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比較で分かる!真綿(絹/シルク)敷布団の特徴と知るべきQ&A

※敷布団の素材別の特徴、機能性を比較した選び方についてこちらのページ「【熟睡敷布団のおすすめ7選】正しい選び方3つのコツ」で徹底解説しています。真綿素材だけでなく、より網羅的な敷布団選びの情報をお探しでしたらあわせてご参考にしてください。

敷布団を買い替えようといろいろなモノを比較検討していると、

「真綿(絹/シルク)の敷布団ってポリエステルや木綿(綿/コットン)のと比べて高いけど、そんなに寝心地がいいのかな?」

などと疑問に感じることはないでしょうか?

私どもの繊維業界では、絹糸といえば宝石のようなものです。艶やかな光沢。摩擦を感じさせないなめらかさ。すぐれた吸水性。繊維としての性能は抜群です。

ということで本日は、

  • 真綿敷布団の特徴
  • 真綿敷布団の購入前に知っておきたいQ&A

について解説していきます。

著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
取材依頼はお問い合わせから。
インスタグラムでも情報発信中⇒フォローはこちらから。


1. 真綿(絹/シルク)敷布団の特徴|他素材との比較

まずは、敷布団を素材別に、以下の5つの点から比較していきます。

寝心地や使い勝手など、大切なポイントです。

  • サポート性(寝心地、体圧分散性)
  • 吸湿性(ムレにくさ)
  • 重さ(取り扱いの手軽さ)
  • 洗濯(洗えるかどうか、洗いやすさ)
  • 価格
 イメージ体圧分散反発弾性吸湿性放湿性洗濯耐性重量目安
木綿
(綿/コットン)
cotton16kg
ポリ
エステル
3.5kg
羊毛
(ウール)
wool13.5kg
キャメル
(らくだ)
camel13kg
真綿
(絹/シルク)
silk13kg
ウレタン
フォーム
regular-foam16kg

(重さはシングルサイズのものの目安です。)

さあ、それでは次に、この羊毛敷布団の評価について具体的に説明していきます。

1−1. 真綿敷布団の寝心地はそこそこ

お店に真綿布団を見に行くと、「掛布団は品ぞろえが多いけど、敷布団は少ない。なんでだろう?」と感じられるかもしれません。

それは単純に、真綿は敷布団よりも掛布団に向いているためです。クッション性や体圧分散性は良くも悪くもないため、敷布団としての寝心地はほどほどです。

例えば、木綿(コットン)敷布団だと、日干しをするとふかふかになり、気持ちよく寝られますし、羊毛(ウール)の敷布団だと、天然のクッション性のため快適な寝心地です。どちらかというと、敷布団としてよりも、他素材の敷布団と重ねて使ったり、ベッドパッドのようにマットレスの上に敷いて使うほうに向いています。

1−2. 真綿敷布団は吸湿性にすぐれて快適

ただ、真綿は吸湿性にすぐれているので、べとつきが少なく快適に寝られます。例えば、木綿だと、汗をよく吸うものの乾くのが遅いため、背中がベトっと感じられることがあるのです。

しかし、真綿はというと、湿気の吸収と発散のどちらにもすぐれています。だからこそ、高温多湿の日本で、長く愛されているのです。

1−3. 真綿敷布団は重くないので干すのは手軽

真綿敷布団はシングルサイズで約3kgの重さです。

ウレタンマットレスや、木綿の敷布団と比べると半分くらいです。干したり、押し入れから出し入れしたりするのも、億劫にならない重さです。

1−4. 真綿敷布団は繊細なので洗濯は大変

自宅の洗濯機洗いはおろか、コインランドリーでの洗濯ももってのほかです。

クリーニング店でも真綿布団は取り扱い不可のところもあるので、あなたがご利用のクリーニング店で洗うことができるか、購入前に確認しておくことをおすすめします。

ちょっとした汚れであれば、部分的にぬるま湯で手洗いをするのもアリです。が、中性洗剤を使い、やさしく洗い、生地を日光で痛めないように日陰で乾かすようにしましょう。

1−5. 真綿敷布団は超高価

絹糸の原料である蚕(カイコ)を育てるのも、蚕の繭からわたをつくるのも、わたを挽くのも手作りで行われることがほとんどです。

そのため、一枚20万円を超えるほどの価格になるのです。真綿布団が作られるまでの動画がありますので、ご覧になってみて下さい。


2. 真綿敷布団の購入前に知るべきQ&Aと注意点

先に紹介した特徴に加えて、以下のQ&Aと注意点に目を通していただければ、より満足のいく布団選びにお役立ていただけます。

2−1. 特別なお手入れはいるのか?

真綿は動物性天然繊維で虫に食われる恐れがあるため、保管時は不織布の袋に入れるようにしましょう。

また、強い日光に晒されると、黄変してしまったり、生地が傷んでしまいます。干すときは陽の動きに注意しましょう。

2−2. 寿命はどれくらいか?

真綿敷布団の寿命(耐用年数)は3~5年です。

毎日、体の重みをうけることで、真綿の繊維同士がくっついてしまうためです。腰のあたりのぺたんとへたってしまい寝心地が悪くなってきます。もちろん、日陰干しのお手入れをきちんとできるかで寿命は変わってきますが、あまり長期間使えるものではありません。

2−3. 打ち直しはできるのか?

真綿敷布団は、打ち直しではなく、引き直しをして再生させることができます。ミルフィーユのように幾重にも重なった真綿を、バラして重ね直します。

とはいえ、繊維がくっついていたり、固まっていたら、ほぐしたりしなければなりませんし、手作業で行うことになるので費用はとても高くつきます。また、どこの布団屋さんでも引き受けられる作業ではありません。真綿布団を購入したお店から、メーカーに依頼してもらう流れになります。


最後に

私の考えになりますが、真綿は敷布団ではなく掛布団としてその価値を完全に発揮できるものと思います。

もしくは、ウレタンマットレスの上にベッドパッドのようにして使うと、欠点を補いながら快適に使えるのでおすすめです。

また、以下のページで綿、羊毛、ポリエステルなどの素材別に、腰・背中をリラックスさせて眠るためのサポート性、キレイに維持するための衛生性、日常生活を楽にするための取扱性、の3つの点から敷布団の選び方をご紹介しています。是非あわせてご参考にしてください。

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