寝心地を向上させるベッド。
そう聞いてマルチポイントベッドに興味を持った方が多いかと思います。
眠りは大事ですからね。
とはいえ、日本ではほとんど流通していないため、あまりイメージできていないかと思います。
そこで本日は、
- マルチポイントベッドとは何か
- ウッドスプリングベッドとの違い
- マルチポイントベッドの長所と短所
- 選ぶときの注意点
などについて解説していきます。
Contents
1. マルチポイントベッドとは
マルチポイントベッドとは、ベッドの床板に
- しなりのあるスラット
- スラットを支えるサスペンション
- 三次元的に動くマルチポイントサスペンション
が使用されたベッドを指します。
スラットの可動域は上下のみですが、マルチポイントサスペンションは上下に加えて前後左右の三次元的な動きに対応します。
そのため、体圧分散性をより向上させますし、寝返りなどもしやすくなります。
動きについては以下の動画をご覧ください。
1-1. ウッドスプリングベッドとの差異
ウッドスプリングとの違いが気になるかもしれません。
ウッドスプリングベッド | マルチポイントベッド | ダブルクッションベッド | |
画像 | |||
対象 |
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特徴 |
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簡単にいうと、ウッドスプリングベッドにマルチポイントサスペンションが加えられたのがマルチポイントベッドです。
なので、マルチポイントベッドはウッドスプリングベッドの上位互換的存在だと捉えていただけると分かりやすいかと思います。
1-2. マルチポイントベッドの長所
それでは次に、そんなマルチポイントベッドの特徴(メリット・デメリット)について解説していきます。
長所 | 短所 |
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寝心地を大きくUP
スラットの柔軟性とマルチポイントサスペンションの三次元的追従性により、寝心地を大きく向上させることが期待できます。
特に薄めのノンコイルマットレスや敷布団だとその向上を感じやすくなります。
マットレスの耐用年数UP
スラットやマルチポイントサスペンションは体圧を分散させるということは、人の体だけでなくマットレスに対する負担も減らすことを意味します。
そのため、マットレスの耐用年数が伸ばすこともつながります。
個々人に合わせてカスタマイズ可能
- マルチポイントサスペンション:硬さのバリエーション
- スラット:しなり具合の調整
などにより個々人に合わせて寝心地をカスタマイズできます。
マットレスが多少凹んでいても調整できるほどです。
もちろん、全てのマルチポイントベッドが調整可能というわけではありませんが、日本国内で普及しつつあるドルサル社のものは調整可能となっています。
スラットの調整については以下の動画を見ていただくと分かりやすいです。
通気性◎
ご覧の通りスラットもマルチポイントサスペンションも通気性の高い構造です。
湿気が溜まりダニやカビが発生する心配はありません。
1-3. マルチポイントベッドの短所
サイズ展開△
現在販売されているサイズは下記のようになります。
| 寸法(横×縦)cm |
セミシングル | 80×200cm |
シングル | 100×200cm |
セミダブル | 120×200cm |
ダブルサイズ(140cm幅)以上がありません。
というのも、スラットの耐久性の問題から横幅の長さに限界があるためです。
そのため、ダブルサイズのベッド・マットレスを購入しようと考えているなら諦めるしかありません。
なお、クイーンサイズ(160cm幅)の場合は、セミシングルサイズを2台並べればサイズとしての役割は果たしますが注意点があります(これについては2-1で解説します)。
バリエーション△
デザインのバリエーションは少ないです。
というよりも、現在私が知る限り日本で流通しているのはドルサル社のものもくらいですので、木製脚付きマルチポイントベッドのみに限られます。
(もしかすると欧州系の高級家具メーカーのベッドのオプションで床板をマルチポイントベッドに変えられるかもしれません。ウッドスプリングにアップグレードできるのは見たことがあります。もちろん、価格は数十万円からになってしまいますが。)
