「夜尿の後処理から1日が始まる」
こんな忙しない朝をお過ごしではないでしょうか。
貴重な朝の時間をシーツやパジャマ、布団の洗濯に取られるのは勿体無いです。後処理が手軽で簡単なゆとりのある朝(後処理がなければ理想ですが)を送りたいとは思わないでしょうか。
そこで本日は、「グッズの活用、生活の改善、治療薬の使用の3つの視点から夜尿症対策」についてご紹介します。
Contents
1. 3つの夜尿症対策
それでは夜尿症対策を
- グッズの活用
- 生活改善
- 治療薬の使用
の3つに分けてご紹介していきます。
1−1. 夜尿症対策グッズの上手な選び方
夜尿症は、後始末が大変なことも悩みのたねです。
そこで役に立つのが、おむつ、尿とりパッド、防水シーツです。とはいえ、様々な種類・製品があるため、選び方や使い方の違いが分からず困ると思います。
分かりやすく説明していきます。
おむつと尿とりパッドは、夜尿の頻度で使い分ける
まず、おむつと尿とりパッドは何が違うのか分からないという人のために、これらの役割の違いを説明します。
- アウター
外側のおむつです。インナーなしでアウターだけの使用でも問題ありません。パンツ型とテープ式の2つの型があり、「自分で履けるかどうか」が使い分けの目安です。もちろん、個々人の体型によりフィット感の違いもあるので、両方試してみて好むほうを使用するのもいいと思います。 - インナー
アウターの内側で使う尿とりパッドです。夜尿の頻度が高い場合、アウターを毎日交換していると金銭的負担が大きくなります。そこで、尿とりパッドをインナーとして使用し、尿とりパッドだけ毎日変えて、アウターは週に1〜2度交換することで出費をおさえることができます。
初めて購入する時によく疑問のなるのが、「アウターだけ使うべきか、両方とも使うべきか」という点です。
これに関しては、あなたの夜尿頻度を判断基準にすると良いです。
夜尿頻度が高い場合、インナーを使用するほうが結果的に負担が少ないのではと考えられます。反対に、たまに夜尿をする程度であればアウターのみ使用し、アウターが夜尿や寝汗で汚れてしまったら交換という考えで良いと思います。
おむつと尿とりパッドは、夜尿量と性別でさらに激選
またさらに、以下の2つのポイントも選ぶ際に大きな目安になります。
- 吸収力
あなたの夜尿量に合わせた吸収力のおむつ・尿とりパッドを選びましょう。1度の夜尿であれば2〜4回分の吸収量で問題ないと思いますが、夜間に2度も夜尿をする場合は3〜4回分の吸収力があるものを選びましょう。 - 性別
男女で使用面を前後逆にすることがあるので注意して使いましょう。また、横漏れにお悩みの男性のために性器をポケットに入れる構造のものや、筒型の尿とりパッドがあるので、横漏れにお困りでしたらお試しください。
防水シーツ・パッドの上手な選び方
また、おむつや尿とりパッドと並行して、万一に備えて防水シーツやパッドでの対策も大切です。
寝相などでおむつがズレてしまった時に、どうしても尿が漏れてしまうことがあるためです。
防水シーツ・パッドは、以下の3つの種類が主に販売されています。
これらのメリットとデメリットを勘案して選ぶと良いですが、上面のみ防水仕様のシーツがおすすめです。
なぜかと言うと、おむつや尿とりパッドを使用している場合、大量の尿が漏れることはほぼないからです。また、ちょっと汚れた際にパパっと洗濯・乾燥できると気持ちが大分楽でいられるためです。
1−2. 生活習慣改善リスト
また同時に、生活習慣に気を配ることで夜間尿量を減らすことを期待できます。
具体的には以下の内容です。
- 水分は夜間の摂取量を減らして、日中多めに摂る
- 塩分の摂取量を減らす
- たんぱく質の過剰摂取に気をつける
- アルコール、カフェインの摂取に注意する
夜間の水分摂取量を減らすことはもちろんですが、塩分・たんぱく質の摂取量を減らすことにも励みましょう。塩分・たんぱく質を過剰摂取すると、体内で薄めようとするため、喉が渇き水分を欲してしまうからです。
アルコール・カフェインは利尿作用があるので控えましょう(睡眠を浅くする働きもあります)。
また、寒い時期は、体を冷やさないようお風呂で温まるのも効果的と言われています。さらに、具体的な作用は言及されていませんが、炭酸浴剤が夜尿の頻度を少なくすると報告されています。
入浴剤を用いるならば、炭酸浴剤(たとえば、花王のバブなど)が夜尿の頻度を約3割少なくすることがわかっています。
(引用:『新おねしょなんかこわくない』帆足英一 著)
しかし、お風呂で汗をたくさんかいた後、水をがぶ飲みしないよう気をつけましょう。
1−3. 治療薬の使用
「来週、出張がある」「出先のホテルで夜尿したくない」
このような場合に、治療薬を使って夜尿対策をしようと考えることもあると思います。
あなたの夜尿の原因に即した治療薬を使用することで、夜尿対策として期待できます。以下の3種類が代表的です。
- 抗利尿ホルモン剤:尿を凝縮して量を減らす作用があります。
- 抗コリン薬:膀胱容量を増大する作用があります。
- 三環系抗うつ薬:上記の薬剤で効果が現れない時に使用されます。
しかし、病院を受診してすぐに治療薬がもらえることは少ないです。あなたの夜尿の原因を見極めるために、問診や尿検査を行い、その上で宿題(上記の生活改善のようなもの)が出されるためです。
そのため、治療薬を使って対策を考える場合、なるべき早めに病院を受診することをおすすめします。病院の選び方はこちらのページ『夜尿症で病院を受診するなら何科?原因別の選び方』をご参考にしてください。
最後に
ご紹介の内容であなたの夜尿症への苦労が解消されれば幸いです。
また、夜尿症治療を本格的に考えているのならこちらのページ『【図解】夜尿症の原因から治療までの体系的知識』で原因から治療法までの流れを総括しているので併せてご参考にしてください。