「夜になっても眠くならない」
「朝目覚めるのがツラい」
もしかすると体内時計が乱れていることが原因かもしれません。
21世紀を生きる我々ですが、体のシステムは数十万年前のままであるため、ちょっとしたことで体内時計が乱れて睡眠を悪くしてしまいます。
適切に整えられると理想です。
ということで本日は「【体内時計をリセット】整えることでメリハリのある睡眠・覚醒リズムにする方法」についてご紹介します。
※睡眠の質を上げるための方法をこちらのページ「睡眠の質を高めるための方法(総まとめ編)」でまとめています。ぜひあわせて参考にしてください。 |
Contents
1. 体内時計の周期は24時間よりすこし長い
人の体内時計の周期は24時間12分が平均的とされています。
そしてもちろん、人により個人差があるとされています。
ヒトの体内時計の周期は、平均で約24.2時間(約24時間12分)だとされています。また、周期には遺伝的な個人差があり、20分前後の差はめずらしくないといわれています。
(引用:『最強に面白い!!睡眠』 監修 柳沢正史
地球が一回転するのに23時間56分かかります。
つまり、人の体内時計は地球での一日に合わせて刻まれるようになったのではないかと考えられます。
1-1. 社会に合わせて毎日リセットする必要がある
現在、社会は1日24時間です。
なのにもし、あなただけ1日24時間20分で生きるとしたら、徐々に生活が遅れていくことになります。
1日20分の遅れは、1週間で2時間強です。
周りの人が働き始めるタイミングでやっと目覚めるくらいの遅れです。
これではダメですよね。
そのため、社会に合わせるために体内時計を毎日リセットする必要があるのです。
その方法が「朝、日光を浴びる」ことです。
朝、日光を浴びると、
- 夜中から出ていた睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が抑えられる
- 約15時間後に睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌されるようになる
ことができるとのです。
つまり、覚醒への切替と体内時計のリセットの効果が「朝の光」にあるのです。
なお、朝に浴びる光は2,500lxで十分とされています。
そのため、外に出られなくても、日当たりの良い窓辺にいるだけでも十分です。
なので体内時計を整えるなら、まずは毎朝光を浴びることを心がけましょう。
1-2. 夜の生活により体内時計が乱れることも
朝、光を浴びても、夜の生活により体内時計を乱してしまうこともあります。
その大きな原因の1つが「夜の光」です。
…夜間の3時間、80~160ルクスの光を照射するだけで概日リズムの位相が後退することが報告されている(Zeitzer et al., 2000)。これは、やや暗めの室内の明るさに相当する光量である。
(引用:『睡眠心理学』 堀 忠雄 編著)
つまり、一般的な明るさの照明をつけた部屋で過ごしているだけでも、生活が夜行化して朝寝坊になりやすくなるということです。
私たち人間は日が落ちたら暗くなる世界で数十万年ずっと生きてきました。
夜になっても明るいなんてここ100年ちょっとの新しい環境のため、体がその変化に追いつけておらず、それにより生体リズムが乱れてしまうわけなのです。
なのでこれを避けるためにも、
- 夜間は間接照明で部屋を暗めにする
- スマホなどの画面輝度を下げる
- スマホなどの画面はダークモードにする
- スマホなどの電子機器はなるべく使わない
などのことを心がけましょう。
1-3. 午後に若干眠たくなるのは生理現象
なお、ランチを済ました後の14時頃にすこし眠たくなるのは通常のことです。
これも生体リズムの一種です。
- 朝目覚めて夜眠る1日のリズム:サーカディアンリズム(Circadian rhythm)
- 朝目覚めて昼過ぎに眠くなるリズム:サーカセミディアンリズム(Circasemidian rhythm)
これは人類が昼寝をしていた名残による眠気だろうと考えられています。
そのため、14時頃にちょっとした眠気が出てきたり、疲れを感じやすいのはある意味しょうがないことです。
事故などもこの時間帯に増えると報告されています。
とはいえ、起きていられないほど眠いとすると、セミサーカディアンリズムではなく夜間の睡眠が足りていなかったり、睡眠障害のせいで睡眠の質が低下しているかもしれないと考えられます。
もし眠気がひどいようでしたら病院へ行きましょう。
まとめ
体内時計を整える方法は、
- 朝光を浴びる
- 夜光を浴びない
この2つに尽きます。
ぜひこれから実践してみてください。
メリハリのある睡眠・覚醒を手に入れましょう。