こんにちは、加賀照虎です。
突然ですが、一般的な枕は2年使うと、10~30%重くなります。
なぜだか分かりますか?
寝具に潜むダニ、その死骸、顔から剥がれ落ちた皮膚、皮脂、体液などが枕にたまり重くなっているのです。
しかし、枕には目、鼻、口など敏感な身体の部位が1晩中触れるので、衛生性はとても大切です。
そこで今回は、「素材別に枕の洗濯の仕方」をご紹介します。
最後まで読んでいただければ、あなたの枕は洗濯をして良いのか、どのように洗濯をすればよいのか、そして、清潔に保つにはどうすれば良いのか分かるようになります。
Contents
1. まずはあなたの枕の洗濯性を確認
枕を洗濯性で分類すると、以下の3タイプの分けられます。
- 洗濯機で洗える枕:洗濯機で50回洗っても形状変化のないタフな素材の枕です。
- 水洗いできる枕:洗濯機で洗わなくとも水洗いで十分きれいに洗える素材の枕と、洗濯機で洗えなくはないが数回洗うとダメになるため水洗い推奨の素材の枕があります。
- 洗えない枕:水に濡れると素材が劣化するため洗えない枕です。
代表的な枕の素材をこの3つのタイプに分類すると、以下のようなります。
- 洗濯機洗いできる素材:ポリエチレンフレイク、エルクなど。これらの枕の洗い方は以下の『洗濯機での枕の洗い方5ステップ』
- 水洗いできる素材:ポリエステルわた、ポリエチレンパイプ、高反発ファイバー、TPE(熱可塑性エラストマー)など。上手な手洗いの方法は以下の『枕の水洗いの仕方5ステップ』
- 洗えない素材:高反発ウレタンフォーム、低反発ウレタンフォーム、ラテックス、ダウン、フェザー、ビーズ、そば殻など。洗い方は1−3. 『洗えない枕の衛生管理方法』をご参照ください。
あなたの枕の素材が当てはまる洗濯方法を行いましょう。
それでは次に、「洗濯機での洗い方」「水洗いの仕方」「洗えない枕の衛生管理方法」の順にご紹介していきます。
1-1. 洗濯機での枕の洗い方5ステップ
それでは、「洗濯機で洗える枕の洗い方」を5つのステップでご説明します
①洗濯絵表示を見て洗い方を確認
水温はいくつに設定するべきか、水流は強くてよいのか、を知らなければなりません。
お使いの枕に以下の絵表示があると思うので、先ずは確認しましょう。(※2016年12月からの新絵表示と以前の旧絵表示を併せて掲載しています。)
旧絵表示 | 洗濯絵表示 | 洗濯方法 |
洗濯機で洗濯できる | 洗濯機で洗濯処理ができる |
|
弱い洗濯機洗い | 洗濯機で弱い |
|
洗濯機で非常に弱い | ||
弱い手洗い | 手洗いができる |
|
洗濯不可 | 洗濯不可 |
|
ワンポイントアドバイスになりますが、洗濯する温度は高ければ高い方が良いです。
なぜかと言うと、枕の中にいるダニを熱の力で退治できるからです。
同様に、コナヒョウヒダニをビニール袋に入れて50℃に加熱すると、10分間以内に死亡した。
(引用:「家屋内生息性ダニ 類の生態および防除に関する研究 (8)」 吉川 翠)
寝具内のダニで最も多い種属のコナヒョウヒダニを50℃の熱で退治できると報告されています。
とはいえ、寝具に潜むダニには熱に強い種属もいるので、最も高い対応温度で洗濯するようにしましょう。
②洗濯ネットに入れる
枕からカバーを取り外し、洗濯ネットに入れて洗いましょう。表生地の劣化を和らげられます。
また、枕にファスナーが付いていたら、しっかり閉めておきましょう。洗濯の間に中身が飛び出したら悲劇です。
③洗濯洗剤を入れる
中性の液体洗剤を使用しましょう。
また、素材の特性に影響を与えることがあるので、柔軟剤や漂白剤の使用は控えましょう。
④枕を沈める
とても大事なポイントです。もしあなたの洗濯機が縦型の場合、枕に水がしみ込みにくく、洗濯機の中で洗っている最中も浮きっぱなしになってしまいます。
もちろん浮いたままだと、洗濯の効果が落ちてしまいます。
そのため、枕をぬるま湯で湿らすなどして、枕が洗濯機の中で沈みやすいようにしましょう。
⑤枕を干す/乾燥機で乾かす
乾燥は基本的に日陰干し、もしくは乾燥機がおすすめですが、時と場合によって上手に使い分けましょう。
- 日陰で吊り干し:日光を避けることで、表生地が日焼けをしたり、変色したりすることを避けられます。ポリエステル素材の枕は1日もあれば十分乾くので、時間に余裕があれば日陰干しがおすすめです。
