くしゃみ、鼻水、目のかゆみ。
このような症状が自宅ででるとき以下のような疑問を感じないでしょうか?
- この症状ってダニアレルギー?
- ダニアレルギーの原因ってそもそも何?
- 症状をおさえるにはどうしたらいいの?
しかし、いざ情報収集をしてみても断片的な内容ばかりで、結局どうしたらいいのか分からず困ることがあると思います。
そこで本日は、「ダニアレルギーの症状から原因、対策までの全て」を具体的に分かりやすくご紹介します。
Contents
1. ダニアレルギー症状が出る4つの部位と程度
まずダニアレルギーによってどのような症状が現れるのかというと、以下のような内容になります。
部位 | 症状 |
鼻 | 鼻づまり、鼻水、くしゃみなど。アレルギー性鼻炎。 |
気管支 | 咳、気道の炎症、呼吸困難など。気管支喘息。 |
皮膚 | 痒み、湿疹、蕁麻疹など。アトピー性皮膚炎。 |
目 | 目やに、痒み、充血など。アレルギー性結膜炎。 |
鼻、気管支、皮膚、目を中心にさまざまな症状が現れます。
単なる鼻づまりから滝のような鼻水まで、ちょっとした湿疹から蕁麻疹まで、症状の程度は人により大きく異なります。
症状のレベルが以下のようにグレード分けされることがあります。重い症状では呼吸すら困難になり、危険な状態になります。
グレード1 (軽い症状) | グレード2 (中くらいの症状) | グレード3 (重い症状) | |
皮膚、粘膜 (唇や目) |
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呼吸器 |
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(参考:『アレルギーから子供を守る』 南部光彦 著)
以下のページで詳細をご紹介していますので、あわせてご参考にしてください。
関連記事1−1. 検査可能なダニアレルギー症状の7段階
あなたは自分自身のダニアレルギー体質が「どの程度」なのかご存知でしょうか?
血液によるアレルギー検査(IgE抗体濃度を測定)を受けると、測定された数値をもとにあなたのアレルギー体質がどの程度なのか、7つのクラスから判定してもらうことができます。
クラス3以上であれば軽度の蕁麻疹が出ることもありますし、クラス4以上であれば生活に支障を起こしうる症状が出ると考えられています。
しかし反対に、ダニに対するアレルギーがクラス0〜1であれば症状は軽度です。そのような場合、あなたがダニアレルギーと考えているその症状は、ダニではなく他の何かが原因だと分かります。ダニアレルギー検査に関しては以下のページをご参考にしてください。
関連記事2. そもそもダニアレルギーの原因って何?
ダニに刺されてアレルギー症状が出るのではありません。
異物(ダニの死骸や糞などのダニアレルゲン)が体に入り込んだ時、免疫システムが過剰反応した結果、アレルギー症状が現れているのです。
ところで、ダニとダニアレルゲンの違いはご存知でしょうか?
ダニ | ダニアレルゲン | |
定義 | 生きているダニ | ダニの死骸、糞、抜け殻など |
被害 | 刺されることにより肌が腫れたり強い痒みが生じます。 7~10日間程それらの症状は続きます。 しかし、寝具に潜むダニの約90%を 占めるチリダニは人を刺咬することはありません。 人を刺すツメダニは全体のたった1%弱です。 | ダニアレルゲンは接触・吸引してしまうことで、 アレルギーや喘息を起こす原因になります。 誰でも許容量を超えると症状を引き起こします。 ダニの被害とは異なり、一度発症すると、 完治まで数年かかることもあるのでより厄介です。 |
ダニアレルギー体質でない人でも、ダニに刺されれば肌は赤く腫れて痒くなりますが、その症状は1週間ほどで落ち着きます。
しかし、ダニアレルゲンによるアレルギー被害は長引いたり、他のアレルギー症状を招いたり(アレルギーマーチ)することがあるので注意が必要なのです。
2−1. ダニアレルゲンで症状が現れる流れ
では、ダニの死骸や糞などは、どのようにアレルギーを起こすに至るのか?
