ダニ

【布団乾燥機でダニ退治】各種類の比較、効果的に絶滅させる方法

※ダニの原因から症状、布団・マットレスなどの対象別の対策をこちらのページ「これで絶滅!ダニの発生原因、症状、駆除、予防の総まとめ」で徹底解説しています。布団乾燥機以外の対策も比較検討したい方はあわせてご参考にしてください。
  • 布団乾燥機の種類にはどんなのがあるんだろう?
  • それぞれ効果が変わるのかな?
  • 適切な使用方法とは?

などの疑問を感じたことはないでしょうか。

実のところ、あなたに適切な製品を選べていなかったり、処理が不適切だと、ダニを完全に退治できませんし、アレルギー症状を抑えることができません。

そこで本日は、

  • ダニ退治のための布団乾燥機の選び方
  • 効果的にダニ退治ができる布団乾燥機の使い方
  • 布団乾燥機でのダニ退治とその他の方法の比較

などについて分かりやすくお伝えします。

著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
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インスタグラムでも情報発信中⇒フォローはこちらから。


1. ダニ退治のための布団乾燥機の選び方

まずは、ダニ退治を軸にした、布団乾燥機の選び方からご説明します。

布団乾燥機3タイプの比較

布団乾燥機には以下の3つのタイプがあります。

  1. 乾燥マットを用いるもの
  2. ホース(orアタッチメント)を用いるもの
  3. 乾燥機からダイレクトに温風を出すもの

それぞれのメリットとデメリットは、以下の表のようになっています。

 乾燥マットホース+アタッチメントダイレクト
形状futon-dryer1futon-dryer2No Image
長所温風を効率的に布団内に
行き渡らせられるので効果が高い
乾燥マットほどではないが
温風を広範に行き渡らせる
用意の手間は少ない
短所布団に乾燥マットを
設置・撤去する手間がかかる
布団がダブルサイズ以上だと
温風の広がりに不安あり
温風が一部にしか届かなことがあり
効果が低くなることも

もしあなたがダニ対策を重視して布団乾燥機を選ぶのなら、以下の2点を念頭に置いて選ぶことをおすすめします。

  • ダイレクトタイプは温風の広がりが物足りないことがあるため避ける。
  • 乾燥マットタイプかホースタイプかは好みで決めても良いが、布団のサイズがダブル以上であれば乾燥マットタイプの方が全体に温風を届けられる。

この2点を踏まえた上で、細かな機能の好みが合い価格への納得があれば、その布団乾燥機はあなたに相応しいと考えられます。

※注:電気代が気になるかもしれませんが、1時間当たり13円前後で製品毎に大差はありません。(計算式:電気料金 = 消費電力W × 使用時間 × 1時間の電気料金(26円で計算) ÷ 1000)

おすすめの布団乾燥機3選

それでは上記の点を踏まえて、おすすめの布団乾燥機を3つご紹介します。

製品:日立 アッとドライ HFK-VH770 N
価格:13,663円
【当製品の販売ページ】

乾燥マットは無く、ホースに大きなアタッチメントを装着して使用するタイプの布団乾燥機です。アタッチメントによる温風の拡散力によりダブルサイズの布団にまで対応します。乾燥マット無しで手軽に設置・使用を考えている方におすすめです。

ダニ対策のために使用する場合の所要時間が表面120分、裏面60分の合計3時間と、他の製品よりもパワフルなのが特徴です。3時間というと長く感じられるかもしれませんが、布団の表面だけでなく内部までしっかり温めて乾燥させてダニを退治するには短い部類に入ります。

製品:シャープ DI-FD1S-W
価格:13,817円
【当製品の販売ページ】

こちらの製品のおすすめポイントは、乾燥マットもホース+アタッチメントのどちらも利用可能という点です。なので、どちらの使用が自分に合っているか分からないとお悩みの方にとてもおすすめです。ダニ対策のための運転には表面120分、裏面120分で合計4時間必要です。やや時間がかかりますが、乾燥マットでムラなく全体に温風を行き渡らせられるメリットがあります。

