「羊が1776匹、羊が1777匹、羊が1778匹…。ダメだ、羊を数えても眠れない…。」
その通りです。羊を数えても眠れません。それはあなたが日本語で数えているからです。実際に、ある調査では、羊を数えて眠れた経験のある人は1割未満で、9割以上の人に効果がなかったと言われているほどです。
それはなぜなのか、それではどうすればいいのかについて本日はご紹介します。
1. 羊を数えても眠れない理由
羊を数えても眠れない1つの理由に「日本語だから」という説があります。
というのも、英語で羊(Sheep)を数えるとどうなるのかというと、「ワン・シィィィィプ、トゥー・シィィィィプ、スリー・シィィィィプ」となるのですが、ワン、トゥー、スリーの数字の部分は頭の中でカウントして、シィィィィプのところで息を吐くようにして数えるのです。これが意図せずに腹式呼吸を促しているため、(英語で)羊を数えることで入眠に効果があると感じられる人がいるのかもしれません。
ここに疑問を持ったのが広島国際大学の田中秀樹教授です。「(日本語で)羊を数える」のと「腹式呼吸をする」のとでは、どれくらい入眠効果があるのが実験を行ったのです。大学生14人にお昼に20分間それぞれ行ってもらったところ、その結果は、、、
この結果、羊を数える条件に比べて腹式呼吸条件のほうが眠気を早くもよおすことがわかりました。さらに20分以内に入眠できた割合が、羊を数える条件では7.1%、腹式呼吸条件では35.7%となり、腹式呼吸のほうが寝付きやすいことが確認できました。
(引用:『最新科学で解き明かす 最高の睡眠』 洋泉社 発行)
羊を数えるのに入眠効果があまりないこと、そして、それよりも腹式呼吸をするほうが効果的だということが良く分かりますね。
羊を数えても眠れない理由については仮説の域を出ませんが、実際に入眠効果がないことはお分かりいただけたかと思います。
1−1. 羊を数える代わりに腹式呼吸をするべし
それではこれからは羊を数える代わりに腹式呼吸をしましょう。
とはいえ、「腹式呼吸ってどんな感じでやればいいの?」と疑問の方もいらっしゃると思います。簡単に言うと鼻から深く空気を吸って腹にためて口から吐く深呼吸のことです。入眠前におすすめのやり方があるのでご紹介します。「4-7-8呼吸法」です。アリゾナ大学医学校で教鞭をとるかたわら、健康医学研究者としても知られるアンドルー・ワイル氏が広めた呼吸法です。たった1分間でリラックス状態に導かれると話題になったほどです。
- 口から息を吐き切ります。
- 鼻から息を4秒吸い込みます。
- 息を7秒止めます。
- 口から息を8秒で吐き切ります。
4-7-8呼吸法がなぜおすすめかと言うと、動作が秒数で区切られているのでやりやすい上に、呼吸をしながら数字を数えることで、雑念が浮かびにくく集中しやすいからです。無の境地とまではいきませんが、かなり頭を空っぽにしてリラックスを感じていただけます。
最後に
羊を数えるのは入眠に効果があまりないことがご理解いただけていれば幸いです。
そして、これからは腹式呼吸(深呼吸)を試してみてください。あなたの寝つきが良くなる一助になれば幸いです。また、その他、入眠前のおすすめリラックス法を以下で紹介しているのでご参考にしてください。
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