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羽毛布団はダニに強い。その意外な理由、万が一の予防法

「羽毛の臭いにダニが寄って来る」

このような話を聞いたことはないでしょうか。

ダニアレルギーなどをお持ちの方からすると深刻な問題ですよね。

しかし、実のところ、羽毛布団はダニに強いのです。

そこで本日は「布団布団にダニが付きにくい理由」についてご紹介します。

※羽毛と羽根の比率、ダウンパワー、充填量などのスペックを比較した選び方についてこちらのページ「羽毛布団の選び方とおすすめ9選【専門家直伝】」で徹底解説しています。羽毛の充填量だけでなくより網羅的に羽毛布団選びを進めたい方はぜひご参考にしてください。
著者情報
加賀 照虎

加賀照虎(上級睡眠健康指導士)

上級睡眠健康指導士(第235号)。2,000万PV超の「快眠タイムズ」にて睡眠学に基づいた快眠・寝具情報を発信中。NHK「あさイチ」にてストレートネックを治す方法を紹介。
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1. 羽毛布団がダニに強い2つの理由

まず、羽毛布団が一般的な綿布団と比べてダニに強いという訳は、以下の2つの理由のためです。

  1. 製造段階で洗浄・乾燥されているため
  2. 特殊な生地によりダニが入り込めないため

具体的にどういうことなのか、分かりやすく説明します。

1-1. 製造段階で洗浄・乾燥されているため

「羽毛は水鳥から採られてる訳だし、ダニとか雑菌が付いてそう」

このように思われるかもしれません。しかし、羽毛は採取されてから布団の中材になるまで、不純物を取り除くために何度も何度も洗浄されます。そして、その後、脱水・乾燥させられます。そのため、購入時に段階で、羽毛布団内にダニがいるとは考えにくいです。

1-2. ダニが生地を通り抜けられないため

「布団内部に元々ダニがいなくても、羽毛の匂いに引き寄せられて、布団の中に入り込んで繁殖するのでは?」

このように考えられることもあります。しかし、羽毛布団に使われている生地には、羽毛の吹き出し防止のため以下の2つの加工がされているため、ダニが入り込むこともほぼありえません。

  1. 高密度織り
  2. ダウン・プルーフ加工

通常の生地は、以下のイラストのように織り目に隙間があり、ここからダニが出入りします。

通常の生地には隙間がある
通常の生地には隙間がある

しかし、高密度織りの生地はこの隙間が生まれない程キツく織り上げられるので、ダニが入り込む余地がありません。

その上、生地の裏側はダウン・プルーフ加工でこの隙間が潰されるので、さらに一層ダニが入り込みにくくなります。

※あまりにも低価格な羽毛布団は対象外

「なるほど、羽毛は衛生的で、その上、ダニがほぼ通過できない生地に入れられているのか」と、ご納得されたかもしれません。

しかし、あまりにも低価格(数千円〜1万円前後)な羽毛布団は、この限りではありません。というのも、以下のような理由により、雑菌との接触、ダニの流入・繁殖、羽毛やホコリの吹き出し、などの恐れがあるためです。

  • 羽毛の洗浄が不十分なため雑菌が残っている
  • 生地の質が悪いため織りがゆるみやすい

そのため、信頼できる布団店や寝具ブランドの羽毛布団を選ぶことが大切です。


2. 羽毛布団のダニ退治・対策方法

ただ、いくら羽毛布団がダニに強いといっても、生地にダニが付くことはありますし、どうしても使用に応じて生地がゆるんでダニが内部に入りこむ可能性はあります。

その場合の、ダニ予防対策・退治方法も併せて知っておきましょう。

2-1. 羽毛布団のダニ予防対策3選

まず、羽毛布団にダニが付かないようにするための予防対策です。以下の3つの方法をお試しください。

  1. 日陰干し
    湿気らないようにすることが最も大切です。秋〜春の時期であれば、日中、日陰に干すだけで布団の上のダニを弱らせることができます。月に1〜2度を目安に行いましょう。天日干しは生地を痛めるので控えましょう。どうしても日光が当たるのなら、カバーをかけて干しましょう。
  2. 掃除機で吸い取る
    ダニは掃除機で吸い取れないと言われますが、それは布団の中に潜り込んでいるダニの話で、生地の上にいるダニであれば吸い取ることができます。2〜3週間に1度を目安にゆっくり掃除機をかけましょう。
  3. コロコロ粘着テープ
    掃除機が面倒であれば、コロコロ粘着テープでダニを取ることも可能です。とはいえ、ダニの糞などの小さなダニアレルゲンまで取り除けるかは不安なので、掃除機が一番おすすめです。

「たったこれだけ?」と思うかもしれませんが、1章で説明したように、羽毛布団は布団内部にダニが入り込みにくい構造のため、ダニの予防対策もとても手軽です。

※注:春から秋の間、羽毛布団を押入れにしまっておく際、押入れの乾燥を怠らないようにしましょう。押入れでダニを拾ってしまう恐れがあります。

2-2. 羽毛布団のダニ退治方法

とはいえ、「なんか羽毛布団の中でダニが繁殖している気がする」という場合には、ダニを退治する必要があります。

羽毛布団にダニが繁殖することはあまりありませんが、以下のようにしてダニを退治しましょう。

  • 布団乾燥機
    乾燥した熱風でダニを死滅させますが、朝晩2回の処理を連日行う必要があります。乾燥により羽毛の保湿性が若干低下してしまう欠点があります。また、処理後、ダニの死骸を掃除機で吸引除去しなければなりません。
  • クリーニング
    6,000円前後の出費になりますが、ダニ以外の汚れまでキレイにしてもらえます。しかし、羽毛布団にダニが入り込んだということは生地に問題があるはずですが、その修復はされません。他の寝具にダニがいれば、また羽毛布団にダニが発生する可能性を残したままになります。
  • リフォーム
    25,000円前後の大きな出費になりますが、ダニを退治するだけでなく、羽毛布団をほぼ新品の状態にしてもらえます。ダニが入り込みにくい生地の状態になりますので、今後のダニ予防を気楽にできます。

どの方法が1番良い、ということはありません。

お持ちの羽毛布団の価格と使用年数などの条件を含めて考えると、あなたにとってベストのダニ退治方法が浮かんでくると思います。

※注:コインランドリーでの洗濯やスチームアイロンでの熱処理は、羽毛から必要以上に油分を取り去り、羽毛布団の心地よさを損なう恐れがあるのでおすすめできません。

※羽毛布団に防ダニカバーは意味あるのか?

ダニを心配している方の場合、羽毛布団にさらに防ダニカバーをかけようか迷うこともあると思います。

しかし、羽毛布団の生地自体がダニの侵入を防ぐ働きがあるため、不要だということはここまで読んでお分かりいただけたと思います。

そのため、羽毛布団に防ダニカバーは不要です。羽毛布団のカバーは、肌触りや汗の吸い取りの良さを重視して選ぶことをおすすめします。


最後に

羽毛布団とダニの関係について十分ご理解いただけたと思います。

しかしもし羽毛布団内に何らかの理由でダニが繁殖してしまっているのなら買い替えが必要です。以下のページで最高の羽毛布団を選ぶために考えるべきポイント(ダウン率、ダウンパワー、充填量、水鳥の種類、側生地の品質など)とおすすめの羽毛布団について解説しています。是非あわせてご参考にしてください。

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