敷布団は本当にさまざまです。
どれを選ぶべきなのか途方に暮れてはいないでしょうか?
私自身、寝具を作っている立場ということもあり「どの敷布団が一番いいの?」と聞かれることがあります。しかし、これは回答が非常に難しい質問です。
というのも、寝心地の好み、体型、生活環境など人それぞれ10人10通りのため、ある人に合うものがある人には合わないことが往々にしてあるからです。
そこで本日は、
- 切り口(サポート性/蒸れにくさ/手入れ)別の選び方
- 床置きかベッド利用かの判断の目安
- おすすめの敷布団
- 敷布団によくある疑問点
などについて説明します。
敷布団選びの参考にご活用ください。
1. 敷布団選びの3つのコツ
敷布団を選ぶとき、以下の3つの切り口から考えましょう。
- 腰・背中の寝心地にこだわるなら、サポート性を重視する
- 蒸れにくい寝心地にこだわるなら、吸放湿性を重視する
- 使い勝手にうんざりしているなら、使いやすさを重視する
これらの中からあなたが重視するのはどれでしょうか?
そのポイントを押さえつつ敷布団を選びましょう。
そしてその次に、適切なサイズなどについて考えるようにしましょう。
1-1. 腰のサポート性を重視した選び方
一般的な敷布団は薄くて弾力性に欠けるものが多いです。
そのため、底つき感に悩まされることが多々あります。
できるだけ厚さとサポート性のあるものを選ぶようにしましょう。
底つき感のイメージ | |
仰向け | |
横向き |
敷布団の厚みはあなたの体重をもとに考えましょう。
そうでないと腰を痛めてしまいます。
使用者の体重 | 必要最低限の厚さ | |
ウレタンフォーム | ファイバー | |
30kg | 5cm | 3cm |
60kg | 7cm | 5cm |
80kg | 10cm | 7cm |
100kg | 13cm | 10cm |
ただ、ここで注意点が1つあります。
素材によってサポート力が変わる点です。
イメージ | 体圧分散 | 反発弾性 | 吸湿性 | 放湿性 | 洗濯耐性 | 重量目安 | |
木綿 (綿/コットン) | ◯ | ◯ | ◎ | △ | △ | 6kg | |
ポリ エステル | ◯ | ◯ | △ | – | ◯ | 3.5kg | |
羊毛 (ウール) | ◯ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | 3.5kg | |
キャメル (らくだ) | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | 3kg | |
真綿 (絹/シルク) | ◯ | ◯ | ◎ | ◯ | △ | 3kg | |
ウレタン フォーム | ◯ | ◎ | △ | – | △ | 6kg |
(重さはシングルサイズのものの目安です。)
例えば、真綿の敷布団の厚み10cmと、ウレタン敷布団の厚み10cmではサポート性がまったく違ってきます。
このような理由から、腰・背中のサポート性を重視する方におすすめできる敷布団は以下のようなものになります。
- ポリエステル固わた入りの敷布団
- ウレタン入りの敷布団
- ウレタン素材の敷布団
- アンダーマットレスと敷布団の組み合わせ
もしあなたが腰に疲れや痛みを抱えているのなら、是非これらを目安に選ぶようにしてください。
具体的な商品については2章でご紹介しています。
1-2. 蒸れにくさ重視の素材の吸放湿性を重視した選び方
眠るとき、人の体温は下がります。
体温を下げることで、脳と体を休められるのです。
だから、寝具の吸放湿性が大事なのです。
蒸れない睡眠環境にすることで体温調整ができ、快適に眠れるようになります。
そこでこだわってもらいのが素材です。
素材 | 肌触り | 吸水性 | 放湿性 | 洗濯 | 費用 | |
綿(コットン) | ◯ | ◎ | △ | ◯ | 中 | |
ポリエステル | ◯ | △ | – | ◎ | 低 | |
レーヨン | ◯ | ◎ | ◯ | △ | 中 | |
麻(リネン) | △ | ◎ | ◎ | ◯ | 高 |
側生地と中わた。
どちらも吸放湿性の高いものを選びましょう。
例えば、羊毛やキャメル、シルクなどです。
コットンは吸水性は高いものの放湿性が低く乾きにくいため、干すのに時間がかかる欠点があります。
とはいえ、羊毛やキャメルなどは高価なため薄いものが多いです。
そのため、アンダーマットレスと羊毛敷布団などのように組み合わせることをおすすめします(かなり高価にはなりますが)。
1-3. 手入れを楽にするための選び方
敷布団の最大の欠点が「手入れの手間」です。
毎日押し入れから出し入れしなければなりませんし、週に2~3回は干さなければなりません。そうでないと湿気って寝心地が悪くなりますし、最悪、ダニやカビが繁殖することになります。
