こんにちは、加賀照虎です。
「睡眠の質が低い=不眠」
「不眠対策をすれば睡眠は良くなる」
このような考えには落とし穴があります。
というのも、眠れない原因や熟睡感のない原因が、睡眠障害の可能性があるからです。
とはいえ、「自分自身が睡眠障害なのか判断するのってどうしたらいいの?」って疑問に感じるかと思います。
そこで本日は「睡眠障害のQ&A式チェック方法」についてご紹介します。
※睡眠の質を上げるための方法をこちらのページ「睡眠の質を高めるための方法(総まとめ編)」でまとめています。ぜひあわせて参考にしてください。 |
Contents
1. 睡眠障害のチェック方法
清水徹男氏、田ヶ谷浩邦氏の医学博士・教授により作成された『一般医療機関における睡眠障害スクリーニングガイドライン(一部改変)』を元にした睡眠障害の簡易チェックQ&Aです。
質問に対してYesなら、その項目の内容が該当すると考えられます。
Noの場合は、次の質問へと進んでください。
Q1: 不眠に加えて、食欲低下や興味の減退があるか
Yesの方は、うつ、精神疾患の症状があると考えられます。
心療内科や精神科を受診しましょう。
うつ症状により眠れなくなりますし、その反対に、眠れないことでうつ症状になりやすくなるとも考えられています。
つまり、相互に悪影響を及ぼして、負のサイクルが続いていく恐れがあります。
早めに対処するようにしましょう。
なお、下記のページで睡眠とうつの関係について詳しく紹介しておりますので、深掘りしたい方はあわせてご参考にしてください。
関連記事Q2: 睡眠中に呼吸が止まる、もしくは大きなイビキをかくか
Yesの方は、睡眠関連呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群、OSASなど)の可能性が考えられます。
睡眠時無呼吸に詳しい耳鼻咽喉科や呼吸器内科を受診しましょう。
「呼吸がしづらい」=「睡眠中に酸欠状態になる」ということであり、疲れがとれず、日中の倦怠感、強い眠気につながります。
なお、睡眠中に10秒以上にわたって呼吸が何度も止まるほどの睡眠時無呼吸障害だとすると、生活習慣病(糖尿病、肝臓病、高血圧、心臓病、脳血管障害など)のリスクがかなり高まると報告されるほど深刻です。
心当たりがある方は録音スマホアプリを使ってイビキの簡易チェックを行いましょう。
下記のページでやり方を紹介しているので参考にしてみてください。
関連記事Q3: 就寝前や睡眠中に脚などの体の部位に違和感があるか
Yesの方は、睡眠関連運動障害(むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害)の可能性が考えられます。
神経内科や専門の病院を受診しましょう。
脚のむずむず感で眠れなくなったり、体のビクつきにより睡眠が妨害されることで睡眠の質が大きく低下します。
高齢者、女性、妊婦に発症しやすいとされています。
原因などについて詳しく知りたい方は、下記ページをご参考ください。
関連記事Q4: (睡眠時間は十分だが)日中に過剰な眠気はあるか
Yesの方は、過眠症、ナルコレプシーの可能性が考えられます。
神経内科や精神科もしくは専門の病院を受診しましょう。
運転などの作業中に眠気に襲われることで、生命に危険を及ぼすこともあります。
ただ人によっては睡眠時間が足りていなく、その結果、睡眠負債がひどくなっているというケースもあります。
「そもそも自分の睡眠時間が適切なのか分からない」という人は、下記のページを参考にしてください。
関連記事Q5: 睡眠中に大声、歩き回るなどの異常行動はあるか
Yesの方は、睡眠時随伴症の可能性が考えられます。
専門の睡眠外来を受診しましょう。
睡眠中に歩き回ったりすることで怪我をすることもあります。
「心当たりはあるけど確証はない」という方は、ご自身の睡眠をビデオで撮ってみることをおすすめします。
Q6: 昼夜逆転など、睡眠・覚醒リズムの異常はあるか
Yesの方は、概日リズム睡眠障害の可能性が考えられます。
精神科や心療内科もしくは専門の病院を受診しましょう。
生活リズムがどんどんズレていくと、社会のリズムに合わせることが困難になってしまいます。
そもそも人の生体リズムは24時間周期ではないため、一般的な社会から離れた生活を送っていると、リズム障害が起きてしまいやすいのです。
Q7: 1~6には該当しなく眠れない
Q1~6には該当しないが眠れない方は、睡眠障害ではないものの、その他の原因により不眠になっていると考えられます。
不眠の程度とタイプに合った対策をしていくことをおすすめします。
下記のページで不眠症のQ&A式チェック方法をご紹介しているので、不眠症の可能性が考えられる方はご参考にしてください。
関連記事2. 睡眠障害と不眠症の違い
睡眠障害は原因、不眠症は結果です。
不眠症に睡眠障害も含まれますが、他にも下記のようなものがあります(不眠の原因5P)。
例えば、ストレスや生活環境が悪くて眠れないのなら不眠症となります。
しかし正直、線引きが難しいところもあります。
例えば、概日リズム睡眠障害となるのか生活リズムのズレによる不眠なのかだったり、うつ病により眠れないのは睡眠障害なのか不眠症なのかだったり、など。
とはいえ、どちらに分類されようと、目指していく改善の方向性は変わりません。
なのでまずは、その原因による睡眠障害(もしくは不眠症)に詳しい専門医に相談するようにしましょう。
最後に
あなたに睡眠障害の疑いがあるかどうか判断するきっかけになっていれば幸いです。
もし心当たりがあるものがあれば、早めに専門医に相談されるようにしてください。