あなたが夜尿症に悩んでいるとすると、以下のような疑問をお持ちではないでしょうか?
- おねしょと何が違うの?病気なの?
- 何が原因で夜尿症になっているの?
- もう大人なのに急に夜尿症に。もしかして病気?
- 治療って何をどうするの?
とはいえ、夜尿症が網羅的に解説されることがあまりないため、全体像をハッキリと理解できていないかもしれません。
そこで本日は「夜尿症の原因から治療までの知識」を体系的に分かりやすくご紹介します。
Contents
1. 夜尿症って何?おねしょとの違いは?
夜尿症とおねしょは「年齢」と「頻度」によって明確に分けられており、夜尿症診断ガイドライン2016年によると、
5歳以降で、1ヶ月に1回以上の夜尿が3ヶ月以上続くもの、さらに、1週間に4日以上の夜尿を頻回、3日以下の夜尿を非頻回…
に該当すれば夜尿症だとされています。
そのため、以下のようなケースでは、夜尿症ではありません。
- 5歳未満のケース:体が未発達のためのおねしょ
- 大人が稀にするケース:何らかの原因による一過性のおねしょ(後述)
詳細はこちらのページ『夜尿症とは?おねしょとの違い、よくある疑問』をご参考にしてください。他にも、以下のような夜尿症に関するよくある疑問に関してもご紹介しています。
- Q1:夜尿症は遺伝するのか? → Yes
- Q2:夜尿症は発達障害なのか? → No
- Q3:遺尿症とは違うの? → Yes
- Q4:頻尿気味だと夜尿症になりやすい? → Yes
- Q5:育児方法と夜尿症に関連はあるのか? → Yes
1−1. 夜尿症の原因とは|代表的な3つのタイプ
夜尿症には3つの代表的なタイプがあり、それぞれ原因が異なります。
あなたの夜尿症が「どのタイプ」で「どの原因」から起こっているか知ることが、改善までの道のりを決める上でとても大事になります。
それぞれの「タイプ」と「原因」の詳細は、こちらのページ『3タイプ別|夜尿症の原因と見分け方』をご参考にしてください。簡単な見分け方もご紹介しています。
子供が夜尿症のケース
夜尿症の子供を抱えている人に多くある質問に、「どのタイミングで治療を開始するべきか」というものがあります。
詳細はこちらのページ『何歳から対策が必要?子供の夜尿症の原因と対策』に任せますが、簡単に図で表すと以下のようになります。
また、少しお節介になりますが、『夜尿症の子供を持つ人には守ってほしい3つの心得』があります。
- 起こさない
- 焦らない
- 怒らない
夜尿症を早く治すためにはもちろん、子供の健康的な成長のためにもご一読ください。
大人が夜尿症のケース
成人の夜尿症は、決して珍しいものではありません。
大人になってから夜尿(おねしょ)をする原因は様々です。
(自社調べ)
とはいえ、原因の多くはストレスや加齢のことが多いですが、何らかの病気のサインとして夜尿している可能性もあります。
そのためにもなるべく早く病院を受診することをおすすめします。
大人に特有の夜尿症の原因の詳細はこちらのページ『大人なのにおねしょ。9つの原因別やるべき対策』をご参考にしてください。
2. 夜尿症の治療の流れ
何よりもまず、専門医に適切な診断をしてもらうことが大切です。
詳細はこちらのページ『夜尿症で病院を受診するなら何科?原因別の選び方』に任せますが、夜尿症の治療の流れは以下のように進められます。
何科に受診すればいいかのご参考にもしてください。
2−1. 夜尿症の家での治し方|行動療法
病院を受診した際、以下のような問診や尿検査を受けます。
- 夜尿の頻度
- 夜尿の1晩における頻度
- 昼間のお漏らしの有無
- 生活習慣
- 病歴
- 両親の夜尿歴
そして、これらの内容を元に、専門医により行動療法(生活指導、排尿訓練、排便習慣)の方針が伝えられます。
具体的な内容はこちらのページ『自宅でできる!夜尿症(おねしょ)の治し方(行動療法)』に任せますが、行動療法は大きく分けると7つあります。
- 水分摂取量のコントール
- 塩分・たんぱく質の摂取量の管理
- 夕食を摂る時刻の管理
- 排尿我慢訓練
- 尿道・膀胱括約筋の強化トレーニング
- 冷えへの対策
- おねしょ対策グッズの活用
行動療法は夜尿症を治療する上で、改善の7割を担っているためとても大切です。
どんなに専門的な病院を受診しても、生活指導をしないで治療した場合には、薬の効果は少ないとみてください。生活指導の重要性は、夜尿症の治療にとって約7割をしめていると思ってください。逆に、薬物療法の効果は3割程度ということになります。
(引用:『新おねしょなんかこわくない』帆足英一 著)
信頼できる専門医と二人三脚となって取り組みましょう。
2−2. 夜尿症に薬物療法/アラーム治療は効果的?
薬物療法もアラーム治療も、行動療法を中心におきながら、補完的に組み込むことをおすすめします。
それぞれに具体的にどのようなモノかご紹介します。
夜尿症の薬物療法の概要
夜尿症治療に使われる治療薬には以下の3つがあり、夜尿症の原因によって使い分けられます。
- 抗利尿ホルモン剤:尿を凝縮して量を減らす作用があります。
- 抗コリン薬:膀胱容量を増大する作用があります。
- 三環系抗うつ薬:上記の薬剤で効果が現れない時に使用されます。
また、効果に対する見解が別れていますが、以下の漢方薬の効果は以下のようにまとめられています。
治療薬と漢方薬の具体的な内容についてはこちらのページ『夜尿症は薬で治る?薬物療法の作用と副作用』をご参照ください。
夜尿症のアラーム治療の概要
夜尿アラームには人(原因、症状の程度、環境)により向き不向きがあるので、あなたに合っているか検討してから試してみることをおすすめします。
本治療(夜尿アラーム治療)は、約2/3の患者で有用とされているが、夜間多尿の患者より、覚醒困難の患者のほうがより有効と考えられている。
(引用:『夜尿症診断ガイドライン2016』 日本夜尿症学会 編集)
他にも、以下のようなケースでは効果は薄めだと報告されています。
- 飲食物の制限をしていない
- 夜尿者自身がアラーム治療を望んでいない
- 家族のサポートがない
こちらのページ『夜尿症アラームの向き不向き、効果、具体的な使い方』で詳しく説明しているので、ご参考にしてください。
2−3. とっさの時はおねしょグッズで上手に対策
たとえ専門医の元で適切な治療を行っても、夜尿症の改善には時間がかかります。
そのため、夜尿症が治るまでの間、毎朝尿の後処理の手間を減らすためにも、おねしょグッズを上手に選んで活用する必要があります。
例えば、おむつと尿とりパッドは、夜尿の頻度で使い分けると経済的です。
また、防水シーツと防水パッドの使い分けも、夜尿量を元に選び分けると賢いです。
それぞれの詳細はこちらのページ『これで安心!夜尿症対策(グッズ、生活改善、治療薬)』をご参考にしてください。
最後に
ご紹介の内容で夜尿症に関するあなたの理解が深まり、改善のために何をすればいいのかイメージできるようになっていると思います。
あなた(あなたのお子様)が夜尿に悩むことなく快適に眠れるようになれれば幸いです。