ダニ・カビ繁殖三大原因 | 発生源 | |
温度 |
| |
湿度 |
| |
エサ |
|
ただ、かなり面倒ですよね。
「そんなまめにお手入れできない」
このようにお考えでしたら、以下のような敷布団選びがおすすめです。
- ウレタン素材の敷布団
- アンダーマットレスと軽量敷布団の組み合わせ
厚みが10cm前後のウレタン素材の敷布団であれば、壁に立てかけるだけで干す作業が完了します。
お手入れがすごく楽になります。
「どうしても敷布団がいいんだ」
このようにお考えの方は、アンダーマットレスに軽量敷布団を組み合わせましょう。
軽量敷布団は2~3kgくらいですので手入れの手間こそかかりますが、軽いため簡単に行えます。
※適切なサイズの選び方
敷布団のサイズ選びは要注意です。
一般的に下記のようなサイズと用途とされています。
名称 | 幅寸法 | イメージ | 寝室目安 | 用途 |
セミシングル | 80cm | 4畳 | 1人(子供・小柄な方) | |
シングル | 97cm | 4畳 | 1人(中柄な方) | |
セミダブル | 120cm | 6畳 | 1人(大柄な方) | |
ダブル | 140cm | 8畳 | 1~2人(小柄な方2人) | |
クイーン | 160cm | 8畳 | 2人(中柄な方) | |
キング | 180cm | 10畳 | 2人(大柄な方) |
一人寝であればシングルもしくはセミダブルを選べば良いでしょう。
これについて相違はありません。
問題は二人寝用です。
結論から言うと、二人寝用ならシングル二枚がおすすめです。
まずダブルサイズは二人寝で寝るには狭すぎます。
寝返りなどがしづらいです。
寝づらくなるので二人寝でダブルはやめましょう。
そしてクイーンサイズは二人寝用のサイズとしてはいいのですが、敷布団が大きく重たくなるため手入れが大変なのでおすすめできません。
そのため、二人寝用ならシングル二枚がおすすめということなのです。
2. おすすめの熟睡敷布団9選
次に、おすすめの敷布団を紹介していきます。
2-1. エコラテ エリート 三つ折り敷布団型マットレス
- 製品:エコラテ エリート 三つ折り敷布団型マットレス
- 価格:19,990円
- 【商品ページはこちら】
敷布団型マットレスです。
3万円前後の予算で考えている人におすすめです。反発弾性45%の柔軟な寝心地に加えて、凸凹プロファイル加工で適度な体圧分散性になっています。
厚みが10cmになっているため、敷布団のようにコンパクトに折りたたんで押入れに収納できます。敷布団の手軽さと、マットレスの寝心地を兼ね備えた仕上がりになっています。
無駄を削ぎ落として最高のコストパフォーマンスを目指しました。自社製品なので恐縮ですが、まさに優秀(エリート)な自信作です。ただいま「60日トライアル返品無料プログラム」を設けています。この機会をお見逃しないようご利用ください。
2-2. セルプール ハイブリッドマットレス
- 製品:セルプールハイブリッドマットレス
- 価格:39,000円
- サイズ:98×197×8cm
- 【商品ページはこちら】 / 【セルプール紹介ページはこちら】
トップクラスの弾力性(反発弾性63%)を持った敷布団型ウレタンマットレスです。
厚みがたった8cmの薄型マットレスですが、ウレタン密度が50Dとずば抜けて高いので、見かけによらずしっかりと体をサポートします。また、ウレタンフォームが吸放湿するため、ウレタンマットレスなのにムレにくいという素晴らしい性能を持っています。自社製品で手前味噌ですが、心から惚れ惚れする寝心地です。
2-3. 木綿敷布団
- 製品:木綿敷布団
- 価格:11,691円
- 【販売ページ@楽天】
木綿敷布団は、昔ながらの寝心地が好みの方にうってつけです。
中央がやや盛り上がるように仕立て上げられ、分厚いながらも腰が落ち込みにくく寝姿勢を悪くしないよう工夫が凝らされているのも手作りだからこその味わいです。ただ、木綿は汗の吸収にすぐれるものの、渇きにくい欠点があるため、きちんとこまめに干すことを怠らないようにしましょう。
2-4. 洗濯機で洗える軽量敷布団
- 製品:洗濯機で洗える軽量敷布団
- 価格:7,490円
- 【販売ページ@ベルメゾン】
丸ごと洗濯機に突っ込んで洗える敷布団です。キレイ好きの方におすすめです。
中わたが0.6kgと軽量なので、洗うのも干すのも手間がかからずとても楽に行なえます。薄めなため体の大きい人だと底つき感がある可能性もあります。やや硬めの敷布団やトッパーと組み合わせて使うとよいです。
2-5. アラエマックス
- 製品:アラエマックス
- 価格:15,999円
- 【販売ページ@楽天】
こちらも洗える敷布団です。
