「この羽毛布団、保温性スゴすぎ…!」
「むしろ暑いくらい!!」
これは決して良いことではありません。
悪いことです。
寝苦しくなり睡眠の質を下げることになります。
どうにかして解決しなければなりません。
そこで本日は、羽毛布団が暑くなる原因とその対策について解説します。
(※動画での解説を加えました!)
※羽毛と羽根の比率、ダウンパワー、充填量などのスペックを比較した選び方についてこちらのページ「羽毛布団の選び方とおすすめ9選【専門家直伝】」で徹底解説しています。羽毛の充填量だけでなくより網羅的に羽毛布団選びを進めたい方はぜひご参考にしてください。 |
Contents
1. 羽毛布団が暑くて寝汗がひどくなる原因と各対策
結論、以下の3つのどれかが原因となっているはずです。
- 保温性スペックが室温に対して高すぎる
- 側生地にポリエステルが使用されている
- カバーやその他寝具が蒸らしている
それぞれ具体的に説明していきます!
1-1. 保温性が適切ではなく高すぎる
羽毛布団の保温性は、ダウン率、ダウンパワー、充填量で決まります。
- ダウン率:羽毛と羽根の割合。羽毛が多いほうが暖かいです。
- ダウンパワー:羽毛の大きさ。大きいほうが保温性が高いです。
- 充填量:羽毛と羽根の量。多いほど保温性が高いです。
羽毛(ダウン) | 羽根(フェザー) | |
画像 | ||
風合い | ふわふわ | 芯がある |
保温性 | ◎ | ◯ |
重量 | ◎ | △ |
フィット性 | ◎ | ◯ |
獣臭 | ◯ | △ |
価格 | △ | ◎ |
保温性が高すぎると問題です。
寝室が暖かいのにもかかわらず、保温性能(スペック)が高すぎる羽毛布団を使うと、暖かくなりすぎて寝苦しくなります。
室温に対して適切なものを選ばなければなりません。
弊社のパートナー企業であるCIL快適睡眠環境研究所が紹介している「羽毛布団のスペック別の適切な寝室の温度例」を参考にしてください。
商品例1 | 商品例2 | 商品例3 | TOG値 | 寝室の温度 | 住居例 | |
ダウン率 | 85% | 12 | 16~18℃ | 年中、冷暖房で 調整されている部屋 | ||
ダウンパワー | 330dp | |||||
充填量 | 1.0kg | |||||
ダウン率 | 85% | 90% | 93% | 13 | 14~16℃ | 気密性の高いマンション |
ダウンパワー | 330dp | 350dp | 400dp | |||
充填量 | 1.1kg | 1.0kg | 1.0kg | |||
ダウン率 | 85% | 90% | 93% | 14 | 12~14℃ | コンクリートの アパートや戸建て |
ダウンパワー | 330dp | 350dp | 440dp | |||
充填量 | 1.3kg | 1.2kg | 1.0kg | |||
ダウン率 | 85% | 90% | 93% | 15 | 10~12℃ | 同上 |
ダウンパワー | 330dp | 350dp | 400dp | |||
充填量 | 1.4kg | 1.3kg | 1.1kg | |||
ダウン率 | 93% | 93% | 93% | 16 | 8~10℃ | 築年数の古い 木造一戸建て |
ダウンパワー | 400dp | 440dp | 440dp | |||
充填量 | 1.3kg | 1.2kg | 1.3kg |
(※TOG値:保温性レベルとお考えください)
例えば、気密性の高い高級タワーマンションに住んでいるにもかかわらず、ポーランド産マザーグース95%、440dp、充填量1.2kgの羽毛布団を使うと、ほぼ必ず暑苦しくなります。
適切な保温性のものに買い換えましょう。
もしくは、打ち直しの際に羽毛の量を減らせるか業者に依頼してみましょう。
関連記事1-2. 羽毛布団の生地の品質が悪くて布団内が蒸れている
安物によくある原因です。
側生地がポリエステル素材だと、布団内が蒸れて寝苦しくなります。
羽毛布団の側生地というのは、微細な羽毛が飛び出さないように、ただでさえ目の細かい高密度な作りになっています。
しかもその上から目潰し加工をしたり、ものによってはメンブレンを貼ったりなどして、通気性が非常に低くなっています。
そんな生地を吸水性のほぼないポリエステル素材で作ったら、蒸れて寝苦しくなるのは確実ですよね。
素材 | イメージ | 柔らかさ | 滑らかさ | 吸湿性 | 放湿性 | 耐久性 | 洗濯性 | ||
天 然 繊 維 | 植 物 性 | 綿 (コットン) | ◯ | ◯ | ◎ | △ | ◯ | ◯ | |
麻 (リネン) | △ | △ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | |||
動 物 性 | 絹 (シルク) | ◎ | ◎ | ◎ | ◯ | △ | △ | ||
羊毛 (ウール) | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | |||
化 学 繊 維 | 再 生 | レーヨン | ◎ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | △ | |
合 成 | ポリ エステル | △ | ◯ | △ | – | ◯ | ◎ |
もしあなたが「ポリエステル85%、綿15%」の羽毛布団を使っているのなら、買い替えましょう。
もしくは、綿100%の吸水性・吸湿性のいい素材の布団カバーを被せて、なんとか蒸れを減らせられないか試してみるのも一手です。
1-3. 布団カバーや毛布などが布団内を蒸らしている
羽毛布団本体ではなく、他の寝具が原因のこともあります。
- 布団カバー
- 毛布
- 敷きパッド
- パジャマ
これらの素材がポリエステルやアクリル、吸率発熱素材だと、布団内が蒸れる原因になることがあります。
私自身、ポリエステルマイクロファイバーのプラッシュ生地のふかふかで暖かみのある寝心地は好きです。
ただ、吸水性・吸湿性のない素材であるため、体の上側の寝具との組み合わせは考えなければなりません。体の上下ともあたたか効果の強い寝具で揃えてしまうと、「暖めすぎ」になってしまう恐れがあります。
対策は、敷寝具を見直すことです。
蒸れの原因となるような敷寝具を使うのはやめてみる、暖かくとも吸水性・吸湿性のある上質な羊毛素材の敷きパッドを使う、など色々試してみることをおすすめします。
2. 布団が蒸れると睡眠の質を下げる理由
この件について、質問がありました。
結論、人は眠るときに体温を下げるようになっています。
脳と体を休めるために体温を下げるのです。
しかし、布団内が暖かすぎることによって体温が下げられないことで、休みにくくなってしまうのです。
寝苦しくて寝つきが悪い、夜中に目が覚める、などというのは睡眠が妨害されている分かりやすい例です。
最後に
ポイントは以下の3つです。
- 羽毛布団は寝室の室温に対して適切な保温性であること
- 側生地が綿100%で蒸れにくいものであること
- その他寝具も蒸れにくいものであること
あなたが快適に眠るための一助になっていれば幸いです。
なお、以下のページで最高の羽毛布団を選ぶために考えるべきポイント(ダウン率、ダウンパワー、充填量、水鳥の種類、側生地の品質など)とおすすめの羽毛布団についてまとめて解説しています。是非あわせてご参考にしてください。
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