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睡眠時間の理想とは?適切な長さを判断する方法

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睡眠時間が世間一般よりも長かったり短かったりして心配に思ってはいないでしょうか。

睡眠は年齢、個人差などにより適切な時間が全く異なります。そのため、他人の経験・アドバイスなどもほとんど当てになりません。

そこで本日は、「あなたにとって適切な睡眠時間を判断する方法」をご紹介します。

1. 理想的な睡眠時間とは

まず必要とされる睡眠時間には個人差、年齢差、季節による変化があることを認識しましょう。

1−1. 個人差のある理想的な睡眠時間

必要とする睡眠時間は人によって異なり、睡眠時間が短いショートスリーパー(短時間睡眠者)、ロングスリーパー(長時間睡眠者)、その中間一般的な人の3タイプに分けられますが、以下のように定義されています。

一般的には、少なくとも6ヶ月以上の間、睡眠時間が9時間以上である者を長時間睡眠者、6時間以下である者を短時間睡眠者と分類しています。

(引用:『医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック』宮崎総一郎・佐藤尚武 編著)

なお、ショートスリーパーとロングスリーパーはそれぞれ人口の5~10%の人数で存在すると言われています。

5417人の理想的な睡眠時間
5417人の理想的な睡眠時間

有名な例ですが、エジソンやナポレオンは1日3,4時間しか眠らなかったと言われ、アインシュタインは反対に1日10時間以上も眠っていたと言われています。

短時間睡眠者が羨ましがられることがありますが、こればかりは生まれつきの特性のため容易に真似できるものではありません。そのため、あなたに必要な眠りの量を理解しその中で良質な睡眠をとることが大切です。くれぐれも睡眠時間を削るなんてことはしないようにしましょう。

1−2. 年齢別でも異なる理想的な睡眠時間

また、必要とする眠りの量は年齢によっても大きく変わってきます。個人差はありますが一般的には以下のように加齢と伴に睡眠時間は短くなっていきます。

年齢 理想的な睡眠時間
5~9歳 10.5時間
10~13歳 10時間
14~18歳 8.5時間
19~30歳 7.75時間
31~49歳 7時間
50~70歳 6時間
70~85歳 5.75時間

(引用:Roffwarg HP, et al: Ontogenic development of the human sleep-dream cycle. Science, 152: 604-619, 1996)

睡眠のよくある悩みに「以前のようにぐっすりと長時間眠れなくなった」というものがありますが、生理的現象としての一面もあるので仕方のない部分もあります。もちろん、眠りに悪影響を与える生活習慣(後述)を知らず知らずの内に行っている方もいるので、その場合は生活の改善により眠りを深く長くすることが期待できます。

1−3. 季節にも影響される睡眠時間

意外と知られていませんが、季節によって環境が変わるため睡眠時間も変わります。一般的に7~8月に短くなり、11~12月に長くなります。理由は諸説あるのですが、

・夏期は日照時間が長くメラトニンが多く合成される
・夏期は早朝から気温が高いので目覚めやすい
・冬期は日照時間が短くメラトニン合成量が減る
・冬期は寒さのため体が疲れやすい

必要な睡眠時間だけでなく起床のしやすさも変わります。そのため、冬になると睡眠時間が長くなる上、なかなか起きられなくてお悩みの方もいるかもしれませんが、体のメカニズムとしては自然なことだと受け止めましょう。もちろん、生活習慣に一工夫することでズレを軽減させることを期待できるので、その方法に関しては2章をご覧ください。

1−4. 現在の睡眠時間があなたに適切か確かめる方法

ここで気になるのが「今のあなたにとって適切な睡眠時間」だと思います。そこで、適切な睡眠時間が取れているのかどうか、「睡眠時間を調整し、その結果体調が改善するか否か」で確かめてみましょう。

睡眠時間が足りていないと感じる場合

日中に頻繁に眠気を感じる場合、睡眠時間は大きく足りていません。

また、「以前よりも集中力が落ちた」「最近イライラしやすくなった」と感じる場合も、睡眠時間が若干足りていない可能性があります。というのも、本人すら気づかない内に睡眠が不足していることがあり、「たくさん眠ってみたら能力・精神力が高まった」という実験結果すらあるためです。あなたも該当している可能性があります。

そのため、まずは10日間ほど睡眠時間を1日1時間増やしてみましょう。その結果として、日中の眠気や集中力、落ち着きが改善されたら、「今までの睡眠時間+1時間」があなたにとって理想的な睡眠時間だといえます。

睡眠時間が過剰だと感じている場合

この場合、睡眠時間を減らしてみるのも一手です。睡眠時間を短くしても体調に変化がなければ問題ありません。

睡眠時間と死亡の危険率
睡眠時間と死亡の危険率

因果関係こそ明確に分かっていませんが、睡眠時間が7時間を中心に長すぎても短すぎても不健康との関連性が高まることが報告されています。そのため、例えば睡眠時間を9時間から8時間に減らしても体調に変化なければ、8時間睡眠を維持していく方が良いです。

しかし、睡眠時間を減らした結果、日中に眠気が生じたりパフォーマンスの低下が感じられる場合は、睡眠が不足していると捉えて睡眠時間を元に戻すようにしましょう。もし、過眠症の疑いなどが気になる場合は、睡眠外来を受診することをおすすめします。