製品:パナソニック FD-F06A7-A 
価格:5,940円
【当製品の販売ページ】

乾燥マットタイプの布団乾燥機です。大変リーズナブルな価格設定が売りです。その反面、ダニ対策運転に要する時間は表面150分、裏面150分と合計5時間必要です。そのため、増えてしまったダニを熱の力で一斉に退治するという利用方法よりは、定期的に布団を乾燥させてダニの発生・増殖を抑えるための使用方法が相応しいです。コツコツお手入れができる方におすすめです。


2. 布団乾燥機で効果的にダニ退治をする使い方

まず最初に知ってほしいのが、たった一度の処理ではダニを全滅させるのは不可能だということ。

その点を踏まえて、効果的にダニを退治するための知識と方法をご紹介します。

2−1. 布団乾燥機のダニ退治効果(実験データ)

少し古いデータになりますが、布団乾燥機によるダニ退治の効果測定をした実験があります。

左のグラフは8月の1ヶ月間、週に1回6時間(実験に使われた製品のダニ処理推奨時間と推定)布団乾燥機を掛けた敷布団のダニ数の比較、それに対して、右のグラフは同じ期間何も処理せずに使用した敷布団のダニ数の比較、をそれぞれ表しています。(※表内のその他とは、チリダニ以外のダニです)

ご覧の通り、何も処理しなければ敷布団のダニは増えますが、布団乾燥機は2/3程度に減らして(殺して)います。

この数字を多いと見るか少ないと見るかは判断の分かれるところです。

2−2. 目的により変わる布団乾燥機の推奨使用頻度

ダニを退治したいのか、繁殖しないように予防したいのか、あなたの目的により布団乾燥機の使用方法は変わってきます。

「ダニが布団に大量発生したから一斉退治したい」という場合は「ダニ退治」の欄を、「アレルギーを持っているため極力ダニの繁殖を抑えたい」という場合は「ダニ抑制」の欄の推奨使用頻度を参考にしてください。

  • ダニ退治:朝晩2回を3日連続し、布団乾燥機でダニを一斉退治しましょう。表面に熱処理をするとダニは裏面へと逃げて行くので、表面が終わり次第裏面への熱処理を忘れずに行ってください。運転時間は各製品に記載されている所要時間を参考にしてください。
  • ダニ抑制:夏期の間はダニが発生しやすいので1~2週に1度を目安に布団を乾燥させられると理想です。冬期は月に1度を目安にして良いですが、寝室が暖かく湿った環境であれば少し頻度を上げましょう。

簡単に言うと、「布団の中でダニに刺された」という場合は朝晩2回の処理を数日連続して行い、ダニ予防のためなら定期的に布団乾燥機をかけましょう、ということです。

2−3. 温風を当てるメインのポイント

結論から言うと、布団の枕元を中心に温風が当りやすいようにすることをおすすめします。

というのも、カリフォルニア大学昆虫学部が5つのマットレスを調査したところ、足よりも頭の部分の方にダニが多く発見されたと報告しているためです。

なぜこのような差があるのかというと、頭皮から出るフケがダニの格好の餌となるからです。

そのため、温風の範囲が限られる場合は、布団の上半分(特に枕元)に焦点を当てましょう。

2−4. 乾燥後にはダニの死骸の除去を忘れずに!

なお、布団乾燥機を使った後は、掃除機でダニアレルゲンを必ず除去するようにしましょう。

ダニとダニアレルゲンの違いは下記のとおりです。

  • ダニ:【定義】生きているダニ。【被害】刺されることにより肌が腫れたり強い痒みが生じます。7~10日間程それらの症状は続きます。しかし、寝具に潜むダニの約90%を占めるチリダニは人を刺咬することはありません。人を刺すツメダニは全体のたった1%弱です。
  • ダニアレルゲン:【定義】ダニの死骸、糞、抜け殻など。【被害】ダニアレルゲンは接触・吸引してしまうことで、アレルギーや喘息を起こす原因になります。誰でも許容量を超えると症状を引き起こします。ダニの被害とは異なり、一度発症すると、完治まで数年かかることもあるのでより厄介です。
 

布団乾燥機で処理した後、布団にはダニアレルゲンが残ったままになり、そのままその布団を使ってしまうとアレルギー症状を起こす恐れがあります。

そのため、布団乾燥機の使用後は必ず、掃除機をゆっくり丁寧にかけましょう。ダニアレルギーの詳細に関しては以下のページをご参考にしてください。

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※注:布団乾燥機か布団ダニクリーナー、どちらを買うべきか?
このような質問がたまにありますが、布団乾燥機の役割は「ダニ退治・抑制」で、ダニクリーナーの役割はあくまで「ダニアレルゲンの除去」です。両方があって初めてダニ対策が成立します。とはいえ、掃除機があればダニクリーナーは特別必要ありません。

