羽毛布団を圧縮して保管するのは厳禁です。
羽毛布団の生地も羽毛も悪くなり、寝心地が悪くなりますし、最悪、使いものにならなくなってしまう恐れがあるからです。とはいえ、どのように悪くなるのかイメージしづらいかと思いますし、その代わりにどうやって収納すればいいのかあわせて知りたいところだと思います。
そこで本日は「羽毛布団の圧縮がダメな理由と、正しい収納方法」についてご紹介します。
※羽毛と羽根の比率、ダウンパワー、充填量などのスペックを比較した選び方についてこちらのページ「羽毛布団の選び方とおすすめ9選【専門家直伝】」で徹底解説しています。羽毛の充填量だけでなくより網羅的に羽毛布団選びを進めたい方はぜひご参考にしてください。 |
1. 羽毛布団の圧縮がダメな理由
まずは圧縮行為が羽毛と生地をどう悪くするのか、分かりやすくご説明していきます。
1−1. 羽毛(ダウンボール)が潰れるため
羽毛布団の中には以下の写真のような羽毛(ダウンボール)がたくさん吹き込まれています。
羽毛布団を圧縮するとこのダウンボールが潰れます。そして、圧縮の期間が長ければ長いほど復元出来ずに潰れたままになってしまいます。羽毛の品質と圧縮の期間によりますが、半年ほど圧縮したままにしてしまうとサイズが半分になってしまうことさえあります。
ダウンボールが大きければ大きいほど暖かい空気を抱え込むことができる上、ふわっとした風合いになるため、「羽毛が潰れる」=「羽毛布団がぺちゃんこになり保温性が悪くなる」と言えます。つまり、羽毛布団の最大の特徴(保温性とふんわり感)が損なわれてしまうのです。いくらコンパクトに出来るといってもこれでは元も子もありません。
1−2. フェザーが生地を傷つけるため
また、羽毛布団の中には羽毛だけでなくフェザー(羽根)も少なからず充填(じゅうてん)されています。
羽毛と違ってフェザーには羽軸と呼ばれる骨のような芯が存在します。これが危険です。つまり、羽毛布団を圧縮する際に、この羽軸が生地を傷つけたり、運が悪いと生地を突き破り使いものにならなくなってしまいます。
一度生地が敗れると羽毛が吹き出してしまうので大変です。素人による補修は困難です。打ち直しといって専門業者に生地から仕立て直してもらわないといけなく費用が発生します。事業者にもよりますがシングルサイズでの費用が15,000円からと結構な負担になります。非常に勿体無い出費になるので圧縮はお控えください。
関連記事2. 羽毛布団の正しい収納方法
「羽毛布団の圧縮収納がダメなのは分かった。じゃあ一体どうすればいいの?」と疑問かと思います。ということで次に、羽毛布団の正しい収納方法についてご紹介します。
- 羽毛布団を収納・保管する前に手入れをする
汚れたまま収納してしまうと雑菌が繁殖する恐れがあるので、まずは羽毛布団をキレイにしましょう。汚れていればクリーニングに出し、汚れていないなら日陰干しをして除湿させましょう。 - 羽毛布団は不織布袋に収納する
通気性のないビニール袋に入れてしまうと中で蒸れてしまったり、ニオイがこもってしまう恐れがあります。通気性のある不織布袋に入れて保管しましょう。大抵の羽毛布団は購入時に不織布袋に入れて販売されているはずです。 - 保管場所を衛生的な空間にする
押入れなど羽毛布団を収納するところが湿気っていないか、カビが生えていないか、ダニが繁殖していないかなど衛生的にしておきましょう。また、ご自宅に保管場所がなければ、保管サービス付きのクリーニングを活用するのも一手です。
これらの収納方法の具体的な内容については以下のページで詳しく説明しているのであわせてご一読ください。
最後に
羽毛布団を圧縮してはいけない理由、圧縮せずに正しく収納する方法についてご理解いただけていれば幸いです。
なお、以下のページで最高の羽毛布団を選ぶために考えるべきポイント(ダウン率、ダウンパワー、充填量、水鳥の種類、側生地の品質など)とおすすめの羽毛布団について解説しています。さらに、お手入れ方法もご紹介しているので是非あわせてご参考にしてください。
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