突然ですが、あなたは正しく昼寝を出来ていますか?
昼寝をするタイミングとその長さが正しくないと、寝起きにだるさを感じてしまったり、夜眠れなくなってしまいます。夜眠れないと翌日に疲れを感じてしまうことに。疲れを取るための昼寝なのに、こんな風になってしまっては元も子もないですよね。
正しく昼寝をしましょう。それには2つのポイントがあります。20分以内で就寝9時間前までに済ますことです。本日はこの鉄則についてとその理由についてご紹介します。
※睡眠の質を上げるための方法をこちらのページ「睡眠の質を高めるための方法(総まとめ編)」でまとめています。ぜひあわせて参考にしてください。 |
Contents
1. 昼寝時間は「20分以内・就寝9時間前」が鉄則
効果的な昼寝をするなら以下の2点がカギになります(参照元:『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』宮崎総一郎・佐藤尚武 編著)。
- 時間:20分以内
- 時刻:就寝時刻の9時間前
まずは1つ目の時間についてですが、昼寝をして眠っている時間を20分以内に留めましょうということです。例えば、眠りに入るまでに10分かかる人は、30分の昼寝タイムを設けると良いでしょう。20分以上眠ってしまうと、深い眠りに入ってしまったり、夜間の眠りに悪影響が生じる恐れがあります。若い人だと深い眠りに入りやすいので15分以内にすると良いという意見もあります。反対に、高齢者は深い眠りに入りにくいので30分以内に留めれば問題ないという声もあります。
2つ目の就寝時刻の9時間前とは、例えば、あなたの就寝時刻が23時なら「14時までに昼寝が終わるようにしましょう」ということです。それ以降に眠ってしまうと、夜間の眠りに悪影響を与える恐れがあります。よくあるのが、夜中になっても眠気がなく(専門的には睡眠圧がない状態と言います)、眠ろうとしても眠れないという状態になってしまいます。
1−1. 昼寝が長すぎると生じるデメリット
知らなかったとはいえ昼寝の時間が長すぎるがためにお困りの方が多いようなので、少し詳しく解説を加えます。
なぜ20分以上の昼寝がダメなのかというと、睡眠が深くなってしまい睡眠惰性が生じてしまうからです。つまり、深い眠りのときに目覚ましに起こされても頭がぼーっとして目覚めにくいですし、体温が低くなってしまっているのでだるさを感じてしまうのです。
睡眠グラフを使って言うなら、「睡眠段階1のうとうと」くらいで済めばいいのですが、「睡眠段階の2の深いうとうと」に入ってしまうと昼寝から覚めるのに苦労するということです。
特に若い人は、眠りが深まるスピードが早いのでいっそうの注意が必要です。
1−2. メリハリのある昼寝をするための方法
あまり長く昼寝をしてしまわないように、以下のようにして眠ることをおすすめします。
- 目覚ましタイマーをセットしておく
- 熟睡しないようにベッドで寝ない
- コーヒーを少し飲んでから寝る
- 光が気になるならアイマスクをする
- 睡眠が深くならないよう音楽をかけておく
私の一番おすすめの方法は机に伏して眠ることです。あまり寝心地が良くないので眠りすぎる心配がまずありません。
こうすることであなたの昼寝にメリハリを持たせられます。
1−3. そもそも夜間の睡眠がきちんと取れていれば昼寝は必要ない
ただ、上級睡眠健康指導士として僭越ながら誤解のないように申し上げたいのですが、昼寝は進んでとる必要のあるものでないということです。「昼寝」、「シエスタ」、「パワーナップ」などが流行りの言葉になりつつありますが、学会では「昼寝よりも夜の眠りを見直すのが先決だ」というのが満場一致の認識です。
そもそも、日中に眠気を感じるのは、夜間の睡眠時間が足りていないか、質が悪いかのどちらかが原因となっています。それを昼寝で補うのは一過性の対処法にはなりますが、根本的な解決は望めません。例えば、毎日ラーメンを食べている人がサプリメントを摂取しているようなものです。「サプリメントにこだわるよりも、毎日の食事を見直そうよ」というのが正しい取り組みであるはずです。
もちろん、上記でお伝えした昼寝の方法を現時点で実践されるのは構いません。しかし、将来的には以下のようにできると理想です。昼寝なしを目指しましょう。
「昼寝を正し、夜間の睡眠に悪影響を与えないようにする」→「夜間の睡眠を見直す」→「昼寝を(自然と)卒業する」
最後に
あなたの昼寝の改善点が明確になっていれば幸いです。最終的には夜間の眠りをより良いものにし、昼寝をせずとも日中元気でいられることを目指しましょう。
なお、以下のページでこれまで紹介してきた、数々の研究で実証された良質な睡眠のために「するべきこと」と「してはいけないこと」を網羅的にまとめています。美味しいところ(結論)だけをつまみ食いできる構成になっています。是非ご一読ください。
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