枕にダニの気配がしてお困りではないでしょうか?
実際のところ、布団などと比べると、枕のダニの生息数はあまり多くないです。しかし、枕は、目や鼻、口などの敏感な器官と近いため、ダニ対策を疎かにすることはできません。
顔が赤らんだり、痒みや鼻づまりなどのダニアレルギーの症状が出たりするのはイヤですよね。そこで本日は、「枕のダニを退治しつつ、ダニアレルゲンを除去する方法」をご紹介します。
※布団にもダニが繁殖しているようでしたら、こちらのページ「【布団のダニ退治方法】おすすめ11選と再発予防3ステップ」で対策方法について詳しく解説しているのでぜひあわせて参考にしてください。 |
Contents
1. ダニによる症状とは
ダニに噛まれることで肌が腫れたり、痒くなったりするのは、ダニの害悪の序章です。
さらに迷惑なのが、ダニの死骸や糞がそのまま枕に残りダニアレルゲンとなって、アレルギーを発症させる可能性があることです。
ダニの生涯は約3ヶ月で、その間に500個もの糞を残すと報告されています。
しかも、成虫になってから2~3ヶ月は生きていますので、その間の糞数は約400個となり、1匹のヒョウヒダニの一生の間の脱糞数は合計で500個以上となるわけです。
(引用:『住まいQ&A 寝室・寝具のダニ・カビ汚染』吉川翠、戸矢崎紀紘、田中正敏、須貝高、生協・科学情報センター 共著)
そのため、枕に生息しているダニがたった100匹だとしても、糞などのアレルゲンは数万個も寝床に残されることになります。
アレルギー症状のない人でも、許容範囲を超えるアレルギー物質にさらされると、アレルギーを発症したり喘息を起こすことがあります。
そのため、ダニ対策は定期的に行うように心がけてください。
家庭で起こりうるダニアレルギー症状から対策まで、こちらのページ『【保存版】ダニアレルギーの症状、原因、対策の総まとめ』でまとめているので、併せてご参考にしてください。 |
2. 枕のダニ退治方法
結論から言うと、ダニのいない枕を目指すなら、洗える素材の枕を選ぶことをオススメします。
とはいえ、「今使っている枕が洗えない」ということもあると思います。その場合は、ご紹介する対処法でダニ退治を行いましょう。
2−1. ダニの対処法|洗えない枕
ウレタン、ラテックス、そば殻、ビーズ、羽毛、羽根などの素材は洗えないので、以下の3つの方法でダニ退治を行いましょう。
- 掃除機・クリーナーでこまめにダニアレルゲンを吸引する
- 高密度枕カバー・枕プロテクターで枕内部にダニを入れない
- (可能であれば)天日干し
それでは次に、具体的な内容をご紹介します。
①掃除機・クリーナーで吸う
この方法はあくまで、枕表面のダニの死骸を除去するための対処法だとご理解ください。
枕内部のダニアレルゲンや生きたダニを完全に除去することは期待できません。旧国立公衆衛生院での実験に、ダニ除去方法としての掃除機の有効性を評価したものもあります。
実験の内容は、市販の布団たたきで布団の両面を1秒間に1回ずつ5分間たたいた後、掃除機を用いて布団の両面を合計3分間吸引したのですが、その結果、
布団からのダニアレルゲンを除去するのに、掃除機を用いて行う方法は簡単であるが,掃除機だけ,あるいは掃除機と布団たたきを組み合わせても,主要アレルゲンの除去率が40%前後と効率は低かった。
(引用:『布団内ダニアレルゲンの除去方法の評価』 阪口雅弘,井上栄,吉沢晋,菅原文子,入江建久,安枝浩,信太隆夫,今井智子 共著)
と、掃除機でのダニ退治は完璧ではないのものの一定の効果はあると報告されています。
また、実験で使用された掃除機は25年前のものですので、性能は今のものより劣ります。最新式の掃除機であれば、枕表面のほぼ全てのダニ、表面近くのダニの半数ほどは退治できるのでは、と考えられます。
