オーガニックコットンとはどのようなものかのイメージに、
- 高品質で肌あたりが柔らか
- 有機農法で健康に良い
- 無農薬だから環境に優しい
などなどありますが、これらの3つの内2つは世間の誤解であること、ご存知でしょうか?
正しく理解しないままオーガニックコットン製品を購入していたら非常に勿体無いですね。
そこで本日は「オーガニックコットンとはどのようなものか、生地の特徴、そして価格の背景」をご紹介します。
Contents
1. オーガニックコットンって何?その定義とは
そもそもオーガニックコットンとは何かについては、オーガニックコットン協会により厳密に定義がされています。
オーガニックコットンは、オーガニック農産物等の生産方法についての基準に従って2 ~ 3 年以上のオーガニック農産物等の生産の実践を経て、認証機関に認められた農地で、栽培に使われる農薬・肥料の厳格な基準を守って育てられた綿花のことです。
(引用:NPO法人 日本オーガニックコットン協会)
通常、綿花の栽培には、害虫駆除や雑草の管理のために、大量の農薬が使われたり、手早く収穫をするために枯葉剤が散布されることがあります。
このような化学物質により、
- 土壌を痩せさせる
- 地下水を汚染させる
- 農家の人々の健康を害する
などのように環境や作り手に対して悪影響を及ぼすことになるのです。
しかし、オーガニックな有機農法を行うことで、土壌は元気なままで、地下水を汚染することなく、その上、農家の人々も健康的に綿花を育てられるので、長期にわたって持続可能な(サステイナブル)農業が可能となるのです。
1-1. オーガニックコットンは肌に優しいわけではない
つまり、通常の農法による栽培であろうが有機栽培であろうが、綿花の品質は変わりません。
そのため、オーガニックコットンであるからといって、特別に肌触りがいいというわけではありません。
とはいえ、気になるのが、綿花についた農薬の健康面への影響についてですが、この点においても通常の綿とオーガニックコットンとは大差ないと報告されています。
普通に栽培された綿でも、残留農薬はとても少ないので、収穫されたものから科学的なテストなどでオーガニックかどうかを判別することは不可能です。
(引用:NPO法人 日本オーガニックコットン協会)
つまり、オーガニックコットンとは、「肌触りや安全性などの品質」のためではなく、「環境と作り手」を守るための思想運動なのです。
1-2. オーガニックコットンの安いものと高いもの、価格の差は何なのか?
オーガニックコットンがこだわりの農法で育てられたという背景について理解すると、一般的な綿製品に比べてオーガニックコットン製品の値段が高いのにもご納得いただけると思います。
とはいえ、物によっては通常の綿製品と変わらないような安いオーガニックコットン製品もあり、その差がなんなのか疑問に感じられることもあると思います。
誤解を恐れずにいうと、オーガニックコットンの中には、有機農法にこだわって育てられたもの以外にも、設備が足りないために否応なくオーガニック農法となっているケースがあり、これにより価格差が生じていることがあるのです。
また、そもそも綿花の品質レベルによることもあります。
もしあなたが「オーガニックでありながら高品質な綿製品を入手したい」とお考えであれば、綿花の繊維の長さ(ステープル)が品質を確かめる重要な目安となります。
分類 | 繊維長(mm) | 代表的品種 |
短繊維綿 | 20.6未満 | デシ綿 |
中繊維綿 | 20.6~25.4 | パキスタン綿 |
中長繊維綿 | 26.2~27.8 | アップランド綿 |
長繊維綿 | 28.6~33.3 | スーダン綿 |
超長繊維綿 | 34.9以上 | 海島綿、スーピマ綿など |
それでは、高品質な綿花をオーガニックなプロセスで製品にしたものがどのようなものかと言えば、例えば、大正紡績のアルティメットピケ®️などがあります。超長繊維綿に分類されるほどの高品質なオーガニックコットンが使用されています。
- 製品:アルティメイトピマ オーガニックコットンパジャマ
- 価格:18,000円
- 【販売ページ@天然屋】
開発されてから日が浅いので様々な寝具製品に利用されるほど広がってはいないですが、パジャマやTシャツ、コートなどの原料に採用されるなど徐々に広がりを見せています。
ふわっとしたタオル生地の柔らかな寝心地を求める方にとてもおすすめです。
1-3. オーガニックコットンにカラーバリエーションが少ない理由
「オーガニックコットンに惹かれたから色々探したけど、カラバリが少ない!」
このように不満に感じたことはないでしょうか?
色展開が少ないのには、実は理由があるのです。
どういうことかと言うと、そもそも綿は薄いベージュやオフホワイトが本来の色であることが大半です。それらの色を一度漂白してから鮮やかな色に染色すると、その過程で化学薬品を使うことになり、オーガニックコットンの理念に反することになってしまいます。
そのため、綿花本来の色のままの商品が多いのです。
稀に薄いブルーやピンク色のオーガニックコットン製品を見かけることがあるかと思いますが、このような製品は天然由来の染料で色付けされており理念を守ったままカラーリングされているはずです。
そのため、色展開が少ない点においては「環境と作り手の保護」のためにご容赦ください。
最後に
せっかくオーガニックコットンの製品を購入するなら、消費者であるあなたも環境洗剤を使って洗うなどオーガニックな流儀に従って製品を扱い、そして、製品が寿命を迎えたらリサイクルするなどして資源を有効活用できるようにしましょう。
ベッドシーツとカバーのリサイクル方法についてこちらのページ『これは賢い!シーツ/カバーの再利用アイディア5選』でご紹介しているので、製品を使い切った後の処理方法のご参考にしてください。