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夏用羽毛布団「ダウンケット」とは?冬用との違いと選び方

羽毛布団と言えば一般的には冬のものと考えられると思いますが、夏用の羽毛布団も存在します。

寝具業界では夏用羽毛布団のことを「ダウンケット」と呼びます。ただ、世の中に広く普及しているものでもないので、どんなものなのか使用感がイメージしにくいかと思います。

そこで本日は「夏用羽毛布団「ダウンケット」とは?冬用との違いと選び方のコツ」についてご紹介します。

著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
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1. 夏用肌掛け羽毛布団「ダウンケット」とは

羽毛布団には、夏用の「ダウンケット」に加えて、春秋用の「合い掛け羽毛布団」もあります。

これらを比較しながらダウンケットについてご説明していきます。

1-1. 夏用、春秋用、冬用で羽毛の充填量が異なる

まずは3つのシーズンごとに一番異なるところが、羽毛の充填量(布団の中に羽毛が詰められる量のこと)です。

シングルサイズ(150×210cm)のもので、それぞれ以下のようになります。

 夏用春秋用冬用
充填量250g前後600g前後1200g前後

羽毛の充填量によってその羽毛布団の保温性が変わります。

例えば、夏用羽毛布団にも200gしか羽毛が充填されていないものもあれば、350gも充填されるているものもあります。充填量は羽毛の質(ダウンパワー)や羽毛率(ダウンとフェザーの比率)によって変わるので、羽毛布団ごとにバラバラなのです。

「夏しか使えない羽毛布団に数万円も払うなんて勿体無い」と思われるかもしれません。しかし、ダウンケットは冬にも活用できるのです。どういうことかと言うと、ダウンケットと春秋用の合い掛け羽毛布団を重ねて冬場に使うのです。羽毛充填量を足すと約1000g近くにさせることができ冬場でも十分あたたかく寝られるのです(側生地が布団2枚分になるのでやや重くはなりますが)。

1-2. 側生地のキルト構造の通気性がよい

羽毛布団の側生地は大抵、以下の3つの構造になっています。

 市松キルト一層立体キルト二層立体キルト
イメージnormal-quiltingsingle-quilt-with-buffledouble-quilt-with-buffle
保温性
厚み薄い中間厚い
重量軽い中間重い
ドレープ性

ほとんどのダウンケットに市松キルトが採用されています。

市松キルトにすることで保温性が高くなりすぎないようにしているのです。また、使う側生地の量も少なくて済むので、軽くふわっとした使い心地を持たせられるのです。

ちなみに、私の羽毛布団コレクションの中には側生地にメッシュ部分が設けられているものがあります。

これはドイツのブランドの羽毛布団なのですが、最高品質の綿でさえ敵わないほどの通気性があり夏場でも蒸れにくくとても快適です。

1-3. 夏用の羽毛布団はかなり贅沢品

合い掛け羽毛布団と組み合わせれば冬にもお使いいただけるものの、ダウンケットはかなりの贅沢品です。

実際、夏ってタオルケットでも十分といえば十分ですからね。

しかもその上、ダウンケットは打ち直しをできないことがほとんどです。打ち直し事業者にもよりますが大抵は「羽毛充填量1.0kg未満はお断り」としているからです(合い掛け羽毛布団も同じく、打ち直し不可なことが多いです)。そのため、羽毛布団は大事に使って10年に1度打ち直しをすれば20年も30年も使えると言われることがありますが、ダウンケットはその限りではないのです。


2. 夏用肌掛け羽毛布団「ダウンケット」の選び方

もしあなたがダウンケットを買ってみようかなとお考えでしたら、以下の3つのポイントを押さえて選ぶことをおすすめします。

2-1. 羽毛のニオイが気になるならグースのものを選ぶ

羽毛布団の原料はグース(ガチョウ)のものとダック(アヒル)のものがあります。

ダックが雑食なのに対して、グースは草食のため獣臭が少ないので、ニオイに敏感な方におすすめです。

 ダックグース
画像duckgoose
体のサイズ小さめ大きめ
羽毛のサイズ小さめ大きめ
保温性普通高い
食事雑食草食
獣臭強い弱い

2-2. ふわっとした復元力が好みならグースのものを選ぶ

また、グースの羽毛はダックよりも大きくふわふわで保温性が高いので高価です。

ダウンケットに保温性は求めない方と思いますが、ふわっとした使い心地が好みならグースのものがおすすめです。

2-3. 羽毛の比率は90%以上のものがおすすめ

ダウンとフェザーの比率はものによってバラバラです。

フェザーが多いもの(特にフェザー率が50%を超える羽根布団)だと重いので夏向けではありません。理想を言うならダウン90%以上のものがおすすめです。

 羽毛(ダウン)羽根(フェザー)
画像down-materialfeather-material
風合いふわふわ芯がある
保温性
重量
フィット性
獣臭
価格

2-4. 側生地は綿100%がおすすめ

側生地の品質も羽毛と同様に、ピンからキリまでさまざまです。

まずポリエステル繊維が混紡されているものはおすすめできません。特に夏は蒸れやすいので避けましょう。

生地素材生地重量通気度評価
綿100%
(100番手)
800g前後3.0cc以上
  • 10万円以上の最高級品向け。
  • 布団と一体化するような使い心地。
綿100%
(80番手)
950g前後3.0cc前後
  • 8万円前後の高級品向け。
  • さらっとした肌触りで体によく馴染みます。
綿100%
(60番手)
1100g前後2.0cc前後
  • 6万円前後の高品質商品向け。
  • 十分快適な肌触りと肌当たりです。
綿100%
(40番手)
1300g前後1.5cc前後
  • 4万円前後の普及品向け。
  • あまりにも安いものだと生地が硬く重いことがある。
ポリエステル30%
綿70%
900g前後0.5cc前後
  • 3万円前後の低価格品向け。
  • 蒸れやすいので吸水性のあるカバーを併用すること。
ポリエステル85%
綿15%
750g前後0.5cc前後
  • 1万円前後の低価格品向け。
  • 蒸れやすいので非推奨。

出来るだけ40番手の一般的な綿素材でいいので綿100%の生地のものをお選びください。ただ、80番手を超えるような高級綿の生地はまさに極上です。睡眠を愛する人におすすめです。

2-5. 生地に特殊なダウンプルーフ加工のないものがおすすめ

羽毛布団の生地は特殊です。

羽毛が吹き出さないように目の細かい高密度織りの生地が使われています。他には、生地の裏側に薄い樹脂をラミネートすることで吹き出しを防いでいる作りのものがあります。このような生地の中には、通気性がかなり悪くなり蒸れやすいものがあるので注意が必要です。


最後に

夏用羽毛布団「ダウンケット」とはどのようなものか、そしてどのように選べばよいかご参考になっていれば幸いです。

なお、以下のページで最高の羽毛布団を選ぶために考えるべきポイント(ダウン率、ダウンパワー、充填量、水鳥の種類、側生地の品質など)とおすすめの羽毛布団について解説しています。是非あわせてご参考にしてください。

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