目覚まし時計のアラーム音にたたき起されるのって不快ですよね。
とはいえ、アラームなしだと朝起きられないし、、、と、イヤイヤながら目覚まし時計を使っている方、必見です。
本日は、スタンフォード大学教授おすすめの朝スッキリ目覚めるためのアラームの利用方法をご紹介します。
※睡眠の質を上げるための方法をこちらのページ「睡眠の質を高めるための方法(総まとめ編)」でまとめています。ぜひあわせて参考にしてください。 |
Contents
1. 目覚ましのアラーム音で起きられない理由
まず最初に、アラーム音で起きられない理由から説明します。
このポイントを押さえておくと後の理解がスムーズになります。その理由が何かというと、ズバリ睡眠が深いタイミングでアラームが鳴っているからです。
つまり、ノンレム睡眠の第二段階よりも深い眠りのときに、ちょうどアラームが鳴ってしまっているのです。
レム睡眠もしくはノンレム睡眠の第一段階のときに目覚められると、頭がスッキリとした状態で目覚められます。特に、レム睡眠のときは脳が活動状態にあるため、もっともスッキリ目覚められます。反対に、ノンレム睡眠時は脳が休んだ状態になっているため、このとき(特に第二段階よりも深いとき)に起こされると、頭がボーッとしていて目覚めの悪い状態になります(脳に眠りが残っているため睡眠慣性と呼ばれます)。
さらにいうと、こちらはやや俗説にはなりますが、人の数百万年の歴史を辿ると、外部の音で起こされるというのは「危険」という信号を意味するんですね。まさにアラームです。太古の昔でいうと天敵に夜の油断を突かれたときの物音、やや昔でいうと敵国の夜の奇襲により鳴らされる鐘の音。
つまり、睡眠中の音刺激は緊急事態として脳に捉えられるのです。
そのため、ストレスホルモンのコルチゾールが一気に分泌されます。アラームに叩き起こされたとき、心臓がかなり早いスピードで鼓動を打っている実感はないでしょうか。それは(脳が誤解した)緊急事態に対処するための反応なのです(起床時にコルチゾール分泌は最大になるもの、さらに、ということです)。
このような起き方をしている限り、朝はツライままです。
2. スタンフォード大学の教授がおすすめする目覚まし時計でラクに起きる方法
それではどうすればいいのかというと、レム睡眠やノンレム睡眠第一段階などの目覚めやすいタイミングの睡眠時にアラームが鳴るように目覚まし時計をセットするばいいのです。
この方法論はいくつかありますが、スタンフォード大学教授の西野精治氏が考案した方法の、タイム・ウィンドウ・アラーム(Time Window Alarm)というのが手軽に出来るのでご紹介します。
どのような内容かというと、絶対に起きなければいけない時刻と、その時刻の20分前の計2つのアラームを設定し、そして、一度目のアラームはやや小さめの音で、二度目のアラームは大きい音にするというものです。
例えば、あなたが午前7時に起きなければならないとします。
しかし、その時刻にちょうど目覚めやすい眠りでいられるかといったら定かではありませんよね。そこで、その時刻の20分前の午前6時40分に小さめの音でもう1つアラームを設定するのです。そうすると、どちらかのアラームは目覚めやすい眠りのタイミングに丁度よく鳴ってくれるという発想です。
仮に、6時40分に目覚めやすい眠りになっていたとしたら、小さな音のアラームにびっくりすることなく爽やかに目覚められます。さらに、朝の時間に20分、余裕が生まれるのでゆっくりと身支度が出来ます。
反対に、6時40分に深い眠りだったとすると、小さい音のアラームには気づかずに眠ったままとなります。その代わりに、その20分後の7時には睡眠がちょうど目覚めやすいサイクルに入り始めているため、ラクに目覚めやすくなります。この時、アラーム音は必ずしも大きくなくても良いですが、確実に起きなければならない時刻のため、なるべく音に気づけられるように大きめにしておくと安心です。
2−1. タイム・ウィンドウ・アラーム法をあなたなりにアレンジ
慣れたらあなたなりにアレンジしてみましょう。
私は基本的にアラームを使わないのですが、モノは試しにと思いやってみました。例えば、私はiPhoneのアラームを使っているのですが、iPhoneはアラームごとに音量を変えられないという欠点があります(ですよね?)。そこで、1つ目のアラームは音なしでバイブだけにして、2つ目のアラームを音ありでやや大きめの音量にしています。そうすると私はほとんどの場合、1つ目のアラームのバイブ音が鳴り始めてから数分後に気づいて起きています。びっくり飛び起きることがなくなったので、この方法はかなり役立つなと実感しました。
ただ、1つ目と2つ目のアラームの間隔は、25分にしたり、30分にしたりといろいろと調整して見ましたが、あまり変化がなかったので結局20分間隔に落ち着きました。日によって睡眠サイクルが変わるからか、この間隔の調整は目覚めにあまり影響を与えないかと思います。
2−2. 90分サイクルは当てにならない
「目覚めやすい眠りのタイミングなら90分の睡眠サイクルを計算すればいいんじゃないの?」と思われた方もいるかもしれません。しかし、この説は当てにしてはいけません。
というのも、90分というのはあくまで平均だからです。
…81分から100分までの周期は全体の41.9%で、残りの約60%は90分周期からは、ずれているのです。
(引用:『睡眠のトリビア2』宮崎総一朗、北浜邦夫、堀忠雄 編著)
睡眠サイクルがきっちり90分に当てはまる人はかなり少数です。
さらにいうと、同じ人でも毎日睡眠サイクルの周期は変わります。このように考えると、睡眠サイクルを計算しても当てにならないことがお分かりいただけるかと思います。
2−3. 加速度センサーのアプリも当てにならない
「なら、スマホアプリの目覚めやすいタイミングにアラームを鳴らすものは?」と思われるかもしれませんが、正直これもそこまで当てになりません。
スマホアプリは基本的に加速度センサーで睡眠時の人の動きから睡眠状態を測定しますが、精度は当てにならないレベルです。時計のようなウェアラブルデバイスで動きに加えて心拍数を一緒に測定するもので、現状50%くらいの精度だと言われています。
医療機関で行われる睡眠ポリグラフ検査となると、脳波、眼球運動、心電図、筋電図、呼吸などが測定されます。全然内容が違いますよね。医療従事者がスマホアプリのことをおもちゃだと呼ぶのも納得です。とはいえ、加速度センサーのみのアプリは別にして、ウェアラブルデバイスのほうは膨大なデータ量を学習させて精度が徐々に上がってきているとのことなので将来には期待出来ます。
最後に
あなたが朝ラクに起きるための一助になれば幸いです。
しかし、朝スッキリ起きるためには十分な睡眠時間の確保と、睡眠の質が大切です。
以下のページでは当サイトでこれまで紹介してきた、数々の研究で実証された良質な睡眠のために「するべきこと」と「してはいけないこと」を網羅的にまとめています。美味しいところ(結論)だけをつまみ食いできる構成になっています。是非ご一読ください。
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