寝る前のお風呂、これは入り方によって睡眠の質を上げることもあれば、下げることもあります。
大げさな話ではありません。体のメカニズムに合わせた入浴方法で本当に眠りの質が変わるのです。そのポイントとなるのが「入浴のタイミング」と「浴室の明るさ」です。
そこで本日は「睡眠の質を高めるための入浴の作法」ということで、この2つのポイントについてご紹介していきます。
※睡眠の質を上げるための方法をこちらのページ「睡眠の質を高めるための方法(総まとめ編)」でまとめています。ぜひあわせて参考にしてください。 |
1. 入浴タイミングを最適化して、入眠時に体温が下がるようにする
そもそもなぜ夜の入浴のタイミングが大事かというと、睡眠前の体温の動きにかかわってくるからです。
人は眠るときに体温が下がります。体温が下がることで休息モードに入っていくのです。
この体温の変化を入浴により邪魔しないことが何よりも大切です。
例えば、あなたが夜12時に眠ろうとしているにもかかわらず、夜11時から42℃のアツアツのお風呂に10分も浸かっていたらどうなるでしょうか?入眠時に体温が高いままになるので、到底スッと眠りに落ちていくことは出来ません。お風呂に入るタイミングとしては最悪ですね。これはやや極端な話ですが、寝る直前にお風呂に入っている人は少なくないと思います。かくいう私もそうでした。「おれは体力がみなぎってるんだ」と思っていましたが、単に体が火照って眠れなかっただけでした。
なお、さらにいうと、入浴でこの体温の変化を後押し出来ると、睡眠の質を高める入浴方法となります。つまり、入浴で体温を上げておきつつ、眠るときに体温が下がるようにするのです。
そのためにはどうすれば良いのかというと、
- ぬるま湯に浸かるなら就寝約2時間前に入浴を終える
- 熱めのお湯に浸かるなら就寝約3時間前に入浴を終える
このようにしてお風呂に入っていただくと理想です。こうすることで、入浴後高くなった体温が入眠に向けて徐々に下がっていくので、自然と体が眠りやすいモードに入っていけるからです。
入浴後に上昇した体温が下がるのには、思っているよりも時間がかかります。1時間してやっと元の体温に戻るかどうかといった具合なので、これを念頭において時間配分を決めましょう。
大事なことなので何度も繰り返しますが、体温が徐々に下がっていくのがポイントです。湯冷めしないように入浴後に服を着るのは構いませんが、着込みすぎて体を温めすぎないようにしましょう。
2. 浴室を適度に暗くして眠りを遠ざけないこと
2つ目のポイントは「浴室を適度に暗くする」ことです。
これはなぜかと言うと、夜間の光の刺激には眠りを遠ざける作用があるからです。
通常、メラトニンという睡眠ホルモンが夜間になると脳内で合成されます。これにより眠気が起こりますし、体温が下がってもいきます。しかし、夜間に光を浴びてしまうと、メラトニンの合成が阻害されてしまうのです。こうして眠気が遠ざかるのです。
浴室のライトの照度は300lx前後です。この程度でもメラトニンの合成は十分阻害されます。とは言っても絶対にダメというほどではありません。避けられるなら避けてほしい程度です。ただ、10分20分とゆっくり入浴される方には、浴室の光への対策をすることおすすめします。
具体的には、頭や体を洗い終わってゆっくり入浴するタイミングで、浴室のライトを消してお風呂用のキャンドルを使って暗くしてみてください。防水バスキャンドルや防水バスライトなどのキーワードお探しいただくと、見つけられます。
まとめ
睡眠の質を高めるための入浴方法のポイントは2つ。
- 入浴タイミングを最適化して入眠時に体温が下がるようにすること
- 浴室を適度に暗くして眠りを遠ざけないこと
是非、今晩から試してみください。もし、入浴方法を変えて眠りが変わったら、感想を聞かせていただけると幸いです。
なお、以下のページでこれまで紹介してきた、数々の研究で実証された良質な睡眠のために「するべきこと」と「してはいけないこと」を網羅的にまとめています。美味しいところ(結論)だけをつまみ食いできる構成になっています。是非ご一読ください。
関連記事