その流れを具体的にすると、以下のようになります。
- ダニ(0.3mm)の死骸や糞(0.01mm)が撒き散らかされる
- 時間が経つと乾燥して粉々になり、さらに微細になる
- 0.01mm以下の浮遊粒子状物質として空気中に漂う
- 呼吸を通して人の体内に入っていく
- 許容量を越すと免疫機能が過剰反応する(アレルギー反応)
つまり、悪環境下ではダニは爆発的に繁殖してしまい、ダニアレルゲンが空気中に舞い散らかり、症状が現れているのです。詳細は以下のページをご参考ください。
関連記事2−2. ダニアレルギー症状が出る時期とは
また、ダニアレルギーの症状はいつ出てもおかしくはないものの、出やすい時期というのは存在します。
ダニは5〜8月にかけて繁殖するので、その後の9~10月にダニの糞量が多くなり、ダニアレルギー症状が出やすくなります。
とはいえ、9~10月にアレルギー症状が出たからといって、ダニが原因だと決めつけることはできません。
9~10月はイネ科のカモガヤ、キク科のブタクサ、ヨモギなどの花粉シーズンでもありますので、もしかするとこれらに対するアレルギー反応の可能性もあります。
症状が断定できない場合は、やはりアレルギー検査を行うことをおすすめします。
3. 家庭のダニアレルギー対策
ダニアレルギー対策とは何かというと「ダニの死骸や糞などを掃除すること」です。
その具体的な方法を紹介しますが、その前に、もし現在あなたの布団、マットレス、ソファ、絨毯などにダニが繁殖している場合は退治する必要があります。
以下のページを参考に「ダニを退治した後のダニアレルゲン掃除」を行うようにしましょう。
関連記事3−1. 掃除がもたらすダニアレルギー症状改善効果
もしかするとあなたはまだ「本当に掃除するだけでダニアレルギーの症状が和らぐの?」と半信半疑かもしれません。
部屋の掃除をすることでダニアレルギー症状に影響が出るか、実験した調査があります。その実験によると症状が改善したと報告されています。
気管支喘息患者4名に連日の掃除を指導し、1名についてはカーペットの除去、全寝具の更新も行った結果によれば、ダニ密度が比較的低く、軽症であった症例3,4番では、連日掃除によって症例が改善し、掃除によるアレルゲン除去の影響が大きいことが推察された。
(引用:『室内微生物汚染 ダニ・カビ完全対策』 小峰裕己 編著)
軽症であれば掃除により改善したとのことです。
また、重症の場合はカーペットをフローリングに変更し、その上、寝具を買い替えてまでいますが、それにより症状が改善したと報告されています。
3−2. 寝具のダニアレルギー対策
ダニの死骸、糞などのダニアレルゲンは水溶性なので、極論ですが、水でじゃぶじゃぶ寝具を洗ってしまえばすっきり流すことができます。
ダニ 除去率 | ダニアレルゲン 除去率 | 評価 | |
シーツ、 カバー、衣類 | 90% | ほぼ100% | ダニが生地に潜り込む余地がないため、 洗濯機の水流でほぼ全て洗い流すことができる。 |
毛布、 厚いタオルケット | 50% | 90~100% | 家庭用洗濯機で50%程度のダニは除去でき、 ダニアレルゲンはほぼ大半を除去できる。 |
掛け敷布団 | 40% | 90% | 布団の中綿に潜り込んだダニは専門業者による 丸洗いでも簡単には除去しきれない。 |
とはいえ、そこまでやる必要がないこともありますし、出来れば手軽にできるお手入れから試して、必要であれば寝具の洗濯をすれば良いと思います。
以下のページで簡単にできることからステップ式で行うお手入れ方法をご紹介しているのでご参考にしてください。
関連記事3−3. ダニ対策を意識した寝具の選び方
「ダニアレルギーのための寝具のお手入れって面倒だな」と感じられたと思います。
とはいえ、お手入れをしないことにはダニアレルゲンは溜まっていく一方なので、お手入れを避けることはできません。
しかし、ダニが繁殖しにくい寝具を使えばダニアレルギーのためのお手入れを極力少なくすることは可能です。布団やシーツカバーにはいろいろな防ダニ製品がありますが、選ぶ時のコツがあります。それぞれ以下のページをご参考にしてください。
布団の選び方→ 『すっきり快眠!ダニ対策を意識した布団の選び方』
防ダニシーツの選び方→『快眠の聖域をダニから守る!防ダニシーツの効果と比較』
3−4. 部屋の上手な掃除方法
部屋の中で布団以外のものを掃除するときは、以下の3つのことを行いましょう。
- フローリングと家具をこまめに水拭き
- カーテンは年に1度掃除する
- 畳、絨毯、カーペットに徹底的に掃除機がけ
ダニアレルゲンは掃除中に舞い上がるので、マスクなどで防護したり、空気清浄機を稼働させながら掃除すると良いです。より具体的な内容は以下のページをご参考にしてください。
関連記事最後に
ダニアレルギーの症状から原因、対策まで十分ご理解いただけたと思います。
あなたの症状が今よりも良くなり快眠生活が出来ることを祈っています。