丸ごと洗えるわけではないのですが、ポリエステルわた+ポリエステル固わた+ポリエステルわたの3層構造になっておりそれぞれを分割することのできため、一番上の汚れやすいところだけを簡単に洗える設計になっています。洗える敷布団で寝心地がしっかりしているものをお探しの方におすすめです。
2-6. 西川 体圧分散羊毛棍敷き布団
- 製品:西川 体圧分散 プロファイル固わた羊毛棍敷布団
- 価格:12,300円
- 【販売ページ@楽天】
わた+固わた+わたの3層構造になっている敷布団です。
固わたが入っているのでフローリングの上にこれ1枚だけでも底つき感少なく寝られるしっかりとした作りになっています。また、羊毛わたをブレンドしているので、体圧分散性にすぐれていますし、弾力性のある気持ちいい寝心地です。
2-7. 西川ムアツ敷布団ベーシック
- 製品:西川 ムアツ敷布団
- 価格:23,900円
- 【販売ページ@楽天】
ポリウレタンフォームの敷布団です。
しっかりと体を支えるクッション性はやはりウレタンフォームが頭一つ抜きん出ています。また、ウレタンフォームの表面に凸凹のプロファイルカットが施されているため、体圧分散性と通気性が良くなっています。重量も4.7kgと敷布団としては手軽に持ち上げられる重さです。
2-8. ビラベック 羊毛敷布団
- 製品:ビラベック 羊毛敷布団
- 価格:59,400円
- 【販売ページ@楽天】
羊毛ベッドパッドを世界で初めて作った会社の羊毛敷布団です。
木綿わたやポリエステルわたにはない、独特な弾力性が気持ちいです。また、羊毛にコーティングやヒダをそぎ落とすなどの加工を施していないため、羊毛本来の調湿機能が失われていなく快適に寝られます。ただ、体の大きい方にはこれ1枚だけだとサポート性に若干難があるかもしれません。
2-9. イワタ キャメル敷布団
- 製品:イワタ キャメル敷布団
- 価格:72,360円
- 【販売ページ@楽天】
特別洗浄が施されたキャメルの毛が使われた敷布団です。
羊毛と同じく弾性に富んだ気持ちい寝心地です。さらに、キャメルの毛も保温性・吸放湿にすぐれるので、暖かいのにムレにくく快適に寝られます。ただ、こちらも羊毛敷布団と同じく、何かしらしっかりめの敷布団やトッパーの上に重ねて敷いて寝られると、より底つき感なく寝られます。
3. 敷布団の使い方の目安
あなたに合う敷布団は見つかりましたか?
次に、敷布団をどう使うかについて解説します。
3-1. 床置きかベッド利用か
敷布団は床に敷いて使うものです。
しかし、ベッドの上で使うことも可能といえば可能です。
それぞれ以下のようなメリット・デメリットがあります。
床置き | ベッドの上 | |
省スペース | ◎ | △ |
湿気対策 | △ | ◯ |
ハウスダスト | △ | ◯ |
床冷え | △ | ◯ |
費用 | ◯ | △ |
睡眠環境のことを考えるとベッドの上で寝るほうが良いですが、スペース性や費用のことを考えると床置きも捨て難いです。
あなたの生活スタイルに合うほうを選びましょう。
なお、ベッドの床板が畳になっているものだと、ベッドの上でも違和感少なく敷布団が使えるのでおすすめです。
すのこ | 畳 | 張り板 | |
画像 | |||
素材 | スチールor木材 | 木材 | 木材 |
クッション性 | △ | ◯ | △ |
調湿性 | △ | ◯ | △ |
通気性 | ◯ | △ | △ |
耐久性 | ◯ | ◯ | ◯ |
価格 | ふつう | 安い | 安め |
3-2. シーツやパッドの組み合わせ方法
敷布団にそのまま寝るのはやめましょう。
シーツやパッドなどを上手に組み合わせましょう。
敷きパッド | ベッドパッド | ベッドシーツ | トッパー | プロテクター | |
画像 | |||||
役割 |
|
|
|
| |
厚み | 1~2cm前後 | 3~4cm前後 | 5mm前後 | 3~5cm | 5mm前後 |
温湿度調整 | ◎ | ◎ | ◯ | × | △ |
汚れ防止 | ◯ | ◯ | △ | △ | ◎ |
洗濯 | △ | △ | ◯ | × | ◯ |
体圧分散性 | △ | ◯ | × | ◎ | × |
とはいえ、全て使う必要はありません。
おすすめの使い方を紹介します。
- 【敷布団→敷きパッド】
最低限の組み合わせです。シーツだけ敷かれる方がいますが、シーツだけでは汚れを防ぎきれません。何か一枚だけ敷くなら敷きパッドがおすすめです。敷きパッドは週に1度ほど洗い替えしましょう。 - 【敷布団→敷きパッド→シーツ】
敷きパッドだけ敷いていると洗濯が大変です。そのため、余裕があればその上にさらにシーツを敷くことをおすすめします。この場合、シーツを週に1~2回洗って、敷きパッドは2~3ヶ月に1回洗っていただけば結構です。
4. 敷布団選びによくあるQ&A
敷布団ユーザーによくある疑問です。
一度目を通しておきましょう。
4-1. 打ち直しは可能か?
