好奇心旺盛な方が家庭内でダニ被害に遭うと、「どの種類のダニの仕業なんだろう?」と気になってしまうと思います。
雑学情報として面白いのはもちろんのこと、ダニについて知っておくことは退治/予防の際にも役立ちます。
そこで本日は、「ダニの種類|特徴と被害のまとめ」をご紹介します。
Contents
1. 寝床に発生するダニ類
ダニと言えば寝具に潜むダニが身近なものとしてあげられます。
研究者がタオルケット、敷布団、枕をそれぞれ4つずつ用意し、そこに潜むダニの数を数えたところ以下のようなダニが発見されました。
どの家庭の寝具にも共通して見られるダニは、チリダニ、ツメダニ、ホコリダニが代表的です。
次に、これらのダニについて詳細を説明します。
1−1. チリダニ科
表からも分かるように、寝具に突出して多いのがこのチリダニです。
一般的にチリダニと呼ばれますが、厳密にはヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニの総称です。
(引用:一般財団法人 大阪防疫協会)
チリダニは、アレルギーを起こすダニです。人を刺咬することはありませんが、チリダニの糞、卵、抜け殻、死骸などがダニアレルゲンとなり、人に被害をもたらします。
成虫で0.3mmと小さく乳白色のため、肉眼で確認することは困難です。
そのため、チリダニがどれくらい寝床に潜んでいるか確認することは難しく、寝床でくしゃみや鼻づまりなどの症状が出てから、チリダニが大発生していたことにようやく気づくということもあります。定期的に換気をするなどのお手入れが大切です。
ダニアレルギーの症状の詳細、検査方法などはこちらのページ『【保存版】ダニアレルギーの症状、原因、対策の総まとめ』をご参考にしてください。
1−2. ツメダニ科
寝床の中のダニとしては3番目に多いとしても、ツメダニの数は全体の約1%程度です。
(引用:一般財団法人 大阪防疫協会)
しかし、たった1%とはいえ、存在感はとても大きいです。なぜなら、ツメダニこそが人を(偶発的にですが)刺咬するダニだからです。
また、ツメダニは他のダニを食べて繁殖します。そのため、ダニが多い環境でのみツメダニの数は増えます。つまり、ツメダニに刺された時というのは、その背後に何百匹というダニがいるのです。そのため、寝ている時にダニに刺されたのなら、ベッドのダニ対策を本格的に行う必要があるのです。
こちらのページ『手軽で効果抜群!布団の正しいダニ退治方法』で10通りのダニ退治方法から、効果的なものをご紹介しているので併せてご参考にしてください。
1−3. ホコリダニ科
0.1mmととても小さく、人を刺咬することもなく、アレルギーへの関与も不明のため、気持ち悪さ以外に害はほとんどありません。
屋外では農作物に付くことが多く、家庭で発生する場合は、畳の上がほとんどです。
畳の上に薄黄色の光沢のあるとても小さなダニがいたら、それはホコリダニでしょう。
2. ツメダニと勘違いされる真犯人たち
次に、「ダニ(ツメダニ)に刺された」と思ったら、実は違っていたケースの犯人たちです。
マダニ、ノミ、南京虫(トコジラミ)がそれに当たるのですが、チリダニ・ツメダニと比較すると以下のような差があります。
それでは次に、それぞれの詳細を説明していきます。
2−1. マダニ科
マダニは基本的に屋内で発生することはなく、山や草むらなどの自然から持ち帰ってしまうことが大半です。
(写真引用:広島県HP)
また、人を刺咬というよりは吸血するのが大きな特徴です。
さらに、3~4mmと他のダニと比べるととても大きく、吸血後は異常に体が膨れ上がり1cmになることすらあります。
もし、肌に吸血中のマダニを発見したら、むやみに取るのは危険です。そのまま病院に行き、引き抜いてもらうようにしましょう。
2−2. ノミ
ダニ(と思わしき何か)に刺された時、もしその犯人がピョンピョン飛び跳ねていたら、それはノミである可能性が高いです。
ダニやマダニ、後述する南京虫なども飛び跳ねることはなく、ノミだけが持つ特徴になります。
また、もしノミなのか確認したい場合、少し気持ち悪いですが、虫眼鏡などを使い足を見ると特定しやすいです。ノミは足が6本ですが、ダニは8本です。
2−3. 南京虫(トコジラミ)
- 刺された箇所が強烈に痒い
- 手足などの露出している箇所を中心に刺された
- 数日前まで海外にいた
などに該当する場合、それは南京虫による咬刺の可能性が高いです。
南京虫が起こす痒みはダニ以上です。皮膚科で診てもらいましょう。そして、もし家庭に南京虫がいる場合は、専門の駆除業者に依頼することをおすすめします。市販の薬剤では退治しきれないことがあります。
3. 他のダニ達
他にも様々なダニがいます。
世界中にダニは4万種以上いますが、人間の住環境に生息する(野外からの迷い込むことも含む)ダニは100種類ほど見つけられています。日本に限ると、一軒の家屋からは多くとも20種類程度のダニが見られるそうです。
例えば、以下のようなダニたちです。
- コナダニ
パン粉や小麦粉などの粉ものの食料袋に発生することがあります。夏場に畳にも大発生するこもあります。人間に対して咬刺、吸血などはしませんが、アレルギーの原因となるので注意が必要です。 - オオサシダニ
ネズミを媒介して住宅に侵入し、屋根裏などで大繁殖するイエダニが代表的です。0.6~0.7mmのベージュのダニが屋根裏に大量発生していたら、イエダニでしょう。燻煙剤で退治しましょう。 - タカラダニ
赤やオレンジ色の派手なダニです。土壌や住宅の外壁などにいることが多く、家庭に発生することは稀ですが、何かの拍子に家庭に迷入してくることがあります。 - ヒゼンダニ
人の肌の角層に潜り込み繁殖します(疥癬症)。一般的な家庭で発生することはほぼありません。介護施設などで間接的にもらってしまったり、肌と肌の触れ合いから移ることが大半です。 - ニキビダニ
顔ダニとも呼ばれるほど人の顔面での常在度が高いダニです。ニキビのような発赤を残すことからこの名前がついています。
最後に
ダニの種類ごとの特徴や、どのような被害があるのかなど、お分かりいただけと思います。
知らず知らずの内に大量のダニアレルゲンと接触してしまう可能性があるので、ダニが大発生してから事後対策をするのではなく、出来るだけ事前に予防をしておくようにしましょう。