こんにちは、加賀照虎です。
朝起きた時に首や肩、腰の調子が悪いと、「睡眠中の寝る姿勢が良くなかったのかな?」と疑ってしまわないでしょうか。
正しい寝姿勢なんて学校で習うこともないので、しょうがないと言えばしょうがないです。
しかし、思い立ったが吉日です。
本日は「快眠に寝るための姿勢の理想」そして「各寝姿勢の注意点とコツ」をご紹介します。是非、あなたの寝姿勢と照らし合わせ、改善の余地がないかご確認ください。
※睡眠の質を上げるための方法をこちらのページ「睡眠の質を高めるための方法(総まとめ編)」でまとめています。ぜひあわせて参考にしてください。 |
1. 理想的な寝姿勢とは
まずは仰向け、横向き、うつ伏せ姿勢の理想的な寝姿勢とはどのようなものかの概要をご説明いたします。
2章で細かなポイントをご紹介します。
理想的な寝姿勢(仰向き寝・横向き寝)とは良い立ち姿勢のまま寝転んだ状態
良い立ち姿勢の状態のまま仰向きに寝転んだ状態が「仰向きの理想的な寝姿勢」 です。そして、横向きに寝転んだ状態で、背筋が真っ直ぐ伸びている状態が「横向きの理想的な寝姿勢」 です。
科学的な裏付けこそありませんが、現在の睡眠学ではこの寝姿勢が最も理想的と考えられています。私もこの理論には基本的に賛成ですが、あまり厳密にこだわり過ぎる必要はない と考えています。というのも、一晩中ずっと同じ寝姿勢で眠り続ける人はほとんどいないにもかかわらず、仰向き・横向きのどちらの寝姿勢でも完璧に理想的な寝姿勢になれることはないためです。
例えば、「仰向きで理想的な寝姿勢」をとれるマットレスに横向き寝になっても、背骨が一直線になるほど「横向きで理想的な寝姿勢」はとれません。逆もまた然りで、「横向きで理想的な寝姿勢」をとれるマットレスに仰向き寝になると腰が沈み込み「仰向けで理想的な寝姿勢」がとれません。
また、「仰向き・横向きどちらの寝姿勢でも理想的な姿勢で眠れます」というマットレスを販売するメーカーがありますが、私がいくつか寝た感想としてはどっちつかずという印象でした。しかし、寝心地が悪いかと言えばそんなことはなく、十分快適に寝られました。
そのため、結論を言うと、仰向き・横向きどちらの寝姿勢でもできるだけ理想に使い状態で寝られつつ、尚且つ、寝返りがしやすい状態が理想的だと言えます。
寝返りは姿勢の微調整などのために重要
そう、寝姿勢も大事ですが、同時に寝返りができることも大事です。
「正しい寝姿勢に導くため寝返りがほとんど無くなります」という触れ込みのマットレスがありますが、寝姿勢がいかに良くとも、寝返りができないと熟睡できないばかりか体を疲れさせてしまいます。
想像してみてください。いかに素晴らしい座り心地の椅子に座っていても、20分に1度は腰の位置を微調整したり、座り直しをしたりしないでしょうか。
つまり、正しく楽な姿勢をしていても体の一定の部位に負荷がかかり続けるので、こまめに負荷のかかる位置を変える必要があるのです。そのため、寝返りが大切なのです。
うつ伏せ寝は非推奨
ここまでうつ伏せ寝の話題がなかったので「あれ?」と思われているかもしれませんが、うつ伏せ寝はおすすめできない寝姿勢です。
- 胸を圧迫するため呼吸が浅くなりやすい。
- 首に負担をかけやすい。
- (若年の場合)顎・歯並びに悪影響を及ぼす可能性がある。
このように睡眠を浅くしたり、体を痛めたりする可能性があるので、積極的にうつ伏せ寝をすることはおすすめできません。
「仰向き・横向きで入眠するが目が覚めるとうつ伏せで寝てる」という場合は、マットレスが硬すぎる可能性があります。マットレスと背中の間に隙間が生まれていないか確認しましょう。以下の寝姿勢の注意点で解説するのでご参考にしてください。
2. 各寝姿勢の注意点&快眠のコツ
1章での大まかな説明だけでは、雲をつかむような分かったような分からないような感覚だと思います。
理想的な寝姿勢の具体的なポイントととなる注意点・コツをご紹介します。
仰向け寝の4つのポイント
仰向け姿勢が悪いといびきの原因や腰痛の原因となるので、以下ご紹介する4つのポイントをしっかりと確認しましょう。
①肩口から頭の角度・顔面の傾き
マットレスの上で枕を使っているとき、これら2点が以下の角度になることを目指しましょう。
- 「肩口から頭が10~15度の傾斜」
頚椎(ケイツイ:首の7つの骨)がカーブ形状を自然なまま保っていられる寝姿勢です。首と肩の筋肉も緊張させることなくリラックスさせられます。 - 「顔面が5度の傾き」
気道の通りが良くなり呼吸を楽にして眠れます。首周りに脂肪が多い場合、傾きが0度の方が呼吸がしやすいとも言われるので、あなたの体型に合わせて0~5度の間で調整しましょう。
②いびきをかくなら上体を起こす
もしあなたがいびきにお悩みなら上体を起こした寝姿勢にすると、症状の改善が見られるかもしれません。
というのも、詳細はこちらのページ『いびきの原因は8つ|メカニズムに沿った改善の考え方』に任せますが、口蓋垂(コウガイスイ:のどちんこ)が喉に落ち込むことによりいびきの原因となるのですが、上体を起こすことで防ぐことが見込めるためです。
コツは枕を高くするのではなく、タオルなどを使い肩甲骨あたりから上体を起こすことです。枕を高くするだけだと、喉を圧迫するので気道が狭くなり一層いびきを強めるのでご注意ください。
③背中の隙間を埋めること【腰痛の方は要確認】