また、「昔より長い時間眠らないと疲労が回復しなくなった」という場合、生活習慣・寝具に問題がある場合があります。その場合、2章でご紹介する生活改善をご一読ください。

1−5. 睡眠時間を調節する上での注意点

「睡眠とはこうあるべきだ」と世間で伝えられている言説には必ずしも正しくないものがあります。誤解している知識を睡眠に応用してしまうことで睡眠に悪影響が出てしまうことがあるので、心当たりがあれば確認しておきましょう。

「22~2時が最適な睡眠の時間帯」説は正しくない

「22~2時が睡眠のゴールデンタイムでこの間に眠っていると成長ホルモンの分泌が促される」と聞いたことがあるかもしれませんが、正しくは「眠り始めの3時間(厳密には第1睡眠周期の徐波睡眠中)がゴールデンタイムであり、その間に成長ホルモンが多く分泌される」ということです。

そのため、例えば、あなたの睡眠時間が6時間半で起床予定時刻が午前7時半であれば、午前1時に就寝していれば問題ないのです。睡眠時間が足りていれば、あえて早寝をする必要はありません。

むしろ、「早寝をしなければ」と意識することにより眠りが妨害される可能性すらあります。

早寝の意識が不眠の原因となることがある

早寝をするために眠くないのに寝床に入ることは止めましょう。

なかなか寝付けないことにストレスを感じたりすることで不眠の原因になる可能性があったり、「寝床=眠れない」という認識の関連付けが働くことでも睡眠に悪影響が出ます。また、あまり眠くない状態で入眠出来たとしても、「眠りが浅いため少しの物音や刺激で目が覚めてしまい、その後眠れなくなってしまう」なんてことも起こりえます。

なので、早寝を意識しないようにしましょう。少し難しいかもしれませんが、起床予定時刻から逆算した眠るべき時間帯に体が疲れて眠りたくなるようにできることが理想です。

「睡眠時間は90分周期で刻むべし」説も正しくはない

「睡眠にはリズムがあり90分の倍数の睡眠時間だと眠りが浅いタイミングで楽に起床できる」と聞き、眠る時間を調整している方もいると思います。しかし、これは必ずしも全ての方に当てはまる訳ではないのです。

…81分から100分までの周期は全体の41.9%で、残りの約60%は90分周期からは、ずれているのです。

(引用:『睡眠のトリビア2』宮崎総一朗、北浜邦夫、堀忠雄 編著)

睡眠の浅深リズムの周期を平均があくまで90分ということであり、大半のケースでは当てはまらないのです。なので、今まで90分の倍数の睡眠時間を心がけてきたにもかかわらずスッキリ起床できてこなかった方は、80分の倍数、100分の倍数、などとあなたの睡眠リズムを探るように睡眠時間を調整してみることをおすすめします。

2. 睡眠を良質化する9つの心得

「季節によって明らかに睡眠の質が変わる」「以前より長く眠らないと疲労感がとれない」「睡眠が浅くなった」

もしあなたがこのようなことに心当たりがあれば、睡眠時間ではなく睡眠の質に問題がある可能性があります。その場合は以下の9つの点を意識して生活習慣の改善を測ってみましょう。簡単に出来そうな点から改善していただくだけで、睡眠の質が大きく変わることを期待できます。

①光との付き合い:午前中は日光をたくさん浴び、夜間は明るい光を避ける。これにより睡眠ホルモンのメラトニンが多く維持できる。また、冬期は多めに日光を浴びる。
②体温の調整:就寝1時間前から体をクールダウンさせる。体温低下と共に睡眠は深くなっていく。寝室の温湿度にも配慮する。(後述)
③リラックス:就寝1時間前は頭をクールダウンさせる。スムーズに寝付き、深い眠りに入っていけます。
④寝床の温湿度:布団内は温度33℃前後、湿度50%前後が睡眠に最適。熱帯夜はエアコン、扇風機、冷感寝具を活用すること。
⑤日中の仮眠:20分以内で就寝の9時間前まで終える。これ以上は睡眠圧を下げ夜間の眠りが浅くなる。
⑥飲酒と食事:就寝の3時間前に終える。これ以上は夜間の睡眠を浅くする。
⑦カフェイン:夕食以降は摂取を控える。これ以降は夜間の睡眠を底質化する。
⑧眠くない時:眠くなってからベッドに入る。
⑨寝具:良質な寝具を使用する。へたっていたり劣化している寝具での睡眠は体を痛めることも。

メカニズムから説明すると長くなるので端的に説明しましたが、詳細を把握しておきたい方はこちらの記事で解説しているのでご一読ください。

良質な睡眠を適切な時間とっていただければ、あなたの日中の活動は今までよりもずっと活発で生産的にできるはずです。是非改善出来そうなことから始めてみてください。

まとめ

個人差、年齢差、季節などにより理想的な睡眠時間は変わります。

睡眠時間は長すぎても短すぎても健康に悪影響を及ぼすことがあるので、過不足がないよう適切な睡眠時間を把握するようにしましょう。

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