シルクの枕カバーを検討中のあなたは、とても美容意識が高いと思います。
ガサガサとした使用感のもの、ホコリが付きやすいもの、ベタベタとムレやすいものは言語道断とお考えではないでしょうか?
絹素材は、美容面から見ると素晴らしい性質を持っています。しかし、同時に欠点を良く理解しないと、購入後に後悔することなります。
そこで本日は、「シルクの枕カバーの特徴」「長く艶やかさを保つための取扱い方法」「あなたにぴったりなものの選び方」をご紹介いたします。
Contents
1. シルクの枕カバーの特徴
数千年前に中国で製法が発見されて以来、そのために道(シルクロード)が作られるほど世界中を虜にしたシルク。
他の繊維にはない特別な使用感、性質があります。
素材 | イメージ | 柔らかさ | 滑らかさ | 吸湿性 | 放湿性 | 耐久性 | 洗濯性 | ||
天 然 繊 維 | 植 物 性 | 綿 (コットン) | ◯ | ◯ | ◎ | △ | ◯ | ◯ | |
麻 (リネン) | △ | △ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | |||
動 物 性 | 絹 (シルク) | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ | △ | △ | ||
羊毛 (ウール) | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | |||
化 学 繊 維 | 再 生 | レーヨン | ◎ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | |
合 成 | ポリ エステル | △ | ◯ | △ | – | ◯ | ◎ |
美容・快眠面へのメリット
髪の毛のわずか20分の1の細さの繭糸から織り上げられるシルク生地は、美容と快眠面に嬉しいメリットがあります。
美肌、美髪効果が見込める
想像してみてください。横向き寝の場合、あなたの頬などの顔は枕カバーと一晩中触れつづけ、仰向き寝の場合、あなたの髪が枕カバーと頭の間に一晩中挟まれつづけます。そして、ちょっとした頭の寝返りであなたの顔・髪は枕カバーと摩擦を起こしてしまいます。これは肌、髪にとって大きな負担です。
しかし、枕カバーがシルク製の場合、繊維がとても滑らかで柔らかいので摩擦を大きく軽減できます。さらに、シルクはヒトの肌・髪とほぼ同じ18種類のアミノ酸(タンパク質)で構成されていることも、肌と髪に優しい理由です。
保湿性が高いためホコリが溜まりにくい
枕カバーがホコリっぽくて不衛生に感じたことは無いでしょうか?
ポリエステルなどの化学繊維の枕カバーは、静電気が起こりやすくホコリを寄せてしまいがちです。肌や呼吸器官が敏感な人には、気になるポイントです。シルク繊維は保湿性に富むため、静電気が生じにくい性質があります。そのため、ホコリが枕付近に溜まりにくいので、化学繊維の枕カバーよりは衛生的な睡眠環境を作れます。
抜群の吸汗性でムレにくい
シルク繊維(繭糸)の断面を見ると丸型ではなく、楕円・三角形を描いています。
その糸を紡いでいくと、繊維の間に隙間ができます。この構造によりシルク繊維は、優れた吸放湿性を実現しています。
ヒトは眠る時体温を下げるために、気化熱といって体から蒸気(汗)を発しています。この蒸気をシルク繊維がスッと吸収することにより、ムレることなく涼しく感じられます。他方冬は、この隙間が熱を閉じ込める役割を果たすので、若干の暖かみがあります。ポリエステルなどの化学繊維だと汗の吸収をほとんどしないため、ベトベトとしたムレ感を生じることになります。
シルク素材の欠点
美容と快眠に優れたシルク素材ですが、もちろん万能ではなく欠点があります。
適切なお手入れをする上で、正確な理解が必要な要素です。
湿気時の摩擦に弱い
シルクは同じ太さの鉄線と同等の強度を持つ、なんて言われますが濡れたときの摩擦には非常に弱いです。そのため、安易に洗濯機で洗ってしまうと、繊維がちぎれて美しい光沢感を台無しにしてしまいます。
黄変しやすい
たんぱく質繊維のためヒトの肌と同じように、日光に弱いです。紫外線を受けるとシルクを構成しているアミノ酸が破壊され、その結果、黄色く変色してしまいます。そのため、日中に日光が当たっていたり、洗濯後に天日干しをすると、艶やかな染色を損なってしまいます。
虫食いの被害が出やすい
たんぱく質繊維なので、保管の方法が悪いと虫の格好の食事になります。自分用の枕カバーで1年中使い続ける人にとっては大きな欠点ではないと思いますが、来客用の枕カバーをシルク製にしようと考えている人は、保管方法を熟読しましょう。
水分に弱くシミができやすい
寝汗が多いとシミができやすいです。枕カバーなので他人に見られるものでないので、あなたが許容できるかどうかによります。一度シミができてしまうと、クリーニング店のプロでもシミを落とすのは困難とのことなので、寝汗が多い人でシミを許せない場合は、シルクの枕カバーはオススメできません。