あなたの寝姿勢は、マットレスと背中の間に隙間ができるような寝姿勢ではないでしょうか。
このような寝姿勢になっている場合は腰を痛めやすいので注意が必要です。隙間ができているということは、浮いている部位へのサポートがないということなので、その周辺の骨に負荷がかかりますし、筋肉も強張ってしまいます。
なので、あなたがこのような寝姿勢の場合は、体圧分散性の高いトッパーやベッドパッドをマットレスの上に敷き対策をとりましょう。
④腰が沈み込み過ぎないこと
腰が沈み込むような寝姿勢だと、単純に寝姿勢が悪いため腰を痛めやすくなります。
また、寝返りがしにくくなるという観点からも、腰を痛める原因となります。
もしあなたのマットレスで寝るとこのような寝姿勢になってしまう場合、早急に新しいマットレスへ変更しましょう。
横向き寝の4つのポイント
楽だから横向き寝姿勢で寝ようと思っても、なかなか落ち着けないこともあると思います。姿勢を正しながら、安定しやすくすると横向きで眠りやすくなります。
①頚椎が真っ直ぐになること
まずは枕に頭を乗せた時に、頚椎がなるべく真っ直ぐになることを目指しましょう。
頚椎が真っ直ぐの状態だと首への負荷を減らせるので、横向き寝をより安定させることができます。
②肩・腰に負担をかけないこと
横向きで寝ると、仰向け状態よりも体重を支える面積が狭くなるので、体の側面にかかる負荷はより大きくなります。特に肩・腰にかかる負担は大きいです。畳の上で横向き寝をすることを想像するとイメージしやすいと思います。
あなたが横向き寝をする時、腰に負担を強く感じたり、肩が痺れるようなことがあれば、マットレスが硬すぎると判断できます。その場合は、体圧分散性を高めるトッパー・ベッドパッドをマットレスの上に敷き寝心地の改善を図りましょう。
寝心地が向上することで横向き寝も安定して眠りやすくなります。
③右向き?左向き?どちらがいいの?
「横向き寝の際、左か右のどちらを向いて寝るのがいいのか」と聞かれることがあります。
「心臓は体内でやや左寄りに位置しているため、左を向いて寝ると心臓への圧迫が強くなる。そのため、右を向いて寝る方が良い」という説があります。
なので、左右のどちらかを向いて寝るのならば、右を向いて寝ることをおすすめします。とはいえ、20分程度の昼寝ならまだしも、一晩中右向きで寝続けるのは現実的ではありません。体の片側にのみ負荷がかかるため、疲れてしまいます。
そのため、出来るだけ右向きで寝つつも、バランス良く左向きでも寝られるようにしましょう。
④横向き寝姿勢を安定させる方法
上記の2つのコツを行っても横向き寝がいまいち安定しないこともあります。
特に、いびき対策などのために横向き寝を始めたばかりの場合、なかなか慣れずに横向き寝がしづらいと思います。
そんな方におすすめなのが、写真のように枕を背当てのようにして使ったり、脚で枕を挟むことです。このようにして寝ることで慣れない横向き寝姿勢でも安定させやすく楽に眠れるようになります。まずは「横向き寝」というよりも「斜め横向き寝」で寝られることを目指してみましょう。
関連記事3. タイプ別|おすすめの寝姿勢と注意点
ここまで、理想的な寝姿勢とそれが良い理由をご説明してきました。
しかし、もしあなたがいびき、腰痛、妊娠中などの状況に該当する場合、より適切な寝姿勢があるので、できだけ相応しい寝姿勢で寝ることをおすすめします。
いびきに良い寝姿勢と注意点
いびき発生のメカニズムを簡単に説明すると、睡眠中に気道が狭くなった状態で呼吸をすることで起こります。このため、寝姿勢が悪いためにいびきが悪化することがあります。
これを回避するために、
- 寝姿勢を正す
- 仰向きで寝る時に上体を少し起こす
- 横向きで寝る
などの寝姿勢への工夫を行ってみましょう。そうすることで症状の緩和が期待できます。
反対に、枕が高すぎて顔が俯いてしまうような寝姿勢は、いびきを悪化させるので厳禁です。以下のページでいびきについて詳しく説明しているのでご一読ください。
関連記事腰痛持ちの方に良い寝姿勢と注意点
腰痛にお悩みの方は、理想的な寝姿勢を目指すことを心がけつつ、①体とマットレスの間の隙間を埋めることと、②腰が沈み込み過ぎないことに注意をしましょう。
これらの2つは、寝姿勢(マットレス)が腰痛を悪化させる最も大きな原因です。なので、これらのポイントを押さえていただければ、睡眠が原因で腰痛を悪化させることをほぼ無くすことができます。
妊婦の方に良い寝姿勢と注意点
妊娠によりお腹が大きくなると、仰向き寝眠りにくくなると思います。なので、妊婦の方には横向き寝をおすすめします。
上記の横向き寝のコツと注意点を踏まえていただければ、楽にお休みいただけます。もし、横向き寝が慣れなくて眠りづらいということがあれば、枕・抱き枕を背当てとして活用することでより楽に横向きで寝られますので、お試しください。
最後に
「楽に寝れる姿勢」が「良い寝姿勢」という考え方でも大きな問題はありません。しかし、2章でご紹介した注意点とコツだけは満たすようにしましょう。
そうすれば睡眠中の姿勢に悩むこともなくなり、きっとさらに快眠できるようになります。
また、マットレスの硬さが不適切であることも寝姿勢を悪くする原因になります。それぞれ以下のページで詳しく解説しているのでご参考にしてください。
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