②高密度枕カバー・枕プロテクターを枕に装着する
洗えない枕に対して一番おすすめのダニ対策です。高密度の枕カバーやピロープロテクターを使うことにより、
- 枕内部のダニ・ダニアレルゲン(ダニの死骸、糞など)が枕の外に出られない。
- 布団からカバー・プロテクターに移動してきたダニは、洗濯で簡単に洗い落とせる。
- カバー・プロテクターは乾燥機による熱処理も可能。
- 枕内部のダニを餌(フケ、皮膚、皮脂、垢など)から断つことができ、ダニの繁殖を抑えられる。
なので、ご使用中の洗えない枕にダニがいる場合の対策としても使えますし、そもそも枕にダニを寄せ付けないための対策としても活用できます。
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私どもも販売している製品なので手前味噌ですが、こちらの枕プロテクターは0.025mmの極薄のラミネート加工を施しているため、寝心地を損なうこと無く、通常の枕カバーのような使用感で快適にご使用いただけるのでとてもおすすめです。しかも、極薄のラミネート加工といえど洗濯耐久性はとても高く丈夫ですので、長く安心してご愛用いただけます。
③枕を天日干ししながら乾燥させる
ダニは湿った温かい環境で繁殖します。
そのため、こまめに枕を天日干ししつつ換気させられると、ダニの繁殖を防げます。
とはいえ、天日干しができる枕の素材は少なく、そば殻、ポリエステルわた、パイプ、ウッドチップくらいです。ウレタン、ラテックス、高反発ファイバーなどの素材の枕は、日光により素材が劣化することがあるので、日陰で乾燥させましょう。
ダニ退治は効果はあまり期待できませんが、繁殖を抑えることは期待できます。
2−2. ダニの対処法|洗える枕
もしあなたの枕が洗えるのなら、枕を洗うことでダニを退治することも可能です。
※注:洗える枕の詳細については、こちらの記事「【一挙公開】洗濯機・乾燥機に対応したオススメの洗える枕」でご紹介していますので、ご参考にしてください。 |
高温(60℃)洗濯でダニ退治
洗濯機で洗える枕なら、高温(60℃)洗濯することでダニ退治することができます。
同様に、コナヒョウヒダニをビニール袋に入れて50℃に加熱すると、10分間以内に死亡した。
(引用:『家屋内生息性ダニ 類の生態および防除に関する研究 (8)』 吉川 翠)
また、旧国立公衆衛生院が行った「布団内のダニアレルゲンの除去方法の評価実験」によると、布団の丸洗いによるダニアレルゲンの除去率は約80%でした。
25年前の試験であること、そして、試験体が布団であることを考えると、現在の洗濯機で枕を洗えばダニアレルゲンはほぼ全て洗い流せられると考えられます。
水洗いでダニを洗い流す
パイプ素材、高反発ファイバー素材の枕は、洗濯機では洗えませんが水洗いをすることができます。
これらの素材の枕であればそもそもダニが繁殖しにくいですが、多少ダニがついたとしてもじゃぶじゃぶ洗えばダニを洗い流すことができます。
乾燥機の熱で死滅させる
もしあなたの枕が乾燥機に対応しているなら、高温(60℃)で乾かしましょう。洗濯でも退治しきれなかったダニを退治することができます。
また、ヘアドライヤーやアイロンの熱でダニを死滅できるとの風説がありますが、これらの機器で枕の内部まで熱を届けようとすると、枕の中材や生地を痛める可能性が高いのでオススメできません。
最後に
ご紹介の内容であなたの枕に発生しているダニの退治〜予防まで、何をすればいいのか明確になったことと思います。
しかし、あなたの布団はどうでしょうか?
もし、あなたの枕だけでなく布団にまでもダニが発生しているのなら、布団に特化したダニ退治を行わなければなりません。簡単にできて効果的な方法をご紹介しているので以下のページをご参考にしてください。