- 乾燥機:枕が乾くまでにかかる時間を大きく短縮できます。乾燥機を使うまえに、以下の絵表示を参考にしてください。また、花粉や空気汚染が気になるシーズン・居住環境の場合、衛生的に枕を乾かすことができるので一層おすすめです。
- 屋内干し:屋内干しも花粉・空気汚染への対策になります。若干乾くのに時間を必要としますが、時間に余裕があれば屋内干しをするのも良いでしょう。
洗濯絵表示 | 乾燥方法 |
| |
| |
|
1-2. 枕の水洗いの仕方5ステップ
皮脂などをとりながらも枕を痛めないように洗う方法をご紹介します。
パイプ、高反発ファイバー、プラスチックボール、洗える高反発ウレタン、ポリエステルわた、ポリエステルボールファイバー、TPE、ビーズが該当します。
①まずは洗濯絵表示を確認
洗濯絵表示を確認して水洗いに対応しているか確認してましょう。
例えば私どもが販売している洗える高反発ウレタン枕には「手洗い可」と記載してあります。
②側生地を取り外す
高反発ファイバー、洗えるウレタンは素材ごと洗います。パイプ、プラスチックボールはメッシュカバーに入れたまま洗います。
その他の素材は、枕カバーと側生地を取り外した状態で洗いましょう。
③40℃前後のお湯で流し洗い
汗・皮脂などの汚れをきれいに落とすために、40℃前後のお湯で洗いましょう。
パイプ・高反発ファイバー、プラスチックボール素材であれば中性洗剤を使用しても大丈夫です。2,3分つけ置きすると汚れを落としやすくなります。
他の素材の場合は、お湯で流しながら押し洗いをしましょう。揉むように洗うと、ポリエステルわた・ファイバーだと繊維がダマになりやすいですし、ウレタンだとヒビが入りやすいです。
④水気を切る
パイプ、高反発ファイバー、プラスチックボールは振るだけで水気を切れるので問題ありません。
他の素材は優しく押すようにして水気を切りましょう。絞ってしまうと素材を痛めたり、破損させてしまったりします。
⑤日陰干し
全てに対して、通気の良いところでの日陰干し・屋内干しをおすすめします。
パイプ、高反発ファイバー、プラスチックボール素材は半日もあれば乾きますが、ポリエステルわた・ファイバー素材、ウレタン素材は1日半程、羽根素材、ビーズ素材は2日程乾くのに時間がかかることを念頭に置きましょう。
1-3. 洗えない枕の衛生管理方法
洗えない高反発ウレタン、羽根、ビーズ、そば殻、低反発ウレタン、ラテックス素材など。
もしあなたの枕が洗えない素材の場合、こまめなお手入れで清潔に保ったり、枕が汚れないように寝具アイテムを活用しましょう。
干して湿気を取り除く
枕の内部に湿気がたまるとダニやカビ、雑菌が繁殖する原因になります。そのため、洗えない枕は干しましょう。物干しネットを使用すると、お部屋の中でかんたんに干すことができます。洗濯バサミのように生地を痛めることがなく安心です。
また、そば殻枕は天日干しをしても大丈夫ですが、羽根、ビーズ、ウレタン、ラテックス素材の枕は日陰干しをしましょう。太陽光により素材が劣化していまいます。
枕カバー、プロテクターを活用する
枕カバーをきちんと使うことで枕を汚れにくくできます。
寝汗が多いがために枕が汚れやすいという場合、厚手の生地の枕カバーや枕パッドを選ぶと、枕をより汚しにくくできます。もしくは枕プロテクターで完全に枕をバリアするのも良いです。
- 製品:プロテクト・ア・ベッド 枕プロテクター
- 価格:2,200円
- 【購入ページはこちら】
こちらの枕プロテクターは私どもも販売しているものなので恐縮ですが、裏面に極薄の防水ラミネート加工を施しているので、これを枕カバーとしてお使いいただけば枕を汚すことを大幅に減らせるので、洗濯する必要性から開放されます。ラミネートといっても一般のごわごわするものとは異なるので、枕の寝心地を悪くすること無く快適なままお休みいただけます。
クリーニング店に依頼する
洗えない枕といってもクリーニング店であれば、洗ってもらえることがあります。
羽毛、フェザーなどの羽根枕と、ビーズ枕であれば受け付けているクリーニング店があるので、もしあなたの枕がこれらの素材であれば一度最寄りのお店で確認してみましょう。
最後に
枕を洗濯する時は、その枕の洗濯性をしっかりと確認しましょう。
洗えない素材の枕を洗濯すると破損の恐れがありますし、洗濯機洗いに向かない素材の枕を洗濯機で洗うと、使用感がすぐに悪化してしまうためです。
もしあなたが洗濯機・乾燥機に対応している条件で枕を探したい場合、こちらのページ「【一挙公開】洗濯機・乾燥機に対応したオススメの洗える枕」で紹介しているのでご一読ください。