寝具制限あり(高反発・コイルマットレスは不向き)
- コイルスプリングマットレス
- 高反発ウレタンマットレス
- 高反発ファイバーマットレス
などはマルチポイントベッドには不向きです。
コイルの存在、分厚さ、硬さなどのため、スラットやマルチポイントサスペンションの柔軟性を発揮できないからです。
ノンコイル 薄型マットレス | ノンコイル ベッドマットレス | コイルスプリング ベッドマットレス | |
画像 | |||
厚み | 7~10cm前後 | 15~25cm前後 | 20~35cm前後 |
重量 | 4~7kg前後 | 10~20kg前後 | 20~30kg前後 |
寝心地 | ◯ | ◎ | ◎ |
耐久性 | ◯ | ◯ | ◎ |
揺れ&音 | ◎ | ◎ | △ |
使用環境 | 床&ベッド | ベッド | ベッド |
手入れ | ◯ | ◯ | △ |
クリーニング | × | × | ◯ |
処分 | ◯ | ◯ | △ |
価格 | ◎ | ◯ | △ |
そのため、マルチポイントベッドを使いたい方は、高弾性ウレタンマットレスやラテックスマットレス、ハイブリッドマットレス、敷布団などと組み合わせることをおすすめします。
ベッドとしてはやや高価
手の込んだ構造であることと調整が必要であることにより値段は一般的なベッドよりも高価です。もちろん、その価値は十分あります。
収納性△
収納はありません。ベッド下に若干のスペースがあるくらいです。ベッド下にものを置くならスラットの動きに干渉しないようにしましょう。
1-4. マルチポイントベッドはおすすめか?
結論、おすすめです。
- 予算が十分にある
- 良い寝心地を追求したい
- マットレスの種類が合う
- サイズの問題もない
などに該当するならマルチポイントベッドは非常に向いています。
2.マルチポイントベッドを選ぶときの注意点
マルチポイントベッドを買おうかなとお考えでしょうか。
もしそうなら、次に紹介していく選ぶときの注意点にもぜひ目を通すようにしてください。
2-1. 中央フレームの上で寝ないように
まずもっとも気をつけてもらいたい点です。
クイーンサイズ(約160cm幅)のマットレスを使っている人がセミダブルのベッドを2台繋げて使うなら、絶対に中央で寝ないようにしましょう。
というのも、中央にはマルチポイントサスペンションやスラットがなく空白地帯になっているため、マルチポイントベッドの良さを味わえないためです。
クイーンサイズで一人寝をすると中央で寝がちなので要注意です。
2-2. お店の人に調整してもらうこと
カスタマイズ可能なのが最大の魅力なので、絶対に調整してもらうようにしましょう。
なお、その際、お使いのマットレスの硬さなども伝えると調整しやすくなりますので、使用している商品名などを伝えておくとスムーズです。また、調整しやすいように寝転がりやすい服装・髪型にもしておきましょう。
2-3. 微調整方法も確認しておくこと
お店で調整してもらっても、自宅に戻ると「あれ、なんかちょっと違和感が、、、」となることがあります。
そのようなときのために、
- 腰が落ち込むように感じる
- 腰を突き上がっているように感じる
- 横向きの際に肩が落ち込むように感じる
- 横向きの際に肩を沈ませたい
- 痩せたとき
- 太ったとき
などのようなケースの微調整方法をあらかじめ聞いておくことをおすすめします。
3. おすすめのマルチポイントベッド
それでは最後におすすめのマルチポイントベッドをご紹介します。
- 商品:X Point Bed
- 価格:138,200円
- 【商品ページはこちら】
ドルサルのマルチポイントベッド「X Point Bed」です。日本国内で流通しているマルチポイントベッドは私が知る限りこのブランドしかないので、マルチポイントベッドならこの一択になります。マルチポイントサスペンションには柔軟性の高いエラストマー素材が使われているので、寝ている人の動きに追従して高い体圧分散性を発揮します。
最後に
マルチポイントベッドについて理解する一助になっていればと思います。
このページを読まれた方は正直かなり物好きな部類だと思いますが、「ただの床板のベッド」と「ウッドスプリングもしくはマルチポイントのベッド」は大違いです。記事を読むだけでなく実際にものを触ってみられることをおすすめします。