2−5. 殺ダニ効果を天日干しと比較

もしかすると、あなたは「こまめに布団を天日干しできれば布団乾燥機は不要なのでは?」と考えていないでしょうか。

2−1でご紹介した実験の一部に、天日干しによるダニ退治の効果測定も含まれています。

その内容は、8月の1ヶ月間ほぼ毎日天日干しをし続けた布団のダニ数の変化を測定したものですが、その結果は以下の表のようになりました。

ダニ数は40%減少し、チリダニ数は60%減少したと報告されています。

そのため、ダニの一斉退治のためとしてはあまり大きな効果は期待できませんが、ダニの繁殖を抑えるための方法としては十分効果が期待できます。

毎日布団干しを行えれば良いですが、そうでなければ布団乾燥機の活用を検討することをおすすめします。※当実験の布団の天日干し時間の記載がありませんでしたが、少なくとも片面につき2時間は天日干しをしているはずです。


3. 布団乾燥機でのダニ退治とその他の方法の比較

もちろん、布団のダニを退治する方法は、布団乾燥機だけではありません。全部で11通りの方法があります。

ダニ対策方法効果費用評価
コインランドリー
で乾燥処理
500円でほぼ全てのダニを退治させられます。
宅配
クリーニング
費用こそ高いですが、電話一本でダニ以外の汚れ
(カビ、汗染みなど)までも一掃してもらえます。
布団乾燥機で
熱処理
1度では絶対的な効果はないですが、朝晩2回を
連日行うことでダニ退治効果を見込めます。
スチーム
アイロン
低コストで殺ダニ効果が高いですが、布団が熱で
痛まないか素材を確認しましょう。
天日干し殺ダニ効果は低いですが、毎日行うことで
ダニ抑制にはなります。黒い布で布団を覆って行えば効果アップ。
薬剤処理リーズナブルにダニを退治できますが、
健康上、使いすぎには要注意です。
熱湯手軽で効果的だが、素材を痛めることも。
素材によっては使用感を悪化させる可能性もあります。
家庭用
洗濯機洗い
高温洗いでも布団内部のダニは退治しきれません。
なによりも、布団の中材がダマになって使用感が
大きく劣化する恐れがあります。
ダニ取り
シート
即効性がないので予防向きです。
本当にダニが発生しているのか確かめる道具として使えます。
アロマダニを追い払う効果はありますが、殺ダニはできません。
ダニ対策としては一時しのぎにしかなりません。
除湿機湿度をおさえることでダニ発生の予防ができますが、
大発生してしまったダニを退治することはできません。

例えば、数ヶ月後に買い換える予定の布団にダニが大発生してしまっている場合、私でしたら熱湯で殺ダニします。

買い換える予定のものであれば、多少生地が痛んでも惜しくないですし、何よりも低コストでダニを退治させられます。以下のページで11通りのダニ退治方法をより詳しくご紹介しています。あなたに最適な方法を見つけましょう。

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最後に

布団乾燥機でダニを退治し掃除機でダニアレルゲンを除去したら、ダニが再発生しないように寝室と布団のお手入れを出来るだけ行いましょう。以下、一例です。

  1. 寝室の窓を毎日開けて換気をしっかり行う。
  2. 布団は敷きっぱなしにしない。3日に1度は干す。
  3. 起床後すぐに布団を押入れに入れず、1~2時間空気に晒してから押し入れに。
  4. ベッドメイキングをしっかりとするよりも、マットレスの表面が乾きやすいように掛け布団はめくってマットレスの足元の方にまとめておく。
  5. 暑い季節はシーツを3日に1度、少なくとも週に1度は取り替えましょう。
  6. マットレスが両面使用可能なら半年に1度はひっくり返して使う面を変更する。
  7. ベッドパッド、敷きパッドを併用して寝汗・老廃物がマットレスに付着しないようにする。

また、ダニ対策には防ダニシーツが効果的です。以下のページでおすすめの選び方を紹介しているにでぜひご参考にしてください。

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