気になる方はあわせてご参考にしてください。 |
Contents
1. 睡眠不足になると老化すると考えられる4つの研究
4つの研究についてそれぞれ順に紹介していきます。
1-1. 睡眠不足で細胞の老化が進む
カリフォルニア大学ロサンゼルス校が行った研究によると、たった一晩の睡眠不足でも生物学的に細胞の老化が進むと報告されています。
その実験は、下記のようにして行われました。
- 被験者は男女29名
- 1日目と2日目は通常通り眠ってもらう
- 3日目は睡眠時間を4時間に制限する
- 4日目は通常通り眠ってもらう
- 毎朝、血液を取る
そして、採取した血液から、末梢血単核細胞(PBMC)の遺伝子の様子がどのように変化するか調べられました。
その結果、睡眠不足になった3日目には、DNA損傷反応(DDR: DNA damage responses)と、細胞老化関連分泌現象(SASP: senescence-associated secretory phenotype)が高まっていたと報告されています。
これはつまり、細胞レベルでの老化と言えるため、この論文内では睡眠不足により生物学的老化が招かれると書かれているのです。
なお、上記のチャートを見ると、DNA損傷反応は睡眠不足後にぐっすり眠ったにもかかわらず、数値が高止まりしています。
このことから睡眠不足により一度ダメージを受けたDNAは少なくとも回復するのに数日はかかる(もしかしたら回復しないこともある)と考えられます。
1-2. 脳の老化が進む
ワシントン大学の研究からは、睡眠が短かったり質が低いことで、睡眠中に脳の老廃物を排出する機能が低下し、それにより認知症リスクが高まる(≒脳の老化)と報告されています。
ただ、この実験では、アミロイドβという物質が原因とされていますが、別の研究では「神経特異エノラーゼ(NSE)とS100タンパク質(S-100B)などの物質が睡眠中に増えていたから認知症リスクが高まったのだろう」とされており、アミロイドβが脳の老化の原因だとはまだ断定は出来ません。
とはいえ、睡眠不足により認知症リスクが高まることはほぼ間違いないでしょう。
何かしらの原因により、脳が回復できず老化していくのです。
1-3. 一夜の5時間睡眠で男性ホルモンが10年分老化する
シカゴ大学からの研究では、睡眠不足になるとテストステロン(男性機能に大きな役割のあるホルモン)値が低下すると報告されています。
実験に参加した被験者の平均睡眠時間が、8時間55分から4時間48分にされることで、日中のテストステロン値が10-15%低下することが分かったと報告されています。
なお、この論文によると、一般的にテストステロン値は加齢とともに1年で1~2%減っていくものとされており、これを元に考えると、この8日間の睡眠不足によって約10年分男性機能が老化したと考えられるわけなのです。
1-4. 多少の睡眠不足でも、しわ45%、しみ13%増加
イギリスの研究からは、睡眠不足が肌に悪影響を与えることが報告されています。
8時間睡眠をとった翌日から、5日間6時間睡眠を続けることで、
- 顔のしわの数が45%増え
- シミの数が13%増え
- 赤みが8%増える
と報告されています。
なお、上記のリンクから実験のビフォーアフターの比較写真が見られるので、興味のある方はご覧になってください(英語ですが、左がビフォーで右がアフターです)。
もちろん、顔のしわやシミが増えるのは本質的には老化と呼べる事象ではないと考えられるかもしれませんが、一般的にそうだと考えられているのでピックアップしました。
最後に
睡眠不足になると、細胞、脳、ホルモンなどの様々なレベルで老化が進むことがお分かりいただけたかと思います。
適度な時間眠ろうと思ってもらえるきっかけになっていれば幸いです。