スヤスヤと天使のような顔で昼寝をしている我が子の顔を見ながら、
- 子供の昼寝ってどれくらいの長さが適切なんだろう?
- というか何歳まで昼寝ってさせればいいの?
などと疑問を感じたことはないでしょうか。
実際、2歳以下の赤ちゃんにとって昼寝は欠かせない活動ですが、3歳ごろになると昼寝を必要としない子もでてきます。不必要に昼寝をさせることで夜間の睡眠に支障をきたし、翌日の調子に悪影響を与えることすらあるので、たかが昼寝とあなどれません。
そこで本日は、
- 子供の年齢別の昼寝時間
- 子供の昼寝によくある悩みと疑問
について分かりやすく解説していきます。
Contents
1. 子供の昼寝に最適な時間
それではまず最初にざっくりと、子供の昼寝(と朝寝・夕寝)が年齢別にどのように変化をしていくのかチャートで理解しましょう。
朝寝(9時から) | 昼寝(12時から) | 夕寝(5時まで) | |
生後2~4ヶ月 | 1時間 | 2時間30分 | 30分~1時間 |
生後5~6ヶ月 | 1時間 | 2時間30分 | 徐々になくす |
生後7~8ヶ月 | 30分 | 2時間30分 | なし |
生後9~11ヶ月 | 30分 | 2時間 | なし |
1~1歳6ヶ月 | 徐々になくす | 2時間 | なし |
1歳7ヶ月~3歳 | なし | 2時間 | なし |
4~5歳 | なし | 徐々にしなくなる | なし |
夕寝、朝寝、昼寝の順に、日中の眠りがなくなっていきます。
それではこのチャートをもとに年齢別の昼寝について説明していきます。
2~4ヶ月は体内時計を構築していく段階
生後2ヶ月頃ではまだ体内時計がまだ定まっておらず、夜中や早朝の目覚め、昼寝や夕寝が多くなります。
しかし、生後3ヶ月頃から「日中は明るく賑やかで夜は暗くて静か」という社会的生活リズムがついてきて、少しずつまとまった眠りをするようになります。ちなみに、首が座ってくるのもこれくらいの月齢で新生児っぽさがなくなってきます。
5~6ヶ月で社会的リズムがつきだす
生後5~6ヶ月になると、朝、昼寝、夕寝こそまだありますが、さらに社会的リズムがついてきて日中と夜間の区別がよりはっきりとしてきます。
午前中に外に連れて行って光を浴びさせ、夜は静かな空間で落ち着いて眠れるよう環境を整えてあげられるようにしましょう。なお、自分の力でなんとか寝返りができるようになるのも丁度この頃ですね。
7~12ヶ月で社会的リズムが徐々にはっきりとする
生後7ヶ月以降はさらに社会的リズムがつき、朝寝・昼寝のみになり夕寝が徐々になくなってきます。
なお、夜泣きが始まるのも6~7ヶ月目以降が多いとされています。一人で夜泣きに立ち向かうのは大変なので、パートナーと共同で夜泣きに供えるようにしましょう。例えば、我が家ではその日夜泣きしたらどちらが対応するかや、対応手順(ミルク、おむつ、ゲップなど)の共有をしていました。
1歳児は夕寝がなくなり朝・昼・夜の眠りに
1歳前後の子供は、夕寝をすることはもうほとんどありませんし、徐々に朝寝も少なくなってきます。
我が家のケースで恐縮ですが、1歳前後の頃は朝寝をすることはほとんどなくなり、その代わりに10:30~13:30頃までの約3時間くらいの長い昼寝が多くなりました。
当初はちょっと「昼の遅い時刻まで寝すぎかな?」と心配になりましたが、午後にしっかり遊ばせると夜中はぐっすり眠るので問題ありませんでした。
2歳児は朝寝もなくなり昼と夜の睡眠になる
2歳前後になると、朝寝をすることもほとんどなくなります。
日中の眠りは昼寝のみになります。
ここで気をつけなければいけないのは、毎日できるだけ「一定の時刻」に「一定に時間」の昼寝を取らせることです。というのも、日中の睡眠が昼寝しかないため、昼寝のリズムが崩れるとダイレクトに夜の眠りに影響を与えるからです。
そのため、午前中に外で遊ばせる時間や、お昼ご飯のタイミングは昼寝の時刻から逆算して考えてあげたり、昼寝が長くなりすぎないようにもしてあげましょう(2−2で詳述)。
3歳児以降から徐々に昼寝が減っていく
昼寝の時間に個人差が大きく見られるようになるのは3歳ごろからです。
