長い間、いびきが習慣になっていると「いびきのせいで病気になることとかあるのかな」と心配になることはないでしょうか?
実のところ、いびきは生活の質を下げるだけでなく、病気リスクをとてつもなく高めることが多くの研究により明らかにされています。まさに百害あって一利なしです。
そこで本日は「いびきの悪影響と病気との関係」をご紹介します。
※睡眠の質を上げるための方法をこちらのページ「睡眠の質を高めるための方法(総まとめ編)」でまとめています。ぜひあわせて参考にしてください。 |
Contents
1. いびきの背後にある健康への悪影響
いびきとは一言でいうと、眠っているときに吸い込んだ空気が気道を通るときに鳴る振動音です。
ラッパなどの管楽器から音が鳴るのと同じメカニズムです。
もちろん、通常であれば音が鳴る(いびきがでる)ことはないのですが、上気道がなんらかの原因により狭まってしまうことで、いびき音が出ているのです。
つまり、「いびきが出ている」=「気道が狭くなっており呼吸がしづらい状態」となります。呼吸がしづらい状態で眠っているとお考えいただくと、健康への悪影響も理解しやすくなります。例えば、以下のような健康被害があげられます。
- 熟睡感の欠如
- 疲れ/倦怠感
- 日中の集中力の低下/眠気
- 起床時の頭痛
眠っている間にきちんと呼吸をして酸素を取り込めていないことを考えると、体の疲れを取ることができず、このような健康被害が生じてしまうことは納得しやすいと思います。
もちろん、いびき症状にも程度があるため、一晩に何度か小さなイビキ音がするだけの軽度な症状であれば、これほど健康に悪影響が出ることはありません。
1−1. いびきがもたらす病気リスク
とはいえ、いびき症状がひどくなってしまい、10秒以上にわたって呼吸が止まってしまう(睡眠時無呼吸症候群)ほどの重度になってしまうと、日中に疲れを感じるだけでなく、病気リスクを上げてしまう恐れがあります。
例えば、生活習慣病(糖尿病/肝臓病/高血圧/心臓病/脳血管障害)のリスクをそれぞれ1.5~4倍も高めると報告されています。
根本的な原因は呼吸が止まる(減る)ことによって、体内の酸素量が低下することです。
無呼吸や低呼吸により血液中の酸素が減っている状態は、全身の細胞に十分な酸素が行き渡らないということであり、それでは体の各所の臓器、器官は正常に働きません。
(引用:『いびきの新治療で心と体をリフレッシュ』 池尻良治 著)
また他にも、睡眠中に脳が酸素不足になることから、認知症、発達障害、うつ病の発症リスクを高めるとも考えられています。非常に稀ですが最悪のケースでは、夜間の突然死を引き起こすこともあります。
このため、たかがイビキと決して軽んじてはいけません。あなたのいびき症状の程度をしっかりと把握し、程度と原因に合わせて対策を取らなければなりません。
1−2. あなたのいびきの重症度チェック
「眠ってるのにどうやって自分のいびき音を把握するの?」と思われたかもしれません。そこで次に、あなた自身のいびきをチェックする方法をご紹介します。
スマホアプリで録音チェック
1番おすすめの方法は現場で起こっている状況を録音することです。あなたがスマホをお持ちであれば、アプリをダウンロードするだけで簡単に記録できます。
【iPhone用ダウンロード / Android用ダウンロード】
眠る前にアプリを起動し「スタート」させてあなたの近くにスマホを置いておきましょう。たったこれだけで睡眠中のいびきをかいている瞬間だけをピンポイントに録音してくれます。
朝起きたらいびき音のチェックをしましょう。大きないびき音が何度も出現していたり、「グォォ…グォォ……(数秒停止)…ッゴァァ!!!…グォォ…グォォ…」と、いびきが停止していることがあれば要注意です。対策を考えなくてはなりません。
無呼吸の可能性をチェック
「もっと手っ取り早く睡眠時無呼吸の可能性をチェックしたい」ということであれば、池尻歯科医院理事長の池尻良治氏が考案したチェック方法がおすすめです。
・池尻式SAS(睡眠時無呼吸症候群)簡易検査法 下の前歯を上の前歯よりも前に出してかみ合わせ、そのままの状態でくちびるを閉じて鼻呼吸をする。通常(上の前歯が下の前歯よりも前に出ている状態)よりも息がしやすい場合、舌の根本が気道に落ち込みやすくなっているため、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いと考えられます。 |
手軽に確かにチェックできる方法とはいえ、睡眠時無呼吸症候群の原因は舌の落ち込みだけでないので、上記のスマホアプリで録音する方法と合わせてお試しいただくことをおすすめします。
1−3. 医療機関へ行くなら何科?
あなたのいびきの原因に合わせて、いびき治療を得意とする耳鼻咽喉科、内科(呼吸器科・循環器科)、歯科などの診療科をもつ病院、または、睡眠外来やいびき外来をもつ病院を受診することが王道です。
とはいえ、自分自身のいびきの原因を完璧に突きとめるのは困難だと思います。
なので、上記のどの診療科でもよいので、まずはあなたのお住い付近でいびき治療の実績のある病院を受診し、専門医にいびきの原因を判断してもらうことをおすすめします。そして、その病院で治療が進められるなら進め、そうでなければ、より相応しい専門医を紹介してもらうようにしましょう。
最後に
いびきの悪影響と病気との関係について理解を深める一助になれば幸いです。
いびきの多様の原因などについてもう少し知りたいとのことであれば、こちらのページ『いびきの原因は8つ|メカニズムに沿った改善の考え方』でご説明しているので併せてご参考にしてください。