2. プロのお手入れ方法と選び方
あなたがどれくらい丁寧にお手入れできるかにより、オススメできるシルクの組成・品質が変わります。
こまめなお手入れをする自信がない人は、あえてシルク100%ではないものを使用する方が賢い選択になることがあるためです。
また、もしあなたが「枕も素材にこだわって選ぼうかな」とお考えでしたら、以下のページで13種類の枕素材の比較をしながら、適切な枕の選び方(高さ・硬さなど)を解説しているのであわせて参考にしてみてください。 関連記事 |
長持ちさせるためのお手入れ方法
手間はかかりますが、シルク素材の欠点を踏まえつつ洗濯・保管をすれば、艶やかな素材感、快適な使用感をより長く楽しめます。
あなたに出来るかどうか、確認してみましょう。
洗濯方法
洗濯機を使わずに手洗いをしましょう。以下の3つのステップで、優しく洗って干しましょう。
ステップ①:30℃前後のぬるま湯で押し洗い
冷たい水よりぬるま湯の方が、汗・皮脂などの汚れを落としやすいです。また、シルクは摩擦に弱いので擦らずに、押すようにして洗いましょう。洗剤は、中性洗剤を使用しましょう。
ステップ②:優しく水気を着る
ついつい絞って水を切りたくなりますが、繊維が擦れてしまうので控えましょう。押すようにして水気を少しだけ切りましょう。水分をしっかりと切る必要はありません。(理由は後述)
ステップ③:日陰干しをする
日光に弱いので、必ず日陰で吊り干しをしましょう。
このとき、シルクの枕カバーに水気が若干残ったまま吊り干しすることオススメします。自重により引っ張られながら干すことにより、乾いた時に生地にシワが残りにくくなります。水が多少垂れると思うので、下にタオルを敷いておきましょう。「乾きが悪いのでは?」と思われるかもしれませんが、1日もあれば十分乾きます。
保管方法
きちんと乾かしてから、風通しの良い環境下で保管しましょう。押入れやタンスに保管する場合は、不織布で包んだり紙箱に入れるなどして他のものと擦れないように配慮しましょう。
あなたに合う枕カバーの選び方
洗濯も保管も完璧にこなす自信があれば、シルク100%の枕カバーの使用に向いていると思います。
もしそうでなければ、コットンを混紡したもの、または、テンセル®︎素材のものの使用をオススメします。手入れにそこまで気を使うこと無く、シルクの風合いを楽しめます。
シルクサテン枕カバー
- 製品:川俣サテンシルク100%ピローケース
- 素材:シルク100%
- 価格:8,000円
- サイズ:43×63cm
- 【当製品の販売ページ】
日本国内でも代表的な絹織物の産地、川俣(福島県)で生産されたシルク100%の枕カバーです。絹本来の特性を最大限に活かすために染色をせずに仕上げられています。いわゆる繊細で滑らかな絹の使用感を求めている方にオススメの製品です。
シルクダブルガーゼ枕カバー
- 製品:シルクダブルガーゼ枕カバー
- 素材:シルク100%
- 価格:7,776円
- サイズ:43×63cm
- 【当製品の販売ページ】
通常の絹の織生地は肌に吸い付くような使用感がありますが、これを不快に感じる人もいると思います。そのような人にオススメなのが、シルクのダブルガーゼ生地の枕カバー。つるっと滑らかなのに肌への感覚はさらっとしています。超贅沢な一品です。
シルク×コットン製枕カバー
- 製品:シルクスキン・ザ・ゴールド
- 素材:[タテ糸]シルク [ヨコ糸]綿
- 価格:4,860円
- サイズ:45×65cm
- 【当製品の販売ページ】
タテ糸にシルクを使い、ヨコ糸に綿を使って織り上げています。そのため、シルク100%のものよりは耐久性がより高くなっているので、お手入れに神経を尖らせる必要がありません。また、朱子織り(サテン)により表面にシルクがより多く現れるようになっているので、シルクの使用感は半減もしていません。過半数はシルクの使い心地です。
テンセル®︎100%枕カバー
- 製品:テンセル100%枕カバー
- 素材:テンセル100%
- サイズ:43×63cm
- 価格:2,160円
- 【購入ページはこちら】
この枕カバーは私どもが「気軽にシルクのような使用感を楽しみたい!」という思いで企画したテンセル素材の枕カバーです。前回、テンセル素材について徹底的に解説しましたが、テンセル®とはシルクのような使い心地で、肩肘張らずに日々のお手入れができるエコな素材です。もしあなたが「シルクのような使用感で洗濯機でも洗えたらいいのに」とお考えでしたら、テンセル素材の枕カバーをオススメします。滑らかさ、保湿性、吸放湿性全て非常に優れています。
まとめ
シルクの枕カバーの特徴は、①滑らかな素材のため肌・髪への負担が少ないこと、②保湿性が高くホコリがたまりにくいこと、③吸湿性の高さによりムレにくいこと、です。
お手入れが大変なので、あなたがかけられる手間を勘案して素材を選びましょう。手間を省きたい人は、他の繊維と混紡されたものや、テンセル®素材のものをオススメします。