基本的に打ち直しは、木綿敷布団しかできません。
お店によっては羊毛も対応可能なところがなくはないですが少ないです。
打ち直しの料金など詳しくはこちらのページ『布団の打ち直し価格の相場、考えるべきポイント』で解説しているので参考にしてください。
4-2. 敷布団はダニが繁殖しやすい?
繊維わたはダニの住処になりやすいです。
特に、天然繊維や湿気りやすい素材だと、ダニが繁殖しやすいです。
素材ごとにランク付けをするなら、木綿>羊毛>キャメル>ポリエステル>ウレタンの順番です。ダニが気にならなら、洗える敷布団や、ウレタン敷布団がおすすめです。
4-3. 湿気・カビ対策には何をすればいいのか?
以下のお手入れを怠らないようにしましょう。
- 敷布団を敷きっぱなしにしない
- 敷布団は週に2~3回干す
- ウレタン敷布団なら週に1~2回は壁に立てかける
- 除湿シートを敷布団の下に敷く
- 敷きパッドを敷布団の上に敷く
あなたのご家庭の環境にもよりますが、湿気が強いのであれば尚更注意するようにしましょう。
4-4. フローリングに直に敷布団でも大丈夫?
大問題というほどではありませんが、フローリングの上で敷布団を使っていると、
- 敷布団が湿気りやすい
- 底つき感がでやすい
などに悩まされることも少なくはないです。
もしあなたが気になるのなら、湿気対策に除湿シート、底つき感対策に薄めのトッパーやコルクマットなどを活用するとよいでしょう。
4-5. 冬の底冷え(床冷え)対策には何をしたらいい?
木造の一軒家に住んでいると、布団の下から伝わる冷気で凍えますよね。
敷布団の下にコルクマットやカーペット(絨毯など)を敷きましょう。安い割にはけっこう効果があるのでおすすめです。
フローリング | 畳 | 除湿シート | 床置きすのこ | すのこベッド | コルクマット | アルミシート | |
画像 | |||||||
吸湿性 | △ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | ◯ | △ |
通気性 | △ | △ | △ | ◯ | ◎ | △ | △ |
保温性 | △ | ◯ | △ | △ | △ | ◯ | ◎ |
クッション性 | △ | ◯ | △ | △ | △ | ◯ | ◯ |
アルミシートは保温性こそ高いものの、床と敷布団の間に入れるとその上下の温度差により結露が一層ひどくなることがあります。
そのため、布団の結露対策のために敷くのは避けるようにしましょう。
4-6. 敷布団の洗い方は?
「洗える敷布団」以外は洗えません。
繊維が固まりダマになるため寝心地が一気に低下するからです。そのため、洗えることを重視しているなら、洗えることが明記されている敷布団を選ぶようにしましょう。
とはいえ、洗える敷布団はクッション性が低いものが多いため、寝心地の観点からはあまりおすすめできません。寝心地が良い敷布団を洗う必要がないよう保護して使うことをおすすめします。
4-7. クリーニングに出すのは可能?
家で洗うことができない敷布団は、クリーニングに出してキレイにしましょう。
基本的にクリーニング可能ですが、ダメなものやドライクリーニングのみのものがあります。
- 固わた入りは基本不可
- ウレタン入りは基本不可
- 磁石入りは不可
- 羊毛・キャメルはドライクリーニング
こちらページ『敷布団クリーニングの料金、素材別注意点などのまとめ』で料金などをご説明しているので合わせてご参考にしてください。
最後に
あなたが素晴らしい敷き布団を選ぶための一助になっていれば幸いです。