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認知行動療法の不眠への効果と向き不向きについて

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こんにちは、加賀照虎です。

「認知行動療法って睡眠に良いの?」
「色々あるみたいだけど何が一番効果あるの?」

などのような疑問はないでしょうか。

認知行動療法はたしかに不眠改善によしとされています。

しかし、やはり、ケースバイケースで向き不向きがあります。

ということで本日は「認知行動療法の睡眠への効果と向き不向き」についてご紹介していきます。

※睡眠の質を上げるための方法をこちらのページ「睡眠の質を高めるための方法(総まとめ編)」でまとめています。ぜひあわせて参考にしてください。
著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
取材依頼はお問い合わせから。
インスタグラムでも情報発信中⇒フォローはこちらから。


1. 睡眠のための認知行動療法とは

認知行動療法は、魔法ではありません。

「睡眠薬よりも効果的」と喧伝されることがあるため、その働きなどが誤解されることがありますが、結構泥臭いものです。

不眠の認知行動療法の目的は、不適切な睡眠習慣の変容と、睡眠に対する否定的で偏った思考(自動思考)や態度、偏った信念(スキーマ)を取り除くことである。つまり、睡眠に良好な習慣を獲得するとともに、、、(割愛)、、、極端な考え方や受け止め方を修正することを目指している。

(引用:「睡眠心理学」 堀 忠雄 編著)

少し難しいですね。

つまり、睡眠に対する誤解(誤った習慣など)を矯正するテクニックと捉える分かりやすいかと思います。

誰しも、睡眠に誤解を持っているものです。

私自身、睡眠の勉強を始めるまでは、下記のようなことを正しくないことと思っていました。

  • 少なくとも7時間眠らなくてはいけない
  • 眠くなくても23時にはベッドに行ったほうが良い
  • 1分で眠れるのは良いことだ

こういった誤解が、不眠を招くことがよくあるのです。

そこで認知行動療法なのです。

睡眠への誤解を正しつつ、適切な行動に生活に落とし込んでいき、睡眠改善を目指すということなのです。

1-1. 睡眠のための認知行動療法の種類と効果

バージニア・コモンウェルス大学のモーリン教授らが行った研究が参考になります。

59の非薬物睡眠療法を比べたところ、下記の認知行動療法は睡眠によい効果が期待できると報告されています。

Cognitive-behavioral-therapy

ということで次に、それぞれどのような効果が期待でき、どのような人におすすめなのか、お伝えしていきます。

■身体的弛緩法(漸進的筋弛緩法)

向いている人:緊張などでリラックスできなく、寝つきに問題を感じている人。

筋弛緩法とは、「筋肉を意図的に緊張させてから緩める」ことで、心と身体をリラックスさせる方法です。ふわーっとした脱力感により気持ちよく入眠を促すことが期待できます。

脚の筋弛緩法
脚の筋弛緩法

上記の研究では、入眠にかかる時間を67.4分から40.6分にまで縮めたとされており、入眠に顕著な効果があるとされています。

具体的なやり方については下記のページを参考にしてください。

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■認知的弛緩法

向いている人:眠るときに頭の中で悩みや仕事のことなどをついつい考えてしまって、寝つきが悪くなってしまう人。

認知的弛緩法は、イメージ訓練や瞑想などにより、頭の中でぐるぐる巡っている思考を抑える方法です。不安などにより自律神経が乱れないようにして、眠りを導くことも期待できます。

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自律神経の概要

近年早いのシャッフル睡眠法も、認知的弛緩法の一種とすることができます。

(私もそうですが)仕事や人間関係のことでついつい考えることが多い人におすすめの入眠法です。

具体的なやり方については下記のページを参考にしてください。

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■刺激制限法

向いている人:寝つきが悪くて不安な人、夜中に目覚めてから眠りに戻るのに苦労している人。

刺激制限法は、眠れないことによる不安が大きくなりすぎて、「寝室」と「眠れないこと」のイメージが結びつかないようにするための方法です。寝室(もしくはベッドの上)で行うことを制限することで、頭の中のイメージを「寝室は眠れるところ」と変えていくことで睡眠改善を図っていきます。

他の認知行動療法と一緒にやれるものですし、アメリカの不眠治療の現場でまず最初に指導されるべき方法論とされているくらいのものなので、知っておくに越したことはないかと思います。詳しくは下記のページを参考にしてください。

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■睡眠時間制限法

向いている人:寝つきに時間がかかっている人、「昔のようにしっかり眠れない」と苦労している人。

ベッドの上にいる時間を制限することで、「ベッドにいる時間」=「眠れる時間」だと矯正して、睡眠の質を高めつつ「眠れる自信」を取り戻します。「適切な睡眠時間」についての理解を正すところが最初の一歩になります。

こちらの方法もかなりの効果とされています。下記のページで詳しく紹介していますので参考にしてください。

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■睡眠健康教育

向いている人:睡眠について体系的に学んだことがない人。

睡眠について正しく理解することで睡眠改善を図る方法です。

「1分で眠れるのは睡眠の質が低い証拠」
「眠れないなら無理に眠らなくていい」
「朝の散歩は、天然の睡眠薬」

などと聞いて意味がわからない方は、睡眠について一通り学んでみることをおすすめします。

正しい知識によって行動が変わることで、睡眠改善のきっかけになります。

下記のページで睡眠改善のポイントだけを絞って紹介しています。10分でざっと学ぶことできるのでぜひ参考にしてみてください。

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1-2. 認知行動療法は睡眠薬と比べてどうなのか?

認知行動療法も睡眠薬と同じように、誰にでも100%効果のある方法ではありません。

また人によって向き不向きもあるので、どちらがよいかと決めつけることもできません。

むしろ、どちらも適切に利用することが、最も効果が高いとされています。

不眠の認知行動療法は、70~80%の不眠者に有効で、入眠潜時や中途覚醒に効果があることが報告されている。また、薬物療法と認知行動療法の併用のほうが治療効果も高く、効果も長期間持続することが報告されている。一方、行動療法と薬物療法を併用することで、不眠者は、症状の改善の理由を薬物に帰属させやすいために、かえって対処スキルを学習しにくい可能性が指摘されている。

(引用:「睡眠心理学」 堀 忠雄 編著)

「不眠改善のために認知行動療法をやってみよう」と考えられる人もいるかと思います。

しかし、上記引用部で言及されているような背景から、不眠症状が2~3ヶ月以上続いているようなひどいケースの場合は、専門医に睡眠薬の使用を相談しながら進めることをおすすめします。

1-3. 睡眠障害なら病院へ

もしあなたが、

  • 夜になると脚がむずむずして眠るどころじゃない
  • 眠れないし、食欲もないし、何に対しても興味が持てない
  • いびきがひどいと言われる

などに該当するのであれば、睡眠障害により睡眠の質が下がっていると考えられます。

そしてこの場合、認知行動療法を試しても改善の見込みはほとんどありません。適切な専門医を受診するようにしましょう。

下記のページで睡眠障害かどうかQ&A式でチェック出来ますのでお試しください。

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最後に

あなたに適切な認知行動療法が何か知るきっかけになっていれば幸いです。

是非、知るだけでなく実践していくようにもしてください。

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