3歳になったばかりの子供はまだ昼寝をしますが、徐々に少なくなっていきます。江戸川大学教授で睡眠研究所長でもある福田一彦氏によると、
また都内の約2500名の幼児を対象とした調査では、3歳児で70%、4歳児で80%、5歳児で90%、6歳児で95%の子どもが自宅では昼寝をとらない事が明らかと成った。
(引用:延長保育における生活リズムの夜型化をくいとめる 福田 一彦 著)
意外ではないでしょうか?私はこの話を学会で聞きましたが、すごい衝撃でした。小学校に入る年齢になるまで子供は昼寝をするものだと当然のように思っていましたが、3歳頃から過半数の子供は昼寝を必要としなくなっているのです。
あなたの子供が本当に昼寝を必要としているかじっくり様子を見てください。
なお、福田氏の取り組みで、福島県の幼稚園で昼寝が不必要と考えられる子供を対象にやめさせた結果、朝起きる時刻は変わらないまま夜早く眠るようになったと報告されています。その後、東京都足立区でも実験を続けられ5歳以上の子供にはほぼ全て昼寝は必要ないという結論になり、足立区の保育園では2011年から5歳には昼寝をさせないこととなったほどです。
2. 子供の昼寝によくある悩みと疑問
それでは次に、子供の昼寝によくある悩みの解決法と、疑問に対する答えをご紹介します。
2−1. 昼寝をせずに夕寝をしてしまう
お昼寝を嫌がっていたから寝かせないでいたら夕方頃にウトウトしだして夕寝をさせてしまうと「22時になっても眠ってくれなくて大変だった」なんて経験はないでしょうか?
子供はまだまだ自分で睡眠を管理するなんてできませんから、親であるあなたがしっかりとコントロールしてあげないといけません。
例えば、朝早く起こして午前中に公園でいっぱい遊ばせてお昼頃に眠くなるよう仕向けましょう。そうすると、睡眠のタイミングが前倒しになり昼寝をしてくれやすくなります。そうすると、そのまま生活リズムも前倒しになるので、夜間も早い時刻に眠りやすくなります。
もしくは、あなたのお子様が4歳前後で昼寝が必要なさそうなら、夕寝をしそうなったら大好きなおもちゃで楽しませて眠気を紛らせましょう。そうして夕方の眠気を乗り切れれば、夜の早い時刻からぐっすり眠ってくれます。
2−2. 過度な昼寝の防止方法
昼寝をするけど3時間、4時間と長く眠ってしまったり、昼寝のタイミングが遅れてしまっていつも通りの長さの昼寝をすると夕方になってしまうなどのお悩みがあるかと思います。
長すぎる昼寝は夜の眠りに良くありません。
さらに、お昼寝では夜中ほどぐっすり眠らせる必要はありません。特に、夜なかなか寝付けない赤ちゃんは、夜に熟睡するためにも、お昼寝は軽めにすませておくと、疲れて眠りやすくなります。
(引用:『赤ちゃんとママがぐっすり眠れる安眠レッスン』 小山 博史 著)
このような時は、昼寝が長くならないように環境作りをしてあげましょう。
一番おすすめの方法は、部屋のカーテンを開けたままにして昼寝をさせることです。自然の光の力や生活音で子供の昼寝の時間が長くなりすぎないか様子を見ながら調整してみてください。
2−3. 子供が寝ている時に音楽を流すのはいいのか?
教育に力を入れている方の中には、「眠っている間にモーツァルトなどの音楽を聴かせてみたら脳の発育に効果があるんじゃないだろうか」と考えられる方もいます。
結論から言うと、眠っている間の音は睡眠に対して妨害的に作用すると、成人での実験から報告されています。子供に対しての実験は行われていませんが、結果は同じではないだろうかと思います。
子供に対して音楽を聴かせてあげるのは良いですが、子供が眠りに入ったら音楽は止めるようにしましょう。
最後に
子供の昼寝についての理解が深まっていれば幸いです。
なお、以下のページでこれまで紹介してきた、数々の研究で実証された良質な睡眠のために「するべきこと」と「してはいけないこと」を網羅的にまとめています。美味しいところ(結論)だけをつまみ食いできる構成になっています。是非ご一読ください。
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